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第二話 転生の儀式の行方? 転生の聖域 前編
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時を転生の儀式まで遡る。
ルナは転生の魔法陣の発動後、少しの間だが突然の覇気に集中を切らし欠けた。女神セレナと式神アンの助けによって保ち直すことに成功。
その後、魔法陣の術式によって擬似アストラル空間が構築される。同時にルナはアストラル体となってその空間の中に存在していた。
ほどなくして、脳内に直接語りかける声!
「!…誰?」
それは、アンではないことは確かであった。
「我はテン、貴女を転生の聖域に導く者だ。」
突如、眼の前に黒き翼を背に携え、縦に左半分の黒仮面をつけた長身の青年が現れた。
銀髪で銀色の瞳を宿し褐色肌を隠すように白いローブを身にまとい鏡の盾を手にしていた。
そして、テンは、淡々と話し始めた。
「転生の聖域、魂の世界」「貴女は、転生の聖域を望むものか」
YES or No
「どうした?」
「………」
「転生の聖域は、魂の存在にならないといけないの?」
「そうだ」
「もう一度聞く!転生の聖域を望むものか」
YES or No
「…」
ルナは戸惑った。この期に及んでと思われてもどうにもならない不安が押し寄せた。
それもそのはずルナは、これから行く転生の聖域とは魂でのみ行ける場所。ルナの魂は、肉体から切り離されるだから。
だたし、切り離されても、魂で繋がる式神アンがルナの魂の代行するかたちで転生の儀式を継続するのであるが。
理屈ではないようだ。
「私は、無事に戻れるの?」
「私は、本当に元の身体に戻ることができるの?」
「でも、ここで私が投げだしたら子猫の魂はマナとなって消えてしまうの?」
「仕方ないのかな…」
「ここで諦めていいのかな」「あーもう!!」
私は、なんて身勝手なこと思ってしまうの…
良心の呵責に苛まれていた。
「そんなことないよ!ルナ」
優しく語りかけるアン
「ルナは、人として生れた命を精一杯生きようと必死なだけよ。」
「それに、ルナは、まだ女神候補生よ女神の雫石に資質を認められ女神の力に目覚めたばかりの普通の小娘同然よ!」
「怖くなって当たり前よ」
「……」「……」ルナは、うつむき沈黙していた。
「ルナ…聞いて、私も正直不安よ。私は、ルナがいて式神として存在しているわ。だけど…、そんなことどうでもいいわね。
…ごめん、ルナ!私は、正直命の危険を犯してまで女神になんてなってほしくないの…
式神失格だって言われてもいいわ
私ね。ルナがいなくなるって思うと、とても不安で耐えられない……
「アン……」
「ねぇ、ルナ…」
「私はね、ルナの代りに転生の聖域に行ってもいいのよ!元々…私は魂の存在。私は、ルナがいて顕現できる仮初めの存在だもの…」
「ねぇテン! 式神である私が、代りに転生の聖域に行くことは、可能かしら?!」
なっ
「アン、だめよ何を言ってるの!」
テンは淡々とアンの問に答えた。
「むろん、魂を共有するお前なら可能ではある」
「しかし、戻って来ることはできなくなるだろう。」
「女神の資質を持たぬ式神は、魂の根源を保つことかなわぬ」
アンは、覚悟を決めたように
「……えぇ それでもいいわ!」
「もぉーーおーー!!、話しを聞けぇーーーー!!」
アンは、ルナの発する心の声に驚いた。
ルナは、頰を膨らませムッとした顔で
「もう、勝手に話し進ませないでよ」
「そーれーに!!」ルナは、テンを睨んだ!
何なんだ……?先ほどまで怯えていた……いやそんなことよりも神でもないこの娘覇気は…本当に女神候補生なのか?
「テン私が行くわ」ルナはそういい放つとアンに意識を向けた。
「ルナ…どうしちゃったの…」アンは、ルナの圧に身を震わせた。
「アン!!私は今すごく怒ってるの!!」
「分かる?……私だってアンがいなくなること望んでないのよ!それに、アン!貴女も私とともに生きる大切な命なのよ。仮初めの命なんかじゃないの…私の一番の親友なの…悲しいこと言わないで……」ルナは、途中から泣きじゃくてしまった。
プッ…ハァハァ
アンは、涙ぐみながら大笑いした。
「何よアン!心配したのよ私は!」
「ごめん、ごめん」
「私だって心配したのよルナ!」
ありがとう…!!私の親友。あなたの式神になれてよかった。アンは、心から感謝した。
「じゃあ、アン行ってくるね。」
「うん、わかった」
二人は、笑顔で拳を重ね合わせた。
「待たせたわね。テン」
「YESよ」
「さっさとやって私の決心が揺らぐ前に」
テンは、淡々と手に持つ鏡の盾をルナに向ける。
「了解した、では転生の聖域へ」
それは、一瞬の閃光とともに
ルナの魂は、肉体から消えてしまう。入れ替わるようにアンの魂がルナの肉体に移り、引き続き転生の魔法の維持に努めた。
「もう着いたぞ」
テンは相変わらず淡々とした口調で言った。
「では、私の役目はここまでだ。
後のことは、門の前にいる者が引き継ぐ。」
「……」「……」「……」
ルナは、キョトンにとした顔で眼の前の大きなまるで巨人族でも通るような閉ざされた門に茫然としていた。
「おい、聞いているのか」
「ハッ、ごめんなさい!あまりにも大きな門でつい」
「ここが転生の聖域なのね。」
「いいえ、ここは聖域の外郭にあたる場所ですよ。」
「ルナ・ティア殿」
「私はセイ、ここより私がご案内いたします。」
そう語るのは、テンとは真逆の少女。白き翼を背中携え縦に右半分の白き仮面をつけ黒き衣を纏う色白の女の子。唯一同じなのは、髪の色と瞳である。そして、金色の鷹を模した杖を手にしていた。
「えっと」
「初めまして、セイちゃん」
「ルナ・ティア殿、セイとお呼びいただけませんか!」
「私の容姿で子ども扱いされるのは仕方ないのですが、ちゃん付けはご勘弁ください。」
「あっ、ごめんなさい…」ルナは、気を取り直し
「セイ、ここが転生の聖域ではないというのはどういうことなの?」
「あぁ聖域はあの門の先にある。セイに認められないと聖域には入れないぜ」
テンは、横から割って入りそう言い放つと
「セイ、後は任せた!」
「了解ですテン」
テンは、役目を終え静かに立ち去った。
「では、門の前に向かいましょう」
「はい」
ルナは、門を見上げながら
「では、ルナ殿少し失礼しますね」
セイは、ルナの額に手をかざした。
すると、ルナの額から三日月の紋様が浮かび上がった。
「なるほど、ルナ様は三日月の女神の雫石を継承したのですね。」
「わかりました。女神の資質と資格を確認できましたので聖域の入場を許可いたします。」
セイは、手にしていた金色の鷹の杖を閉ざされし門にかざす。
金色の鷹は、杖から飛び立ち巨大な門の扉の中に吸い込まれた。それと同時に扉は、元々なかったかのように消えていた。
「では、ルナ様」
「私の後について来てください」
「あっ、はい」
「あのセイ、聖域について教えてください。」
「はい、よろしいですよ」
「では、歩きながらご説明しましょう。」
「ここは、たくさんの魂が輪廻転生をする魂の聖域です。
今、ルナ殿が入場した門は、神仏の門となります。その名の通り神々が通りし門になります。そして、この門のみ神々なら許可や認証は不必要でお通りできます。ルナ殿は、まだ正式な神ではないので確認させて頂きました。」
「その他に、精霊界の門・冥界の門があります。」
セイの説明は、まだまだ続くが
この転生の聖域は、マナの宇宙の中に構築された特別な空間で転生の魔法陣でのみ現世との道が繋がるという。
しばらく歩くと大きな石橋の向こう岸に転生の神殿が見えた。
「ルナ殿、橋を渡れば転生の神殿になります。」
「それと橋を渡る最中くれぐれも橋から身を乗り出したり、足を踏み外して落ちたりしないようにお願いします。」
「橋の下は、魂の泉です。マナから新しい魂の根源が生まれる神聖な場所ですのでその場を乱す行為は厳禁ですよ。」
「えっ!」
ルナは、橋の下の景色を覗きこもうとしていたので危なかった。
じーーーっとセイに見られていた。
「あっハァハァハァ………すみません。」
それにしても…
まるでここは月明かりに照らされた夜空のよう。
辺はキラキラとほのかに光るものか漂い溢れていた。まるでルナが昔住んだ世界のホタルの輝きのように。
「ルナ殿、この聖域を照らしているたくさんの光にご興味があるようですね。」
「はい、とても不思議な光がたくさん。なんというか幻想的な儚い光のように感じます。」
「そうですね。この光は、魂の泉より生まれた魂の光です。儚く感じられた光、泉から生れては消える魂の明滅です。ルナ殿の心がさみしさを覚えたのかもしれませんね。」
「ルナ殿は、とてもよい感性をお持ちですね。良い女神になれますよ。」セイは、軽く宙に浮くとルナに振り向き頭をナデナデした。
「あっあの…ありがとうございます。」
「それと、ここで強く光り続けられる魂はやがて新しい命に転生します。そうでない魂は消えマナに戻っていきます。」
「魂も現世の命同様に苦難を乗り越え生まれてくるのですね。」ルナは、心に熱い想いが込み上がるのを感じた。それは、魂も命も儚くも尊いことなのだと受け止めた。
「ありがとうございます。セイ」
「いいえ」セイは、ルナの顔つきが変わったのを見て微笑んだ。
その頃、現世ではアンが必死に慣れないルナの肉体を駆使して転生の魔法の維持に努めていた。
そんな時にルナの身体に危険が及んでいた。
もう、こんな時に何が起きているのよ。肌で危険を感じとれるけど今は儀式を中断できない状態なのに!
「ルナ聞こえますか?」
念話…?!セレナ様!
「私はアンです。今はルナは転生の聖域に行っています。」
「そう………では中断はできないわね…」
「セレナ様!私の後ろで身の危険を感じるのですが何かあったですか?!」
「えぇ…今…少しトラブルが発生しています……でも心配せずに集中して儀式をやり遂げてください。」
「……」
「いいですね!!アン頼みましたよ!」
「はい!」アンは、詳しい説明なくともこれは、ただ事でないことを確信した。そして、
転生の儀式の継続が困難になる可能性を肌で感じたアン。
「今は、どんな事があろうと儀式の成功とルナの身体を守ること。私のすべてをかけることになっても成し遂げるわ!」
早く戻って来てルナ!!
現世で大変な事が起きていることなど知るよしもないルナ。
そして、今。
転生の神殿では2匹の子猫の魂と対面している最中のルナとそれを見守るセイの姿がいた。
この子猫達は特別な転生の魂として、現世の頃の姿となっていた。この子猫と言っても現世の時は聖獣猫又の子ども、身体も人の子どもほどの大きさであった。
「初めまして、あなたの名前は茶茶で」
「そして、あなたが雪ですね」
「ミャー」「ミャー」
「えっと…」どうしよう会話ができない…
「ルナ殿、子猫という概念を捨てることです。」
「ここは、魂と魂の繋がる場所ですよ。あなたなら魂の声を感じとり心で会話することができるはずですよ。」
セイのアドバイスを素直に受け入れたルナは、子猫の魂の声に寄り添い心で感じるよう努めた。
ミャー…ミャー「おねーちゃん…誰」
ミャー…ミャーー「お兄ちゃん怖いよ」
ミャーミャー「ここは、どこなの?」
聞こえる、心の声が聞こえた。もしかしたら、こうしたら伝わるかしら!!ルナは、感性に従い子猫の魂とリンクしようと集中した。
「私は、ルナよ。分かるかしら!」
「!」「ミャー」「ルナおねーちゃん?」
「!」「そう」「私は、ルナよ」
成…功…した?!
「ルナおねーちゃん僕の声がわかるの?」
「お兄ちゃん」「このおねーちゃん私達の気持ち伝わるの?」
「ええ、わかりますよ。私の声がわかりますか?
」
「!」「うん」「うん」「わかるよルナおねーちゃん」
「よかった」ルナは、満面の笑みで2匹の子猫を抱きしめた。
「ねぇ、ルナおねーちゃん私とお兄ちゃんはここで何をしているの。」
「それはね、私が茶茶と雪二人を現世に転生させるのよ。」
茶茶と雪は不思議そうに、首を傾げた。
「僕と雪は、死んでいたの?」
「えぇ、…ごめんなさい…今は魂だけの存在なの…」
「どうして、死んだの?」「思い出せないよ!」「私も思い出せないよお兄ちゃん」
「ごめんなさい!それは、あなたのお父様の遺言によって答えられないの。」
この娘達の父親は、生前の忌まわしい記憶で苛まれないように願っていたのだ。
「唯一伝えられるのは、お父様のお力であなた達の魂は魂であり続けることができたの」
ルナは、辛く哀しい気持ちをこらえたが涙が溢れでた。これは、魂の涙。
「おねーちゃん泣かないで…」「ルナおねーちゃん泣かないで…」
「うん、ありがとう」
「あのね、これから茶茶と雪に協力してほしいの」
「できるかな」
「僕たちは、何をするの?」
「それは、私から説明しますね。」
ルナを見守っていたセイが語り始めた。
「改めて、私はセイこの転生の神殿を任された転生の神です。今は、あくまでサポート的存在に徹してます。」
「では、あなた達は二人には、この階にある中央の祭壇の上に移動していただきます。」
セイは、杖を子猫の前に構えると子猫の達は一瞬のうちに中央の祭壇の上に転移した。
その後にルナとセイは祭壇の前に転移。
「さぁ、ルナここからは、あなたの番ですよ。」
「まず第一段階」
「祭壇には、魔法陣が施されています。ここで、あなたがこの子たちの望む転生の姿をイメージするのです。
それが、新たな魂の外核となります。
例えるなら、ソウルフォーマットです。
人なら人の魂の外核
獣なら獣の魂の外核
亜人なら亜人の魂の外核
龍族なら龍族の魂の外核
魔族なら魔族の魂の外核
と転生させる種によって変換か必要となります。」
「魔法陣発動は、現世と同じ神聖力を送り込めば可能です。」
「魂の存在でも神聖力を行使できるのですね。」
「もちろんです。魂は、元はマナの集合体が魂の根源たる核を形成して生れたのです。」
「そして、神聖力もまた、マナを変換しているのですからいつも通りにやってみて」
「あなたなら可能よ」
「はい」
ルナは、祭壇に手をかざしいつも通りにイメージした。
ルナの周りに白い聖なるオーラが現れた。
「茶茶、雪聞こえますか?」
「うん、聞こえるよ」
「私も聞こえるよ、おねーちゃん」
「これからね、あなた達二人の魂を私の住む世界の獣人族に転生しようと思うのね。」
「獣人族ってどんな人たちなの」
「そうね、こんな感じなの」ルナはイメージを子猫と共有した。
「猫耳と尻尾がある人たち何だね。」
「わー一緒だねお兄ちゃん」
「それと、獣人族のこの夫婦の子どもに転生させてあげようと思ってるの」
「…うん僕はイイよ二人一緒なら」
「ありがとう」
「それじゃまず獣人族の魂のファームに変換するね」
「うん、おねーちゃん信じて頑張る」「私も頑張る」
ルナは、魔法陣の第一段階を勧めた、魔法陣が発動術式が展開された。魔法陣の中は白い光の柱となってなかの様子は見ることができなかった。
「しばらくすると、白い柱の光は消え
中から二人の青年と少女が現れた」
人の年齢でいうと18才くらいの青年と16才の少女くらいの容姿になっていた。それときちんと猫耳と猫又の特徴である二本の尻尾がついていた。
「茶茶、雪どう何かおかしいところない?」
「うん、僕は大丈夫だと思うよ」
「私も大丈夫………やっぱり大丈夫じゃないよおねちゃん」
「どうしたの?」
「私の胸が山みたいになってるよ」
アッハァハァ
「大丈夫よ、雪ちゃんは女の子だから成長するとお胸が山みたいになるのよ。」
「ほんとだ、妹の胸が山みたいに膨れてるよ!」茶茶は、眼をキラキラ輝かせ不思議そうに見ていた。
「アワワワ"""!茶茶は見てはいけません!あっち向いててお願い!………」
「なんで駄目なの?」
「いいから!!」
「もう、わかったよ………」少しふてくされてしまった。
ごめんね、まだ幼い無垢な茶茶には申し訳ない…
それにしても困った。まさか…擬人化スタイルの魂に変換すると裸のままとは…どうしましょう。
「セイ様、少し裸のままでは眼のやり場に困りますので何か隠せるものありませんか」
「別にそのままでもよろしいと思いますが、魂の素の状態とてもよくフォームチェンジできてますよ。」
「よくありません!!」ルナは顔を赤らめ反論した。
「やれやれ、最近の現世ではその様なことを気にするものなのかね。」
「ほれ、これでよいか」セイは、手をかざすとあっという間に子ども達は白いローブに身にまとった。
「でも、何で私の場合現世と同じ服を着ていたのかしら」
「あぁ、それはルナ殿が服を着る習慣が魂に刻まれているからですよ。」セイは淡々と説明してくれた。
「それじゃ茶茶と雪は元々服を着る習慣がないから裸のままだったのね」ルナは、納得した。
「茶茶、雪聞いて今あなた達のその姿は転生し新しい命を与えられたら赤ちゃんになるの。」
「実は、私の実力では、新しい肉体や命の生成はできないの。」
「それと、記憶の継続する?」
茶茶と雪は、話し合った。そして顔見合わせルナのほうに向いて
「僕と雪はうっすらだけど父や母の温もりを覚えてるの…だから…えっと覚えていたいです。」
「それと、僕と雪は新しい命を与えてもらえることがとてもうれしいんだ。ありがとう!おねちゃん」
「うん、こちらこそありがとう」
それじゃ
「最終フェーズに入るわね」
ガタガタ ガタガタ
地震 ?!
いや、ここで地震はないよね?大気のイヤ…
この聖域のマナが揺らいだ!
「ルナ!早めに転生を終わらせましょう!!」
セイが真剣な口調で
「何やらルナ殿の世界で異変があるようです。
」
突然、神殿内のマナがかき乱され嵐のような乱気流がルナ達を襲った。
「ルナ殿大丈夫ですか?」
間一髪のところをセイ様が結界を張って防いでくれた。
「まだ、転生の魔法陣は解いていませんね!」
「はい」
そうだ!!
「茶茶と雪は?!」
「おねちゃん助けて飛ばされそう」
茶茶が必死に妹の雪を守っていた。
ルナ殿!!
とっさにルナは、茶茶と雪の元に駆け寄り覆いかぶさるようにして結界を張った。「大丈夫よ、あなた達は私が必ず守るから!!」
いったい何が起きているの?!
セイ!聞こえるか… …
テン、外で何が起きてるの?
現世に異変…転生の魔法陣…は安定を……失って暴走が始まっ…ている。
よく聞き取れない…どうして?
それ…は、魔法陣…の…なかに女神…雫石……
雫石?
ズズズズズズズ↓↓↓
セイは、反射的に身を竦めた。この重圧感は何?
ルナの眼の前に?!
「女神の雫石?」
「まさかあれはアスラの?」
何か嫌な予感… 「!」
「ルナ殿それに触ってはダメ!!!」
えっ
その警告は意味をなさなかった。
女神の雫石から触手のようなものがルナの手に巻き付いた。
キャー 何よこれ?!
「力が吸われているみたい」
まずいわ「ルナ殿早く手放すのよ」
このままでは、ルナ殿の神聖力が奪い尽くされてしまう。
「セイ様、手に巻き付いて取れません…」
ルナは、朦朧としてきた。
「おねいちゃん!」
茶茶は、ルナを見てとっさにルナから雫石を取り上げようと試みた!
「この、離れろ!クソ何なんだよこれ?」
「おねーちゃんから離れろよ」
「!」
「やばっい!このままでは結界が解けてしまう。魔法陣の維持も辛くなってきた。」
アン、無事に戻れないかも……
アンごめん…
「私!消えかけてるの…!?」
ルナの身体が薄くなり始めた。
「!」
ルナ?!
アンは悟った。ルナが消えかけていることを!
「セレナ様ー!!!」
女神セレナは、その一言で自体を把握しルナの身体の横に転移した。
「魔法の制御変わるわ」
「すみません!後のことお願いします」
「アンまさか…あなた…」
「……ルナの身体もお願いします」
アンはそう言うとアンの気配が消え、ルナの身体は力をなくし倒れかけそうになる。寸前で式神ホセが抱き抱えた。
「ありがとうホセ」
その頃アンは、擬似アストラル界にいた。
「ねぇテン聞こえてるのでしょ」
「この事態も知ってるはずよ!」
「よくこの空間に自力でこれたな!」
「そんなことどうでもいいわ」
「あたしをルナの元に連れてって」
「…」
「ルナを助けたいのよ」
「…」
「式神アンよ前に言ったが戻って来れなくなるがよいのだな」
「決心は硬そうだな」
「分かった、アンよ向こうに行ったらセイという者にことの事情を伝えるのだ」
「私は、お前達の魔法陣のゲートと聖域のリンクが途切れないようにしておいてやる。ただし、急げ!!お前の主ルナ・ティアの魂が消えかけている。」
「この魂と肉体の糸が見えるか」
「えぇ見えるわ」
「よし、この糸の先にルナがいる。この糸を使い強制的にお前をルナの元に転移させるぞ!」
「分かったやってちょうだい!」
「潔よいな気に入った!」「では、この糸を掴め決して離すな!」
テンは、鏡の盾をアンに向けた。閃光とともにアンは聖域へと消えた。
ルナは転生の魔法陣の発動後、少しの間だが突然の覇気に集中を切らし欠けた。女神セレナと式神アンの助けによって保ち直すことに成功。
その後、魔法陣の術式によって擬似アストラル空間が構築される。同時にルナはアストラル体となってその空間の中に存在していた。
ほどなくして、脳内に直接語りかける声!
「!…誰?」
それは、アンではないことは確かであった。
「我はテン、貴女を転生の聖域に導く者だ。」
突如、眼の前に黒き翼を背に携え、縦に左半分の黒仮面をつけた長身の青年が現れた。
銀髪で銀色の瞳を宿し褐色肌を隠すように白いローブを身にまとい鏡の盾を手にしていた。
そして、テンは、淡々と話し始めた。
「転生の聖域、魂の世界」「貴女は、転生の聖域を望むものか」
YES or No
「どうした?」
「………」
「転生の聖域は、魂の存在にならないといけないの?」
「そうだ」
「もう一度聞く!転生の聖域を望むものか」
YES or No
「…」
ルナは戸惑った。この期に及んでと思われてもどうにもならない不安が押し寄せた。
それもそのはずルナは、これから行く転生の聖域とは魂でのみ行ける場所。ルナの魂は、肉体から切り離されるだから。
だたし、切り離されても、魂で繋がる式神アンがルナの魂の代行するかたちで転生の儀式を継続するのであるが。
理屈ではないようだ。
「私は、無事に戻れるの?」
「私は、本当に元の身体に戻ることができるの?」
「でも、ここで私が投げだしたら子猫の魂はマナとなって消えてしまうの?」
「仕方ないのかな…」
「ここで諦めていいのかな」「あーもう!!」
私は、なんて身勝手なこと思ってしまうの…
良心の呵責に苛まれていた。
「そんなことないよ!ルナ」
優しく語りかけるアン
「ルナは、人として生れた命を精一杯生きようと必死なだけよ。」
「それに、ルナは、まだ女神候補生よ女神の雫石に資質を認められ女神の力に目覚めたばかりの普通の小娘同然よ!」
「怖くなって当たり前よ」
「……」「……」ルナは、うつむき沈黙していた。
「ルナ…聞いて、私も正直不安よ。私は、ルナがいて式神として存在しているわ。だけど…、そんなことどうでもいいわね。
…ごめん、ルナ!私は、正直命の危険を犯してまで女神になんてなってほしくないの…
式神失格だって言われてもいいわ
私ね。ルナがいなくなるって思うと、とても不安で耐えられない……
「アン……」
「ねぇ、ルナ…」
「私はね、ルナの代りに転生の聖域に行ってもいいのよ!元々…私は魂の存在。私は、ルナがいて顕現できる仮初めの存在だもの…」
「ねぇテン! 式神である私が、代りに転生の聖域に行くことは、可能かしら?!」
なっ
「アン、だめよ何を言ってるの!」
テンは淡々とアンの問に答えた。
「むろん、魂を共有するお前なら可能ではある」
「しかし、戻って来ることはできなくなるだろう。」
「女神の資質を持たぬ式神は、魂の根源を保つことかなわぬ」
アンは、覚悟を決めたように
「……えぇ それでもいいわ!」
「もぉーーおーー!!、話しを聞けぇーーーー!!」
アンは、ルナの発する心の声に驚いた。
ルナは、頰を膨らませムッとした顔で
「もう、勝手に話し進ませないでよ」
「そーれーに!!」ルナは、テンを睨んだ!
何なんだ……?先ほどまで怯えていた……いやそんなことよりも神でもないこの娘覇気は…本当に女神候補生なのか?
「テン私が行くわ」ルナはそういい放つとアンに意識を向けた。
「ルナ…どうしちゃったの…」アンは、ルナの圧に身を震わせた。
「アン!!私は今すごく怒ってるの!!」
「分かる?……私だってアンがいなくなること望んでないのよ!それに、アン!貴女も私とともに生きる大切な命なのよ。仮初めの命なんかじゃないの…私の一番の親友なの…悲しいこと言わないで……」ルナは、途中から泣きじゃくてしまった。
プッ…ハァハァ
アンは、涙ぐみながら大笑いした。
「何よアン!心配したのよ私は!」
「ごめん、ごめん」
「私だって心配したのよルナ!」
ありがとう…!!私の親友。あなたの式神になれてよかった。アンは、心から感謝した。
「じゃあ、アン行ってくるね。」
「うん、わかった」
二人は、笑顔で拳を重ね合わせた。
「待たせたわね。テン」
「YESよ」
「さっさとやって私の決心が揺らぐ前に」
テンは、淡々と手に持つ鏡の盾をルナに向ける。
「了解した、では転生の聖域へ」
それは、一瞬の閃光とともに
ルナの魂は、肉体から消えてしまう。入れ替わるようにアンの魂がルナの肉体に移り、引き続き転生の魔法の維持に努めた。
「もう着いたぞ」
テンは相変わらず淡々とした口調で言った。
「では、私の役目はここまでだ。
後のことは、門の前にいる者が引き継ぐ。」
「……」「……」「……」
ルナは、キョトンにとした顔で眼の前の大きなまるで巨人族でも通るような閉ざされた門に茫然としていた。
「おい、聞いているのか」
「ハッ、ごめんなさい!あまりにも大きな門でつい」
「ここが転生の聖域なのね。」
「いいえ、ここは聖域の外郭にあたる場所ですよ。」
「ルナ・ティア殿」
「私はセイ、ここより私がご案内いたします。」
そう語るのは、テンとは真逆の少女。白き翼を背中携え縦に右半分の白き仮面をつけ黒き衣を纏う色白の女の子。唯一同じなのは、髪の色と瞳である。そして、金色の鷹を模した杖を手にしていた。
「えっと」
「初めまして、セイちゃん」
「ルナ・ティア殿、セイとお呼びいただけませんか!」
「私の容姿で子ども扱いされるのは仕方ないのですが、ちゃん付けはご勘弁ください。」
「あっ、ごめんなさい…」ルナは、気を取り直し
「セイ、ここが転生の聖域ではないというのはどういうことなの?」
「あぁ聖域はあの門の先にある。セイに認められないと聖域には入れないぜ」
テンは、横から割って入りそう言い放つと
「セイ、後は任せた!」
「了解ですテン」
テンは、役目を終え静かに立ち去った。
「では、門の前に向かいましょう」
「はい」
ルナは、門を見上げながら
「では、ルナ殿少し失礼しますね」
セイは、ルナの額に手をかざした。
すると、ルナの額から三日月の紋様が浮かび上がった。
「なるほど、ルナ様は三日月の女神の雫石を継承したのですね。」
「わかりました。女神の資質と資格を確認できましたので聖域の入場を許可いたします。」
セイは、手にしていた金色の鷹の杖を閉ざされし門にかざす。
金色の鷹は、杖から飛び立ち巨大な門の扉の中に吸い込まれた。それと同時に扉は、元々なかったかのように消えていた。
「では、ルナ様」
「私の後について来てください」
「あっ、はい」
「あのセイ、聖域について教えてください。」
「はい、よろしいですよ」
「では、歩きながらご説明しましょう。」
「ここは、たくさんの魂が輪廻転生をする魂の聖域です。
今、ルナ殿が入場した門は、神仏の門となります。その名の通り神々が通りし門になります。そして、この門のみ神々なら許可や認証は不必要でお通りできます。ルナ殿は、まだ正式な神ではないので確認させて頂きました。」
「その他に、精霊界の門・冥界の門があります。」
セイの説明は、まだまだ続くが
この転生の聖域は、マナの宇宙の中に構築された特別な空間で転生の魔法陣でのみ現世との道が繋がるという。
しばらく歩くと大きな石橋の向こう岸に転生の神殿が見えた。
「ルナ殿、橋を渡れば転生の神殿になります。」
「それと橋を渡る最中くれぐれも橋から身を乗り出したり、足を踏み外して落ちたりしないようにお願いします。」
「橋の下は、魂の泉です。マナから新しい魂の根源が生まれる神聖な場所ですのでその場を乱す行為は厳禁ですよ。」
「えっ!」
ルナは、橋の下の景色を覗きこもうとしていたので危なかった。
じーーーっとセイに見られていた。
「あっハァハァハァ………すみません。」
それにしても…
まるでここは月明かりに照らされた夜空のよう。
辺はキラキラとほのかに光るものか漂い溢れていた。まるでルナが昔住んだ世界のホタルの輝きのように。
「ルナ殿、この聖域を照らしているたくさんの光にご興味があるようですね。」
「はい、とても不思議な光がたくさん。なんというか幻想的な儚い光のように感じます。」
「そうですね。この光は、魂の泉より生まれた魂の光です。儚く感じられた光、泉から生れては消える魂の明滅です。ルナ殿の心がさみしさを覚えたのかもしれませんね。」
「ルナ殿は、とてもよい感性をお持ちですね。良い女神になれますよ。」セイは、軽く宙に浮くとルナに振り向き頭をナデナデした。
「あっあの…ありがとうございます。」
「それと、ここで強く光り続けられる魂はやがて新しい命に転生します。そうでない魂は消えマナに戻っていきます。」
「魂も現世の命同様に苦難を乗り越え生まれてくるのですね。」ルナは、心に熱い想いが込み上がるのを感じた。それは、魂も命も儚くも尊いことなのだと受け止めた。
「ありがとうございます。セイ」
「いいえ」セイは、ルナの顔つきが変わったのを見て微笑んだ。
その頃、現世ではアンが必死に慣れないルナの肉体を駆使して転生の魔法の維持に努めていた。
そんな時にルナの身体に危険が及んでいた。
もう、こんな時に何が起きているのよ。肌で危険を感じとれるけど今は儀式を中断できない状態なのに!
「ルナ聞こえますか?」
念話…?!セレナ様!
「私はアンです。今はルナは転生の聖域に行っています。」
「そう………では中断はできないわね…」
「セレナ様!私の後ろで身の危険を感じるのですが何かあったですか?!」
「えぇ…今…少しトラブルが発生しています……でも心配せずに集中して儀式をやり遂げてください。」
「……」
「いいですね!!アン頼みましたよ!」
「はい!」アンは、詳しい説明なくともこれは、ただ事でないことを確信した。そして、
転生の儀式の継続が困難になる可能性を肌で感じたアン。
「今は、どんな事があろうと儀式の成功とルナの身体を守ること。私のすべてをかけることになっても成し遂げるわ!」
早く戻って来てルナ!!
現世で大変な事が起きていることなど知るよしもないルナ。
そして、今。
転生の神殿では2匹の子猫の魂と対面している最中のルナとそれを見守るセイの姿がいた。
この子猫達は特別な転生の魂として、現世の頃の姿となっていた。この子猫と言っても現世の時は聖獣猫又の子ども、身体も人の子どもほどの大きさであった。
「初めまして、あなたの名前は茶茶で」
「そして、あなたが雪ですね」
「ミャー」「ミャー」
「えっと…」どうしよう会話ができない…
「ルナ殿、子猫という概念を捨てることです。」
「ここは、魂と魂の繋がる場所ですよ。あなたなら魂の声を感じとり心で会話することができるはずですよ。」
セイのアドバイスを素直に受け入れたルナは、子猫の魂の声に寄り添い心で感じるよう努めた。
ミャー…ミャー「おねーちゃん…誰」
ミャー…ミャーー「お兄ちゃん怖いよ」
ミャーミャー「ここは、どこなの?」
聞こえる、心の声が聞こえた。もしかしたら、こうしたら伝わるかしら!!ルナは、感性に従い子猫の魂とリンクしようと集中した。
「私は、ルナよ。分かるかしら!」
「!」「ミャー」「ルナおねーちゃん?」
「!」「そう」「私は、ルナよ」
成…功…した?!
「ルナおねーちゃん僕の声がわかるの?」
「お兄ちゃん」「このおねーちゃん私達の気持ち伝わるの?」
「ええ、わかりますよ。私の声がわかりますか?
」
「!」「うん」「うん」「わかるよルナおねーちゃん」
「よかった」ルナは、満面の笑みで2匹の子猫を抱きしめた。
「ねぇ、ルナおねーちゃん私とお兄ちゃんはここで何をしているの。」
「それはね、私が茶茶と雪二人を現世に転生させるのよ。」
茶茶と雪は不思議そうに、首を傾げた。
「僕と雪は、死んでいたの?」
「えぇ、…ごめんなさい…今は魂だけの存在なの…」
「どうして、死んだの?」「思い出せないよ!」「私も思い出せないよお兄ちゃん」
「ごめんなさい!それは、あなたのお父様の遺言によって答えられないの。」
この娘達の父親は、生前の忌まわしい記憶で苛まれないように願っていたのだ。
「唯一伝えられるのは、お父様のお力であなた達の魂は魂であり続けることができたの」
ルナは、辛く哀しい気持ちをこらえたが涙が溢れでた。これは、魂の涙。
「おねーちゃん泣かないで…」「ルナおねーちゃん泣かないで…」
「うん、ありがとう」
「あのね、これから茶茶と雪に協力してほしいの」
「できるかな」
「僕たちは、何をするの?」
「それは、私から説明しますね。」
ルナを見守っていたセイが語り始めた。
「改めて、私はセイこの転生の神殿を任された転生の神です。今は、あくまでサポート的存在に徹してます。」
「では、あなた達は二人には、この階にある中央の祭壇の上に移動していただきます。」
セイは、杖を子猫の前に構えると子猫の達は一瞬のうちに中央の祭壇の上に転移した。
その後にルナとセイは祭壇の前に転移。
「さぁ、ルナここからは、あなたの番ですよ。」
「まず第一段階」
「祭壇には、魔法陣が施されています。ここで、あなたがこの子たちの望む転生の姿をイメージするのです。
それが、新たな魂の外核となります。
例えるなら、ソウルフォーマットです。
人なら人の魂の外核
獣なら獣の魂の外核
亜人なら亜人の魂の外核
龍族なら龍族の魂の外核
魔族なら魔族の魂の外核
と転生させる種によって変換か必要となります。」
「魔法陣発動は、現世と同じ神聖力を送り込めば可能です。」
「魂の存在でも神聖力を行使できるのですね。」
「もちろんです。魂は、元はマナの集合体が魂の根源たる核を形成して生れたのです。」
「そして、神聖力もまた、マナを変換しているのですからいつも通りにやってみて」
「あなたなら可能よ」
「はい」
ルナは、祭壇に手をかざしいつも通りにイメージした。
ルナの周りに白い聖なるオーラが現れた。
「茶茶、雪聞こえますか?」
「うん、聞こえるよ」
「私も聞こえるよ、おねーちゃん」
「これからね、あなた達二人の魂を私の住む世界の獣人族に転生しようと思うのね。」
「獣人族ってどんな人たちなの」
「そうね、こんな感じなの」ルナはイメージを子猫と共有した。
「猫耳と尻尾がある人たち何だね。」
「わー一緒だねお兄ちゃん」
「それと、獣人族のこの夫婦の子どもに転生させてあげようと思ってるの」
「…うん僕はイイよ二人一緒なら」
「ありがとう」
「それじゃまず獣人族の魂のファームに変換するね」
「うん、おねーちゃん信じて頑張る」「私も頑張る」
ルナは、魔法陣の第一段階を勧めた、魔法陣が発動術式が展開された。魔法陣の中は白い光の柱となってなかの様子は見ることができなかった。
「しばらくすると、白い柱の光は消え
中から二人の青年と少女が現れた」
人の年齢でいうと18才くらいの青年と16才の少女くらいの容姿になっていた。それときちんと猫耳と猫又の特徴である二本の尻尾がついていた。
「茶茶、雪どう何かおかしいところない?」
「うん、僕は大丈夫だと思うよ」
「私も大丈夫………やっぱり大丈夫じゃないよおねちゃん」
「どうしたの?」
「私の胸が山みたいになってるよ」
アッハァハァ
「大丈夫よ、雪ちゃんは女の子だから成長するとお胸が山みたいになるのよ。」
「ほんとだ、妹の胸が山みたいに膨れてるよ!」茶茶は、眼をキラキラ輝かせ不思議そうに見ていた。
「アワワワ"""!茶茶は見てはいけません!あっち向いててお願い!………」
「なんで駄目なの?」
「いいから!!」
「もう、わかったよ………」少しふてくされてしまった。
ごめんね、まだ幼い無垢な茶茶には申し訳ない…
それにしても困った。まさか…擬人化スタイルの魂に変換すると裸のままとは…どうしましょう。
「セイ様、少し裸のままでは眼のやり場に困りますので何か隠せるものありませんか」
「別にそのままでもよろしいと思いますが、魂の素の状態とてもよくフォームチェンジできてますよ。」
「よくありません!!」ルナは顔を赤らめ反論した。
「やれやれ、最近の現世ではその様なことを気にするものなのかね。」
「ほれ、これでよいか」セイは、手をかざすとあっという間に子ども達は白いローブに身にまとった。
「でも、何で私の場合現世と同じ服を着ていたのかしら」
「あぁ、それはルナ殿が服を着る習慣が魂に刻まれているからですよ。」セイは淡々と説明してくれた。
「それじゃ茶茶と雪は元々服を着る習慣がないから裸のままだったのね」ルナは、納得した。
「茶茶、雪聞いて今あなた達のその姿は転生し新しい命を与えられたら赤ちゃんになるの。」
「実は、私の実力では、新しい肉体や命の生成はできないの。」
「それと、記憶の継続する?」
茶茶と雪は、話し合った。そして顔見合わせルナのほうに向いて
「僕と雪はうっすらだけど父や母の温もりを覚えてるの…だから…えっと覚えていたいです。」
「それと、僕と雪は新しい命を与えてもらえることがとてもうれしいんだ。ありがとう!おねちゃん」
「うん、こちらこそありがとう」
それじゃ
「最終フェーズに入るわね」
ガタガタ ガタガタ
地震 ?!
いや、ここで地震はないよね?大気のイヤ…
この聖域のマナが揺らいだ!
「ルナ!早めに転生を終わらせましょう!!」
セイが真剣な口調で
「何やらルナ殿の世界で異変があるようです。
」
突然、神殿内のマナがかき乱され嵐のような乱気流がルナ達を襲った。
「ルナ殿大丈夫ですか?」
間一髪のところをセイ様が結界を張って防いでくれた。
「まだ、転生の魔法陣は解いていませんね!」
「はい」
そうだ!!
「茶茶と雪は?!」
「おねちゃん助けて飛ばされそう」
茶茶が必死に妹の雪を守っていた。
ルナ殿!!
とっさにルナは、茶茶と雪の元に駆け寄り覆いかぶさるようにして結界を張った。「大丈夫よ、あなた達は私が必ず守るから!!」
いったい何が起きているの?!
セイ!聞こえるか… …
テン、外で何が起きてるの?
現世に異変…転生の魔法陣…は安定を……失って暴走が始まっ…ている。
よく聞き取れない…どうして?
それ…は、魔法陣…の…なかに女神…雫石……
雫石?
ズズズズズズズ↓↓↓
セイは、反射的に身を竦めた。この重圧感は何?
ルナの眼の前に?!
「女神の雫石?」
「まさかあれはアスラの?」
何か嫌な予感… 「!」
「ルナ殿それに触ってはダメ!!!」
えっ
その警告は意味をなさなかった。
女神の雫石から触手のようなものがルナの手に巻き付いた。
キャー 何よこれ?!
「力が吸われているみたい」
まずいわ「ルナ殿早く手放すのよ」
このままでは、ルナ殿の神聖力が奪い尽くされてしまう。
「セイ様、手に巻き付いて取れません…」
ルナは、朦朧としてきた。
「おねいちゃん!」
茶茶は、ルナを見てとっさにルナから雫石を取り上げようと試みた!
「この、離れろ!クソ何なんだよこれ?」
「おねーちゃんから離れろよ」
「!」
「やばっい!このままでは結界が解けてしまう。魔法陣の維持も辛くなってきた。」
アン、無事に戻れないかも……
アンごめん…
「私!消えかけてるの…!?」
ルナの身体が薄くなり始めた。
「!」
ルナ?!
アンは悟った。ルナが消えかけていることを!
「セレナ様ー!!!」
女神セレナは、その一言で自体を把握しルナの身体の横に転移した。
「魔法の制御変わるわ」
「すみません!後のことお願いします」
「アンまさか…あなた…」
「……ルナの身体もお願いします」
アンはそう言うとアンの気配が消え、ルナの身体は力をなくし倒れかけそうになる。寸前で式神ホセが抱き抱えた。
「ありがとうホセ」
その頃アンは、擬似アストラル界にいた。
「ねぇテン聞こえてるのでしょ」
「この事態も知ってるはずよ!」
「よくこの空間に自力でこれたな!」
「そんなことどうでもいいわ」
「あたしをルナの元に連れてって」
「…」
「ルナを助けたいのよ」
「…」
「式神アンよ前に言ったが戻って来れなくなるがよいのだな」
「決心は硬そうだな」
「分かった、アンよ向こうに行ったらセイという者にことの事情を伝えるのだ」
「私は、お前達の魔法陣のゲートと聖域のリンクが途切れないようにしておいてやる。ただし、急げ!!お前の主ルナ・ティアの魂が消えかけている。」
「この魂と肉体の糸が見えるか」
「えぇ見えるわ」
「よし、この糸の先にルナがいる。この糸を使い強制的にお前をルナの元に転移させるぞ!」
「分かったやってちょうだい!」
「潔よいな気に入った!」「では、この糸を掴め決して離すな!」
テンは、鏡の盾をアンに向けた。閃光とともにアンは聖域へと消えた。
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