異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~

ありぽん

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11話 非常事態発生! 特別異臭警戒態勢!!

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 ぎゅうぎゅうに詰まった洗濯物の中から、引っこ抜いた物を見る私とピィ君。それは黒色の、すごく大きな靴下だったよ。

 獣人だから、人より体の大きい獣人さんが多くて、靴下もそれに合わせてすごく大きくてね。思わず、サンタさんからのプレゼントを入れてもらう時に使う、大きな靴下みたいだぁって、じーっと見ちゃったんだ。だけど……。

 その靴下を見てから数秒後に、異変が起きた。パサッと、足元で音がしたから、すぐに見てみれば、私の足の横にピィ君が落ちていて。しかも意識がないのか、ピクリとも動かず。私は慌てて、声をかけながらしゃがもうとしたよ。

 でもその瞬間、急に頭がくらっとして、私もその場に倒れちゃったんだ。本当に、手をつく暇もなくね。

「……リア? ピィ? リア!! ピィ!!」

「ぴぃ……くん」

 チェルシーさんの声が聞こえる。でも、それよりもピィ君だと思って、私はなんとかピィ君に手を伸ばそうとする。倒れた時、私はピィ君の方を向いて倒れていたから。

 でも、上手く体を動かすことができず、私の手が届く前に、駆けつけてくれたチェルシーさんが駆けつけてくれたんだ。

「リア! ピィ!」

「どうしたんだ!?」

「大丈夫か!?」

 体が動かせないからチェルシーさんしか見えなかったけど、声の感じからすると、他の獣人さんたちも集まってくれているみたい。

「リア、ピィ! どうしたの!!」

「チェルシー、動かすならそっとだぞ!!」

「分かってるわよ!! あなたはピィをお願い!! リア、少し動かすわね」

 そっとそっと私を仰向けにして、チェルシーさんがその場へ寝かせようとしてくれる。と、その時だった。

 私の体から何かがぽとりと落ちて、視界の端でチラッと見たら、あの大きな靴下が床に落ちていたんだ。倒れた時に放しちゃったみたい。

「くつちた……ごめしゃい……」

 もしかしたら余計に汚しちゃったかもしれないし、倒れた時に破いちゃったかもと、私はすぐに謝ったよ。

 だけど、チェルシーさんの反応がないんだ。すぐにチェルシーさんに視線を戻す私。すると何故かチェルシーさんの動きが止まって、騒いでいた他の獣人さんたちの声もピタッと止まり、し~んと静まり返っていたの。

 さっきはなんとか謝ったけど、やっぱり上手く話すことができず、どうしたの? と聞くことができない。

 本当、どうしたんだろう。私はただ、靴下を取り出しただけなのに。他に何かあった? もしかして……。

 ここは異世界。街は外からの攻撃に備えて、大きな壁に囲まれて守られているけど。その壁を乗り越えて、魔獣か誰かが攻撃をしてきて、それで私とピィ君はこんなことになっちゃったとか?

「……制」

 え? チェルシーさん、何?

「非常事態発生! 特別異臭警戒態勢をとって!!」

「「「はっ!!」」」

 え? 何々!? やっぱり何かあったの!? これってまずい状況? どうしよう、私はどうなっても良いけど、ピィ君だけはなんとか助けてあげて!?

「ちぇる……ち、しゃ……」

「リア、大丈夫よ。今、医務室へ連れて行ってあげるから。そうすればすぐに良くなるわ。ピィもね」

「ぴぃ……く……」

 どんどん意識が薄れていく。本当はピィ君がどうなるのか、ちゃんと確かめたかったんだけど。でも、私が起きていられたのはここまでだったよ。

 次に目を覚ました時、私はベッドで寝ていて、少し離れたところでは、ピィ君が元気よくアンドリューさんを攻撃していたんだ。

「う~ん、……ぴぃくん?」

『ぴっ!? ぴぴぴっ!!』

 起きてピィ君に声をかける。するとピィ君は、すぐに私の方へ飛んできて肩に乗り、私の顔に擦り寄りながら、

『ぴぃ、ぴぃ』

 と、鳴き始めたよ。

「ぴぃくん、どちたの?」

 寄ってきた時のピィ君、なんか泣いてる顔してなかった? 自分の今の状況がよく分からなかったけど、とりあえずピィ君を落ち着かせた方が良いかと。私は両手で包み込んでから、そっと撫でてあげる。そうしてピィ君を確かめれば、やっぱりピィ君は泣きそうな顔をしていたよ。

「ぴぃくん、どちた……」

 もう1度、ピィ君に話しかけようとした時だったよ。

「良かった!! 目が覚めたのね!!」

「はぁ、良かったわ」

「先生! リアが目を覚ましました!!」

 ドアから叫ぶアリシアさん。そして少し離れたところから、

「そうか! どれ……」

 と、レーノルド先生の声が聞こえ、数秒後、先生が部屋へ入ってきたよ。

 そして、次々に私の周りへ集まってくるみんな。集まってきたのは、総団長さん、ヒルドレッドさん、コンタンさん、アリシアさん、チェルシーさん、そしてレーノルド先生。アンドリューさんは部屋の隅っこで、正座をしたまま。……何で正座?

「しぇんしぇ、みんな、どちたの?」

「それは後でゆっくり話そう。まずは診察をさせてくれ。どこか痛いとか、気持ちが悪いとか、何かあるか?」

「うんん、ないでしゅ」

「頭はどうだ? 倒れた時に打ってはいなかったみたいだが」

「どこも、なんともないでしゅ」

「そうか」

「レーノルド、どうだ?」

「はぁ。もう、問題ないだろう。鑑定でも異常は見られない。ただ、この後気分が悪くなる、という可能性もあるからな、一応薬を出しておこう。もちろん呼んでくれれば、魔法で治すが、俺がすぐ来られない時もあるからな」

「そうだな、そうしてくれ」

「先生? 本当にもう大丈夫なんですか?」

「ああ、大丈夫だ。そうだな、冷たい果物でも食べさせてやれ。スッキリするかもしれん」

「すぐに持ってきます!!」

 バタバタと部屋を出ていくアリシアさん。その間に周りを確認すると、どうやら私は病室にいるらしい。何で病室?

 なんて思っているうちに、アリシアさんはすぐ戻ってくると、私に果物を出してくれ。私は話を聞く前に、それを食べることに。

 そうしたらレーノルド先生の言った通り、果物の冷たさで頭の中がスッキリして、しっかりと頭が働き始めた感じがしたよ。

「ふぅ」

 すぐに、全部食べ終えた私。

「リア、もっと持ってきましょうか?」

「ううん、だいじょぶ!」

「そう、食べたかったら言ってね。すぐに持ってくるから」

「あい! ……えちょ、あの、なんであたち、びょしちゅいるの?」

 ようやく話を聞くことができると、私は誰にともなく、質問をしたよ。

 そうしたら私の質問に、部屋の中にいる全員の視線が、アンドリューさんへ向けられたんだ。

 ピィ君に至っては、果物を食べ終わるまで私の肩に乗り、頬に擦り寄ってくれていたのに。私の言葉と共に、アンドリューさんの方へ突進していき、いつも以上の、突きと毛引っ張り攻撃をし始めたんだ。

 私に一体何があったのか、まだ分からないけど……。もしかしてアンドリューさん、また何かやらかしたか!?
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