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38話 思い出を持ち帰る?
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『絵ですか?』
『うん! この前友達の友達に、絵を描いてあげたらさ、すっごく喜ばれて。次の遊びに来た時、また描いてくれないかって言われたんだ』
昨日のアクアからの情報で、これから森へ来る可能性が高い、イントッシュ•アッシュフィールドのことは、アマディアスさん達が調べ、対策してくれるということで。俺は何も変わらず、いつも通りの生活をしていたんだけど。
その日の夕方、仕事を終えた俺の所へ、ジェラルドさんの仲間のグランヴィルが、話しがあるとやって来た。
ジェラルドさんの仲間では1番年下だけど、かなりガタイが良く、ジェラルドさんよりもかなり大きい格闘家だ。少し魔法も使えるけれど、魔法で何かするよりも、ただ殴る蹴るをするだけで、簡単に相手を倒してしまう。
そしてガタイが良いのを利用して、ジェラルドさん達の盾として、常に前線で守り戦ってくれる。ジェラルドさん達がとても信頼してる人物だ。
そんなグランヴィル。やはり森のために敵と戦い守ってくれているんだけど。それ以外の日は何をしているかといえば。街に家があるにもかかわらず、街ではなく森のその辺に、すぐに取り壊しができる小さな小屋を建てて。そこで魔獣達と過ごしている。
グランヴィルは魔獣達が大大大好きなんだ。それはそれはあまりの溺愛ぶりに、初めて会った人達は必ず引いてしまうほどに。
まぁ、別に悪いことじゃないから、良いっていえば良いんだけど。暇な時に会えば、魔獣の話しを永遠に聞かされて。グランヴィルを知っている俺達でさえ、最後ぐったりしてしまうこともある。
そしてそれは、魔獣達も同じで。魔獣達が大好きなグランヴィルは、魔獣達が何か困っていれば、必ずそれを解決し。魔獣達の幸せを1番に考えてくれる優しい人物のため。勿論そんなグランヴィルのことを魔獣達も大好きなんだけど。
時々その思いが暴走し過ぎて、魔獣達にも引かれることが。この前も抱っこされていたリスに似ている魔獣リッスーが。思い切り引いている姿を見てしまった。
と、ちょっと困った所もあるグランヴィルだけど。魔獣達と過ごす以外の趣味が、絵を描くことで。とても素晴らしい絵を描く。
それでこの前、施設にグランヴィルの友達家族が遊びに来たらしく。その時思い出に絵を描いてくれと頼まれたと。そにためグランヴィルはその家族の子供が、1番気に入っていた遊技場を背景に、家族の絵を描くことに。
そうして出来上がった絵を受け取った友人家族は……。かなり喜んでくれて、また遊びに来た時に描いてくれと、興奮気味にお願いされながら帰って行ったと。
その喜んでくれた姿が、とても嬉しかったグランヴィル。その事を絵描き仲間にすぐに話したらしい。
すると他の絵描き仲間も、時々そういう思い出の絵を描いてくれと、頼まれたことがあったことが発覚。
そのためさらに詳しい状況を確認し、話し合った結果。もしできるのであれば、この施設へ遊びに来た人々が、思い出を持って帰れるように。この施設の一角にお店を出させてもらえないか、と。グランヴィルが代表して、俺に話しを持って来たんだ。
それを聞いた俺。なるほどなと思った。この世界で絵を描いてもらうのは、お金持ちが多い。それは絵を描いてもらうのに、かなりの金額を取られるからだ。
もちろん一般市民も描いてもらわないこともないが、ぼったくる画家もいて、有名画家に頼むことはほとんどない。この世界では画家は結構面倒な連中なんだ。
ただ絵を描くことが好きな住民はいるから、そういう人達が時々絵を描いて、お金を稼いでいるが、他の街だと取り締まりの対象になる時も。
その点この森にある街では、そんなことは一切なく。絵を自由に描いている人達が多い。そしてグランヴィルは、かなりの腕前の持ち主で。彼の友人も同じくらい絵が上手い。
「思い出を持って帰るなんて、俺、今まであんまりそういうの考えたことなかったよ。楽しく絵が描ければ良いって。その時の事を描き留められれば、それで良いって。でもさ、楽しい時の事を家に持って帰って。それでその絵を見るたびに、みんなが楽しかった時の事を思い出して、また楽しい気持ちになってくれたら。それもとっても嬉しいなって」
そうか、そうだよな。この世界には写真やビデオカメラなんて、そんな機会ないんだもんな。思い出は心の中にが普通だ。
それがもしも目に見える物として、持って帰ることができるのなら。グランヴィルの言うように、より楽しい気持ちを味わってもらえたら。
『うん、良いじゃないか!! ただ、そうなると、やはり料金が問題になるな。友人にはプレゼントで良かったが、商売となるとな』
「それなんだけど。紙をさ、買うんじゃなくて、自分達で作れる、簡単な紙を使おうと思って。それでかなりお金が浮くんだよ」
俺はその辺、よく知らなかったが、どうも簡単に作れる紙があるらしい。特別な魔獣の力を借りるそうで。グランヴィル達はその魔獣達と契約をしていた。紙を作ってもらう代わりに、魔獣達が必要な物を用意する。
そうして簡単な紙を作って、たくさん絵を描いていたと。もちろん質は下がるが、絵を描くことに問題はないらしい。売っている紙は高いんだよ。
そして絵の具の方も。お店で売っているような絵の具は、きちんとどの素材を使うって決まっていて、そこそこの値段がするんだけど。
グランヴィル達はその辺の自然の物を使って、ささっと絵の具を作るため。毎回少しの色の変化はあるが、その色の変化も楽しみながら絵を描いているらしい。
「人によって、色が変わっちゃうけど、それでもかなり金額が抑えられるからさ。そうしたらかなりのお客さんが、絵を依頼できると思うんだ。ええと、みんなで話してて、絵の大きさで金額を変えようって。3種類用意したんだ。1番小さいのが……」
『うん! この前友達の友達に、絵を描いてあげたらさ、すっごく喜ばれて。次の遊びに来た時、また描いてくれないかって言われたんだ』
昨日のアクアからの情報で、これから森へ来る可能性が高い、イントッシュ•アッシュフィールドのことは、アマディアスさん達が調べ、対策してくれるということで。俺は何も変わらず、いつも通りの生活をしていたんだけど。
その日の夕方、仕事を終えた俺の所へ、ジェラルドさんの仲間のグランヴィルが、話しがあるとやって来た。
ジェラルドさんの仲間では1番年下だけど、かなりガタイが良く、ジェラルドさんよりもかなり大きい格闘家だ。少し魔法も使えるけれど、魔法で何かするよりも、ただ殴る蹴るをするだけで、簡単に相手を倒してしまう。
そしてガタイが良いのを利用して、ジェラルドさん達の盾として、常に前線で守り戦ってくれる。ジェラルドさん達がとても信頼してる人物だ。
そんなグランヴィル。やはり森のために敵と戦い守ってくれているんだけど。それ以外の日は何をしているかといえば。街に家があるにもかかわらず、街ではなく森のその辺に、すぐに取り壊しができる小さな小屋を建てて。そこで魔獣達と過ごしている。
グランヴィルは魔獣達が大大大好きなんだ。それはそれはあまりの溺愛ぶりに、初めて会った人達は必ず引いてしまうほどに。
まぁ、別に悪いことじゃないから、良いっていえば良いんだけど。暇な時に会えば、魔獣の話しを永遠に聞かされて。グランヴィルを知っている俺達でさえ、最後ぐったりしてしまうこともある。
そしてそれは、魔獣達も同じで。魔獣達が大好きなグランヴィルは、魔獣達が何か困っていれば、必ずそれを解決し。魔獣達の幸せを1番に考えてくれる優しい人物のため。勿論そんなグランヴィルのことを魔獣達も大好きなんだけど。
時々その思いが暴走し過ぎて、魔獣達にも引かれることが。この前も抱っこされていたリスに似ている魔獣リッスーが。思い切り引いている姿を見てしまった。
と、ちょっと困った所もあるグランヴィルだけど。魔獣達と過ごす以外の趣味が、絵を描くことで。とても素晴らしい絵を描く。
それでこの前、施設にグランヴィルの友達家族が遊びに来たらしく。その時思い出に絵を描いてくれと頼まれたと。そにためグランヴィルはその家族の子供が、1番気に入っていた遊技場を背景に、家族の絵を描くことに。
そうして出来上がった絵を受け取った友人家族は……。かなり喜んでくれて、また遊びに来た時に描いてくれと、興奮気味にお願いされながら帰って行ったと。
その喜んでくれた姿が、とても嬉しかったグランヴィル。その事を絵描き仲間にすぐに話したらしい。
すると他の絵描き仲間も、時々そういう思い出の絵を描いてくれと、頼まれたことがあったことが発覚。
そのためさらに詳しい状況を確認し、話し合った結果。もしできるのであれば、この施設へ遊びに来た人々が、思い出を持って帰れるように。この施設の一角にお店を出させてもらえないか、と。グランヴィルが代表して、俺に話しを持って来たんだ。
それを聞いた俺。なるほどなと思った。この世界で絵を描いてもらうのは、お金持ちが多い。それは絵を描いてもらうのに、かなりの金額を取られるからだ。
もちろん一般市民も描いてもらわないこともないが、ぼったくる画家もいて、有名画家に頼むことはほとんどない。この世界では画家は結構面倒な連中なんだ。
ただ絵を描くことが好きな住民はいるから、そういう人達が時々絵を描いて、お金を稼いでいるが、他の街だと取り締まりの対象になる時も。
その点この森にある街では、そんなことは一切なく。絵を自由に描いている人達が多い。そしてグランヴィルは、かなりの腕前の持ち主で。彼の友人も同じくらい絵が上手い。
「思い出を持って帰るなんて、俺、今まであんまりそういうの考えたことなかったよ。楽しく絵が描ければ良いって。その時の事を描き留められれば、それで良いって。でもさ、楽しい時の事を家に持って帰って。それでその絵を見るたびに、みんなが楽しかった時の事を思い出して、また楽しい気持ちになってくれたら。それもとっても嬉しいなって」
そうか、そうだよな。この世界には写真やビデオカメラなんて、そんな機会ないんだもんな。思い出は心の中にが普通だ。
それがもしも目に見える物として、持って帰ることができるのなら。グランヴィルの言うように、より楽しい気持ちを味わってもらえたら。
『うん、良いじゃないか!! ただ、そうなると、やはり料金が問題になるな。友人にはプレゼントで良かったが、商売となるとな』
「それなんだけど。紙をさ、買うんじゃなくて、自分達で作れる、簡単な紙を使おうと思って。それでかなりお金が浮くんだよ」
俺はその辺、よく知らなかったが、どうも簡単に作れる紙があるらしい。特別な魔獣の力を借りるそうで。グランヴィル達はその魔獣達と契約をしていた。紙を作ってもらう代わりに、魔獣達が必要な物を用意する。
そうして簡単な紙を作って、たくさん絵を描いていたと。もちろん質は下がるが、絵を描くことに問題はないらしい。売っている紙は高いんだよ。
そして絵の具の方も。お店で売っているような絵の具は、きちんとどの素材を使うって決まっていて、そこそこの値段がするんだけど。
グランヴィル達はその辺の自然の物を使って、ささっと絵の具を作るため。毎回少しの色の変化はあるが、その色の変化も楽しみながら絵を描いているらしい。
「人によって、色が変わっちゃうけど、それでもかなり金額が抑えられるからさ。そうしたらかなりのお客さんが、絵を依頼できると思うんだ。ええと、みんなで話してて、絵の大きさで金額を変えようって。3種類用意したんだ。1番小さいのが……」
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