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66話 アマディアスさんとウォットさんの因縁?
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「ええ、今ならまだ間に合います。私は呪いを払えますからね。呪いを払い、その後回復をすれば、元のウォットに戻るでしょう」
『本当に……!!』
『ほら、本当の話しだったじゃないか!!』
『ウォット様が助かる!!』
『あ、あの! 事件が起こり、だいぶ時間が経ってしまいました。いろいろあったとはいえ、あの呪いのアンデットがどこへ向かっているか分からず。その後も確認せずに、今更ここへ来てと思われいているでしょうが。どうか、どうかウォット様をお助けください。お願いします!!』
『『お願いします!!』』
ここへ来ていたドラゴン全員が、アマディアスさんや俺達に頭を下げてきた。
「まぁ、確かに、他の者達への連絡を怠ったのはいけませんが。あなたも彼にいろいろ言われ、その通りに行動していたのでしょう。今ここに来て話しをしてくれたことで、それは良いという事にします。それに彼は、一応昔からの知り合いなのでね。助けられるなら助けますよ。安心してください」
『あ、ありがとうございます!!』
『『ありがとうございます!!』』
ここに来て初めてドラゴン達の顔に笑顔が浮かび、タイロンに至っては、少しだけ泣いていた。それだけウォット様の事を思っていたんだろう。
「と、いうかですね。彼も呪いにかかった時に、サッサと誰かに頼めば良かったんですよ。そう、私に助けてくれとね。そうすれば、すぐに私が駆けつけて助け、今頃はもう呪いを払い。私達は呪いのアンデッドを倒し、あの馬鹿を捕らえ、罰を与え始めていたかもしれない』
「いろいろな事が起き、そこまで考えが至らなかったのではないのか?」
「確かに、予測不可能なこともありましたけどね。それで慌てるような者ではありませんよ。もしかして歳のせいで甘くなりすぎて、そういった判断をする能力まで甘くなった? まぁ、それは後で確認しましが。おそらく、別の理由で私を頼らなかったのだと思いますよ」
「別の理由? 何だそりゃ?」
「いえ、だいぶ昔、あなたと始めて戦ったよりも、かなり昔にですね。ちょっと彼と揉めまして。それ以来、彼は私と距離を取るようになりまして。おそらく今回、助けを呼ばなかったのも、それが原因かと」
「揉めたって、何で揉めたんだよ」
「あれは昔、共に狩をしていた時でした」
昔々、アマディアスさんと、まだ群れに属しておらず、1頭で生きていた頃のウォット様は。時々一緒に狩をしたり、街へ繰り出したりするなど、友人として良い関係を築いていた。
そんな2人は、その揉めた日も狩りに出かけていて。予定よりも早く狩が終わったため、2人は少し早いが、夕食をとることに。
と、その時、街の飲食店の話しになり、どうせ時間はあるのだからと、そのまま食べるのではなく、料理をする事になったらしい。
ウォット様は人型になる事ができるので、料理を作るのに問題はなく。せっかくならば、お互いに料理した物を、交換して食べようという事になった。
そうして少し時間は過ぎてしまったが、お互いに5品ずつ料理を作って、お酒を用意し、それぞれの料理を食べたと。
お互い、文句の付けようがないくらい美味しい料理で、全部完食しお互い腕を上げたなと褒め合い。楽しい時間を過ごしていた2人。
だが、この楽しい時間の後に問題が起きた。実は2人、料理が上手いのには理由があった。お互い街の飲食店に、料理を習いに行ってたんだよ。そしてこの習いに言っていた事が、揉め事の原因だった。
料理を習っていたお店は違うものの、習い始めた時期も、お店のレベルも、同じようなお店で習っていた2人。
そのお店で習う事がなくなると、次に習うお店は、前のお店より少しレベルが上のお店を選んでいたのだが。そのタイミングが毎回ほぼ同じで。それが何度か続くと、ライバル心が芽生え。それからは競いながら、どんどん料理の腕を上げていったと。
が、その日。習っているお店の話しになった時、ある事実が判明。これまでほぼ同時に、次の段階に進んでいた2人だったが、今回は3ヶ月も早く、アマディアスさんが、次のお店へ行っていたんだ。
いつも同じだったから、アマディアスさんもわざわざ話していなかったため。その事実が発覚すると、ウォットさんは不機嫌に。今まで褒めていたアマディアスさんの料理に、ダメ出しをし始めたんだよ。
お前だってもうすぐだろう。早く上に行ったけれど、まだ3ヶ月。そんなに実力の差は出ていないから大丈夫だ。なんて、最初は言っていたアマディアスさん。
だけどあまりにもネチネチ、ネチネチ、ずっと文句を言ってきたため。アマディアスさんも良い加減、イラっときたらしい。
文句があるなら、かかってこい。実力の差を分からせてやる。何だとこの野郎!! と売り言葉に買い言葉じゃないけど、そこから大喧嘩に発展。
ただ、戦いの方も、お互い同じような力だったため、決着が付くことはなく。その日はそのまま喧嘩別れをしれしまった。
ただその後、冷静になったアマディアスさんは、ウォット様にケンカのことを謝ろうとしたんだ。だけどウォットさんはいじけるだけで、アマディアスさんのことを無視してきて。結局仲直りすることはできなかった。
それから何十年後かに、友人伝てに、ウォットさんはいまだに文句を言っているが、実は謝りたいとも思っている、という話しを聞き。
そのためウォット様が来るのを待っていたけれど、ウォット様は現れず。何の進展もないまま、またここまできてしまったらしい。
「どうせ今も、私に声をかけずらいと思っているんでしょう。まったく馬鹿な男ですよ。ん? 皆さんどうしました?」
みんながジト目でアマディアスさんを見ている。どんな因縁があるのかと思えば、そんな事かよ!!
『本当に……!!』
『ほら、本当の話しだったじゃないか!!』
『ウォット様が助かる!!』
『あ、あの! 事件が起こり、だいぶ時間が経ってしまいました。いろいろあったとはいえ、あの呪いのアンデットがどこへ向かっているか分からず。その後も確認せずに、今更ここへ来てと思われいているでしょうが。どうか、どうかウォット様をお助けください。お願いします!!』
『『お願いします!!』』
ここへ来ていたドラゴン全員が、アマディアスさんや俺達に頭を下げてきた。
「まぁ、確かに、他の者達への連絡を怠ったのはいけませんが。あなたも彼にいろいろ言われ、その通りに行動していたのでしょう。今ここに来て話しをしてくれたことで、それは良いという事にします。それに彼は、一応昔からの知り合いなのでね。助けられるなら助けますよ。安心してください」
『あ、ありがとうございます!!』
『『ありがとうございます!!』』
ここに来て初めてドラゴン達の顔に笑顔が浮かび、タイロンに至っては、少しだけ泣いていた。それだけウォット様の事を思っていたんだろう。
「と、いうかですね。彼も呪いにかかった時に、サッサと誰かに頼めば良かったんですよ。そう、私に助けてくれとね。そうすれば、すぐに私が駆けつけて助け、今頃はもう呪いを払い。私達は呪いのアンデッドを倒し、あの馬鹿を捕らえ、罰を与え始めていたかもしれない』
「いろいろな事が起き、そこまで考えが至らなかったのではないのか?」
「確かに、予測不可能なこともありましたけどね。それで慌てるような者ではありませんよ。もしかして歳のせいで甘くなりすぎて、そういった判断をする能力まで甘くなった? まぁ、それは後で確認しましが。おそらく、別の理由で私を頼らなかったのだと思いますよ」
「別の理由? 何だそりゃ?」
「いえ、だいぶ昔、あなたと始めて戦ったよりも、かなり昔にですね。ちょっと彼と揉めまして。それ以来、彼は私と距離を取るようになりまして。おそらく今回、助けを呼ばなかったのも、それが原因かと」
「揉めたって、何で揉めたんだよ」
「あれは昔、共に狩をしていた時でした」
昔々、アマディアスさんと、まだ群れに属しておらず、1頭で生きていた頃のウォット様は。時々一緒に狩をしたり、街へ繰り出したりするなど、友人として良い関係を築いていた。
そんな2人は、その揉めた日も狩りに出かけていて。予定よりも早く狩が終わったため、2人は少し早いが、夕食をとることに。
と、その時、街の飲食店の話しになり、どうせ時間はあるのだからと、そのまま食べるのではなく、料理をする事になったらしい。
ウォット様は人型になる事ができるので、料理を作るのに問題はなく。せっかくならば、お互いに料理した物を、交換して食べようという事になった。
そうして少し時間は過ぎてしまったが、お互いに5品ずつ料理を作って、お酒を用意し、それぞれの料理を食べたと。
お互い、文句の付けようがないくらい美味しい料理で、全部完食しお互い腕を上げたなと褒め合い。楽しい時間を過ごしていた2人。
だが、この楽しい時間の後に問題が起きた。実は2人、料理が上手いのには理由があった。お互い街の飲食店に、料理を習いに行ってたんだよ。そしてこの習いに言っていた事が、揉め事の原因だった。
料理を習っていたお店は違うものの、習い始めた時期も、お店のレベルも、同じようなお店で習っていた2人。
そのお店で習う事がなくなると、次に習うお店は、前のお店より少しレベルが上のお店を選んでいたのだが。そのタイミングが毎回ほぼ同じで。それが何度か続くと、ライバル心が芽生え。それからは競いながら、どんどん料理の腕を上げていったと。
が、その日。習っているお店の話しになった時、ある事実が判明。これまでほぼ同時に、次の段階に進んでいた2人だったが、今回は3ヶ月も早く、アマディアスさんが、次のお店へ行っていたんだ。
いつも同じだったから、アマディアスさんもわざわざ話していなかったため。その事実が発覚すると、ウォットさんは不機嫌に。今まで褒めていたアマディアスさんの料理に、ダメ出しをし始めたんだよ。
お前だってもうすぐだろう。早く上に行ったけれど、まだ3ヶ月。そんなに実力の差は出ていないから大丈夫だ。なんて、最初は言っていたアマディアスさん。
だけどあまりにもネチネチ、ネチネチ、ずっと文句を言ってきたため。アマディアスさんも良い加減、イラっときたらしい。
文句があるなら、かかってこい。実力の差を分からせてやる。何だとこの野郎!! と売り言葉に買い言葉じゃないけど、そこから大喧嘩に発展。
ただ、戦いの方も、お互い同じような力だったため、決着が付くことはなく。その日はそのまま喧嘩別れをしれしまった。
ただその後、冷静になったアマディアスさんは、ウォット様にケンカのことを謝ろうとしたんだ。だけどウォットさんはいじけるだけで、アマディアスさんのことを無視してきて。結局仲直りすることはできなかった。
それから何十年後かに、友人伝てに、ウォットさんはいまだに文句を言っているが、実は謝りたいとも思っている、という話しを聞き。
そのためウォット様が来るのを待っていたけれど、ウォット様は現れず。何の進展もないまま、またここまできてしまったらしい。
「どうせ今も、私に声をかけずらいと思っているんでしょう。まったく馬鹿な男ですよ。ん? 皆さんどうしました?」
みんながジト目でアマディアスさんを見ている。どんな因縁があるのかと思えば、そんな事かよ!!
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