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第1章 霧の向こうの研究所
2話 静かすぎる霧の中の研究所と男の子の影
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急なカーブを曲がったところで、バスがゆっくりと速度を落とし始めた。その直後、深い霧が立ち込める中、窓の外を眺めていた私の目に、木々の隙間から一瞬だけ、真っ白な壁のようなものが見えたような気がして……。
“ん? 今のって建物かな?”
そう思っているうちに、何時間もずっと、ガタッ!! ゴトッ!! ガタッ!! ゴトッ!! と、私たちの体を痛めてきたマイクロバスの揺れが、ようやく止まり。マイクロバスのタイヤが砂利を踏むような音と感覚がした後、バスが完全に停止したんだ。
そうしてすぐに、それまでずっと、案内をしてくれていた女性スタッフさんが、
「皆さん、到着しましたよ! お疲れ様でした! さぁ、荷物を忘れずに降りてくださいね!」
そう、明るい声で私たちに向かって言ってくると、自分は先にバスを降りて。残された面々も、バラバラと立ち上がり、自分の荷物を持って、狭いステップを降り始める。
私は、さっきの白い壁のようなものに気を取られていて、動き出すのが遅れ。結果的に、マイクロバスから最後に降りることになってしまったから、ちょっと慌ててバスから降りたよ。
そうして砂利を踏みしめると、ただでさえ肌寒いのに、砂利の冷たさも何となく感じてしまい、思わずブルッと体を震わせてしまう。
だけど、前を見た瞬間、その寒さを一瞬で忘れてしまうような光景が広がっていて、私は思わず息を呑んだんだ。
道中よりも、霧は少し晴れていたものの、それでもまだ遠くまでは見えないくらい、霧は出ているのに。そんな霧の中、霧の白よりもさらに際立つほど真っ白で巨大な建物が、静かに建っていたんだ。ううん、聳え立っていた、という方が正しいかも。
それに、まだ近くで見ていないから、断言はできないけれど。真っ白な建物は、もしかしたら、汚れ1つないんじゃない? と思うほどで。こんな山奥に、こんなにも綺麗な建物があるなんて、と本当に驚いたよ。
ただ、そう思う一方で、あまりにも現実離れした様子に、なんとも言えない違和感も感じたんだ。だからなのか、
“ここが、私が今日から働く研究所。ここで、お兄ちゃんと私の夢を叶えるために働くんだ。……ちゃんとやっていけるかな”
と、少し心配な気持ちも混ざってしまって。私は、思わずお守りを握りしめ、それから小さく深呼吸をして、心を落ち着けさせたよ。
そうして気持ちが落ち着くと、私は軽く自分の頬を掌で叩いて気合を入れ直し、周囲を見回したの。すると、最初よりも、周りの様子が見えてきたんだ。
“……うーん、それにしても”
私は数ヶ月前の会社の説明会で、研究所は、周りに何もない森の中にあると聞いていたの。だから、街中とは違って、かなり静かな場所なんだろうなって、勝手に思っていて。
ほら例えば、旅行で訪れれば、車の音や、街のざわめきといった、都会の雑音を忘れられ、ゆっくりできるような。そして、風に揺れる木の葉の音や、小鳥のさえずりに癒されるような、そんな素敵な場所なのかなって。でも……。
実際に到着したこの場所は、思っていたよりも、ずっと、ずっと静かだった。周囲で人が話しているとはいえ、その人数は25人と、そこまで多くはない。
だから、耳を澄ませれば、様々な自然の音が聞こえてきてもおかしくないのに。鳥の鳴き声は1つも聞こえないし、それどころか、風が吹き木が揺れ葉が擦れ合っているのに、その音さえ聞こえないの。
確かに深い森の中だけれど、さすがにね。こんなに静かなことってある?
私は目を凝らし、今度はもっと集中して周りを見てみる。だけど、どれだけ目を凝らしても、やっぱり何も見えなくて。もしかしたら、この霧さえなければ、空を飛ぶ鳥の姿でも見られたかもしれないけど。結局、何も確認することはできなかったんだ。
なんか、この濃い霧に閉じ込められた感じだなぁ。まるで、安全な場所は、もうこの研究所だけで、それ以外はすべて消えてしまったような。学生の頃読んでいた、ライトノベルや漫画の設定みたいに、どこか別の世界へ、迷い込んでしまったような感じがするよ。
なんて、そんなことを考えている時だった。
「研究所へようこそ」
不意に声をかけられ、周りを確認することに集中していた私は驚いて、思わずビクッと肩を跳ねさせてしまう。この無音の場所に、不思議なほど馴染んでいる穏やかな声。だけど、その穏やかな声にも、どこか違和感も感じて。
私はそっと、声のした方を振り返る。するとそこには、白衣を着た、1人の男性が立っていた。
「長旅ご苦労だった。私はこの課の責任者で、皆の世話を任されている、課長の竹下だ。長い時間バスに揺られ疲れているとは思うが、先にここでの生活についての説明を済ませてしまおう。それから各自の部屋へ案内するから、あとはゆっくりするといい。今日の予定は説明だけだ。その方が君たちも後でゆっくりできて良いだろう。さあ、荷物を持って、私について来てくれ」
促されるまま、全員が竹下課長について歩き出し、私も慌ててそのあとを追う。そうして建物のエントランスをくぐり、建物の中へ1歩足を踏み入れると。今度は、外の湿って冷たい空気とは違う、建物特有のひんやりとした空気に、ブルっと体が震えたよ。
何でこうも寒いのか。森の中だからか? それならもう少し、暖房を効かせてくれても良いのに。
と、ちょっと心の中で文句を言いながら、みんなに遅れないように、少し早足で、みんなの後を追う。長い廊下には、私たちの足音だけが、カツ、カツ、とやけに大きく響いていたよ。
そんな中、竹下課長が、今歩いている範囲だけだけど。ここは何の部屋だとか、ここは休憩室だとか、簡単に説明を始めて、それに頷くみんな。
私の頭には、竹下課長の言葉は、あまり入ってこなかった。だけど……、
“やっぱり、おかしくない?”
廊下の大きな窓からは、広い中庭が見えるの。ただ、どれだけ広いのかは、霧のせいで端まで見えないから分からない。だからあくまで、見える範囲での話になっちゃうけど。
玄関前と同じで、鳥が1羽もいなくて。なんなら、虫ですら1匹もいないんじゃないかって感じだったんだ。
濃い霧だから、みんな自分の寝床で静かにしてるとか? でも、雨でも動き回っている子たちはいるはずだよね?
虫なんて、呼んでもいないのに、雨の中を私の顔目掛けて飛んできて、思い切り顔に張り付いた、不届き者ならぬ不届き虫がいたし。って、嫌なことまで思い出しちゃったじゃないのよ。
私はその時の記憶を消そうと、頭を振る。するとその拍子に、すぐ側の植え込みに一輪の花があるのが目に入って、思わず動きを止めてしまった。
その花は、小さな蕾をぎゅっと固く閉じていて、まだまだ咲く様子はなく。それどころか、今にも霧の中に溶けてしまいそうなくらい、全体的に弱々しく見えた。
でも、それだけじゃなくて、何とか花を咲かせようと、懸命に頑張っているようにも見える、とても不思議な花だったよ。
「……かわいい花」
そう、思わず声に出していた私。だけどその直後、その自分の声に、ハッとしたよね。そうだ! 私は今、移動中じゃない!! ってね。
止まっていたせいで、みんなに置いていかれたんじゃと、私は慌てて顔を上げる。だけどその瞬間、私の心臓が大きく跳ね上がったんだ。
中庭の、少し離れた木の横に、何か……ある?
目を凝らし、それを確かめる。すると木の横に、小学3年生くらいの男の子が、1人ポツンと立っていて、じっとこちらを見つめていたんだ。
“え!? 男の子? こんな山奥の研究所に!?”
驚きすぎて、思わず何回も瞬きしてしまう。それから、数秒だけ目を閉じて、その後、気合を入れて、バッ!! と男の子がいた場所を見直したよ。
そうしたら、男の子の姿は消えていて、ただ木の枝が、ほんの少し揺れているだけだった。
「……高橋さん? どうかしたの!?」
「あ、すみません! 何でもないです。今行きます!」
先を歩いていた研究員の1人が、私が止まっていることに気づき声をかけてくれて。私は慌てて返事をし、急いで最後尾へ戻る。
ただの見間違い? そうだよ、きっと見間違いに違いない。ほら、相変わらず霧は出ているし。ここへくる途中、バスから見た人だって、見間違いの可能性が高かったじゃない? それと同じよ。見間違い見間違い。
そう自分に言い聞かせながら、今度こそみんなについて行く。
ただ、この時の私の心臓は、ドキドキしたまま、なかなか落ち着いてくれなくて。それに、あの男の子の視線が、なかなか頭から離れず。ずっと胸の奥に、引っかかり続けることになったんだ。
“ん? 今のって建物かな?”
そう思っているうちに、何時間もずっと、ガタッ!! ゴトッ!! ガタッ!! ゴトッ!! と、私たちの体を痛めてきたマイクロバスの揺れが、ようやく止まり。マイクロバスのタイヤが砂利を踏むような音と感覚がした後、バスが完全に停止したんだ。
そうしてすぐに、それまでずっと、案内をしてくれていた女性スタッフさんが、
「皆さん、到着しましたよ! お疲れ様でした! さぁ、荷物を忘れずに降りてくださいね!」
そう、明るい声で私たちに向かって言ってくると、自分は先にバスを降りて。残された面々も、バラバラと立ち上がり、自分の荷物を持って、狭いステップを降り始める。
私は、さっきの白い壁のようなものに気を取られていて、動き出すのが遅れ。結果的に、マイクロバスから最後に降りることになってしまったから、ちょっと慌ててバスから降りたよ。
そうして砂利を踏みしめると、ただでさえ肌寒いのに、砂利の冷たさも何となく感じてしまい、思わずブルッと体を震わせてしまう。
だけど、前を見た瞬間、その寒さを一瞬で忘れてしまうような光景が広がっていて、私は思わず息を呑んだんだ。
道中よりも、霧は少し晴れていたものの、それでもまだ遠くまでは見えないくらい、霧は出ているのに。そんな霧の中、霧の白よりもさらに際立つほど真っ白で巨大な建物が、静かに建っていたんだ。ううん、聳え立っていた、という方が正しいかも。
それに、まだ近くで見ていないから、断言はできないけれど。真っ白な建物は、もしかしたら、汚れ1つないんじゃない? と思うほどで。こんな山奥に、こんなにも綺麗な建物があるなんて、と本当に驚いたよ。
ただ、そう思う一方で、あまりにも現実離れした様子に、なんとも言えない違和感も感じたんだ。だからなのか、
“ここが、私が今日から働く研究所。ここで、お兄ちゃんと私の夢を叶えるために働くんだ。……ちゃんとやっていけるかな”
と、少し心配な気持ちも混ざってしまって。私は、思わずお守りを握りしめ、それから小さく深呼吸をして、心を落ち着けさせたよ。
そうして気持ちが落ち着くと、私は軽く自分の頬を掌で叩いて気合を入れ直し、周囲を見回したの。すると、最初よりも、周りの様子が見えてきたんだ。
“……うーん、それにしても”
私は数ヶ月前の会社の説明会で、研究所は、周りに何もない森の中にあると聞いていたの。だから、街中とは違って、かなり静かな場所なんだろうなって、勝手に思っていて。
ほら例えば、旅行で訪れれば、車の音や、街のざわめきといった、都会の雑音を忘れられ、ゆっくりできるような。そして、風に揺れる木の葉の音や、小鳥のさえずりに癒されるような、そんな素敵な場所なのかなって。でも……。
実際に到着したこの場所は、思っていたよりも、ずっと、ずっと静かだった。周囲で人が話しているとはいえ、その人数は25人と、そこまで多くはない。
だから、耳を澄ませれば、様々な自然の音が聞こえてきてもおかしくないのに。鳥の鳴き声は1つも聞こえないし、それどころか、風が吹き木が揺れ葉が擦れ合っているのに、その音さえ聞こえないの。
確かに深い森の中だけれど、さすがにね。こんなに静かなことってある?
私は目を凝らし、今度はもっと集中して周りを見てみる。だけど、どれだけ目を凝らしても、やっぱり何も見えなくて。もしかしたら、この霧さえなければ、空を飛ぶ鳥の姿でも見られたかもしれないけど。結局、何も確認することはできなかったんだ。
なんか、この濃い霧に閉じ込められた感じだなぁ。まるで、安全な場所は、もうこの研究所だけで、それ以外はすべて消えてしまったような。学生の頃読んでいた、ライトノベルや漫画の設定みたいに、どこか別の世界へ、迷い込んでしまったような感じがするよ。
なんて、そんなことを考えている時だった。
「研究所へようこそ」
不意に声をかけられ、周りを確認することに集中していた私は驚いて、思わずビクッと肩を跳ねさせてしまう。この無音の場所に、不思議なほど馴染んでいる穏やかな声。だけど、その穏やかな声にも、どこか違和感も感じて。
私はそっと、声のした方を振り返る。するとそこには、白衣を着た、1人の男性が立っていた。
「長旅ご苦労だった。私はこの課の責任者で、皆の世話を任されている、課長の竹下だ。長い時間バスに揺られ疲れているとは思うが、先にここでの生活についての説明を済ませてしまおう。それから各自の部屋へ案内するから、あとはゆっくりするといい。今日の予定は説明だけだ。その方が君たちも後でゆっくりできて良いだろう。さあ、荷物を持って、私について来てくれ」
促されるまま、全員が竹下課長について歩き出し、私も慌ててそのあとを追う。そうして建物のエントランスをくぐり、建物の中へ1歩足を踏み入れると。今度は、外の湿って冷たい空気とは違う、建物特有のひんやりとした空気に、ブルっと体が震えたよ。
何でこうも寒いのか。森の中だからか? それならもう少し、暖房を効かせてくれても良いのに。
と、ちょっと心の中で文句を言いながら、みんなに遅れないように、少し早足で、みんなの後を追う。長い廊下には、私たちの足音だけが、カツ、カツ、とやけに大きく響いていたよ。
そんな中、竹下課長が、今歩いている範囲だけだけど。ここは何の部屋だとか、ここは休憩室だとか、簡単に説明を始めて、それに頷くみんな。
私の頭には、竹下課長の言葉は、あまり入ってこなかった。だけど……、
“やっぱり、おかしくない?”
廊下の大きな窓からは、広い中庭が見えるの。ただ、どれだけ広いのかは、霧のせいで端まで見えないから分からない。だからあくまで、見える範囲での話になっちゃうけど。
玄関前と同じで、鳥が1羽もいなくて。なんなら、虫ですら1匹もいないんじゃないかって感じだったんだ。
濃い霧だから、みんな自分の寝床で静かにしてるとか? でも、雨でも動き回っている子たちはいるはずだよね?
虫なんて、呼んでもいないのに、雨の中を私の顔目掛けて飛んできて、思い切り顔に張り付いた、不届き者ならぬ不届き虫がいたし。って、嫌なことまで思い出しちゃったじゃないのよ。
私はその時の記憶を消そうと、頭を振る。するとその拍子に、すぐ側の植え込みに一輪の花があるのが目に入って、思わず動きを止めてしまった。
その花は、小さな蕾をぎゅっと固く閉じていて、まだまだ咲く様子はなく。それどころか、今にも霧の中に溶けてしまいそうなくらい、全体的に弱々しく見えた。
でも、それだけじゃなくて、何とか花を咲かせようと、懸命に頑張っているようにも見える、とても不思議な花だったよ。
「……かわいい花」
そう、思わず声に出していた私。だけどその直後、その自分の声に、ハッとしたよね。そうだ! 私は今、移動中じゃない!! ってね。
止まっていたせいで、みんなに置いていかれたんじゃと、私は慌てて顔を上げる。だけどその瞬間、私の心臓が大きく跳ね上がったんだ。
中庭の、少し離れた木の横に、何か……ある?
目を凝らし、それを確かめる。すると木の横に、小学3年生くらいの男の子が、1人ポツンと立っていて、じっとこちらを見つめていたんだ。
“え!? 男の子? こんな山奥の研究所に!?”
驚きすぎて、思わず何回も瞬きしてしまう。それから、数秒だけ目を閉じて、その後、気合を入れて、バッ!! と男の子がいた場所を見直したよ。
そうしたら、男の子の姿は消えていて、ただ木の枝が、ほんの少し揺れているだけだった。
「……高橋さん? どうかしたの!?」
「あ、すみません! 何でもないです。今行きます!」
先を歩いていた研究員の1人が、私が止まっていることに気づき声をかけてくれて。私は慌てて返事をし、急いで最後尾へ戻る。
ただの見間違い? そうだよ、きっと見間違いに違いない。ほら、相変わらず霧は出ているし。ここへくる途中、バスから見た人だって、見間違いの可能性が高かったじゃない? それと同じよ。見間違い見間違い。
そう自分に言い聞かせながら、今度こそみんなについて行く。
ただ、この時の私の心臓は、ドキドキしたまま、なかなか落ち着いてくれなくて。それに、あの男の子の視線が、なかなか頭から離れず。ずっと胸の奥に、引っかかり続けることになったんだ。
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