3 / 62
3話 違和感の正体と転生数分で絶体絶命
いや、うん。突然の出来事にも、それから死んだって聞かされた時も。慌てずに冷静に、そしてこれからの自分のことを決めたけど。あれかな、人間ってあまりにも衝撃的な出来事に直面すると、慌てるよりも冷静になるのかもね。
ゾウくらい大きな猪の魔獣が現れて、すぐに私を認識し、思いっきり私を襲おうとしているのに。私は、『ああ、逃げても無駄だろうなぁ。私はまた死ぬのか』なんて。慌てず怖がらず、そして逃げずに考えていたからね。
私が考えている間に、ゆっくりとでもしっかりと、私の方へ近づいてきた大きな猪魔獣。そうして私の目の前まで来ると一旦止まり、じっと私を見つめてきた。
近づいてきたことで分かったのは、ゾウくらいだと思っていたけれど、それよりも猪魔獣の方が大きかったってこと。へぇ、大きいなぁ、なんて呑気に思う私。
ただその時、私はある事に気づいたんだ。大きな猪魔獣だからね、瞳もとても大きく。その大きな瞳には、いろいろな物が映し出されていて。その中に、まさかの物が写り込んでいたの。
私は目覚めてすぐ、周りを見た時のことを思い出したよ。ここには、私以外の人間はいなかったはず。というか、この大きな猪魔獣が現れるまで、他の生き物もいなかった。そして今、大きな猪魔獣の前にいるのは私だけ。
そうか、言葉と体の違和感の正体はこれだったのか!!
大きな猪魔獣の瞳に映っていたもの。それは2歳か3歳くらいの、小さな女の子の姿だったんだ。
この場所に、私以外の人間はいなかったし。もし私が気づかないうちに、誰かが来たとしても。今、大きな猪魔獣の前にいるのは私だけ。だから大きな猪魔獣の瞳に映っている小さな女の子は、私以外に考えられなくて。
転生する直前の、バカ神とセシルさんの会話。
「あっ!? しまった!?」
「何をやっているんです!! 今すぐとめっ……!!」
この会話ね。街の近くの林の、すぐに外に出られる場所に、15歳で転生するはずが。気が生い茂る森か林、しかも2、3歳児の姿でいるこの状況。
あのバカ神、またミスったな!! 転生する場所も、歳も、全部間違ってるじゃん!! という結論に私は至ったんだ。
ただ、そう結論に至ったところで、動き出した大きな猪魔獣。そんな状況でも、冷静なのは変わらずに。
この大きさだから、私なんてひと口で食べられるだろうなぁ。なるべくだったら一撃で、痛さをあまり感じないようにしてくれないかなぁ、なんて。
そう思いながら、大きな猪魔獣の、大きな口が目の前に迫り、そっと目を瞑ろうとした私。
でもその時だった。また予想外のことが起きたんだ。
目の前に迫っていた。大きな猪魔獣の大きな口が横に吹っ飛び、かなり離れた場所の木にドガガガガガッ!! と勢いよく当たると。その場に倒れるた大きな猪魔獣。何? と思っていると、私の横の方から、
『グルルルルルルッ』
と唸り声が聞こえて。私はゆっくりと横を見たよ。
そうしたら、横の方の木々がいつの間にか倒されていて。そこに、体長が8メートルはゆうにある、体全体が純白色で、光の角度によって虹色に淡く輝き。
顔は丸く、目を釣り上げていなければ、とても優しい表情をしているんだろうな、って感じの、大きなドラゴンが立っていたんだ。
もうね、冷静を通り越して、唖然としちゃったよね。新しい世界へ来てまだ10分も経っていないのに、どこだか分からない場所に、子供の姿で転生させられ。挙句、大きな猪魔獣に襲われたと思ったら、今度はドラゴンだもん。
そのままボケっと、とても綺麗なドラゴンを見ていた私。そうしたら、私なんて目に入っていないのか。あるいは気づいているけれど、こんなちびっ子に用はないと、無視しているのか。
私の方を一切見ずに、大きな猪魔獣の方へドシンドシンッ!! と歩き始めた、綺麗なドラゴン。
今度は倒れている猪魔獣の方を見る。と、大きな猪魔獣は、いつの間にか立ち上がっていて、綺麗なドラゴンのことを睨みつけ唸っていたよ。
ゾウくらい大きな猪の魔獣が現れて、すぐに私を認識し、思いっきり私を襲おうとしているのに。私は、『ああ、逃げても無駄だろうなぁ。私はまた死ぬのか』なんて。慌てず怖がらず、そして逃げずに考えていたからね。
私が考えている間に、ゆっくりとでもしっかりと、私の方へ近づいてきた大きな猪魔獣。そうして私の目の前まで来ると一旦止まり、じっと私を見つめてきた。
近づいてきたことで分かったのは、ゾウくらいだと思っていたけれど、それよりも猪魔獣の方が大きかったってこと。へぇ、大きいなぁ、なんて呑気に思う私。
ただその時、私はある事に気づいたんだ。大きな猪魔獣だからね、瞳もとても大きく。その大きな瞳には、いろいろな物が映し出されていて。その中に、まさかの物が写り込んでいたの。
私は目覚めてすぐ、周りを見た時のことを思い出したよ。ここには、私以外の人間はいなかったはず。というか、この大きな猪魔獣が現れるまで、他の生き物もいなかった。そして今、大きな猪魔獣の前にいるのは私だけ。
そうか、言葉と体の違和感の正体はこれだったのか!!
大きな猪魔獣の瞳に映っていたもの。それは2歳か3歳くらいの、小さな女の子の姿だったんだ。
この場所に、私以外の人間はいなかったし。もし私が気づかないうちに、誰かが来たとしても。今、大きな猪魔獣の前にいるのは私だけ。だから大きな猪魔獣の瞳に映っている小さな女の子は、私以外に考えられなくて。
転生する直前の、バカ神とセシルさんの会話。
「あっ!? しまった!?」
「何をやっているんです!! 今すぐとめっ……!!」
この会話ね。街の近くの林の、すぐに外に出られる場所に、15歳で転生するはずが。気が生い茂る森か林、しかも2、3歳児の姿でいるこの状況。
あのバカ神、またミスったな!! 転生する場所も、歳も、全部間違ってるじゃん!! という結論に私は至ったんだ。
ただ、そう結論に至ったところで、動き出した大きな猪魔獣。そんな状況でも、冷静なのは変わらずに。
この大きさだから、私なんてひと口で食べられるだろうなぁ。なるべくだったら一撃で、痛さをあまり感じないようにしてくれないかなぁ、なんて。
そう思いながら、大きな猪魔獣の、大きな口が目の前に迫り、そっと目を瞑ろうとした私。
でもその時だった。また予想外のことが起きたんだ。
目の前に迫っていた。大きな猪魔獣の大きな口が横に吹っ飛び、かなり離れた場所の木にドガガガガガッ!! と勢いよく当たると。その場に倒れるた大きな猪魔獣。何? と思っていると、私の横の方から、
『グルルルルルルッ』
と唸り声が聞こえて。私はゆっくりと横を見たよ。
そうしたら、横の方の木々がいつの間にか倒されていて。そこに、体長が8メートルはゆうにある、体全体が純白色で、光の角度によって虹色に淡く輝き。
顔は丸く、目を釣り上げていなければ、とても優しい表情をしているんだろうな、って感じの、大きなドラゴンが立っていたんだ。
もうね、冷静を通り越して、唖然としちゃったよね。新しい世界へ来てまだ10分も経っていないのに、どこだか分からない場所に、子供の姿で転生させられ。挙句、大きな猪魔獣に襲われたと思ったら、今度はドラゴンだもん。
そのままボケっと、とても綺麗なドラゴンを見ていた私。そうしたら、私なんて目に入っていないのか。あるいは気づいているけれど、こんなちびっ子に用はないと、無視しているのか。
私の方を一切見ずに、大きな猪魔獣の方へドシンドシンッ!! と歩き始めた、綺麗なドラゴン。
今度は倒れている猪魔獣の方を見る。と、大きな猪魔獣は、いつの間にか立ち上がっていて、綺麗なドラゴンのことを睨みつけ唸っていたよ。
あなたにおすすめの小説
本の虫な転生赤ちゃんは血塗りの宰相の義愛娘~本の世界に入れる『ひみちゅのちから』でピンチの帝国を救ったら、冷酷パパに溺愛されてます
青空あかな
ファンタジー
ブラック企業に勤める本の虫でアラサーOLの星花は、突然水に突き落とされた衝撃を感じる。
藻掻くうちに、自分はなぜか赤ちゃんになっていることを理解する。
溺死寸前の彼女を助けたのは、冷徹な手腕により周囲から「血塗りの宰相」と恐れられるアイザック・リヴィエール公爵だった。
その後、熱に浮かされながら見た夢で前世を思い出し、星花は異世界の赤ちゃんに転生したことを自覚する。
目覚めた彼女は周囲の会話から、赤ちゃんの自分を川に落としたのは実の両親だと知って、強いショックを受けた。
前世の両親もいわゆる毒親であり、今世では「親」に愛されたかったと……。
リヴィエール公爵家の屋敷に連れて行かれると、星花にはとても貴重な聖属性の魔力があるとわかった。
アイザックに星花は「ステラ」と名付けられ彼の屋敷で暮らすようになる。
当のアイザックとはほとんど会わない塩対応だが、屋敷の善良な人たちに温かく育てられる。
そんなある日、精霊と冒険する絵本を読んだステラはその世界に入り込み、実際に精霊と冒険した。
ステラには「本の世界に入り込み、その本の知識や内容を実際に体験したように習得できる特別な力」があったのだ。
彼女はその力を使って、隣国との条約締結に関する通訳不在問題や皇帝陛下の病気を治す薬草探索など、様々な問題を解決する。
やがて、アイザックは最初は煩わしかったはずのステラの活躍と愛らしさを目の当たりにし、彼女を「娘として」大切に思うようになる。
これは赤ちゃんに転生した本好きアラサーの社畜OLが、前世の知識と本好きの力を活かして活躍した結果、冷徹な義父から溺愛される話である。
家族に捨てられたけど、もふもふ最強従魔に愛されました
朔夜
ファンタジー
この世界は「アステルシア」。
魔法と魔物、そして“従魔契約”という特殊な力が存在する世界。代々、強大な魔力と優れた従魔を持つ“英雄の血筋”。
でも、生まれたばかりの私は、そんな期待を知らず、ただ両親と兄姉の愛に包まれて育っていった。
魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした
たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。
死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。
異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!
明衣令央
ファンタジー
糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。
一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。
だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。
そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。
この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。
2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。
この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~
柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。
家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。
そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。
というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。
けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。
そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。
ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。
それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。
そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。
一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。
これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。
他サイトでも掲載中。
捨てられ王女ですが、もふもふ達と力を合わせて最強の農業国家を作ってしまいました
夏見ナイ
ファンタジー
魔力ゼロの『雑草王女』アリシアは、聖女である妹に全てを奪われ、不毛の辺境へ追放された。しかし、彼女を慕う最強の騎士と、傷ついた伝説のもふもふとの出会いが運命を変える。
アリシアの力は魔力ではなく、生命を育む奇跡のスキル『万物育成』だった! もふもふ達の力を借り、不毛の大地は次々と奇跡の作物で溢れる緑豊かな楽園へと変わっていく。
やがて人々が集い、彼女を女王とする最強の農業国家が誕生。その頃、アリシアを捨てた祖国は自滅により深刻な食糧難に陥っていた――。
これは、優しき王女が愛する者たちと幸せを掴む、心温まる逆転建国ファンタジー。
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
【第2部開始】ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜
月森かれん
ファンタジー
中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。
戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。
暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。
疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。
なんと、ぬいぐるみが喋っていた。
しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。
天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。
※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。