ドラゴンともふ魔獣に懐かれて〜転生幼女は最強ドラゴン騎士家族と幸せに暮らします〜

ありぽん

文字の大きさ
15 / 62

15話 ご飯も他も最高なのに、モデル級に囲まれた私の悲しみ

しおりを挟む
『ゆい、おいし?』

『ゆい、ほっぺぽよぽよ?』

「うん、おいちいよ!」

『そ。でもゆい、ときどきパパとママみたいなかおしてる』

『うん、してる』

「ぱぱとままみちゃいなかお?」

『そ、おでこしわしわ』

『おめめ、ほそくて』

『かんがえてるかお』

 あー、それは……。ちゃんと見てたのね。

「あのね、ごはんとってもおいちくて、おどりょいたの。こんなおいちいごはん、はじめてたべちゃかりゃね」

『はじめて!?』

『はじめてはだめ! いっぱいたべる!!』

『これもおいしい!』

『これも!!』

 私のお皿に、どんどん料理を取ってくれるガオとポヨ。表情については嘘ついちゃったけど、でも料理が美味しいのは本当だから良いよね。

 戻ってきて見た衝撃に、初めはぼけっとしてしまった私を、お母さんドラゴンが抱き上げて、私の席まで運んでくれて。私はガオとポヨ家族とご飯を食べることに。みんなそれぞれの家族と囲んでご飯を食べたり、友達と一緒にたべたり、それぞれ好きなように食べるみたい。

 お皿に綺麗に盛り付けされた料理が、地面にたくさん並んでいて、取り皿もたくさん置かれており。飲み物は……、それぞれのサイズに合わせて。樽が置いてあったよ。私のは私の顔より少し小さいくらいの樽だった。

 それから料理の周りには、もふもふのクッシュンが置かれていて、これもそれぞれサイズのものが用意されてるんだ。魔獣から毛を分けてもらって、それで作った特製のクッションだから、とっても気持ちが良いクッションらしいよ。

 確かに、座らせてもらった途端、その気持ちよさの衝撃で、ぼけっとしていた私の心が、戻ってきたくらいだったからね。こう、今までに味わったことのない、本当にもふもふ、ふわふわで、手触り最高の高級クッシュンって感じかな。

 そうして食事が始まって、私は最初にシチューみたいな物から食べたんだけど。うん、ご飯に関しては、この世界に来て良かったって思ったよ。

 地球では数回、高級レストランに行って、何万円もする料理を食べたことがあるけれど。もうね、その高級料理が霞んでしまうくらい、とっても美味しかったんだ。まさに、口がとろけるというのは、こういう料理のことを言うんだろうね。

 そしてその美味しい料理が、用意された物全部なんだから、ドラゴンお姉さんたちの料理の腕前は、一体どれほどのものなのか。
 明日は若い男性陣が作るらしい。当番制もね、同じドラゴンばかりだと飽きるって、組み合わせが毎回変わるんだって。

 今日は女性陣、明日は若い男性陣。明後日は、この前面倒ごとを起こしたドラゴンたち、女性陣の監視付き、みたいにね。 面倒ごと……何をやらかしたのか。

 と、こんな風に、とても美味しいご飯を食べられて、ご飯に関してはとても良かったし。私を保護してくれて、そして受け入れてくれたドラゴンたちには、本当に感謝しかなく。出会うことができて、本当にありがたいと思っているんだ。いるんだけど……。

 これだけはどうにも納得いかないことというか、おかしいと思うことがあってね。それがご飯を食べに戻ってきた時の、私が衝撃を受けたこと。

 いや、良いんだよ。みんなそれならそれで。別に悪いことじゃないし、なんだったら良いことだしね。ただ、今の私からすると、すごく惨めになるんだよ。

 だって……どう考えてもおかしいだろう! この世界には美女に美男子しかいないのか!? 戻ってきたら、オスのドラゴンたちも、人の姿に変身していたんだけど、全員モデル級の男性しかいなかったんだよ!!

 セクシーダイナマイトボンバーな女性陣に、イケメンにイケオジな男性陣。子供たちだって、全員が可愛くて天使みたいな子しかいなくて。

 その中に入れられた私の気持ちが分かるか? 最初に魔獣に襲われた時、あの魔獣の瞳に映った自分の姿しか、まだ見ていなくて。しっかりと確認したわけじゃないけど。
 でもどう考えても、ここにいるみんなに比べたら月とスッポン。周りが凄い人たちばかりだと、私のチンチクリンがさらに目立つじゃないか!

 あああ、この世界の人たちは、みんなこんなに綺麗な人ばかりなのかな。どうしよう、これ。

 あ~、これが分かっていたなら、バカ神に「可愛くして」って頼んだのに! いや、高望みはしない! だけどこの中に入っても、せめて悪目立ちしないくらいにしてもらえば良かった!!

 と、この事実のせいで、美味しいご飯の時も感情が顔に出ちゃってたみたいで、ガオとポヨに心配かけちゃったんだよ。本当、これについては言って欲しかった……。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

獅子王の運命の番は、捨てられた猫獣人の私でした

天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:女性HOT3位!】 狼獣人のエリート騎士団長ガロウと番になり、幸せの絶頂だった猫獣人のミミ。しかしある日、ガロウは「真の番が見つかった」と美しい貴族令嬢を連れ帰り、「地味なお前はもう用済みだ」とミミを一方的に追い出してしまう。 家族にも見放され、王都の片隅の食堂で働くミミの前に現れたのは、お忍びで街を訪れていた最強の獣人王・レオンハルトだった。 彼は一目でミミが、数百年ぶりの『運命の番』であることを見抜く。心の傷を負ったミミを、王は包み込むように、そして激しく溺愛していく――。 「もう誰にもお前を傷つけさせない」 一方、ミミを捨てた元夫は後悔の日々を送っていた。そんな彼の元に、次期王妃の披露パーティーの招待状が届く。そこで彼が目にしたのは、獅子王の隣で誰よりも美しく輝く、ミミの姿だった――。 これは、不遇な少女が本当の愛を見つけ、最高に幸せになるまでの逆転溺愛ストーリー。 ※気を抜くと読点だらけになることがあるので、読みづらさを感じたら教えてくれるとうれしいです。 祝:女性HOT69位!(2025年8月25日4時05分) →27位へ!(8/25 19:21)→11位へ!(8/26 22:38)→6位へ!(8月27日 20:01)→3位へ!(8月28日 2:35)

この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~

柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。 家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。 そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。 というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。 けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。 そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。 ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。 それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。 そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。 一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。 これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。 他サイトでも掲載中。

ギルドの小さな看板娘さん~実はモンスターを完全回避できちゃいます。夢はたくさんのもふもふ幻獣と暮らすことです~

うみ
ファンタジー
「魔法のリンゴあります! いかがですか!」 探索者ギルドで満面の笑みを浮かべ、元気よく魔法のリンゴを売る幼い少女チハル。 探索者たちから可愛がられ、魔法のリンゴは毎日完売御礼! 単に彼女が愛らしいから売り切れているわけではなく、魔法のリンゴはなかなかのものなのだ。 そんな彼女には「夜」の仕事もあった。それは、迷宮で迷子になった探索者をこっそり助け出すこと。 小さな彼女には秘密があった。 彼女の奏でる「魔曲」を聞いたモンスターは借りてきた猫のように大人しくなる。 魔曲の力で彼女は安全に探索者を救い出すことができるのだ。 そんな彼女の夢は「魔晶石」を集め、幻獣を喚び一緒に暮らすこと。 たくさんのもふもふ幻獣と暮らすことを夢見て今日もチハルは「魔法のリンゴ」を売りに行く。 実は彼女は人間ではなく――その正体は。 チハルを中心としたほのぼの、柔らかなおはなしをどうぞお楽しみください。

転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流

犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。 しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。 遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。 彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。 転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。 そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。 人は、娯楽で癒されます。 動物や従魔たちには、何もありません。 私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!

聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん
ファンタジー
「貴方には剣と魔法の異世界へ行ってもらいますぅ~」 ────何言ってんのコイツ? あれ? 私に言ってるんじゃないの? ていうか、ここはどこ? ちょっと待てッ!私はこんなところにいる場合じゃないんだよっ! 推しに会いに行かねばならんのだよ!!

ハイエルフの幼女に転生しました。

レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは 神様に転生させてもらって新しい世界で たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく 死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。 ゆっくり書いて行きます。 感想も待っています。 はげみになります。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

小さいぼくは最強魔術師一族!目指せ!もふもふスローライフ!

ひより のどか
ファンタジー
ねぇたまと、妹と、もふもふな家族と幸せに暮らしていたフィリー。そんな日常が崩れ去った。 一見、まだ小さな子どもたち。実は国が支配したがる程の大きな力を持っていて? 主人公フィリーは、実は違う世界で生きた記憶を持っていて?前世の記憶を活かして魔法の世界で代活躍? 「ねぇたまたちは、ぼくがまもりゅのら!」 『わふっ』 もふもふな家族も一緒にたくましく楽しく生きてくぞ!

処理中です...