ドラゴンともふ魔獣に懐かれて〜転生幼女は最強ドラゴン騎士家族と幸せに暮らします〜

ありぽん

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57話 ミント色のモフリモと妖精たちと大きな顔

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「あしょこ、きりゃきりゃちてりゅ」

「どこがだ?」

「2ばんめのきのちた、きりゃきりゃちてりゅ」

「キラキラ? 何のことだ?」

 と、私がアルベルトさんとエルドレッドに知らせた時だった。ぴんくちゃんが、

『ぽよー!!』

 って、今までで1番大きな声で鳴いて、キラキラ光っている場所へ走り始めたんだ。

『ようせいいるって!!』

『たぶんもう1ぴきのもふりもいるよ!!』

 そう言って、ぴんくちゃんを追って走り出すガオとポヨ。そんな3人を急いで追う私。何? いたの? アルベルトさんキラキラに気づいていなかったけど? 他のみんなは? なんて、いろいろと言いたいことはあったけど、今はとりあえず、みんなを追わないとね。

『ゆい! だいじょぶ!?』

『ついてこれる!?』

「うん!! はやくはちれりゅよになっちゃかりゃ、だいじょぶ!!」

 そう、こう見えて私、走るのは速くなったんだよ。
 
 この世界へ来た頃は、2歳児の体に慣れていなかったせいか、年相応なのか、歩くのもよちよち歩きでさ。動きずらいなぁって感じていたんだけど。

 でも子供ドラゴンたちや、ガオやポヨと過ごすうちに、なるべくみんなに合わせないとって思って、遊ぶ以外に歩く練習と走る練習をしてたんだ。だから今は他の同じ歳の子よりも、速くしっかりと走れる自信があるよ。

「何だ、お前気づかなかったのか!?」

『気配を消しているんだろう、まったく分からなかった』

「ぴんくは分かっているみたいだぞ! それにユイが言ったキラキラ、お前は何か分かるか!?」

『分からん!!』

「じゃあ、向こうで確かめるか」

 分からん!! ってそんな強く言わんでも。ドラゴンが知らないことってあるの? 長生きしてる分、何でも知ってると思っていたよ。

 アルベルトさんとエルドレッドが話しながら、私たちにすぐに追いついて、最後尾を走っていた私を抱き上げて、そのまま木の根元まで行ってくれたよ。……速く走れるようになったって、今言ったばかりなのに。

 そうして木の根元へ着いた私たち。でも木の根元が光っているだけで、どこを見てもモフリモと妖精たちがいないんだ。

「ぴんくちゃん、おちょもだちと、ようしぇいしゃん、どこ? きりゃきりゃはちてりゅけど」

『うん、きらきらはしてるね』

『ちょぴっとだけ、きれいにきらきら』

「何だ、全員キラキラしているのが見えているのか?」

『キラキラとは何だ?』

『きらきらはきらきら』

『きらき~ら』

『ぽよっ!! ぽよぽよ、ぽよよ、ぽよっよ!』

『そうなの?』

『ふうん? じゃあここにいるんだね?』

「何だって?」

『キラキラ光っているのが、妖精たちがいる証拠だと』

「そうなのか?」

『そんなことは初めて聞いたが……。とりあえずここには妖精がいるらしい、木の根元、地面の中に隠れていると』

「そうか。じゃあ、とりあえず呼んでみるか。ピンクが呼べば出てくるか」

『ぽよー!! ぽよよ、ぽよー!!』

 と、アルベルトさんとエルドレッドが話している間に、地面に向かって呼びかけ始めたぴんくちゃん。その姿に、全員で木の周りを囲んで、様子をを見守ったよね。

 変化はすぐだったよ。ぴんくちゃんが呼びかけてすぐに、キラキラが強くなったと思ったら、地面がズズズズズって割れ始めて、穴が現れたの。それからぴょこぴょこと、可愛い頭だけが穴から出てきて、すぐに妖精たちでいっぱいになったんだ。

 そしてその真ん中には、ミント色の可愛いモフリモの姿が。あの子がぴんくちゃんの相棒? ピンクちゃん、あってる?

 私はドキドキしながらぴんくちゃんを見たよ。そうしたらぴんくちゃんは変な顔をして、ミント色のモフリモと妖精たちを見ていたんだ。何? もしかして違う子ただった? 不安になりながら、今度はそっちを見る私。

 ん? 何みんな。何でみんなも変な顔してるの? 見たミント色のモフリモと妖精たちは、なぜかある1点を見つめたまま、固まっていたんだ。さっきまでは少しザワザワしていたのに。

『みんな、なにみてる?』

『うんと。こっち。こっちになにかある?』

 ガオとポヨも気づいて、みんなが見ている方を見る。もちろん私もね。そうしたら視線の先には、めちゃくちゃ顔を穴に近づけている、大きなエルドレッドの大きな顔が……。

 視線を戻す私たち。ミント色もモフリモと妖精たちも視線を戻して。次の瞬間だった。

『わぁぁぁ!? 大きなかかおだー!?』

『『『わぁぁぁぁぁぁ!!』』』

 誰かの声に、一斉に妖精たちが叫んで穴から飛び出して、その辺をぐるぐる逃げ始めたんだ。そしてその大きな叫びと慌て方に、釣られたのが私たち。

『わぁぁぁ!?』

『おおきなかお!?』

『ぽ、ぽよっ!?』
 
『わわわわわ!?』

 そして一緒になって、走っちゃっよ。

 いやね、ガオとポヨとぴんくちゃんは分からないけど、私は本当に相棒のモフリモ? ってドキドキしながら、ぴんくちゃんの反応を真剣に見ていたでしょう? それで、しんっとしていたところに、大きな声を出されて、ビックリしちゃったんだよ。

「まずい!? エルドレッド! 全員どこにも行かないように、小さく結界を張れ!!」

『分かっている!!』
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