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10話 初めてのテイム、お互いの強い想い
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ジッと真剣な表情で俺を見てくる代表。俺は一呼吸してから頭を数回振った。何で俺の所へ来た、だなんて聞いてどうする。自分が1番分かっているじゃないか。木の実と花は俺に持って来てくれた、プレゼントだろう。
「あー、悪かった。何で俺の所へ来ただなんて聞いて。お前、俺がテイムできるかもって、来てくれたんだろう? 木の実と花は俺にくれるためか?」
『チュチュー!!』
元気の良い返事をして、うんうん頷く代表。そうだよな。それしかないよな。俺達の話しに、今まで盛り上がっていた他のファインドモルル達も、大笑いしていた姉さんも、優也さんも、みんなが静かになった。
「本当に俺がテイムしても良いのか?」
『チュウゥゥゥ!!』
もちろんと言っているような代表。代表の答えに嬉しくなる俺。だけどテイムをやる前に、話しておかないといけない、大切な事がある。この代表は、人の言っている事が分かるようだから、話せば分かってくれるだろう。俺の今の現状を。
俺は今までのことを話し始めた。今までに何回も代表みたいに、俺とテイムしても良いと思ってくれた魔獣達が居たこと。だけどその魔獣達の気持ちは嬉しいのに、今みたいな絆を感じられなかった事。
そして1番大切な事。どんなにテイムの力を使おうが、今までに1度もテイムに成功した事がない。と言うことを、何も隠さずに全て代表に伝えた。
俺が話す間、代表は少しも動かずに、俺の話しを黙って聞いてくれたよ。もちろん他のファインドモルル達もな。
「そう、だから今回も、俺がテイムをしても。今まで通り、テイムする事ができないかもしれないんだ。そしてそのせいで、せっかく俺の所へ来てくれたお前を、傷つけてしまうかもしれない」
『……』
「俺はな、せっかく俺の元へ、テイムを楽しみに来てくれたお前を、傷つけてたはない。だからもし、テイムができないかもしれない事を考えて、やっぱり傷つきたくない、悲しくなりたくない、と思うなら。今回はテイムをするのをやめた方が良い」
『……』
「俺としてはテイムをして、お前と家族になれたらとても嬉しいが、こればかりは、俺にも分からないからな。テイムをする前に、もう1度考えて欲しい」
『チュウゥ……』
静かに鳴いた代表。それから静かに目を閉じた。おそらく俺の今話した事を考えているんだろう。周りのファインドモルル達も、コソコソ何か話しをし始めた。
が、ほんの10秒もかかっていなかっただろう。
『キュウゥゥゥッ!!』
と、目を開き、力強く鳴いた代表は。俺に近づいてくると、先程のようにパシパシ足を叩いた後、胸を張ってトントンと自分の胸を叩いた。その姿は、大丈夫、問題はない、と言っているようで。
しかもその後だ。俺の方を見て、ニヤニヤ笑いながら鳴いてきて。
『チュチュチュ、チュウチュウ、チュチュチュ』
これが、俺は大丈夫だけど、お前は怖いのか? たかがテイムじゃないか、と言われているように感じてさ。今まで緊張して話していたのは何だったんだと、大きく溜め息を吐いてしまった。
本当にそう言われているか、それは分からないけれど、怖いのかと馬鹿にされたままじゃな。代表は覚悟を決めてくれているんだ。ここは俺も覚悟を決めなければ。うだうだ考えていてもしょうがないし。
「よし! 分かった!! これからテイムをするぞ!!」
『チュウゥゥゥッ!!』
そうこなくっちゃ、と言ったような代表は。すぐに俺から少しだけ離れて、他の今まで状況説明を手伝ってくれたファインドモルル達に、離れるように言い。自分はその場で俺の方を見ながら、しっかりと立った。
「和希、頑張りなさい! 私達も他のファインドモルル達と応援してるから!」
「和希君、今できる限りの力を出し切るんだよ」
俺は姉さん達の言葉に頷いて、深呼吸をすると代表の前にしっかりと立つ。
いままでのテイムはどうやっていた? ただただ魔力を溜め、テイムと言っていなかったか? 魔獣達を思っていたが、それも足りていなかった?
いや、今までのことは良い。今までの方法でできなかったなら昔のやり方だ。魔獣使いもテイムも同じような物。昔の作られた俺は世界最強の魔獣使い。そんな俺がいつまでもテイムできなくてどうする。思い出せ、あの頃の事を。皆と家族になった時の事を!!
昔の事を思い始めると、すぐに魔力が俺の中心に集まるような感覚がした。そして今まで感じた事がなかった、しっかりとしたスキルの感覚もして。他にも今までに感じたことのなかった感覚が……。
これほどまでに、相手の事が自分の中に入ってくるなんて。どれだけ俺と一緒にいたいのか、もしも俺がテイムができたら、どんな事がしたいのか。俺の事をどう思っているかなど。代表のいろいろな気持ちが、俺の中の入って来は溢れ、また入ってくる。
……大丈夫。お前の気持ちを無駄にするものか!! 俺は静かにテイムを発動した。
「テイム」
その瞬間、俺と代表を眩しい光が包み、周りが全く見えなくなってしまったが、代表の姿だけはしっかりと確認できて。
ゆっくり代表に近づく。そしてそっとしゃがむと手のひらを差し出し、乗るか? と声に出さずに口だけ動かし聞いてみる。するとニコッと笑った代表が、すぐに俺の手のひらに乗って来て。
この時まだ、完全にテイムは完了していなかったが。どういうわけか、この時点でテイムは成功するという自信があり。
俺はそっと代表のおでこと自分俺おでこをくっ付ける。と、同時に、俺達を包んでいた光が拡散した。
「あー、悪かった。何で俺の所へ来ただなんて聞いて。お前、俺がテイムできるかもって、来てくれたんだろう? 木の実と花は俺にくれるためか?」
『チュチュー!!』
元気の良い返事をして、うんうん頷く代表。そうだよな。それしかないよな。俺達の話しに、今まで盛り上がっていた他のファインドモルル達も、大笑いしていた姉さんも、優也さんも、みんなが静かになった。
「本当に俺がテイムしても良いのか?」
『チュウゥゥゥ!!』
もちろんと言っているような代表。代表の答えに嬉しくなる俺。だけどテイムをやる前に、話しておかないといけない、大切な事がある。この代表は、人の言っている事が分かるようだから、話せば分かってくれるだろう。俺の今の現状を。
俺は今までのことを話し始めた。今までに何回も代表みたいに、俺とテイムしても良いと思ってくれた魔獣達が居たこと。だけどその魔獣達の気持ちは嬉しいのに、今みたいな絆を感じられなかった事。
そして1番大切な事。どんなにテイムの力を使おうが、今までに1度もテイムに成功した事がない。と言うことを、何も隠さずに全て代表に伝えた。
俺が話す間、代表は少しも動かずに、俺の話しを黙って聞いてくれたよ。もちろん他のファインドモルル達もな。
「そう、だから今回も、俺がテイムをしても。今まで通り、テイムする事ができないかもしれないんだ。そしてそのせいで、せっかく俺の所へ来てくれたお前を、傷つけてしまうかもしれない」
『……』
「俺はな、せっかく俺の元へ、テイムを楽しみに来てくれたお前を、傷つけてたはない。だからもし、テイムができないかもしれない事を考えて、やっぱり傷つきたくない、悲しくなりたくない、と思うなら。今回はテイムをするのをやめた方が良い」
『……』
「俺としてはテイムをして、お前と家族になれたらとても嬉しいが、こればかりは、俺にも分からないからな。テイムをする前に、もう1度考えて欲しい」
『チュウゥ……』
静かに鳴いた代表。それから静かに目を閉じた。おそらく俺の今話した事を考えているんだろう。周りのファインドモルル達も、コソコソ何か話しをし始めた。
が、ほんの10秒もかかっていなかっただろう。
『キュウゥゥゥッ!!』
と、目を開き、力強く鳴いた代表は。俺に近づいてくると、先程のようにパシパシ足を叩いた後、胸を張ってトントンと自分の胸を叩いた。その姿は、大丈夫、問題はない、と言っているようで。
しかもその後だ。俺の方を見て、ニヤニヤ笑いながら鳴いてきて。
『チュチュチュ、チュウチュウ、チュチュチュ』
これが、俺は大丈夫だけど、お前は怖いのか? たかがテイムじゃないか、と言われているように感じてさ。今まで緊張して話していたのは何だったんだと、大きく溜め息を吐いてしまった。
本当にそう言われているか、それは分からないけれど、怖いのかと馬鹿にされたままじゃな。代表は覚悟を決めてくれているんだ。ここは俺も覚悟を決めなければ。うだうだ考えていてもしょうがないし。
「よし! 分かった!! これからテイムをするぞ!!」
『チュウゥゥゥッ!!』
そうこなくっちゃ、と言ったような代表は。すぐに俺から少しだけ離れて、他の今まで状況説明を手伝ってくれたファインドモルル達に、離れるように言い。自分はその場で俺の方を見ながら、しっかりと立った。
「和希、頑張りなさい! 私達も他のファインドモルル達と応援してるから!」
「和希君、今できる限りの力を出し切るんだよ」
俺は姉さん達の言葉に頷いて、深呼吸をすると代表の前にしっかりと立つ。
いままでのテイムはどうやっていた? ただただ魔力を溜め、テイムと言っていなかったか? 魔獣達を思っていたが、それも足りていなかった?
いや、今までのことは良い。今までの方法でできなかったなら昔のやり方だ。魔獣使いもテイムも同じような物。昔の作られた俺は世界最強の魔獣使い。そんな俺がいつまでもテイムできなくてどうする。思い出せ、あの頃の事を。皆と家族になった時の事を!!
昔の事を思い始めると、すぐに魔力が俺の中心に集まるような感覚がした。そして今まで感じた事がなかった、しっかりとしたスキルの感覚もして。他にも今までに感じたことのなかった感覚が……。
これほどまでに、相手の事が自分の中に入ってくるなんて。どれだけ俺と一緒にいたいのか、もしも俺がテイムができたら、どんな事がしたいのか。俺の事をどう思っているかなど。代表のいろいろな気持ちが、俺の中の入って来は溢れ、また入ってくる。
……大丈夫。お前の気持ちを無駄にするものか!! 俺は静かにテイムを発動した。
「テイム」
その瞬間、俺と代表を眩しい光が包み、周りが全く見えなくなってしまったが、代表の姿だけはしっかりと確認できて。
ゆっくり代表に近づく。そしてそっとしゃがむと手のひらを差し出し、乗るか? と声に出さずに口だけ動かし聞いてみる。するとニコッと笑った代表が、すぐに俺の手のひらに乗って来て。
この時まだ、完全にテイムは完了していなかったが。どういうわけか、この時点でテイムは成功するという自信があり。
俺はそっと代表のおでこと自分俺おでこをくっ付ける。と、同時に、俺達を包んでいた光が拡散した。
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