ライトノベルの悪役魔獣使いだった俺、現代に転生し新テイム能力で今の世界を突き進む

ありぽん

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42話 動植物園のような店内

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『ふおぉぉぉ!! チュウゥゥゥ!! カズキ!! ここが森っチュか!?』

『もり、すごいっぴっ!! すごいっぴぃぃぃっ!!』

「待て待て、確かの森に見えるかもしれないが、ここはお店だって言ってるだろう」

『でも、森っチュよ? 木と花と草、いっぱいっチュ。鳥の魔獣も飛んでるし、他の魔獣も木に上ってるっチュ』

『まじゅう、おともだちになれるっぴっ?』

『オレとフェリックスの住んでたダンジョン、少しだけこういう場所あったっチュ。でも森はなかったっチュよ。おじいさんに森のお話し聞いて、森に行ってみたいと思ってたっチュ』

「はぁ、買い物前に、また説明が必要だな」

 実はこの大型ガーデニング用品店、店内が動植物園みたいになっているんだ。どんなふうに植物や木が育つのか、本当に植えてあり。
 お客さんは実際に木や花や草の感じ、そして説明書を読んだり、店員に聞いたりして。自分の家で育てられるのか、確認をしてから買う事ができる。

 また、魔獣と暮らしている人も多いことから。俺とアーチーやフェリックスじゃないが、庭や家の中で遊べるよう、家族魔獣にあった、木や花や草を買いに来るため。
 このお店で働いている店員さんの家族魔獣が、店舗の中を自由に動き回っていて。お客さんはそれも見て、買い物をするんだ。

 本当にお店の中に、木が生えているからな。だからこのガーデニング用品店は大きいんだよ。中央にはこのお店のシンボルとして、絶対に家庭では育てられない、物凄く大きな木が生えている。

 2階から最上階は5階なんだが、5階までの全ての床をぶち抜くほど大きく。お客さんの家族魔獣はその木に、自由に上がって良いことになっているから。よく家族魔獣達が集まって、みんなで遊んでいるぞ。
 そうだな、買い物が終わったら、アーチーとフェリックスを遊ばせてやるか。

 と、それはまた、後で考えることにして。アーチーとフェリックスに、とりあえずのここの説明をした俺。さっきのアーチーじゃないけど、今度は分かりやすく説明できたはずだが……。

『ほえぇぇぇっチュ。人間は小さな森まで作っちゃうっチュかぁ。凄いっチュねぇ』

『すごいっぴぃぃぃ』

「あ~、森というか、森に似ている物な。本物の森は建物の中には作れないぞ。さすがに外じゃないとな。そうだな……、いつか本物の森を見せてやろう。きっともっと驚くぞ」

『本物じゃないっチュか。そうチュかぁ。フェリックス、この森は本物の森じゃないみたいっチュ。残念だっチュねぇ』

『ほんものじゃないっぴっ? ほんものじゃないのはんたいは、にせもだから、にせものっぴっ?』

『そうだっチュ。森のまねっこだったっチュよ。でも、木や花や草は本物っチュ。お店の中にい~っぱいだっチュ。だからやっぱり凄くて嬉しいっチュよ!!』

『うん、ぴっ!!』

 何とか分かってくれたか? 俺はとりあえずの説明を終えると、まず最初に、花がたくさん置いてある場所へ移動することに。

 多すぎて、全部は見られないだろうが、2匹には見られるだけ見てもらい、花を選んでもらうことにする。ちなみに置いてある物は、地球産の物とダンジョン産の物が、半々っといったところか。だからアーチーやフェリックスが、まだ見たことがない物ばかりのはずだ。

『この星の形の花、面白いっちゅ!! それにこっちのはピカピカ光ってるっチュ!!』

『ピンクのおはな、かわいいっぴっ!! ぼくのあしより、ちいさいっぴっ!! ちいさいのもかわいいっぴっ!!』

『おおっチュ!! 大きなお花っチュね。オレの顔がズボッとはいっちゃうっチュ!! あっちの花はキラキラしてるっチュよ。良いっチュねぇ、カッコいいっチュねぇ』

『しろいおはな、コロコロまるくて、ぼくたちのおめめみたいっぴっ。こっちのはちいさいおはながあつまってさいてて、フルフルゆれてるっぴっ。みんなかわいいっぴぃぃぃ』

 どうやらアーチーは、星形や三角、四角といった、ふわっとした物ではなく、しっかりとした形をしていて、大きめの花が好きらしい。それから発光している花だな。
 そしてフェリックスは、自分の足と同じくらいの小さくて、薄い色の。ふわふわ、コロコロ、フルフル揺れている花が好きらしい。

 アーチーとフェリックスと家族になったばかりだからな。少しず、だがなるべく早く、2匹の好みを、知っていこうと思っていたから。今日は俺にとってもちょうど良い日だ。

『おおっ、チュ!! いろいろな色が混ざってる花っチュ!! 良いなぁっチュ。今までで1番カッコいいチュねぇ』

「これか?」

 アーチーが体を揺らしながら、今までで1番カッコいいと、連呼している花を調べる。いろいろな色が混ざっている、マーベル模様の、アーチーの顔より大きな花で。ダンジョン産と地球産を交配して作った花らしい。花の名はその名もマーブル。

 育て方を確認すれば、初心者でも育て安く、ミカじゃないが、枯れては咲きを繰り返えし、年中花を楽しむ事ができるらしい。そして何と、花の部分を咲いたばかりの頃に摘み取ると、その場で硬化し、そのまま飾りに使えたり、装飾品として使えると。

 これならば、花として楽しむのも良いし、摘み取ってアーチーとフェリックスのおもちゃにもできるかもしれない。俺はその事をアーチーに説明してやる。

『本当だっチュか!? ふわわ、凄いっチュ!! カズキ、オレ、この花が欲しいっチュ!!』

「分かった。じゃあもう咲いている物を買っていくか? それとも種から育てるか?」

「う~んチュ……。種からにするっチュ!!」

 こうして1つ目の花が決まった。
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