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53話 魔獣呼び寄せブザーを買いに
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「魔獣呼び寄せブザーですね。こちらです」
食休みを1時間ほどとり、すぐに俺達は、魔獣用品店へやってきた。そして店員に、魔獣を呼ぶための、音が鳴る物があるかときけば、すぐにそれが置いてある場所へ案内をしてくれた。
うん、なるほど。その名の通りの道具って感じだな。初めてゆっくり見たその道具は、形や色はいろいろあるけれど。使い方は全て同じようで。真ん中に押しボタンが付いており、それを押すと音が鳴るようになっていて。まさに呼び出しブザーという感じだった。
「音は全て同じなのか?」
「いいえ。音はずべて違う音が鳴るようになっているんですよ。もともと魔獣は耳が良く、この道具の音は、魔獣には聞こえて、人には聞こえない音を使っていますが。私達が思っている以上に、魔獣は本当に耳が良く、ほんの少しの間変化をも聞き取れるんです」
「だろうな。夜、外を歩いている人の独り言まで聞き取って、俺にそれについて質問してくる事があるからな」
「ははっ、そうなんですね」
夜中、寝ているはずのアーチーとフェリックス。が、時々起きている事があり。そうすると、夜中外を歩いている人達の話しを聞いていて。その話しで分からない事があると、夜中なのに俺を起こして、その話しについて聞いてくるんだ。
まぁ、それ自体は別に構わないんだが。時々、その内容が内容の時があって。答えに困る事があるんだよ。
それの1つが、男と女に関係することで。どう説明すれば? 特にさ、答えづらいこともあるだろう?
とりあえずその時は、適当に誤魔化しているけど。夜中に、いや昼間でも、俺は他人のそんな事情など知りたくないというのに。耳が良すぎるのも問題だ。
「そうですね。例えば陸上競技の200メートル走を、思い浮かべていただければと。選手はコンマ数秒の戦いをしています。その差は、私達が目では分からないほどの差ですよね。この道具の音は、それをさらに細かくした感じでしょうか。ですからほぼ、同じ音になる事はないんです」
「ほぼ?」
「もしかしたら世界には、同じ音が存在するかもしれませんが、日本では必ず音が違うようにすると決まっているので、同じ物はないんです。それに一応は、海外で使用されている音の情報も共有されているので、本当に同じ音はほぼないかと」
「なるほどな。これは試したりできるのか?」
「あ、こちらはカバーでして。音は別に用意してあります。その中から、魔獣が好きな音を選んでいただき。選んでいただいた物を、私達がこのカバーの中にお入れして、お渡しするようになっています」
「分かった。じゃあ1つ欲しいから、その音を聞かせてくれ」
「分かりました。少々お待ちください」
店員がレジへと戻り、奥へと入っていく。俺は店員が戻ってくる間に、アーチーとフェリックスに、どのカバーにするか選ばせる事にした。
「この中に音が出る物を入れて、このボタンを押すと、お前達だけに聞こえる音がするらしい。俺がその音を鳴らしたら、隠れるようにすれば良いだろう」
『音っチュか』
『ピピピ、プププっぴっ?』
「どうなんだろうな。人間には聞こえない音だから、俺には分からないんだよ。後で音を聞いたら、2人が俺に教えてくれ。な」
『分かったっチュ!!』
『カズキにおしえるっぴっ!!』
「いろいろな音があるらしいから、好きな音を選べ。それとこのカバーも好きな物を選んで良いぞ。1つだけ買うから、仲良く選ぶんんだぞ」
『1つっチュね! フェリックス、どのカバーが良いっチュか?』
『えと、えとっぴっ。……おはながいいっぴっ。おにいちゃん、おはなでいいっぴっ?』
『良いっチュよ!! お花の形のするっチュ!! 色はオレが選んでも良いっチュか?』
『うん、ぴっ!!』
『じゃあ、まず、どのお花の形が良いか選ぶっチュ』
『えと、おはな、おはなっぴっ』
アーチーとフェリックスがカバーを選んでいると、店員が箱を抱えて戻ってきた。
「すまない、少しだけ待ってもらって良いか? 今カバーを選んでいるんだ」
「分かりました。では私は他の準備を進めておきますね」
そういうと店員は、四角いカバーを何個か出して、その中に小さな、過去の地球で売られていた、豆電池のような物を入れていく。あれが音の本体らしい。
と、店員が準備を進める間に、気に入った花の形のカバーを見つけたフェリックス。次はアーチーが色を選び始めた。
『う~ん、青は似合わないっチュねぇ。緑もちょっとっチュ。赤は濃すぎるしっチュ。チュ? これが1番良い色かもっチュ!!』
アーチーが選んだのは、ピンク色だった。それを見てニコニコになるフェリックス。
『どうっチュ? 良い色だっチュ。このお花のカバーに、とっても似合う色っチュよ』
『うん、ぴっ!! かわいいおはなっぴっ!! ピッタリっぴっ!!』
俺は2匹が選んだカバーを手に取り、店員のカバーが決まった事を知らせる。そして2匹は俺の両肩へ戻ってきた。
と、俺の肩に戻ってきたアーチーが、ボソボソ何か言い始め。何を言っているのか良く聞いてみると。
『フェリックスは、可愛いお花が好きだから、可愛い色が良いっチュよね。気に入ってくれて良かったっチュ。オレは今度お庭に、カッコいいお花植えるから、良いんだっチュ』
アーチー、自分が好きな色を選んだのではなく、フェリックスの事を考えて選んでくれたらしい。こんな弟思いの優しいお兄ちゃんには、今度スペシャルなおやつでも用意してやるか。
それに今度何か買う時は、アーチーを優先してやろう。いつも我慢ばっかりしていたらダメだからな。そこは俺が気をつけないと。
食休みを1時間ほどとり、すぐに俺達は、魔獣用品店へやってきた。そして店員に、魔獣を呼ぶための、音が鳴る物があるかときけば、すぐにそれが置いてある場所へ案内をしてくれた。
うん、なるほど。その名の通りの道具って感じだな。初めてゆっくり見たその道具は、形や色はいろいろあるけれど。使い方は全て同じようで。真ん中に押しボタンが付いており、それを押すと音が鳴るようになっていて。まさに呼び出しブザーという感じだった。
「音は全て同じなのか?」
「いいえ。音はずべて違う音が鳴るようになっているんですよ。もともと魔獣は耳が良く、この道具の音は、魔獣には聞こえて、人には聞こえない音を使っていますが。私達が思っている以上に、魔獣は本当に耳が良く、ほんの少しの間変化をも聞き取れるんです」
「だろうな。夜、外を歩いている人の独り言まで聞き取って、俺にそれについて質問してくる事があるからな」
「ははっ、そうなんですね」
夜中、寝ているはずのアーチーとフェリックス。が、時々起きている事があり。そうすると、夜中外を歩いている人達の話しを聞いていて。その話しで分からない事があると、夜中なのに俺を起こして、その話しについて聞いてくるんだ。
まぁ、それ自体は別に構わないんだが。時々、その内容が内容の時があって。答えに困る事があるんだよ。
それの1つが、男と女に関係することで。どう説明すれば? 特にさ、答えづらいこともあるだろう?
とりあえずその時は、適当に誤魔化しているけど。夜中に、いや昼間でも、俺は他人のそんな事情など知りたくないというのに。耳が良すぎるのも問題だ。
「そうですね。例えば陸上競技の200メートル走を、思い浮かべていただければと。選手はコンマ数秒の戦いをしています。その差は、私達が目では分からないほどの差ですよね。この道具の音は、それをさらに細かくした感じでしょうか。ですからほぼ、同じ音になる事はないんです」
「ほぼ?」
「もしかしたら世界には、同じ音が存在するかもしれませんが、日本では必ず音が違うようにすると決まっているので、同じ物はないんです。それに一応は、海外で使用されている音の情報も共有されているので、本当に同じ音はほぼないかと」
「なるほどな。これは試したりできるのか?」
「あ、こちらはカバーでして。音は別に用意してあります。その中から、魔獣が好きな音を選んでいただき。選んでいただいた物を、私達がこのカバーの中にお入れして、お渡しするようになっています」
「分かった。じゃあ1つ欲しいから、その音を聞かせてくれ」
「分かりました。少々お待ちください」
店員がレジへと戻り、奥へと入っていく。俺は店員が戻ってくる間に、アーチーとフェリックスに、どのカバーにするか選ばせる事にした。
「この中に音が出る物を入れて、このボタンを押すと、お前達だけに聞こえる音がするらしい。俺がその音を鳴らしたら、隠れるようにすれば良いだろう」
『音っチュか』
『ピピピ、プププっぴっ?』
「どうなんだろうな。人間には聞こえない音だから、俺には分からないんだよ。後で音を聞いたら、2人が俺に教えてくれ。な」
『分かったっチュ!!』
『カズキにおしえるっぴっ!!』
「いろいろな音があるらしいから、好きな音を選べ。それとこのカバーも好きな物を選んで良いぞ。1つだけ買うから、仲良く選ぶんんだぞ」
『1つっチュね! フェリックス、どのカバーが良いっチュか?』
『えと、えとっぴっ。……おはながいいっぴっ。おにいちゃん、おはなでいいっぴっ?』
『良いっチュよ!! お花の形のするっチュ!! 色はオレが選んでも良いっチュか?』
『うん、ぴっ!!』
『じゃあ、まず、どのお花の形が良いか選ぶっチュ』
『えと、おはな、おはなっぴっ』
アーチーとフェリックスがカバーを選んでいると、店員が箱を抱えて戻ってきた。
「すまない、少しだけ待ってもらって良いか? 今カバーを選んでいるんだ」
「分かりました。では私は他の準備を進めておきますね」
そういうと店員は、四角いカバーを何個か出して、その中に小さな、過去の地球で売られていた、豆電池のような物を入れていく。あれが音の本体らしい。
と、店員が準備を進める間に、気に入った花の形のカバーを見つけたフェリックス。次はアーチーが色を選び始めた。
『う~ん、青は似合わないっチュねぇ。緑もちょっとっチュ。赤は濃すぎるしっチュ。チュ? これが1番良い色かもっチュ!!』
アーチーが選んだのは、ピンク色だった。それを見てニコニコになるフェリックス。
『どうっチュ? 良い色だっチュ。このお花のカバーに、とっても似合う色っチュよ』
『うん、ぴっ!! かわいいおはなっぴっ!! ピッタリっぴっ!!』
俺は2匹が選んだカバーを手に取り、店員のカバーが決まった事を知らせる。そして2匹は俺の両肩へ戻ってきた。
と、俺の肩に戻ってきたアーチーが、ボソボソ何か言い始め。何を言っているのか良く聞いてみると。
『フェリックスは、可愛いお花が好きだから、可愛い色が良いっチュよね。気に入ってくれて良かったっチュ。オレは今度お庭に、カッコいいお花植えるから、良いんだっチュ』
アーチー、自分が好きな色を選んだのではなく、フェリックスの事を考えて選んでくれたらしい。こんな弟思いの優しいお兄ちゃんには、今度スペシャルなおやつでも用意してやるか。
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2025年6月10日 お気に入り登録500人達成 ひょえぇぇ?!
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