ライトノベルの悪役魔獣使いだった俺、現代に転生し新テイム能力で今の世界を突き進む

ありぽん

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74話 ラノベに転生した女の今8

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「行きなさい。あの魔法陣に魔力を流すのよ。何が起こるか分からなくて、あなたがどうなるかも分からないけれど。私のために魔法陣を発動させられるのだから、とっても嬉しいでしょう?」

「はい、操さん!」

「ああ、ほら、静かにしないとダメよ。静かに誰にも気づかれないように魔法陣に近づくの。そして魔力を流しなさい。ほんの少しで良いわ。そうすれば……うふふふふ、頼んだわよ」

「はい」

 北斗さん達が魔法陣から戻って来て、他のメンバーの荷物の確認を始めたわ。この確認が終われば、私達はこの空間からせる事になる。

 そして私に逆らったあいつは、アイツの仲間と共に、魔法陣から少し離れた場所で、何かを話しているわ。2人は魔法陣に背を向けて、アイツは魔法陣の方を向いているけれど、でも2人の影になっているから見えないはず。

 そう、動くなら今しかないと思って、私は冴えない男に魅惑支配の魔法をかけたわ。レベルが最低だとはいえ、一瞬で最低限しっかと、冴えない男を支配できて、そっと冴えない男はその場から動き出す。

 ここまでは私が考えていたように事が進んでいるわ。まさかこんなにタイミング良く、しかも完璧に、みんなが魔法陣から離れるなんてね。今の時期を逃すなんて馬鹿がする事よ。

 うふふ、何が起こるのかしら。魔獣による罠の魔法陣で、私達をその場から動けなくするような魔法が発動して、後からゆっくりと、この魔法陣を張った魔獣が現れ。みんな恐怖の中、その魔獣に食べられるのかしら。

 それともすぐに魔獣達がたくさん現れて、その場でみんなを襲い始めるかしら? やっぱり動けにようにする魔法なんかを使って、恐怖を与えながら。

 強い魔獣の中には、わざと獲物に恐怖心を与えたまま、痛ぶるようにしながら、時間をかけて獲物を食す奴らがいるのよねぇ。本当性格が悪いったら。それは群れであろうが、単独で動く魔獣だろうがけっこういて。

 F級ダンジョンに生息していようが、SS級ダンジョンに生息していようが、全てBランク以上で登録されているわ。まぁ、単独で行動する魔獣ならば、ランクが低いダンジョンならどうにかなるかもしれないけれど。群れで行動する魔獣となると……。

 そう、アリくらい小さく1匹では何もできないような虫魔獣でも、それが大群になれば? 体を覆われて、払っても払っても襲って来て、最後にはそのまま数の力で押し切られてしまう。だから群れの場合は、F級だろうが、E級だろうが、油断はできないのよ。

 そういえばライトノベルの世界にいた時も、気に入らなかった令嬢に、群れで襲う魔獣を向かわせて、消した事があったっけ。

 あの時は本当の楽しかったわぁ。完璧に消すには、護衛の奴らがいて無理だったのだけれど。それでももう外には出れない姿になってしまって、それと怪我のせいで気が触れて。その後結局、廃人みたいになってしまったのよね。

 ずっと私にやられた、みたいな事を言っていたけれど。私は聖女として、みんなに崇められていたし、魅惑の力で私の周りは完璧に囲んでいたら、誰もそのせい女の言うことなんて、聞かなかったわ。

 しかも、私がやったとずっと訴えている女を、私ができる限りの力で回復させます。なんて言ったから、みんな私はどんなに心が広いんだって。さらに私の人気は上がったしね。

 ああ、その女のことだけれど、私は回復なんかしなかったわよ。回復するを真似をしただけで、回復なんかしなかったわよ。最初は少しだけ回復させたけど、その後は肌がさらにボロボロになる魔法をかけて、怪我も治らないようにはしたわ。

 目の前で魔法を使っているのに、誰も私がやっている魔法に気づかないんだもの。笑いそうになっちゃって、我慢するのが大変だったわよ。まぁ、それだけ私の魔法のレベルが高かったってことなんだけどね。

 今はまだ、その頃の私じゃないは。レベルの高い魔法も使えるけれど、私が使いたい魔法はまだ最低レベル。今回ももしかしたら途中で魔法が切れて、冴えない男がこちらに戻って来てしまう可能性も。

 ギルドでバレないように、魔法の練習をしていたのだけれど。1番早く魔法が解けた時間は10分だった。それからは平均15分くらいまで上げられたけれど。こうやって実践したのは初めてだからどうなるか。

 それにもし魔法は成功しても、途中で北斗さんか誰かに気づかれたり、アイツの方で誰かが気づく可能性もある。何とかあの魔法陣につくまで、誰も気づかずに、魔法が解けないように、祈るしかないわ。

 あ~、でも、それでも楽しみでしょうがない。と、喜んでばかりはいられないわね。私はどんな事があっても逃げられるようにしておかないと。そうね、あの冴えない男が、あの辺りまで進んだら、少しでも荷物を運んでおきますとか何とか言って、出口付近に移動しましょう。

 それとあれの確認も。私はそっと、ポケットと中から小さな石を取り出して、またすぐにしまったわ。魔力を流せば結界を張る事ができる石よ。
 危ないと思ったら、本当はどうなるか見ていたいけれど、この結界石を使ってすぐに逃げましょう。命の方が大事だもの。それに回復できるけれど、少しでも私の可愛い顔に、傷は付けたくないし。

 さぁ、どんどん進むによ、でもバレないようにね。……よし、今だわ! 私は荷物を持ち出口へ。

 もう少し、もう少しで。うふふふ、うふふふふ。さぁ、魔法陣を発動させなさい!!
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