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5巻
5-2
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『レンを取り込もうとしているんじゃない、器にしようとしているんだ』
って。
ディアブナスはさっき、腕と足が取れたでしょう? それにずっと魔力が漏れています。
アレは今のディアブナスの力に、生贄になったラジミールの体が耐えられなくて、そうなったんじゃないかって。もうすぐあのラジミールの体は壊れちゃうみたいです。
器がなくても、力は使えるけれど、実体があった方が、さらに力が強くなるみたい。
封印の魔法陣も不完全とはいえ発動しているから、それに対応するために、新しい体が欲しくて、新たな器として、僕を選んだんじゃないかな。
ディアブナスは僕を取り込むつもりで誘拐とかしてきてたけど、今度は器?
僕、絶対に嫌だよ。
だから僕は、立ち止まらずに、なんとか逃げ続けています。
ルリ達とは途中で合流して、一緒に逃げてくれていたんだ。
でも少しして、何体も出てきた黒い人型に挟まれちゃいました。
『レン、僕達ハリセン攻撃!』
『魔法できないけど、ハリセン攻撃はできるなの!』
『よし、僕もハリセン攻撃だ。さっき僕は攻撃できなかったからね、今度は頑張るよ!』
『僕は闇魔法で奴らを止めるよ! それでレン達がハリセンで攻撃して!』
ルリ、アイス、ドラちゃん、ブローがそう言うので、僕は頷きます。
「こげき!!」
近くにいた方の黒い人型を、まずはブローが闇魔法で抑えてくれます。
それで動けない黒い人型の頭を、ルリとルリに運んでもらったアイスが攻撃。ドラちゃんは肩と脇腹を攻撃。僕は足を攻撃しました。
しっかりと決まったハリセン攻撃。
叩いた部分から黒い光が溢れ出して、黒い人型はそのまま消えていきます。
よし、ハリセンが使える!!
確認した僕達は、何とか自分達の方に来る黒い人型を消していきます。
でもね、気がついた時には、最初よりも黒い人型が増えていたんだ。
僕達を囲んでいるせいで、スノーラ達の姿も、バディー、ローレンスさんの姿も見えなくなっていました。
『これ以上は僕達には無理! 僕が抑えているうちに、あっちに逃げよう!』
『やっぱり僕が飛んだ方がいいかも。あそこのまだ少しは人型が少ない所まで逃げたら、僕がレンを掴んで飛ぶから。みんなはレンの肩や頭に乗って!』
ブローが悲鳴を上げたら、ドラちゃんがそう言いました。
ドラちゃんが僕の肩の部分の洋服を掴んで、ルリとアイスが急いで僕の頭の上に乗って、ブローはドラちゃんの頭に乗って、すぐにドラちゃんが飛んでくれました。
『ごめん、今の僕だとこの高さまでしか飛べないみたい。もう少し飛べると思ったんだけど』
『いいよ、あいつらより高いから。あいつら飛べないみたいだからね』
ブローがホッとした感じでそう言ったよ。
僕達は今、黒い人型三人分の高さくらいの所を、ふわふわ飛んでいます。
ふぅ、これで少しゆっくりできる。ドラちゃんありがとう。
僕は、やっと周りを確認です。
黒い人型が多いのは、バディー達の所。スノーラ達の所にも何体かいて、スノーラ達の攻撃を、コレイションと一緒に邪魔しています。
『あ、集まってきた!』
『向こうに行こう!』
確認をしていたら、飛んでいる僕達の下に、黒い人型が集まってきてウヨウヨし始めたから、別の場所に移動します。
そうしたら黒い人型もついてきて、また離れて……何回もそれの繰り返しになりました。
でもね、それがよかったみたい。
他の所にいた黒い人型も、飛ぶ僕達を見てどんどんこっちに集まってきたから、バディー達が戦いやすくなってたんだ。
うん、それはよかったんだけど。
『まずいよ! あっ! あぶない!!』
ブローがそう言った直後、集まっていた黒い人型全部が混ざり合って、一つの大きな黒い人型になったんだ。
大きな黒い人型は、僕達に闇魔法の攻撃をしてきて、吹き飛ばされて僕達はバラバラになります。
地面に倒れているうちに、僕は大きな黒い人型に捕まっちゃいました。
そしてすぐに、僕とその大きな黒い人型の下に魔法陣が現れました。
飛ばされた時の衝撃でちょっとボケッとしていた僕。
頭をフルフルと振って顔を上げたら、向こうにディアブナスのニヤッと笑う顔が見えて、それからスノーラ達の、僕を呼ぶ声が聞こえました。
『レン! くそ、こいつら邪魔だ!』
スノーラ達はこっちに来られないみたい。
『レン、離して!!』
『離すなの!!』
『レンを離してよ! えい! もう! 闇魔法弾くなんて嫌なやつ! えい! えい!』
そしたら、ルリ達が僕の方に来てくれました。
そしてみんなで、僕を捕まえている大きな黒い人型を攻撃してくれます。
僕もなんとかハリセン攻撃をと思ったんだけど、大きな手で掴まれていて、自由に腕が動かせません。
さっき僕を見てニヤッと笑っていたディアブナスは、今は笑うのをやめています。目を閉じてるんだ。
そんなディアブナスに攻撃するスノーラ達。
でも目を閉じているのに、スノーラ達の攻撃が当たりません。
と、ここで魔法陣に変化が。
魔法陣の模様が、赤黒く光り始めたんだ。僕は光り出した魔法陣を見て、急いでドラちゃんにお願いしました。
「どりゃちゃ! りゅりとあいしゅ、ちゅれちぇ、にげちぇ!」
『ダメ! 今ハリセンで攻撃してる! これ消す!!』
『みんなで攻撃、大丈夫なの!』
「にげちぇ! まほじんひかっちぇりゅ! あぶにゃい!!」
きっとディアブナスは、今にも僕を器にしようとしているんだ。それで魔法陣が光ってるんだと思う。
もし魔法陣が発動して、みんなも巻き込まれたら?
みんなの力もついでに吸い取られて、その強くなった力でスノーラ達を攻撃されたら?
そんなの嫌でしょう?
それに今、スノーラ達は僕を助けようと、一生懸命僕の所に来てくれようとしています。
そのための攻撃が、もしルリ達に当たったりしたら? そうなるかもって、スノーラが動きにくくなるかも。
それはダメだよ。
もちろん、ルリ達が怪我するのもダメ。
僕はルリ達に、何度も逃げてって言います。
それでも一生懸命、ハリセンで大きな黒い人型を攻撃するルリ達。
ハリセンが当たったところは、しっかり削れるから効いているんだろうけど、すぐに元に戻っちゃうんだ。
その時、ブローが攻撃を止めて、ルリ達の方に行きました。
『逃げるよ』
もちろんルリ達は嫌だって言います。
『レン助ける!』
『置いていかないなの!』
『レンの言う通りだよ。今、みんなが助けようとしてくれてる。僕達が邪魔になる可能性があるなら、レンのためにも、みんなのためにも、今は離れていた方がいいよ。僕は残って、これ以上闇が纏わりつかないようにするから』
顔を見合わせるルリ達。
ブローがもう一度『ね?』って言ったら、ルリ達が僕の方をしっかりと見てきます。
『僕、向こうで待ってる』
『ボクもなの』
「うん!」
大丈夫、絶対スノーラが助けてくれるから。
ルリとアイスが最後に一発ずつハリセン攻撃をして、ドラちゃんの背中に乗せてもらって、向こうへ飛んでいきます。
途中で何回も振り返って、僕を見てきて。
僕はルリ達が向こうに行くまで、ずっと笑っていたよ。
ルリ達と合流したスノーラ達は、何かを話した後。コレイションを攻撃しながら、僕の方へ来てくれます。
僕も一生懸命、手を出そうとしているよ。
『これでもくらえ!!』
スノーラとドラゴンお父さんの合わせ技が炸裂!!
コレイションの体にしっかりと当たって、コレイションが飛ばされました。
でもすぐに立ち上がって、よく見たら洋服は少しボロボロになっていたけど、全然怪我はしていないみたいです。
『身体強化を最大までかけたか。皆、攻撃を集中しろ!! スノーラ! お前はレンの元へ行くことだけ考えろ!!』
ドラゴンお父さんの合図で、次の攻撃がまた、コレイションにしっかり命中して、コレイションがさっきよりも吹き飛んだよ。
『レン!!』
スノーラが僕の方へ走ってきます。
それで、いつものヒュンッ! って見えない動きで、一瞬で僕の目の前に来たスノーラ。
でも次の瞬間、スノーラが何かに弾かれて少し後ろに下がりました。
ブローがすぐに確認。
僕達の後ろには何もなかったんだけど、前にだけ見えない結界みたいなものがあるって。
スノーラが急いで後ろに回ります。でもまた弾かれて、ブローが前と横を確認。前には何もなくなっていました。
どうもスノーラが行く方行く方に、見えない結界が出るみたい。
チッ! と舌打ちをしたスノーラ。
見えない結界を無理やり攻撃しようとしたら弾かれちゃって、スノーラの体にビリビリ雷みたいなものが襲いかかりました。
「しゅの!?」
『くっ!』
スノーラが弾かれた瞬間、僕達の周りをさらに何体もの、大きい黒い人型が囲みました。
と、同時に、ディアブナスが僕の方に飛んでくるのが見えました。
僕は急いで、ブローに逃げてって言います。
ブローは凄く嫌そうな顔をしたけど、すぐにルリ達の所に行ってくれました。
そしてブローが向こうへ行ってすぐ、ディアブナスが僕の隣に浮かんで、みんなを見渡しました。
ブローを見て、スノーラ達を見て、それから僕を見て。
スノーラが来てくれようとするんだけど、あの動く結界に邪魔されて来られません。
『ようやく準備が整った。お前はこれから私の新たな器として、私を受け入れるのだ』
僕はディアブナスを睨むけど、ディアブナスは気にせずに僕の頭に手を置きました。
『復活できたのはよかったが、まさかここまで、予定通りに動けないとは』
ディアブナスが話している時でした。
ぼろっとディアブナスの片足が取れたんだ。それから顔、ほっぺの部分がちりちりって剥がれてきて、剥がれた皮膚がサラサラ、風に乗って消えていきます。
『スノーラ、急げ!』
『分かっている!』
向こうからドラゴンお父さんとスノーラの声が聞こえるけど、振り向くことができません。
ディアブナスが僕の頭に手を置いてから、僕、動けなくなっちゃったんだよ。
それに……。
ディアブナスは精神世界で、僕とブローを取り込もうとしていたでしょう? あの世界は本当に気持ち悪かったんだけど、今の感覚は、もっと気持ち悪い感じがするの。
そんな僕の様子を無視して、ディアブナスがまだ話してます。
『だがお前を新たな器にすれば……お前の力はかなりのものだからな。私の力にも耐えられ、さらにはお前の力までも、手に入れることができる。お前は小さすぎるから、動きは制限されるだろうが……お前のその力があれば、そんなもの大した問題ではない』
『スノーラ、助けて!!』
『助けてなの!!』
ルリ達の声? 何かとっても遠くに聞こえる。
それにルリ達よりも近くにいるスノーラの声は、もっと遠くに感じる。
何か変な感じだよ。
ディアブナスの、僕の頭に乗せている手から、ブワッと黒いモヤが出てきました。
このモヤモヤはダメな気がする。
ハリセンを使って抵抗できれば、体をディアブナスに取られちゃうまで時間を稼いで、その間にスノーラが助けに来てくれるかな?
僕の腕動いて! お願い!!
僕はどうなってもいいけど、ここには大好きなみんながいるんだよ。
新しい僕の家族がいるんだよ。
僕、ここに来て、家族ができてとっても嬉しかったんだ。
僕が体を乗っ取られて、僕の力でみんなを攻撃されたら――
そんなの嫌だよ。だからお願い! 腕動いて!!
でも僕の思いとは裏腹に、腕は動きませんでした。それどころかさっきから、体から力が抜けていく感覚がします。
それに頭がふらふらする感じもしてきたよ。
お願い、僕、スノーラ達には幸せでいてほしいんだ。
スノーラは前に大切な人がいなくなっちゃって。
ルリもアイスも、他のみんなもコレイション、ディアブナスに傷つけられて。
みんなにはこれ以上傷ついてほしくないんだよ。
「て、うごかしゅ」
『何だ、まだ意識があるのか。ふんっ、もうかなり私の力を注いでいるはずだが』
「はりしぇん、ちゅかう」
『はりしぇん? お前達が使っている、見たことのない武器のことか? 確かにかなり使えるようだな。今の私の状態は、お前達のその武器のせいだからな。コレイション!!』
「はっ!!」
『これから私は、この者の中へ入る。すぐに終わるが、その瞬間を狙われると面倒だ。しっかり奴らを抑えておけ』
そう言って、スノーラ達がいるだろう方を見ます。
お願い動いて! それでハリセンで攻撃するの!
でもその瞬間、ブワッと、ドロッとしたものが、僕の中に入ってくる感覚がして、目の前が暗くなってきました。
視界のはじから、どんどん黒に染まってくる感じです。
それから遠くの方で、スノーラやルリ、アイスの声が聞こえた気がしました。
ごめんねスノーラ、ルリ、アイス。このまま体を乗っ取られたら、みんなを確実に傷つけちゃう。本当にごめんね。
僕はそっと目を閉じました。
その時……。
『何だ!? どこから現れた!! くそおぉぉぉ! ふざけるなあぁぁぁ!!』
ディアブナスの怒鳴り声が聞こえたんだ。
でもおかしいの。さっきまで目の前でディアブナスは話していたのに、今の怒鳴り声は遠くで聞こえたんだ。
それからブワッとしたドロドロとした感じも、僕の体から出て行った感覚がありました。
それに、僕の頭を押さえていた、ディアブナスの手の感触もなくなりました。
それに体がとってもスッキリした気がして、腕を動かしてみたら軽く動いたよ。
でも……。色々とスッキリしたし、軽くなって腕も動かせるようになったけど、背中に何か、掴まれている感覚が。
それから僕の周りを、風がかなりの勢いで吹き抜ける感じがしてます。
『これ、一体どんな状況なの? なんでこんな危ない状況になってるのさ』
え? この声?
目をそっと開ける僕。
見えたのはディアブナスでも、スノーラ達でも、ユイゴさん達でもありません。
それどころか誰も僕の前にはいません。見えているのは街の風景。
え? と思いながらさらに周りを確認しようとした僕。
でもまたあの声が聞こえて。
『本当にギリギリだったよ。なんであんな状況になってるのさ』
バッ!! と見上げる僕。
そこには大きなカラス――魔獣姿のカースが、僕を掴んで飛んでいました。
◇ ◇ ◇
『イテテテ、久しぶりに本気を出したから、距離を見誤ったね』
周りを確認しようと、この辺りで一番大きな木に止まろうとしたら、僕、カースは行きすぎて、枝に顔をぶつけてしまった。
はぁ、これで何回目だろう。
だんだんと感覚が戻ってきて、ぶつかる回数は減ったけどね。
森を出てから数時間、僕はもう街の近くまで来ていた。
うん、やっぱり僕が本気を出せば、こんなものだ。
ただ……、この状況はまずいね。街へ近づくにつれて、闇の力がかなり強くなってきてる。
今では周りの気配が分からないほどに、闇が全てを覆ってしまっている。
まったく、前にディアブナスが現れたあの頃のようだ。いや、あの頃よりも悪い状況かな。
はぁ、まったく。マサキが命をかけて封印したのに、誰がその封印を解いたのか。
奴が世界を支配すれば、この世界なんてすぐになくなってしまう。そんなこと分かっているはずだろうに。
そうまでして奴を復活させ、何がしたいのか。
ディアブナスがここまで力を取り戻しているなら、スノーラだけでは止められそうにないか。
でも、ディアブナスがあの街にとどまっているということは、他にも何かあるのかな?
僕は再び動き出す。
『確かまっすぐに進んで右に少し曲がって、それからまたまっすぐ? いやぁ、久しぶりに森から出たから記憶がねぇ。ん? あれは……』
向こうの方に街が見えてきた。
記憶通り、スノーラ達が向かった街だ。
その街はどこよりも闇の力を強く感じる。
あの街に奴、ディアブナスがいることは間違いないだろう。
それにしても、街を覆っている結界と、それに群がる魔獣達。
街を守っている結界からは、さまざまな力を感じる。
どうも僕が思っていたよりもかなりの人数で、ディアブナスに対抗しているみたいだ。
大勢の者達の力で張られている、街を守る結界。そしてその結界を張るための魔法陣。
それは昔、結果としては失敗してしまった魔法陣でもあるけれど、それでも一度はディアブナスを封印した魔法陣だ。
確かにあれで止めておくのはいい考えだね。
ただ、いくらスノーラ達でも、ディアブナスの相手をしながら、この魔法陣を発動させたとは思えない。
しかもよく見れば、まだ魔法陣は不完全だ。
誰かが何とか発動させたけど、全然魔力が足りていないって感じかな。
う~ん、そうだね。着いたら僕は魔法陣の方に行こうかな? まずは魔法陣を完成させることが大事だろう。
それと、どこから入ろうか。
せっかくの結界だ。僕が中へ入るために穴を開けて、そこから魔獣が入ったら、結界を張った者達に文句を言われそうだよ。
その辺からヒョイと入れてくれないかな?
なんて考えているうちに、僕は街の中心の上空に着いた。
う~ん、本当にどこから入ろうか。
と、あれはハイエルフか?
そうか、彼らが来てくれていたんだね。だからここまでもったのか。
さてさて、ディアブナスはどこだろうね。
……おっ、あれか。あいかわらずの禍々しい力だね。
ん? おいおい、何をやっているんだ!
レンが捕まってるじゃないか! しかも、ディアブナスに頭を掴まれてる!
僕は急いで結界の中に入れそうな場所を探す。
僕が中へ入れば、あそこまでは一瞬で着く。
ハイエルフ達には悪いけど、彼らの結界に穴を……。
そう思っている時だった。
たまたま魔獣達が結界に穴を開けている所を見つけた。
結界は何度も修復しているようだけど、あそこはどこよりも、弱くなっていたみたいだ。
ちょうどいい、あそこから入らせてもらおう。そして全速力であの子の所に行かなきゃ。
僕は穴の開いた方へ向かう。
あまり速く飛ぶと中に入れずに通り過ぎることになるから、ここだけは普通に飛んだ。
そうして次々に、街に入ろうとする魔獣達をささっと倒しながら、結界の中へ入って、次の瞬間――結界が修復された。
危ない危ない、ギリギリだった。
近くにいたハイエルフ達と目が合う。
でも僕が誰かすぐに分かったようで、攻撃をされることはなかった。
僕は一直線に、あの子の所へ向かう。
一瞬だ。僕はそれだけ速く飛べるのだから。
ディアブナスに僕の気配がバレていなければ、一瞬で助けることができる。
スノーラのためにも、スノーラの家族を助けないと。
彼が悲しみの中で生きるのは、もう見たくないからね。もちろん後でお礼はしてもらうけど。
見えた! よし、気づいていない! 今だ!!
って。
ディアブナスはさっき、腕と足が取れたでしょう? それにずっと魔力が漏れています。
アレは今のディアブナスの力に、生贄になったラジミールの体が耐えられなくて、そうなったんじゃないかって。もうすぐあのラジミールの体は壊れちゃうみたいです。
器がなくても、力は使えるけれど、実体があった方が、さらに力が強くなるみたい。
封印の魔法陣も不完全とはいえ発動しているから、それに対応するために、新しい体が欲しくて、新たな器として、僕を選んだんじゃないかな。
ディアブナスは僕を取り込むつもりで誘拐とかしてきてたけど、今度は器?
僕、絶対に嫌だよ。
だから僕は、立ち止まらずに、なんとか逃げ続けています。
ルリ達とは途中で合流して、一緒に逃げてくれていたんだ。
でも少しして、何体も出てきた黒い人型に挟まれちゃいました。
『レン、僕達ハリセン攻撃!』
『魔法できないけど、ハリセン攻撃はできるなの!』
『よし、僕もハリセン攻撃だ。さっき僕は攻撃できなかったからね、今度は頑張るよ!』
『僕は闇魔法で奴らを止めるよ! それでレン達がハリセンで攻撃して!』
ルリ、アイス、ドラちゃん、ブローがそう言うので、僕は頷きます。
「こげき!!」
近くにいた方の黒い人型を、まずはブローが闇魔法で抑えてくれます。
それで動けない黒い人型の頭を、ルリとルリに運んでもらったアイスが攻撃。ドラちゃんは肩と脇腹を攻撃。僕は足を攻撃しました。
しっかりと決まったハリセン攻撃。
叩いた部分から黒い光が溢れ出して、黒い人型はそのまま消えていきます。
よし、ハリセンが使える!!
確認した僕達は、何とか自分達の方に来る黒い人型を消していきます。
でもね、気がついた時には、最初よりも黒い人型が増えていたんだ。
僕達を囲んでいるせいで、スノーラ達の姿も、バディー、ローレンスさんの姿も見えなくなっていました。
『これ以上は僕達には無理! 僕が抑えているうちに、あっちに逃げよう!』
『やっぱり僕が飛んだ方がいいかも。あそこのまだ少しは人型が少ない所まで逃げたら、僕がレンを掴んで飛ぶから。みんなはレンの肩や頭に乗って!』
ブローが悲鳴を上げたら、ドラちゃんがそう言いました。
ドラちゃんが僕の肩の部分の洋服を掴んで、ルリとアイスが急いで僕の頭の上に乗って、ブローはドラちゃんの頭に乗って、すぐにドラちゃんが飛んでくれました。
『ごめん、今の僕だとこの高さまでしか飛べないみたい。もう少し飛べると思ったんだけど』
『いいよ、あいつらより高いから。あいつら飛べないみたいだからね』
ブローがホッとした感じでそう言ったよ。
僕達は今、黒い人型三人分の高さくらいの所を、ふわふわ飛んでいます。
ふぅ、これで少しゆっくりできる。ドラちゃんありがとう。
僕は、やっと周りを確認です。
黒い人型が多いのは、バディー達の所。スノーラ達の所にも何体かいて、スノーラ達の攻撃を、コレイションと一緒に邪魔しています。
『あ、集まってきた!』
『向こうに行こう!』
確認をしていたら、飛んでいる僕達の下に、黒い人型が集まってきてウヨウヨし始めたから、別の場所に移動します。
そうしたら黒い人型もついてきて、また離れて……何回もそれの繰り返しになりました。
でもね、それがよかったみたい。
他の所にいた黒い人型も、飛ぶ僕達を見てどんどんこっちに集まってきたから、バディー達が戦いやすくなってたんだ。
うん、それはよかったんだけど。
『まずいよ! あっ! あぶない!!』
ブローがそう言った直後、集まっていた黒い人型全部が混ざり合って、一つの大きな黒い人型になったんだ。
大きな黒い人型は、僕達に闇魔法の攻撃をしてきて、吹き飛ばされて僕達はバラバラになります。
地面に倒れているうちに、僕は大きな黒い人型に捕まっちゃいました。
そしてすぐに、僕とその大きな黒い人型の下に魔法陣が現れました。
飛ばされた時の衝撃でちょっとボケッとしていた僕。
頭をフルフルと振って顔を上げたら、向こうにディアブナスのニヤッと笑う顔が見えて、それからスノーラ達の、僕を呼ぶ声が聞こえました。
『レン! くそ、こいつら邪魔だ!』
スノーラ達はこっちに来られないみたい。
『レン、離して!!』
『離すなの!!』
『レンを離してよ! えい! もう! 闇魔法弾くなんて嫌なやつ! えい! えい!』
そしたら、ルリ達が僕の方に来てくれました。
そしてみんなで、僕を捕まえている大きな黒い人型を攻撃してくれます。
僕もなんとかハリセン攻撃をと思ったんだけど、大きな手で掴まれていて、自由に腕が動かせません。
さっき僕を見てニヤッと笑っていたディアブナスは、今は笑うのをやめています。目を閉じてるんだ。
そんなディアブナスに攻撃するスノーラ達。
でも目を閉じているのに、スノーラ達の攻撃が当たりません。
と、ここで魔法陣に変化が。
魔法陣の模様が、赤黒く光り始めたんだ。僕は光り出した魔法陣を見て、急いでドラちゃんにお願いしました。
「どりゃちゃ! りゅりとあいしゅ、ちゅれちぇ、にげちぇ!」
『ダメ! 今ハリセンで攻撃してる! これ消す!!』
『みんなで攻撃、大丈夫なの!』
「にげちぇ! まほじんひかっちぇりゅ! あぶにゃい!!」
きっとディアブナスは、今にも僕を器にしようとしているんだ。それで魔法陣が光ってるんだと思う。
もし魔法陣が発動して、みんなも巻き込まれたら?
みんなの力もついでに吸い取られて、その強くなった力でスノーラ達を攻撃されたら?
そんなの嫌でしょう?
それに今、スノーラ達は僕を助けようと、一生懸命僕の所に来てくれようとしています。
そのための攻撃が、もしルリ達に当たったりしたら? そうなるかもって、スノーラが動きにくくなるかも。
それはダメだよ。
もちろん、ルリ達が怪我するのもダメ。
僕はルリ達に、何度も逃げてって言います。
それでも一生懸命、ハリセンで大きな黒い人型を攻撃するルリ達。
ハリセンが当たったところは、しっかり削れるから効いているんだろうけど、すぐに元に戻っちゃうんだ。
その時、ブローが攻撃を止めて、ルリ達の方に行きました。
『逃げるよ』
もちろんルリ達は嫌だって言います。
『レン助ける!』
『置いていかないなの!』
『レンの言う通りだよ。今、みんなが助けようとしてくれてる。僕達が邪魔になる可能性があるなら、レンのためにも、みんなのためにも、今は離れていた方がいいよ。僕は残って、これ以上闇が纏わりつかないようにするから』
顔を見合わせるルリ達。
ブローがもう一度『ね?』って言ったら、ルリ達が僕の方をしっかりと見てきます。
『僕、向こうで待ってる』
『ボクもなの』
「うん!」
大丈夫、絶対スノーラが助けてくれるから。
ルリとアイスが最後に一発ずつハリセン攻撃をして、ドラちゃんの背中に乗せてもらって、向こうへ飛んでいきます。
途中で何回も振り返って、僕を見てきて。
僕はルリ達が向こうに行くまで、ずっと笑っていたよ。
ルリ達と合流したスノーラ達は、何かを話した後。コレイションを攻撃しながら、僕の方へ来てくれます。
僕も一生懸命、手を出そうとしているよ。
『これでもくらえ!!』
スノーラとドラゴンお父さんの合わせ技が炸裂!!
コレイションの体にしっかりと当たって、コレイションが飛ばされました。
でもすぐに立ち上がって、よく見たら洋服は少しボロボロになっていたけど、全然怪我はしていないみたいです。
『身体強化を最大までかけたか。皆、攻撃を集中しろ!! スノーラ! お前はレンの元へ行くことだけ考えろ!!』
ドラゴンお父さんの合図で、次の攻撃がまた、コレイションにしっかり命中して、コレイションがさっきよりも吹き飛んだよ。
『レン!!』
スノーラが僕の方へ走ってきます。
それで、いつものヒュンッ! って見えない動きで、一瞬で僕の目の前に来たスノーラ。
でも次の瞬間、スノーラが何かに弾かれて少し後ろに下がりました。
ブローがすぐに確認。
僕達の後ろには何もなかったんだけど、前にだけ見えない結界みたいなものがあるって。
スノーラが急いで後ろに回ります。でもまた弾かれて、ブローが前と横を確認。前には何もなくなっていました。
どうもスノーラが行く方行く方に、見えない結界が出るみたい。
チッ! と舌打ちをしたスノーラ。
見えない結界を無理やり攻撃しようとしたら弾かれちゃって、スノーラの体にビリビリ雷みたいなものが襲いかかりました。
「しゅの!?」
『くっ!』
スノーラが弾かれた瞬間、僕達の周りをさらに何体もの、大きい黒い人型が囲みました。
と、同時に、ディアブナスが僕の方に飛んでくるのが見えました。
僕は急いで、ブローに逃げてって言います。
ブローは凄く嫌そうな顔をしたけど、すぐにルリ達の所に行ってくれました。
そしてブローが向こうへ行ってすぐ、ディアブナスが僕の隣に浮かんで、みんなを見渡しました。
ブローを見て、スノーラ達を見て、それから僕を見て。
スノーラが来てくれようとするんだけど、あの動く結界に邪魔されて来られません。
『ようやく準備が整った。お前はこれから私の新たな器として、私を受け入れるのだ』
僕はディアブナスを睨むけど、ディアブナスは気にせずに僕の頭に手を置きました。
『復活できたのはよかったが、まさかここまで、予定通りに動けないとは』
ディアブナスが話している時でした。
ぼろっとディアブナスの片足が取れたんだ。それから顔、ほっぺの部分がちりちりって剥がれてきて、剥がれた皮膚がサラサラ、風に乗って消えていきます。
『スノーラ、急げ!』
『分かっている!』
向こうからドラゴンお父さんとスノーラの声が聞こえるけど、振り向くことができません。
ディアブナスが僕の頭に手を置いてから、僕、動けなくなっちゃったんだよ。
それに……。
ディアブナスは精神世界で、僕とブローを取り込もうとしていたでしょう? あの世界は本当に気持ち悪かったんだけど、今の感覚は、もっと気持ち悪い感じがするの。
そんな僕の様子を無視して、ディアブナスがまだ話してます。
『だがお前を新たな器にすれば……お前の力はかなりのものだからな。私の力にも耐えられ、さらにはお前の力までも、手に入れることができる。お前は小さすぎるから、動きは制限されるだろうが……お前のその力があれば、そんなもの大した問題ではない』
『スノーラ、助けて!!』
『助けてなの!!』
ルリ達の声? 何かとっても遠くに聞こえる。
それにルリ達よりも近くにいるスノーラの声は、もっと遠くに感じる。
何か変な感じだよ。
ディアブナスの、僕の頭に乗せている手から、ブワッと黒いモヤが出てきました。
このモヤモヤはダメな気がする。
ハリセンを使って抵抗できれば、体をディアブナスに取られちゃうまで時間を稼いで、その間にスノーラが助けに来てくれるかな?
僕の腕動いて! お願い!!
僕はどうなってもいいけど、ここには大好きなみんながいるんだよ。
新しい僕の家族がいるんだよ。
僕、ここに来て、家族ができてとっても嬉しかったんだ。
僕が体を乗っ取られて、僕の力でみんなを攻撃されたら――
そんなの嫌だよ。だからお願い! 腕動いて!!
でも僕の思いとは裏腹に、腕は動きませんでした。それどころかさっきから、体から力が抜けていく感覚がします。
それに頭がふらふらする感じもしてきたよ。
お願い、僕、スノーラ達には幸せでいてほしいんだ。
スノーラは前に大切な人がいなくなっちゃって。
ルリもアイスも、他のみんなもコレイション、ディアブナスに傷つけられて。
みんなにはこれ以上傷ついてほしくないんだよ。
「て、うごかしゅ」
『何だ、まだ意識があるのか。ふんっ、もうかなり私の力を注いでいるはずだが』
「はりしぇん、ちゅかう」
『はりしぇん? お前達が使っている、見たことのない武器のことか? 確かにかなり使えるようだな。今の私の状態は、お前達のその武器のせいだからな。コレイション!!』
「はっ!!」
『これから私は、この者の中へ入る。すぐに終わるが、その瞬間を狙われると面倒だ。しっかり奴らを抑えておけ』
そう言って、スノーラ達がいるだろう方を見ます。
お願い動いて! それでハリセンで攻撃するの!
でもその瞬間、ブワッと、ドロッとしたものが、僕の中に入ってくる感覚がして、目の前が暗くなってきました。
視界のはじから、どんどん黒に染まってくる感じです。
それから遠くの方で、スノーラやルリ、アイスの声が聞こえた気がしました。
ごめんねスノーラ、ルリ、アイス。このまま体を乗っ取られたら、みんなを確実に傷つけちゃう。本当にごめんね。
僕はそっと目を閉じました。
その時……。
『何だ!? どこから現れた!! くそおぉぉぉ! ふざけるなあぁぁぁ!!』
ディアブナスの怒鳴り声が聞こえたんだ。
でもおかしいの。さっきまで目の前でディアブナスは話していたのに、今の怒鳴り声は遠くで聞こえたんだ。
それからブワッとしたドロドロとした感じも、僕の体から出て行った感覚がありました。
それに、僕の頭を押さえていた、ディアブナスの手の感触もなくなりました。
それに体がとってもスッキリした気がして、腕を動かしてみたら軽く動いたよ。
でも……。色々とスッキリしたし、軽くなって腕も動かせるようになったけど、背中に何か、掴まれている感覚が。
それから僕の周りを、風がかなりの勢いで吹き抜ける感じがしてます。
『これ、一体どんな状況なの? なんでこんな危ない状況になってるのさ』
え? この声?
目をそっと開ける僕。
見えたのはディアブナスでも、スノーラ達でも、ユイゴさん達でもありません。
それどころか誰も僕の前にはいません。見えているのは街の風景。
え? と思いながらさらに周りを確認しようとした僕。
でもまたあの声が聞こえて。
『本当にギリギリだったよ。なんであんな状況になってるのさ』
バッ!! と見上げる僕。
そこには大きなカラス――魔獣姿のカースが、僕を掴んで飛んでいました。
◇ ◇ ◇
『イテテテ、久しぶりに本気を出したから、距離を見誤ったね』
周りを確認しようと、この辺りで一番大きな木に止まろうとしたら、僕、カースは行きすぎて、枝に顔をぶつけてしまった。
はぁ、これで何回目だろう。
だんだんと感覚が戻ってきて、ぶつかる回数は減ったけどね。
森を出てから数時間、僕はもう街の近くまで来ていた。
うん、やっぱり僕が本気を出せば、こんなものだ。
ただ……、この状況はまずいね。街へ近づくにつれて、闇の力がかなり強くなってきてる。
今では周りの気配が分からないほどに、闇が全てを覆ってしまっている。
まったく、前にディアブナスが現れたあの頃のようだ。いや、あの頃よりも悪い状況かな。
はぁ、まったく。マサキが命をかけて封印したのに、誰がその封印を解いたのか。
奴が世界を支配すれば、この世界なんてすぐになくなってしまう。そんなこと分かっているはずだろうに。
そうまでして奴を復活させ、何がしたいのか。
ディアブナスがここまで力を取り戻しているなら、スノーラだけでは止められそうにないか。
でも、ディアブナスがあの街にとどまっているということは、他にも何かあるのかな?
僕は再び動き出す。
『確かまっすぐに進んで右に少し曲がって、それからまたまっすぐ? いやぁ、久しぶりに森から出たから記憶がねぇ。ん? あれは……』
向こうの方に街が見えてきた。
記憶通り、スノーラ達が向かった街だ。
その街はどこよりも闇の力を強く感じる。
あの街に奴、ディアブナスがいることは間違いないだろう。
それにしても、街を覆っている結界と、それに群がる魔獣達。
街を守っている結界からは、さまざまな力を感じる。
どうも僕が思っていたよりもかなりの人数で、ディアブナスに対抗しているみたいだ。
大勢の者達の力で張られている、街を守る結界。そしてその結界を張るための魔法陣。
それは昔、結果としては失敗してしまった魔法陣でもあるけれど、それでも一度はディアブナスを封印した魔法陣だ。
確かにあれで止めておくのはいい考えだね。
ただ、いくらスノーラ達でも、ディアブナスの相手をしながら、この魔法陣を発動させたとは思えない。
しかもよく見れば、まだ魔法陣は不完全だ。
誰かが何とか発動させたけど、全然魔力が足りていないって感じかな。
う~ん、そうだね。着いたら僕は魔法陣の方に行こうかな? まずは魔法陣を完成させることが大事だろう。
それと、どこから入ろうか。
せっかくの結界だ。僕が中へ入るために穴を開けて、そこから魔獣が入ったら、結界を張った者達に文句を言われそうだよ。
その辺からヒョイと入れてくれないかな?
なんて考えているうちに、僕は街の中心の上空に着いた。
う~ん、本当にどこから入ろうか。
と、あれはハイエルフか?
そうか、彼らが来てくれていたんだね。だからここまでもったのか。
さてさて、ディアブナスはどこだろうね。
……おっ、あれか。あいかわらずの禍々しい力だね。
ん? おいおい、何をやっているんだ!
レンが捕まってるじゃないか! しかも、ディアブナスに頭を掴まれてる!
僕は急いで結界の中に入れそうな場所を探す。
僕が中へ入れば、あそこまでは一瞬で着く。
ハイエルフ達には悪いけど、彼らの結界に穴を……。
そう思っている時だった。
たまたま魔獣達が結界に穴を開けている所を見つけた。
結界は何度も修復しているようだけど、あそこはどこよりも、弱くなっていたみたいだ。
ちょうどいい、あそこから入らせてもらおう。そして全速力であの子の所に行かなきゃ。
僕は穴の開いた方へ向かう。
あまり速く飛ぶと中に入れずに通り過ぎることになるから、ここだけは普通に飛んだ。
そうして次々に、街に入ろうとする魔獣達をささっと倒しながら、結界の中へ入って、次の瞬間――結界が修復された。
危ない危ない、ギリギリだった。
近くにいたハイエルフ達と目が合う。
でも僕が誰かすぐに分かったようで、攻撃をされることはなかった。
僕は一直線に、あの子の所へ向かう。
一瞬だ。僕はそれだけ速く飛べるのだから。
ディアブナスに僕の気配がバレていなければ、一瞬で助けることができる。
スノーラのためにも、スノーラの家族を助けないと。
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見えた! よし、気づいていない! 今だ!!
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