ダンジョンの戦闘配信? いやいや魔獣達のための癒しスローライフ配信です!!

ありぽん

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84話 大人気ない大人たち

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「おい、拓哉、今度お前達、視聴者参加型配信するんだろう? それに俺も参加するからな、よろしく頼むぞ」

「は?」

 今日は康伸叔父さんが、お酒を飲みに家のきていたんだけど、突然の報告に思わず、は? と言ってしまった。

 叔父さんが視聴者さん参加型配信に参加する? 何故? 大体配信日は叔父さん普通に仕事だろう。どうやって参加するんだよ。と、聞いてみれば。

「しっかり休みをとったから大丈夫だ」

「……」

「だから仕事は気にせず、しっかりと配信に参加できる」

「……母さん、西川さんに電話」

「今かけてるところよ」

「おい、俺は本当に休みをとったんだぞ!」

「信用できません。何回それで騙されたことか。楽しい事ばかりを優先して、西川さんにどれだけの迷惑がかかったと思っているんです! あっ、西川さん、夜分にごめんなさいね。ちょっと確認したいことがあって……」

 母さんが西川さんにかけた電話はすぐに繋がり、母さんが事実確認を行う。その間叔父さんは、ちゃんと休みはとったのに、仕事も終わらせたのに、とブツブツ言いながら、コップに入っていたビールを飲み干し、父さんがすぐにまたビールを注いだ。

「あら、そうなの」

『……、……、……!』

 電話口の西川さん、なんか怒ってないか?

「分かったは。それなら良いでしょう。明日取りに行くわね。良いのよ、そんな。あなたはあなたの仕事をして。大体うちの親戚が迷惑をかけているんだから、これくらい当たり前よ。それじゃあ、今回はごめんなさいね。また明日」

 そうして電話を切った母さんが、俺達の方を振り向く。その途端ラビ達はある物を持って、サッ!! とその場から離れた。ある物っていうのは、この前晴翔に貰った、最後のプレゼントだ。
 
 そして俺も下を向き、父さんは父さんで、ビール瓶を片手に、口笛を吹きながらテレビの方を見た。

「お、おい、なんて言ってたんだ? しっかり仕事は終わっているて言ってただろう?」

「仕事を終わらせたねぇ。少し話しが違うみたいだけれど? 確かに明後日までの分は終わらせたみたいね」

「だ、だろう。だから言ったじゃないか」

「仕事の内容によってわね。上手く逃げてきたみたいねぇ、人に押し付けたり、他の日に振り分けて、今の仕事はないように見せかけたり……ね」

「!!!!!!」

 やっぱりか。話しをまとめるとこうだ。何故か俺達の視聴者さん参加型配信に、参加したいと言い始めた叔父さん。絶対とまで言ったらしい。
 そのため西川さんは、全ての仕事を終わらせたなら、ご自由にしてくださいと言ったらしんだけど。

 絶対に全ての仕事を終わらせられないと、確信していた西川さんは。いつもの仕事にプラスする感じで、叔父さんに仕事をさせていたと。

 協会で立場にある叔父さんだからな。通常でもかなりの仕事量なんだけど、サボったり、乗り気じゃないとか何とかで、いつも仕事が遅れるため、西川さんはいつも監視していて。
 今回は叔父さんが休みを取りたいということで、いつも以上に厳しく監視していたし、やればできるんだからと、仕事量を増やしたんだ。

 ただ、一昨日からどうしても外せない仕事で、出張した西川さん。帰ってきて確認をしたら、一部の仕事はきちんと終わらせてあったものの。後は部下に任せたり、別の日にやる仕事に紛れ込ませて気づかれにくくしたりと。色々誤魔化したまま休みを取った。

 と、いう事だった。

「他の仕事に紛れ込ませるのは、後で自分が大変になるだけですからね、まぁ、それについてはやったな、という感じですけど。なに部下に仕事を押し付けているんですか!!」

「別に押し付けたわけじゃないぞ! ちょうどあいつらが仕事に行く場所で調べることがあったから、どうせ行くならついでに見てきてくれって頼んだだけだ! 良いだろう、それくらい? 同じ場所なんだぞ」

「その本来ならやらなくて良い仕事のせいで、部下の方達は余計な時間を取られるんですよ!! そこに正座しなさい!!」

 それから1時間ほど、母さんにお説教された叔父さん。そうして一応お説教が終われば、あまりの母さんの迫力に、おじさんのお酒は完全に飛んでしまっていたよ。

「明日、西川さんから仕事を預かってきますからね! 休みの間にしっかり終わらせてください!!」

 西川さんが絶対に終わらせてほしい仕事をリストアップしたから、それを明日協会に用事のある母さんが取りに行って、叔父さんに渡すって。

「チッ、バレるのが早かったな」

「早かったじゃありません!! 良いですか、泊まりの間は私が見張りますからね!!」

「それでも俺は絶対に、配信に参加するからな!!」

「はぁ。叔父さん、何でまた、俺達の配信に参加するなんて言い出したんだよ。ラビ達に会いたいってことなら、いつでも叔父さんは遊びに来て会ってるし、何ならこの前なんて3日連続で会いにきただろう?」

「俺は配信のプレゼントが欲しいんだよ!!」

「は?」

「だから俺も、配信のプレゼントが欲しいから、ゲームに参加してプレゼントの個数が増えるようにしようと思ったんだ。俺はラビ達の事を良く知ってるからな」

「は?」

「だからな、プレゼントだよ、プレゼント!!」

 だから何でプレゼントだよ!!
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