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98話 雨の日緊急配信3
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“なるほど、そこはそうすると良いのか”
“それだと隙間ができなくて、下に漏れないもんな”
“端はそうやるのか”
“俺いつも仕方なく2重にしてたは”
“ちゃんと覚えておかないと”
“魔獣と暮らすってことは、全てを受け入れないとダメだもんね”
“階段部分は、途中までで良いんですか?”
「階段の場合なんですが、こちらを用意しました。よく使う荷物を置いてある場所を隠す用の仕切りですね。材質はビニールの物を選びます」
大惨事の写真。あれを見せた後、少しの間静かになってしまった視聴者さん達。だけどある視聴者さんの言葉に、みんな復活してくれて。俺達は説明を再開した。
どちらかというと、魔獣と暮らしていない人、これから暮らそうと思っていた視聴者さんが、あまりの大惨事に、静かになってしまっていたんだけど。
ある視聴者さんは、明日から魔獣と暮らすって予定でいたらしい。魔獣と契約したあと、家で暮らす前に、1週間ほど協会に預ける事になっているんだ。それは健康や何か問題がないか、チェックを受けるためで。
こちらに持ち込むとダメな物。ほら、繁殖力の高い、地球の花をどんどん枯らしてしまうような植物の種が、魔獣についていたら、後で大変な事になるかもしれないだろう? だから、そういった問題がないかも、チェックするんだよ。
その視聴者さんの家族魔獣は、今日の夜にそのチェックが終わり、明日から暮らす事になっていた。そして視聴者さんが自身は、明日、魔獣と暮らすとは? という講習を受ける予定で。
実はその講習で、雨と魔獣に付いて、も学ぶ事になっているんだけど。まだ、その講習を受けていなかったから、今回の事をあまり深く考えてはいなかったようだ。
だから今回の配信を見て、あまりの酷さに少し動揺してしまったらしい。だけどその時、たまたま机の上に置いてあった、魔獣と一緒に撮った写真が入れられた、写真たてが目に入り。
自分を好きになってくれて、家族になってくれると、契約してくれた魔獣。共にダンジョンから出て、1週間後には一緒に暮らせると、そう魔獣に言えば。その魔獣はとてもとても嬉しそうな顔をして。
その笑顔を思い出して、それからあの惨状の写真を見直して、しっかり決心がついたらしい。魔獣と暮らすってことは、全てを受け入れること。汚れるとか、家が大変な事になるとか、そんな事は自分で対策すれば良いんだから、そんなことくらいで自分達の絆は壊れない、と。
だから今回の俺達の配信は、とても嬉しいし、ありがたいって言ってくれてさ。その話しを聞いた他の視聴者さん達も、その視聴者さんと同じ考えになって。それからはみんな、めちゃくちゃ質問してくるようになった。
その視聴者さんには感謝だよ。いくら魔獣達と自分達のためとはいえ、みんな尻込みして終わっちゃうところだったからな。そうして今俺達は、最後の階段部分を対策している。
「魔獣が階段を上らないようにする、そして雨対策のしてある、柵があるんですが、結構お値段がするんですよね。ですので俺は、簡単な物で対策しているんですよ。ただの柵ならそんなに高くないですし、そこにビニールの仕切りを付ければ、それで対策できますから」
“なるほどな”
“そうなんだよ、対策物って高いんだよ”
“でもこれならかなり安く済むし、しっかり対策もできる”
“なるほどなぁ”
「では、最後にここをこうして……。これで全て完了です。閉められる部屋は全て閉め、ラビ達が歩きそうな場所には、全て対策をしました。それでは、今からラビ達を外に出しますね」
やっと終わったかって感じの顔をしているラビ達。説明しながらここまで早く用意したんだから、そんな顔で見るなよ。
「よし、じゃあみんな遊んできて良いぞ」
俺が思い切り窓を開ければ、外へ飛び出していくラビ達。そうして5分もしないうちに泥だらけになった。
それから遊びに夢中で、泥が勢いよく飛んでくるため、対策のしてある窓を閉めた。窓には、家の場合は、泥対策で1枚だけ薄いフィルムを貼るんだけど。今日は視聴者さん達がちゃんと見られるように、何枚か重ねて貼って、汚れたら1枚ずつ剥がせるようにしておいた。
「どうですか? 凄いでしょう。本気雨遊びは」
“めちゃ楽しそうw”
“それに幸せそう”
“雪合戦ならぬ泥合戦w”
“あー、これは無理だわwww”
“うちの魔獣も今頃遊んでるんかな”
“うちは母さんが対策間に合ってた”
“おー!!”
“良かったね”
“お母さんお疲れ様です”
とっても楽しそうなラビ達。泥合戦の後は、スケートみたいに、泥の上を体全体で滑って遊んだり、回転ジャンプをしたりと。まぁ、いろいろ自分達で考えて遊んでしたよ。
そうして、そんな光景を見ながら、俺達は今回の対策について、改めて道具や素材に付いて説明を始め。2時間が過ぎた頃、ついに雨が止んできた。雨が弱まれば、ラビ達は家に戻ってくるからな。最後の準備だ。
ちなみに1日中本降りの場合は、可哀想だが強制的に連れ帰り、もう絶対に外に出ないよう、しっかりと戸締りをする。という対策しかできない。こればかりはな。
ただ、ラビ達の場合は、1日遊びっぱなしだと満足するのか。綺麗にした後は、少し出たそうにはするものの、窓から外を眺めるだけで外には出ない。
「家に1人ではなく、他のご家族の方もおられる場合は、こちらの大きめのタオルを売っていますので、これを数人で持ち、家に入ってきた魔獣を皆で包むのもありですね。とても柔らかい素材で、魔獣の肌にも毛にも優しいんですよ。後はこちらの……」
最後の説明をする俺。そして視聴者さん達に、最後のお詫びを入れる。
「ここからは、本当にドタバタすると思うので、もしかしたらカメラが止まる可能性もあります。予備のカメラでも撮影していますが、そちらに切り替えできない可能性も。その場合、別の日の配信になってしまいますが、改めてそのビデを見ながら、説明をさせていただきますので、ご了承ください」
“は~い”
“おけおけ”
“さぁ、ラビたん達を、しっかり捕獲できるか!”
“みんな頑張れ、捕まるな!!”
“誰の応援だよw”
“そこは捕獲しないとダメだろうw”
“いや、みんな頑張るんだ!!w”
何故か応援を始める視聴者さん達。……暴れられてたまるか。
俺はタオルを持って、窓の前に立つ。晴翔が1匹がギリギリ通れるくらいの幅で、窓を開けた。
“それだと隙間ができなくて、下に漏れないもんな”
“端はそうやるのか”
“俺いつも仕方なく2重にしてたは”
“ちゃんと覚えておかないと”
“魔獣と暮らすってことは、全てを受け入れないとダメだもんね”
“階段部分は、途中までで良いんですか?”
「階段の場合なんですが、こちらを用意しました。よく使う荷物を置いてある場所を隠す用の仕切りですね。材質はビニールの物を選びます」
大惨事の写真。あれを見せた後、少しの間静かになってしまった視聴者さん達。だけどある視聴者さんの言葉に、みんな復活してくれて。俺達は説明を再開した。
どちらかというと、魔獣と暮らしていない人、これから暮らそうと思っていた視聴者さんが、あまりの大惨事に、静かになってしまっていたんだけど。
ある視聴者さんは、明日から魔獣と暮らすって予定でいたらしい。魔獣と契約したあと、家で暮らす前に、1週間ほど協会に預ける事になっているんだ。それは健康や何か問題がないか、チェックを受けるためで。
こちらに持ち込むとダメな物。ほら、繁殖力の高い、地球の花をどんどん枯らしてしまうような植物の種が、魔獣についていたら、後で大変な事になるかもしれないだろう? だから、そういった問題がないかも、チェックするんだよ。
その視聴者さんの家族魔獣は、今日の夜にそのチェックが終わり、明日から暮らす事になっていた。そして視聴者さんが自身は、明日、魔獣と暮らすとは? という講習を受ける予定で。
実はその講習で、雨と魔獣に付いて、も学ぶ事になっているんだけど。まだ、その講習を受けていなかったから、今回の事をあまり深く考えてはいなかったようだ。
だから今回の配信を見て、あまりの酷さに少し動揺してしまったらしい。だけどその時、たまたま机の上に置いてあった、魔獣と一緒に撮った写真が入れられた、写真たてが目に入り。
自分を好きになってくれて、家族になってくれると、契約してくれた魔獣。共にダンジョンから出て、1週間後には一緒に暮らせると、そう魔獣に言えば。その魔獣はとてもとても嬉しそうな顔をして。
その笑顔を思い出して、それからあの惨状の写真を見直して、しっかり決心がついたらしい。魔獣と暮らすってことは、全てを受け入れること。汚れるとか、家が大変な事になるとか、そんな事は自分で対策すれば良いんだから、そんなことくらいで自分達の絆は壊れない、と。
だから今回の俺達の配信は、とても嬉しいし、ありがたいって言ってくれてさ。その話しを聞いた他の視聴者さん達も、その視聴者さんと同じ考えになって。それからはみんな、めちゃくちゃ質問してくるようになった。
その視聴者さんには感謝だよ。いくら魔獣達と自分達のためとはいえ、みんな尻込みして終わっちゃうところだったからな。そうして今俺達は、最後の階段部分を対策している。
「魔獣が階段を上らないようにする、そして雨対策のしてある、柵があるんですが、結構お値段がするんですよね。ですので俺は、簡単な物で対策しているんですよ。ただの柵ならそんなに高くないですし、そこにビニールの仕切りを付ければ、それで対策できますから」
“なるほどな”
“そうなんだよ、対策物って高いんだよ”
“でもこれならかなり安く済むし、しっかり対策もできる”
“なるほどなぁ”
「では、最後にここをこうして……。これで全て完了です。閉められる部屋は全て閉め、ラビ達が歩きそうな場所には、全て対策をしました。それでは、今からラビ達を外に出しますね」
やっと終わったかって感じの顔をしているラビ達。説明しながらここまで早く用意したんだから、そんな顔で見るなよ。
「よし、じゃあみんな遊んできて良いぞ」
俺が思い切り窓を開ければ、外へ飛び出していくラビ達。そうして5分もしないうちに泥だらけになった。
それから遊びに夢中で、泥が勢いよく飛んでくるため、対策のしてある窓を閉めた。窓には、家の場合は、泥対策で1枚だけ薄いフィルムを貼るんだけど。今日は視聴者さん達がちゃんと見られるように、何枚か重ねて貼って、汚れたら1枚ずつ剥がせるようにしておいた。
「どうですか? 凄いでしょう。本気雨遊びは」
“めちゃ楽しそうw”
“それに幸せそう”
“雪合戦ならぬ泥合戦w”
“あー、これは無理だわwww”
“うちの魔獣も今頃遊んでるんかな”
“うちは母さんが対策間に合ってた”
“おー!!”
“良かったね”
“お母さんお疲れ様です”
とっても楽しそうなラビ達。泥合戦の後は、スケートみたいに、泥の上を体全体で滑って遊んだり、回転ジャンプをしたりと。まぁ、いろいろ自分達で考えて遊んでしたよ。
そうして、そんな光景を見ながら、俺達は今回の対策について、改めて道具や素材に付いて説明を始め。2時間が過ぎた頃、ついに雨が止んできた。雨が弱まれば、ラビ達は家に戻ってくるからな。最後の準備だ。
ちなみに1日中本降りの場合は、可哀想だが強制的に連れ帰り、もう絶対に外に出ないよう、しっかりと戸締りをする。という対策しかできない。こればかりはな。
ただ、ラビ達の場合は、1日遊びっぱなしだと満足するのか。綺麗にした後は、少し出たそうにはするものの、窓から外を眺めるだけで外には出ない。
「家に1人ではなく、他のご家族の方もおられる場合は、こちらの大きめのタオルを売っていますので、これを数人で持ち、家に入ってきた魔獣を皆で包むのもありですね。とても柔らかい素材で、魔獣の肌にも毛にも優しいんですよ。後はこちらの……」
最後の説明をする俺。そして視聴者さん達に、最後のお詫びを入れる。
「ここからは、本当にドタバタすると思うので、もしかしたらカメラが止まる可能性もあります。予備のカメラでも撮影していますが、そちらに切り替えできない可能性も。その場合、別の日の配信になってしまいますが、改めてそのビデを見ながら、説明をさせていただきますので、ご了承ください」
“は~い”
“おけおけ”
“さぁ、ラビたん達を、しっかり捕獲できるか!”
“みんな頑張れ、捕まるな!!”
“誰の応援だよw”
“そこは捕獲しないとダメだろうw”
“いや、みんな頑張るんだ!!w”
何故か応援を始める視聴者さん達。……暴れられてたまるか。
俺はタオルを持って、窓の前に立つ。晴翔が1匹がギリギリ通れるくらいの幅で、窓を開けた。
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