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かわいそう(笑)なプレイボーイ
ある夏の1日
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「なあ。」
「なによ。」
「なんで俺がお前の買い物に付き合わされてんだよ。」
俺は、やっと出あった都会のオアシス、モールの中で一息つきながら文句を言った。せっかくの休みに叩き起こされて連れてこられたショッピングモール。なんでやねん。近くのベンチに腰を落ち着けて汗を引かせる。今日も夏日だ。
「だから、もう何度も言ったでしょう。お父さんの誕生日のプレゼントを男性の目で選んで欲しいからよ。」
俺は、目の前を手を組んで通り過ぎるカップルを見て、死ね、死ね!と念を送った。くくくく、お前ら死ぬぞ!後80年後ぐらいにな。
「さあ、もう時間がもったいないから立った立った。」
ク、クララが立った・・・じゃない。なんでお前手を組んでいるんだ。そして、この巨大な西瓜が・・・・・。
「西瓜・・・・じゃなくて、桃、お前、近いぞ。」
「し、仕方がないじゃない、あんたが、羨ましそうにカップル見てるから、お礼に雰囲気だけでも味わわせてあげようと思ったのよ。」
西瓜、いやさ桃がちょっと顔を赤らめて上目遣いでこっちを見た。こいつ、桃のくせにちょっとだけかわいいぞ。
「なんで、てるてる坊主に頼まなかったんだよ。」
「だって、照君にもプレゼント送りたいから。」
「あ、はい。」
俺は、素に戻った。危うく騙されるところだった。俺ってチョロイ?しかし、西瓜が当たって気持ちええ。これってまだ15禁じゃないよね。ママン。
俺たちは、いろいろ店をまわったが、ろくなものが置いてなかった。はあ、無駄な時間だ。その上、西瓜と来たら、ブランドの服のコーナーで立ち止まって、いろいろ選び始めやがった。くそ!女の買い物はなげえっていうけど本当だ。
俺は、ぐったりしたから、近くのベンチによろよろと辿りつき、そこに座った。
ちかくにサラリーマンらしき兄ちゃんが座っていた。その目線の先には、目の色を変えてショッピングをしている綺麗なお姉さんがいた。
ふと、お兄さんと視線があった。ふたりで、ふと、笑いあってしまった。いやはや。悲しいものだ。
すると、試着室に入っていた西瓜が、頭だけだして、俺を呼んだ。お兄さんが、早く行け、というように俺に頷いた。戦友よ、今から俺は戦場に戻ります。
ゆっくりと、近づくと、いきなり、カーテンが開いた。
「じゃじゃーん、どう?」
そこには、巨大な西瓜が・・・・・ビキニに身をまとって恥ずかしそうにしている西瓜、もとい桃がいた。
「今度生徒会で行くキャンプで着るの。」
そして、いきなり俺を引き寄せて耳元で、囁いた。
「照副会長より先に見せてあげたんだゾ。今日付き合ってくれたサービス。」
そして、シャっとカーテンを閉めた。
俺はベンチに目をやった。するとお兄さんが、グっと親指を立てた。顔がだらしない。しかし次の瞬間お兄さんを綺麗なお姉さんがはたいた。お兄さんは、寂しそうに立ち上がり、何か言い訳をしている。なむなむ。やっぱ、胸だよな。綺麗なお姉さんの少し薄い胸を見て俺は合掌した。戦友よ、朋友よ、立派に戦場に散るべし。
結局俺たちは、夕方近くまでモールで過ごした。桃の父親には、無難にネクタイを、そしててるてる坊主には、何かのお礼のTシャツを買ったらしい。
帰り道、少し温度も落ち着いた道を俺たちは歩いた。まだ、腕を組んでいたが、ふと思い出したように、西瓜は手を離した。
「今日はありがと。」
「特別サービスだぜ。もう2度とやらんからな。」
「私、こっちの方だから。今日は本当にありがと、はい。」
「なんだこれ?」
西瓜が何か差し出して来た。小さな紙袋だ。
「今日のお礼。ハンカチ。」
なるほど。
「ああ、いまショボって思ったでしょう。」
「イエイエ、ソンナコトハ、オモッテモ、イマセンデシタ。」
「本当かしら。でも本当のお礼は、」
彼女はいきなり抱きついて俺の頬にキスを落とした。
「こっち。」
ウィンクして手を振り去って行く。ちょっと顔が心なしか赤いぞお前。
慣れないことすんな。
俺は彼女が遠くなるのを見守って、伸びをした。
「おい、楓、いるんだろ。」
電信柱の陰からびくっと楓が動く気配がした。
「誤解すんなよ、あれ、単なるお礼らしいから。それからできたら消しとけよ。」
「無理、もうクラウドに保存した。」
電信柱の後ろからビデオカメラ(4K)を抱えた楓が出て来た。
「お前も難儀だったな。アイス奢ってやるから食いに行くか。」
「うん。」
満面の笑みを浮かべる楓。
俺たちはいつかの小学生の時の夏休みのように勝手知ったる駄菓子屋へと足を向けた。セミの鳴き声がやかましい。今年も暑くなりそうだ。
「結構強敵になりそうね・・・・・。」
ポツリと呟く楓の声を無視して俺は時々吹いて来る風を楽しむのだった。
「なによ。」
「なんで俺がお前の買い物に付き合わされてんだよ。」
俺は、やっと出あった都会のオアシス、モールの中で一息つきながら文句を言った。せっかくの休みに叩き起こされて連れてこられたショッピングモール。なんでやねん。近くのベンチに腰を落ち着けて汗を引かせる。今日も夏日だ。
「だから、もう何度も言ったでしょう。お父さんの誕生日のプレゼントを男性の目で選んで欲しいからよ。」
俺は、目の前を手を組んで通り過ぎるカップルを見て、死ね、死ね!と念を送った。くくくく、お前ら死ぬぞ!後80年後ぐらいにな。
「さあ、もう時間がもったいないから立った立った。」
ク、クララが立った・・・じゃない。なんでお前手を組んでいるんだ。そして、この巨大な西瓜が・・・・・。
「西瓜・・・・じゃなくて、桃、お前、近いぞ。」
「し、仕方がないじゃない、あんたが、羨ましそうにカップル見てるから、お礼に雰囲気だけでも味わわせてあげようと思ったのよ。」
西瓜、いやさ桃がちょっと顔を赤らめて上目遣いでこっちを見た。こいつ、桃のくせにちょっとだけかわいいぞ。
「なんで、てるてる坊主に頼まなかったんだよ。」
「だって、照君にもプレゼント送りたいから。」
「あ、はい。」
俺は、素に戻った。危うく騙されるところだった。俺ってチョロイ?しかし、西瓜が当たって気持ちええ。これってまだ15禁じゃないよね。ママン。
俺たちは、いろいろ店をまわったが、ろくなものが置いてなかった。はあ、無駄な時間だ。その上、西瓜と来たら、ブランドの服のコーナーで立ち止まって、いろいろ選び始めやがった。くそ!女の買い物はなげえっていうけど本当だ。
俺は、ぐったりしたから、近くのベンチによろよろと辿りつき、そこに座った。
ちかくにサラリーマンらしき兄ちゃんが座っていた。その目線の先には、目の色を変えてショッピングをしている綺麗なお姉さんがいた。
ふと、お兄さんと視線があった。ふたりで、ふと、笑いあってしまった。いやはや。悲しいものだ。
すると、試着室に入っていた西瓜が、頭だけだして、俺を呼んだ。お兄さんが、早く行け、というように俺に頷いた。戦友よ、今から俺は戦場に戻ります。
ゆっくりと、近づくと、いきなり、カーテンが開いた。
「じゃじゃーん、どう?」
そこには、巨大な西瓜が・・・・・ビキニに身をまとって恥ずかしそうにしている西瓜、もとい桃がいた。
「今度生徒会で行くキャンプで着るの。」
そして、いきなり俺を引き寄せて耳元で、囁いた。
「照副会長より先に見せてあげたんだゾ。今日付き合ってくれたサービス。」
そして、シャっとカーテンを閉めた。
俺はベンチに目をやった。するとお兄さんが、グっと親指を立てた。顔がだらしない。しかし次の瞬間お兄さんを綺麗なお姉さんがはたいた。お兄さんは、寂しそうに立ち上がり、何か言い訳をしている。なむなむ。やっぱ、胸だよな。綺麗なお姉さんの少し薄い胸を見て俺は合掌した。戦友よ、朋友よ、立派に戦場に散るべし。
結局俺たちは、夕方近くまでモールで過ごした。桃の父親には、無難にネクタイを、そしててるてる坊主には、何かのお礼のTシャツを買ったらしい。
帰り道、少し温度も落ち着いた道を俺たちは歩いた。まだ、腕を組んでいたが、ふと思い出したように、西瓜は手を離した。
「今日はありがと。」
「特別サービスだぜ。もう2度とやらんからな。」
「私、こっちの方だから。今日は本当にありがと、はい。」
「なんだこれ?」
西瓜が何か差し出して来た。小さな紙袋だ。
「今日のお礼。ハンカチ。」
なるほど。
「ああ、いまショボって思ったでしょう。」
「イエイエ、ソンナコトハ、オモッテモ、イマセンデシタ。」
「本当かしら。でも本当のお礼は、」
彼女はいきなり抱きついて俺の頬にキスを落とした。
「こっち。」
ウィンクして手を振り去って行く。ちょっと顔が心なしか赤いぞお前。
慣れないことすんな。
俺は彼女が遠くなるのを見守って、伸びをした。
「おい、楓、いるんだろ。」
電信柱の陰からびくっと楓が動く気配がした。
「誤解すんなよ、あれ、単なるお礼らしいから。それからできたら消しとけよ。」
「無理、もうクラウドに保存した。」
電信柱の後ろからビデオカメラ(4K)を抱えた楓が出て来た。
「お前も難儀だったな。アイス奢ってやるから食いに行くか。」
「うん。」
満面の笑みを浮かべる楓。
俺たちはいつかの小学生の時の夏休みのように勝手知ったる駄菓子屋へと足を向けた。セミの鳴き声がやかましい。今年も暑くなりそうだ。
「結構強敵になりそうね・・・・・。」
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