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第二章
第20話「休日の誘い」
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土曜日の朝。
朝食を終えてテレビを眺めていると、母さんが顔を上げた。
「ひな、今日は出かける予定ある?」
「え? 別に……」
首を傾げる俺に、母さんはにこにこしながら言った。
「さやちゃんのお母さんから連絡あったの。今日、子どもたちでショッピングモールに行かないかって」
(ショッピングモール……人混み……)
即座に「めんどくせー」の声が頭をよぎる。
けど、さやの顔が浮かんで、結局断り切れなかった。
⸻
昼前、待ち合わせ場所に行くと、さやがショルダーバッグを下げて走ってきた。
「ひなー! 来てくれてよかった!」
笑顔で手を振るさやの隣には、同じクラスの子も数人。
「いっしょにプリクラ撮ろ!」
「ゲームセンターも行こ!」
元気いっぱいの声に、俺はたじろいだ。
(……やっぱり、来なきゃよかったかも)
でも隣のさやが小声で言った。
「ひな、一人だと心細いから……いっしょにいてね」
その一言で、逃げ腰だった気持ちが止まった。
⸻
フードコートでソフトクリームを食べ、ゲームセンターでメダルを落とし、雑貨屋で小物を見て回る。
そのとき、さやが一つのペンケースを手に取った。
パステルカラーの、女の子らしい可愛いデザイン。
「これ、かわいいなぁ……」
そう呟いたあと、値札を見て首を振った。
「でも今日はお小遣い足りないから、また今度にする」
棚に戻しながら、ちらっと俺を見る。
「ね、ひな。また一緒に来てくれる?」
「……まあ、いいけど」
気づけばそう答えていた。
⸻
夕暮れ、解散の時間。
「今日は楽しかったね!」と手を振るさやに、俺は少し遅れて返した。
「……また」
家路につきながら、さやの言葉を思い出す。
(……また一緒に来てくれる? か……)
口元に小さな笑みが浮かんだ。
(……めんどくさいけど。悪くないかもな)
朝食を終えてテレビを眺めていると、母さんが顔を上げた。
「ひな、今日は出かける予定ある?」
「え? 別に……」
首を傾げる俺に、母さんはにこにこしながら言った。
「さやちゃんのお母さんから連絡あったの。今日、子どもたちでショッピングモールに行かないかって」
(ショッピングモール……人混み……)
即座に「めんどくせー」の声が頭をよぎる。
けど、さやの顔が浮かんで、結局断り切れなかった。
⸻
昼前、待ち合わせ場所に行くと、さやがショルダーバッグを下げて走ってきた。
「ひなー! 来てくれてよかった!」
笑顔で手を振るさやの隣には、同じクラスの子も数人。
「いっしょにプリクラ撮ろ!」
「ゲームセンターも行こ!」
元気いっぱいの声に、俺はたじろいだ。
(……やっぱり、来なきゃよかったかも)
でも隣のさやが小声で言った。
「ひな、一人だと心細いから……いっしょにいてね」
その一言で、逃げ腰だった気持ちが止まった。
⸻
フードコートでソフトクリームを食べ、ゲームセンターでメダルを落とし、雑貨屋で小物を見て回る。
そのとき、さやが一つのペンケースを手に取った。
パステルカラーの、女の子らしい可愛いデザイン。
「これ、かわいいなぁ……」
そう呟いたあと、値札を見て首を振った。
「でも今日はお小遣い足りないから、また今度にする」
棚に戻しながら、ちらっと俺を見る。
「ね、ひな。また一緒に来てくれる?」
「……まあ、いいけど」
気づけばそう答えていた。
⸻
夕暮れ、解散の時間。
「今日は楽しかったね!」と手を振るさやに、俺は少し遅れて返した。
「……また」
家路につきながら、さやの言葉を思い出す。
(……また一緒に来てくれる? か……)
口元に小さな笑みが浮かんだ。
(……めんどくさいけど。悪くないかもな)
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