神の愛し子と呼ばれていますが、婚約者は聖女がお好きなようです

天宮花音

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アモーナ王国には王立学園クドピリアがあり
貴族の子息令嬢は16歳になると入学することが義務付けられている。
王族にも例外はなく王太子リュシアールは第3学年で生徒会長だ。

第2王子のマリオンはローゼリカと同い年のため、今期入学である。
マリオンは正妃の子とはいえ第2王子。
王位はローゼリカと婚約したリュシアールが継ぐこととなっており、マリオンは騎士として兄を支えていくため、小さい頃より騎士となるための鍛錬を行ってきた。
卒業後は王立騎士団に所属する予定であったが、1年前からローゼリカの聖騎士となっている。

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≪次代の聖女は孤児院に住むナナリーという茶髪でピンクの瞳を持つ15歳の子。そして、聖騎士は第2王子マリオン。≫

1年前
聖女ソフィーナは新たな神託を受け取った。
そしてそれはマリオンにも伝えられ、アモーナ王国唯一の聖騎士となったのだ。
聖騎士は国を民を守る王立騎士団とは違う。常に愛し子の側にある、神から定められた愛し子のためだけの騎士。

「マリオン、いいの?あなたは王立騎士団に入りたかったのでしょう?それがわたくしのためだけの騎士だなんて…わたくし、アモルナに言うわ、この国は平和だもの。聖騎士がいなくても大丈夫よって。」
ローゼリカは申し訳なさそうに笑顔を曇らせている。

「ローゼリカ、俺は聖騎士になれて嬉しいんだ。君を守るということはこの国を守るということ。そんな聖騎士に任命されてこんなに光栄なことはないよ。だから、喜んでほしい。」
そう言って優しい笑みを浮かべたマリオンを見て、ローゼリカも笑顔になった。

―君を側で守れる、それだけで俺は…


一方、聖女に指名されたナナリー。
すぐさま騎士団により捜索され、王家により保護された。
ナナリーは母親が5歳のころに亡くなり、その後は孤児院で生活していた。
調べると母親はメイナー子爵の元侍女メアリであり、愛人であった。16年前、妊娠が判明したものの、愛人の立場であったメアリは、メイナー子爵の前から何も言わず姿を消した。メイナー子爵はメアリに心残りはあるものの、正妻の手前、探すようなことはなかった。そのため、ナナリーのことは知らなかった。
王家は聖女を守るため、メイナー子爵に養子の話をした。
メイナー子爵の正妻は5年前に亡くなっており、子供もいない。王家よりナナリーのことを聞き、メアリの面影のあるかわいらしいナナリーをメイナー子爵は引き取ることとなった。
その後1年間、ナナリーは貴族としてのマナーを学びながら聖女としての引継ぎをソフィーナから受けて過ごした。
そうして、16歳になったナナリーは王立学園に入学することとなったのだ。

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「おはよう、ローゼリカ。入学おめでとう。マリオンもローゼリカの護衛ご苦労様。」
リュシアールが輝かしい笑顔で話しかけてきた。

「ごきげんよう、リュシアール様。ありがとうございます。リュシアール様と一緒に過ごす学園生活楽しみにしておりましたのよ。よろしくお願いいたしますわ。」
「兄上、おはようございます。いえ、ローゼリカの護衛は俺の使命ですから。」
そんな会話をしていると、リュシアールの後ろにいる少女にローゼリカが気付いた。

「リュシアール様、そちらのお方は?」
「あぁ、すまない。紹介が遅れたね。こちら聖女となったメイナー子爵令嬢だ。ローゼリカにはマリオンがついてたからね。聖女を私が案内するよう王より命を受けたんだ。愛しい君をエスコート出来なくて残念だったけどね。」
リュシアールに紹介され、少女が前に出てくる。

「まぁ!はじめまして、聖女様。ローゼリカ・ミュンバルですわ。」
「はじめまして、ミュンバル公爵令嬢さま。ナナリー・メイナーと申します。この度、聖女に任命されました。愛し子さまにお会いすることができ、光栄でございます。」
「あら、そんなに固くならないで。わたくし、聖女様とは仲良くなりたかったのよ。ぜひローゼリカと呼んで仲良くしてほしいわ!」
「そんな…ではわたくしのこともナナリーと。」
「嬉しいわ、よろしくねナナリー!」
「はい、ローゼリカ様!」
ナナリーはまだ緊張しているものの、ローゼリカの優しい雰囲気に少し落ち着いたようだった。
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