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手と、口で……
しおりを挟むふ、とクラウド様が小さく笑う。
「よく言えたね、デュオン」
「ぁ……、僕……」
クラウド様に、なんて事をねだってしまったんだろう。
淫らな自分が恥ずかしい。
今すぐ理性を取り戻したいのに。
うしろにいるレイン様の舌で耳のナカをくすぐられて、はしたない声で喘いでしまう。
「レインに気持ちよくされてるデュオンも可愛いけど」
「ァ、ァ……んン……」
「私もたくさん気持ちよくしてあげるからね」
レイン様の舌で激しく耳孔を愛撫されている方とは反対の耳に、ちゅ、と触れるだけのキスをされた。
そのままクラウド様は僕の耳朶を甘噛みしてから、耳元で甘く「愛してるよデュオン」と囁いてくる。
レイン様の強引な愛撫と、クラウド様の優しい愛撫。
左右の耳に、それぞれ与えられる快感。
まったく異なる刺激なのに。
どちらも気持ちよくて、脳が混乱する。
「ふ、ぁァアッ!?」
思わず目を見開いて声を上げてしまった。
勃起して放置されていた僕のアソコが。
クラウド様に握られて、絶妙な力加減で扱かれている。
両耳への愛撫に翻弄されていた僕に、突然与えられた脳を突き刺すような快感。
愉悦の波に飲み込まれないよう両手にグググと力を入れて刺激に備える。
そうしたら手をギュッと握り返された。
指を絡ませるようにしてレイン様に手をつながれていた事を思い出す。
レイン様に寄りかかって、手を握られていて、なんだか安心する。
でも耳への快楽と、股間への淫猥な刺激から逃れたくて身体を捩ろうとするとグッと手を握られて動けない。
安心するのに、残酷だ。
手で股間を隠せない代わりに脚を閉じようとしてもクラウド様の身体があるから閉じられない。
両手を握られ、両耳を愛撫されて、屹立を扱かれて脚も閉じられず。
僕はもう、はしたなく喘ぎながら腰を揺らす事しかできない。
「ィ、ちゃぅ、ダメ、ァ、ゃめッ、くだ、ぃ」
クラウド様の唇が、僕の耳から離れていく。
屹立を扱いていた手も、止まった。
やめてください、という僕のお願いを聞いてくれたのかもしれない。
その事に寂しさを感じてしまう自分がいる。
でももう、して、なんておねだりできないし、しちゃいけない。
ふたりは宰相と騎士団長で、僕は平民。
前世と同じように格差がありすぎる。
それに当たり前だけど、男同士だと子どもが授かれない。
ふたりは侯爵なのだから、跡取りだって必要だろう。
これ以上続けたら、僕はもう二人から離れられなくなってしまう。
そうしたら絶対に、別れがつらくなるから。
それならもう、これ以上近付かない方がいい。
そんな事を考えていたら、陰茎が生温かい感触で包まれた。
「ひぅ、クラウ、さまッ!?」
目の前の光景が信じられない。
クラウド様が僕の脚の付け根に顔をうずめている。
勃起した僕の屹立はクラウド様に咥えられ、ねっとりと舌で撫でられた。
亀頭は舐められ陰茎の根元はクラウド様の手で、扱かれて。
「で、ちゃぃそっ、ァ、ァッ、く、ァアッ」
込み上げてくる吐精感に必死で抗う、けど。
「も、ッ、がま、できな、ッンんァッ」
僕の耳元で、レイン様が低いのに甘い声で囁いた。
「我慢しなくていい。イっていいぞ、デュオ」
「っ、イちゃ、ぅ、イ、ク……ぁぁあッ」
クラウド様に咥えられたまま、射精してしまった僕。
その直後、もの凄い倦怠感に襲われて。
僕の視界が、あっという間に暗くなっていった。
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