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輪〇される!?
しおりを挟む僕が黙っていたら、フォッグ様が言葉を続けた。
「この男たちは、ルフトエア公爵家で裏の仕事を行う者たちだ」
「裏の、仕事……?」
「そう、裏の仕事さ。相手が男でも女でも犯した後に舌を切って、事実を証言できないようにさせるなんて事もある。今これからするみたいにな」
ヒッ、と声を上げてしまった。
「ど、どうして、そんな事を……」
「僕はお前を誘拐犯に仕立て上げるだけで構わないと思っていたんだけど」
フォッグ様のうしろに立っていた男たちが僕の方へ近付いてきた。
自分の心臓がドクドク悲鳴をあげている気がする。
音が凄い、このまま破裂してしまいそうで怖いくらいだ。
「父上が言うには、慰み者になった状態を見せつける事が重要なんだと」
「み、見せつける? いいいったい、誰に?」
僕のそんな状態を誰に見せる必要が……。
「宰相と騎士団長だよ。あの二人はルフトエア公爵家にとって目障りだからな」
「っ!」
急に吐き気がこみ上げてきた。
クラウド様とレイン様に見られる!?
複数の男たちに嬲られた僕の姿を!!??
「自分たちのお気に入りが悪事を働いたうえに他の男たちの手で穢されているとなったら、ダメージをくらって少しはおとなしくなるだろう?」
手首の拘束が外された、けれど。
僕の身体が自由になる事は無く、男たちの手で土の床へ押し倒されていた。
砂が少し口に入ったのかもしれない。
歯を食いしばったら、ジャリ、と小さいのにかなり気になる不快な音がした。
男たちが四人で、僕の両手と足を押さえつけている。
でも手足よりも鼻の奥がツンとして痛い。
もしかして僕、泣いているのかな。
フォッグ様が片手を上げたのがぼんやりと滲んで見えた。
「終わるまで僕は馬車で待っている。早いところ始めてくれ」
フォッグ様が男たちへ命令を下す。
もう、だめだ……
食いしばっていた歯が、今はカチカチ音を立てて震えている。
押さえつけられているから体は震えることさえできない。
「おい、僕の声が聞こえなかったのか?」
僕の手足を掴んでいる男たちの視線が動いた。
彼らは僕ではなく、違う方を見ている。
フォッグ様の方……?
「さっさと始めるんだ」
苛立ったようなフォッグ様の声。
フォッグ様の事を見ているのかと思ったけれど、違う。
男たちはフォッグ様の隣に立つ人物へ視線を向けていた。
ここにいる中で、一番体格が大きな男。
その男はぼさぼさの髪をガシガシ掻きながら、気怠そうに言葉を発した。
「俺たちは金を手に入れてからでないとこれ以上は動きませんぜ」
「なんだと、僕の命令に従えないというのか」
大男の目が、ギラリと光る。
その視線を向けられたフォッグ様の肩が、ビクッと震えた。
「坊ちゃん、口のきき方には気をつけた方がいいですよ」
荒々しくて野太い声が地を這うように響く。
フォッグ様は男から視線を逸らした。
「金なら父上が持ってくる。もうすぐ来るはずだ。受け取ったら仕事をして……ください」
先ほどよりも小さな声でフォッグ様が告げた。
その言葉を聞いた大男が満足そうにニヤリと笑う。
もうすぐ来るって……ルフトエア公爵が?
確か公爵は、クラウド様やレイン様と同じようにシュトルム王太子殿下の公務に同行しているはずだけど。
「そろそろ金が届くのは知ってますよ。具合いの悪くなった公爵を俺の部下が迎えに行っているのだから」
ククッと大男が笑う。
この様子だと仮病を使ったルフトエア公爵が公務先から戻るまで、僕の体は無事らしい。
とりあえず危険が先送りになったことに、ホッと安堵の息を吐く。
その時だった。
僕の左足を押さえていた男の視線が、大男から僕へ向けられたのは。
なぜかギラギラしているように見える男の目。
かなり、怖い。
僕と目が合うと、ニタリ、とその男が笑った。
「仕事じゃなくて遊びならもう始めても構わねぇっすよね。おれ最近、娼館の出禁くらってて溜まってんすよ」
僕の手を押さえている男たちから、下卑た笑い声が聞こえてくる。
「そりゃお前が娼婦を壊しちまったせいだろうが」
「違いねぇや」
サーッとお腹の中が冷えていくような感覚に陥った。
思わずリーダー格の大男の方を見てしまう。
先ほどのように、報酬を得るまで動かないという言葉を期待して。
だけど聞こえてきた声に、僕は深い絶望へと突き落とされる。
「仕方ねぇなぁ。ま、ヤッてるうちに来んだろ。金受け取る前に壊すんじゃねぇぞ」
その直後、僕のシャツに男の手がかかったと思ったら強引に引き裂かれた。
ブチブチブチッと音を立ててシャツのボタンが弾け飛ぶ。
冷たい空気に晒され外からもお腹が冷えていく。
男のガサガサした手が僕の胸に触れた。
「ひぃぃッ」
僕の口からは、なんとも情けない声しか出てこない。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
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いつも閲覧&しおり、お気に入り登録に感想の投稿やエール等、本当にありがとうございます。
こちらの小説を第11回BL小説大賞にエントリーさせていただきました。
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