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レースとリボンの、パジャマ?
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「スージーさん、これは、何でしょう?」
まず目に入ったのは、たくさんのレースとリボン。
色は先日受け取ったバスローブと同じライラック。
でも、今回は透ける素材だから、前回のバスローブよりも色が薄く感じる。
「これはねぇ、ベビードール。でもネグリジェみたいにパジャマとして使って大丈夫よ」
着るもの、だったんですね。
ほぼレースとリボンにしか見えません。
いつも着ているスウェットのパジャマに比べると、女子力が月とスッポンです。
大人の女性はみんな、こういうのを着て寝ているの?
なんだかレース素材で肌が透けてしまうような気がするけれど、よいのでしょうか?
「一番のポイントはね、リボンがいっぱいついてて、野暮な感じじゃなく脱げること」
創一郎さんが、眉間を押さえながらワイングラスに手を伸ばす。
確かに、リボンがたくさんついている。
キャミソール型のパジャマ? は、上から被って着るタイプのキャミソールではなくて、前が開いていた。
肩のところと……ボタンの代わりのように前にもリボンが三か所。これを結んで着るみたい。
お臍のところはリボンが無くて、レースがピラピラしてお臍が見えちゃうけど、いいのかな?
キャミソールの他に小さなレースにリボンがついたものもあって、何だろうと思ったら、ショーツだというから驚いた。
両サイドをリボンで結んで穿くらしい。
「このショーツだと、スカートで出勤する日はほどけないか心配ですね」
ワインを口にしていた創一郎さんが、むせ込んだ。
「ふふ、花ちゃん、これを身につけるのは家の中だけにした方がよさそう。夜パジャマとして着て、朝になったら着替えましょうね」
なるほど、わかりました。
「ベビードールは、あと薄いピンクとブラックの3着あるの」と言いながら、スージーさんが箱から出してローテーブルに置いていく。
するとベビードールの無くなった箱に、なにやらアクセサリーらしき物が。
チョーカーと、ブレスレット?
真っ赤なのと、黒いのがある。黒い方が大きそう。
赤は私で、黒は創一郎さん用、とかなのかな?
チョーカーの素材は皮? 正面にくるところにキラリと光る石がついている。
ブレスレットは鎖で繋がったふわふわの素材の輪っかが二つ。不思議なデザインだけど、二連になるようにつければいいのかな?
ローテーブルに置かれたベビードールと真っ赤なアクセサリーを眺めて観察したり、触ったりしていたら、スージーさんの声がうしろから聞こえてきた。
「こっちは大丈夫ね。首の方はどうかしら?」
振り返ると、創一郎さんとスージーさんが向かい合って立っている。いつの間にか創一郎さんのブレスレットの試着は終わったらしい。創一郎さんは首にチョーカーをつけられているところだった。
創一郎さん、なんだか憮然とした表情。
ブラックのチョーカーは似合ってるけど……けど……チョーカー? だよね?
「なぉ~ん」
リビングの隅で寝ていたハナコが首を伸ばしてあくびをした後、またすぐに寝た。それを見て気付く。
そう! 首輪! チョーカーっていうよりも、首輪っていった方がしっくりくる感じ。
創一郎さんのサイズチェックが終わったスージーさんが、私の隣に座り込んで今度は私の首にチョーカーをつけてくれる。
ふッと斜め上を見ると、立ったままの創一郎さんと目が合った。
創一郎さんは、見てはいけないものを見てしまったかのように、慌てて私から目を逸らす。
「花ちゃん、両腕を出して」
チョーカーをつけてもらい、続いて言われたとおりに両手を差し出した。
スージーさんは鎖で繋がったふわふわ素材の輪っかについていたスナップボタンをプツンプツンとはずす。
そして私の手首にふわふわ素材を巻いて再びボタンをパチンパチンととめ、まるで手錠のように私の両手を拘束した。
片方の手に二連でつけるんじゃないんだ……。
自分でブレスレットを外そうと、手首を捻ってボタンを取ろうとするけれど、もどかしいくらいに指がちょうど届かない。
「きちんとサイズ調整してあるから自分じゃ外せないわよ、花ちゃん。ちなみに自分がつけている状態でも、相手につけてあげることはできるから、ふたりで同時に使えるの。いいでしょう」
ふふ、とスージーさんが笑う。
「え……と、スージーさん、これはどういった時につけるアクセサリーですか?」
創一郎さんはため息をつきながら、頭痛がするかのようにおでこを押さえている。
「子どもは知らなくていい。おい、そろそろタクシー呼ぶから下に行くぞ。花は顔が赤いから水飲みながらここで待ってろ。まだ子どもなんだからこれ以上飲むな」
私の腕を拘束していたブレスレットを外し、冷蔵庫から出した水を注いだコップを私の目の前に置いた創一郎さんは、「花ちゃん、またね」と手を振るスージーさんと一緒に部屋を出て行った。
もう、創一郎さんたら私のこと子ども扱いばっかりしてッ!!
グラスに残ったカクテルをゴクリと飲み干し、空になったグラスにおかわりを自分で注ぐ。
まず目に入ったのは、たくさんのレースとリボン。
色は先日受け取ったバスローブと同じライラック。
でも、今回は透ける素材だから、前回のバスローブよりも色が薄く感じる。
「これはねぇ、ベビードール。でもネグリジェみたいにパジャマとして使って大丈夫よ」
着るもの、だったんですね。
ほぼレースとリボンにしか見えません。
いつも着ているスウェットのパジャマに比べると、女子力が月とスッポンです。
大人の女性はみんな、こういうのを着て寝ているの?
なんだかレース素材で肌が透けてしまうような気がするけれど、よいのでしょうか?
「一番のポイントはね、リボンがいっぱいついてて、野暮な感じじゃなく脱げること」
創一郎さんが、眉間を押さえながらワイングラスに手を伸ばす。
確かに、リボンがたくさんついている。
キャミソール型のパジャマ? は、上から被って着るタイプのキャミソールではなくて、前が開いていた。
肩のところと……ボタンの代わりのように前にもリボンが三か所。これを結んで着るみたい。
お臍のところはリボンが無くて、レースがピラピラしてお臍が見えちゃうけど、いいのかな?
キャミソールの他に小さなレースにリボンがついたものもあって、何だろうと思ったら、ショーツだというから驚いた。
両サイドをリボンで結んで穿くらしい。
「このショーツだと、スカートで出勤する日はほどけないか心配ですね」
ワインを口にしていた創一郎さんが、むせ込んだ。
「ふふ、花ちゃん、これを身につけるのは家の中だけにした方がよさそう。夜パジャマとして着て、朝になったら着替えましょうね」
なるほど、わかりました。
「ベビードールは、あと薄いピンクとブラックの3着あるの」と言いながら、スージーさんが箱から出してローテーブルに置いていく。
するとベビードールの無くなった箱に、なにやらアクセサリーらしき物が。
チョーカーと、ブレスレット?
真っ赤なのと、黒いのがある。黒い方が大きそう。
赤は私で、黒は創一郎さん用、とかなのかな?
チョーカーの素材は皮? 正面にくるところにキラリと光る石がついている。
ブレスレットは鎖で繋がったふわふわの素材の輪っかが二つ。不思議なデザインだけど、二連になるようにつければいいのかな?
ローテーブルに置かれたベビードールと真っ赤なアクセサリーを眺めて観察したり、触ったりしていたら、スージーさんの声がうしろから聞こえてきた。
「こっちは大丈夫ね。首の方はどうかしら?」
振り返ると、創一郎さんとスージーさんが向かい合って立っている。いつの間にか創一郎さんのブレスレットの試着は終わったらしい。創一郎さんは首にチョーカーをつけられているところだった。
創一郎さん、なんだか憮然とした表情。
ブラックのチョーカーは似合ってるけど……けど……チョーカー? だよね?
「なぉ~ん」
リビングの隅で寝ていたハナコが首を伸ばしてあくびをした後、またすぐに寝た。それを見て気付く。
そう! 首輪! チョーカーっていうよりも、首輪っていった方がしっくりくる感じ。
創一郎さんのサイズチェックが終わったスージーさんが、私の隣に座り込んで今度は私の首にチョーカーをつけてくれる。
ふッと斜め上を見ると、立ったままの創一郎さんと目が合った。
創一郎さんは、見てはいけないものを見てしまったかのように、慌てて私から目を逸らす。
「花ちゃん、両腕を出して」
チョーカーをつけてもらい、続いて言われたとおりに両手を差し出した。
スージーさんは鎖で繋がったふわふわ素材の輪っかについていたスナップボタンをプツンプツンとはずす。
そして私の手首にふわふわ素材を巻いて再びボタンをパチンパチンととめ、まるで手錠のように私の両手を拘束した。
片方の手に二連でつけるんじゃないんだ……。
自分でブレスレットを外そうと、手首を捻ってボタンを取ろうとするけれど、もどかしいくらいに指がちょうど届かない。
「きちんとサイズ調整してあるから自分じゃ外せないわよ、花ちゃん。ちなみに自分がつけている状態でも、相手につけてあげることはできるから、ふたりで同時に使えるの。いいでしょう」
ふふ、とスージーさんが笑う。
「え……と、スージーさん、これはどういった時につけるアクセサリーですか?」
創一郎さんはため息をつきながら、頭痛がするかのようにおでこを押さえている。
「子どもは知らなくていい。おい、そろそろタクシー呼ぶから下に行くぞ。花は顔が赤いから水飲みながらここで待ってろ。まだ子どもなんだからこれ以上飲むな」
私の腕を拘束していたブレスレットを外し、冷蔵庫から出した水を注いだコップを私の目の前に置いた創一郎さんは、「花ちゃん、またね」と手を振るスージーさんと一緒に部屋を出て行った。
もう、創一郎さんたら私のこと子ども扱いばっかりしてッ!!
グラスに残ったカクテルをゴクリと飲み干し、空になったグラスにおかわりを自分で注ぐ。
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