【R18】婚約破棄予定の御曹司に溺愛調教される無自覚ドSな同居生活でお試し中です

弓はあと

文字の大きさ
62 / 90

ライオンさんの家へ

しおりを挟む
 ちょっとお茶でも飲もう、みたいな軽いノリで勇太君に『泊まっていきなよ』と言われた。
 この感じだと、友達だから家に誘われたってことなのかな?

 大学の時、同じクラスの子が恋人でもない男友達の家に泊まった話も聞いたことあるし。
 お酒を飲んで、寝ちゃって気付いたら朝だったって。
 その時の話、もっときちんと聞いておくんだった……。

 友達なら異性の家に泊まるのって、そんなに特別な事ではないのかな?
 私も気軽に考えれば良いもの?

 うーん、学生時代に学校の勉強だけじゃなくてもっと色々興味を持って学んでおけばよかった。

 でも……
 男女どちらの家に泊まるにしても、創一郎さんはきっと心配する。
 心配性のお父さんみたいな創一郎さんには連絡しておかないと。

「創一郎さんに、電話して聞いてみます」
「あ、それなら僕がかけるよ。花ちゃんの口から僕の家にお泊りするなんて言葉が出たら、創一郎君びっくりしちゃうから」

 そう言いながらスマホを取り出し、指で少し操作すると耳にあてた。

「あ、創一郎君?……花ちゃんは今お手洗いだよ。
 このあと花ちゃんとうちで鍋でもしようかと思うんだけど、今日さ、家に僕ひとりじゃないでしょ、だから花ちゃん泊まっていってもいいかなぁ?
 え? ダメ? それなら仕方ないね、いいよ、分かった、花ちゃんとお酒でも飲みながら外食して帰ることにするよ。
 花ちゃんとお酒飲むの初めてだから、楽しみだなぁ。
 大丈夫ちゃんとタクシーで送っていくから。
 あーでも、僕も酔ってどこかで休憩したくなっちゃうかもしれないなぁ。
 僕の家なら、今お酒もないし監視もいるけど、泊まっちゃダメだもんねぇ。
 ……え? いいの? よかったぁ」

 電話を切った勇太君は私の方を見て悪戯っぽく笑う。

「創一郎君、快諾だったよ。よかったよかった、花ちゃん、今日は僕の家に行こう」

 んん? 快諾、だった、かな?

 きゅっと私の手を握って、勇太君が歩き出す。

「花ちゃんが男の家に泊まったらどんな気持ちになるか、創一郎君は思い知らないと」

 独り言のように勇太君が呟いた。





 勇太君のマンションは、最寄り駅から推測すると、創一郎さんと私が住んでいるマンションと会社を挟んでちょうど反対側くらいの場所っぽい。

 創一郎さんのマンションに負けず劣らず建物全体に高級感が溢れている。
 勇太君に続いてエレベーターに乗り込んだ。

 あ、勇太君の家も最上階なんですね。

 勇太君が鍵を開けて玄関に入る。私も後ろに続いて、中へと入った。

「おかえりなさーい♪」

 奥からパタパタと小走りでやってくるスージーさん。

 ど、どうしてスージーさんが勇太君の家に……!?
 あれ? 前に勇太君、お兄さんと一緒に住んでるって言ってなかったっけ?

 …………あッ!!
 内緒の、オフィスラブって事ですか?
 お兄さんと暮らしてるっていうのは、カムフラージュ?
 聞いてみたい……けど、プライベートに土足で踏み込んだら失礼だよね……。

 買ってきた材料を使って、スージーさんと勇太君と一緒に鍋を囲む。
 いつもどおり二人の話はとても楽しい。

 食事の最中に、スージーさんのスマホが鳴った。

「はいはい、ちゃんと一緒にいるわよ。
 ……お酒? 飲んでないってば。
 ……代わればいいの?」

 スージーさんからスマホを渡され耳にあてると、『花?』と創一郎さんの声。
 「創一郎さん?」と聞くと、安心しているような心配しているような、判断できないため息が聞こえた。
 少しだけ話して、電話を切る。

 食事を終えて三人でリビングに移動して話していると、今度は勇太君のスマホが鳴った。
 勇太君が少し話をした後、スージーさんに代わる。
 ちょっとだけスージーさんが話したら、なぜか私にスマホを渡された。
 誰だろうと思って耳にあてると、再び創一郎さんの声。
 少しだけ話して、電話を切る。

 タオルを借りて、シャワーを使わせてもらう。
 パジャマにはこれ使ってと言われて借りた、勇太君のシャツとハーフパンツ。
 ショーツは来る途中で買ったものを穿く。
 コンビニでショーツが売ってるなんて、今まで気付かなかった。コンビニって何でも売っててすごい。

「お風呂、お先にありがとうございます」
「あ、花ちゃんごめんね。創一郎から電話があったからかけ直してくれる?」

 スージーさんの申し訳なさそうな声。
 今度は何か急な用事なのかな?
 すぐに電話をかけてみる。
 すると、ワンコール目が終わる前に声が聞こえた。

『花?』
「創一郎さん、花です」
『今何してるの?』
「お風呂借りたところです。もうそろそろ寝る時間ですかね」
『どこで寝るの?』
「あ、まだ聞いてなかったです。ソファでも借りる感じでしょうか」
『いや、ソファだとゆっくりできないだろ』
「それならスージーさんと一緒に寝かせてもらおうかな。女同士おしゃべりしながら寝るのも楽しそうですね」
『……花はひとりでベッドを使わせてもらいな。あの二人なら一緒で大丈夫だから。俺から言っておく、どっちかいたら代わって』

 あ、そうか二人は恋人同士。
 創一郎さんも知っていたんですね。
 むしろ邪魔しちゃ悪いのかも。

 スージーさんに電話を代わる。
 二人はほんの少しだけ話して電話を切った。

 あれ? そういえば何か急な用事ではなかったのかな?
 どうしてこんなに何回も電話がかかってくるんだろう?

 寝る時は、スージーさんの寝室に案内された。
 キレイで、可愛い小物が飾ってある女性らしい部屋。
 ベッドも、なんだかいい匂いがする。

 布団を掛けて目を閉じると、枕元のスマホの振動音。
 表示を見ると、創一郎さんからの電話だった。

 寝室にひとりの旨を伝え、ふたりに代わった方がいいか聞いてみる。
 「自分で電話するからいい。花はもう部屋から出るな」と断られた。
 おやすみなさいを言って、電話を切る。




 翌朝、起きてリビングのドアを開けると……ソファに創一郎さんとスージーさんが座っていた。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...