きづけば世界最強。

松川よづく

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プロローグ

腐った世界

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闇無ユウは孤独な存在である。事実、彼は積極的に人と関わりを持とうとしない。何故ならーーー

彼は、『怯えている』のだ。

そいつと馴れ合えば、そいつに友情が芽生えたら、そいつと楽しい時間を過ごすのがーー

ーー怖いのだ。

ユウは怯えている。失った時の自分を、耐えられない自分を。

少し昔話をしよう。





ーーーとある日の学校の帰り道。

「なあユウ、これからおれんちで遊ばないか?」
「何するの?」
「んーそうだなー野球とかゲームとか、んーいろいろ!」
「はは、蓮也は本当に遊ぶのが好きだなー」
「へへ、そうかなー」

その日、ユウは同級生の橘蓮也と一緒に帰り道を一緒に歩いていた。するとーー

「おい!坊主、今すぐ俺についてこい!さもないと....」
「ひいっ!」

男がナイフを持ちながら脅してくる。おそらく俺たちを誘拐しようとしているのだろう。

「た、たすけて!」
「あ?何いってんだお前?この状況がわからないのか?」
「ひいっ!」

蓮也は怖じけ、尿を漏らしていた。

「おいおい、こりゃあ傑作だ!漏らしてやがるぜ!まあいい。ほんとは2人とも連れて行きたいが、あいにく事情があってな、どちらかしか連れていけねえんだよなー。さあどうする?」

こいつは1人だけ見逃すといっている、しかし逃したら警察に追われる危険性があるのではと考えたが、相手は馬鹿ではなさそうだ、それも計算に含まれているだろう。俺は蓮也を守るため、友達として、親友として、俺がいくと言う瞬間...

「こいつ!こいつを連れていけ!」
「えっ?」

俺は頭が真っ白になった。そして....

「ああ?いいぜわかった、しかし、お前もかわいそうだな...."裏切られて"」

「ーー!!」

裏切られたからなのか、悲しさなのか、わからないが、何故か涙が出た。

蓮也は悪びれた様子もなく、助かったからなのか、安堵の顔をしている。

「ほれ、いくぞ!」

そしてその後、親が俺を心配して、警察に捜索願を出したそうだ。そのおかげで助かった。だけどーー

涙が止まらなかった。

結局、蓮也はーー





これが闇無ユウの過去、そして今の闇無ユウになるキッカケである。

「はあ~。」

嫌な過去を思い出してしまった。でも、蓮也のおかげで知ることができた。人は必ず裏切る。自分が危険に陥ったとき、窮地に追い込まれたとき、必ず裏切る。あいつのおかげで思い知らされたよ。

「こんなクソみたいな世界、だれが作ったんだよ。こんな思いをするなら、この世に生まれてこなかったらよかった。くそ!」

過去のことを思い出せば出すほど、苛立つ。

そんな時...

「うおっ!なんだ!?」

ユウの下に魔法陣が浮かび上がる。



そして、闇無ユウはこの世から消えた。

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