時は平成。発達障害だと知らなかった僕が、狂人から大人になるまで。(ほぼ実話)

カナリア

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お母さんという、他人

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子供が障害を持って生まれた場合
親はまず、子供の死というものを
経験するとどこかで読んだことがある。

それは、理想の子供の死だ。

まず、そこは女として生まれてきたからには自分の将来に対して夢や理想はあるものである

素敵な旦那と結婚
可愛いくて素直な子供
新しくて綺麗なマイホーム


しかし
そんな理想は、障害を持った子供が産まれた時に見事に消え失せる

「理想の子供の死」

これを受け入れられない親はとても多い。

僕の親はまさにそれであった

一見普通の子供として産まれた分
後の発達障害による特性があることが認められなかった親は

「普通の子」として周りに馴染ませることに必死となり
子供が適応できないと、狂ったように怒り、怒り、叩き続ける。

叩いたところで、壊れたオモチャはもっと壊れるだけのように、
子供の心は肉体的な傷と共に壊れ、のちに歪む。

怒られるのが嫌であるならば、「普通」でいろ。


そうすることで、壊れたオモチャが
次の日には完璧に直ると思っている

そして、それが直らないものとなると
憎悪の目で子供をみるのだ。

また手をかけることをしやがって

お前がいなければ

どうして、こんな出来の悪い子供のせいで、自分が責められなければならないのか!!

…また謝らなければ、親として謝罪に行かなければ

気持ち悪い、自分の子供とは思えない。

家にいたくない、子供といると
イライラする。
同じ家にいるだけで、腹が立つ。

ああ!こんな子供
産まなければ!私が産まなければよかった!責任持って殺してしまいたい。
殺せば、この苦しみから解放されるのか。

一生この子と関わらなければならないのなら、いっそ殺して服役した方がよっぽど早く「私の」人生が取り戻せる。

ああ、


お前さえ、いなければ…!!



しかし、多くの親がこの思いをもっていても実行に移すことはできない。

そこにある、わずかばかりの愛情と
とても大きな「世間体」
が子供の命を守っている。

故に、憎悪の目で子供を見ることしか出来ないのだ。


時に虚に、時に涙を流しながら


お母さんという人はそんな目をして叫びながら

今日も僕を叩く。

そして、「世間体」が僕の命を守ってくれるのだ。


悲しむべきは、
僕は特性として、人に興味がなく
人の気持ちを理解できない。

だから、狂ったように嘆き苦しみ僕を叩き、無視をする「お母さん」という存在も

僕にとっては、
いつも怒ってくる、家にいる人。

そのくらいの存在なのである。







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