転生モブ貴族は旅先で聖水製造器になった。そう、エロ同人みたいにね(^^)

音無野ウサギ

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6 友情と欲情の間で ※ サイラー視点

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『友情をとるのかそれとも恋をとるのか』それは良くあるもしもの話で。

くみしいた細い身体に俺の汗がポタリと落ちる。一瞬真珠の珠のような形で揺れたそれは腰を深くえぐった拍子に寝台へと流れ落ちる。今は薔薇色に染まった色白の肌に遠慮なく散らされた鬱血痕を視認すれば渇いていた支配欲が満たされていく。

(俺のだ)

強く思う。

(昔の俺なら迷うことなく友情をとったのに)

「あ、や、あっきもちいい」

俺の下で半分意識を飛ばしながら快楽でぐずぐずに溶けているのは親友の想い人。本来ならば騎士道にもとる行いに恥じるべきだと荒い息を整えながら思う。

今ではもう潤滑液だけではない液体にまみれ艶やかに赤く熟れたフィルと俺との結合部を見下ろす。ぽってりと腫れている穴の際が時折俺の男根を締め付ける。赤い果物のようなその艶に誘われて己の欲がまた膨れ上がる。

(美味そうだ)

アーノルトがまだ自分を想っていると知らないフィルは知り合いとする性行為にかすかな罪悪感をもっていたが行為が始まり身体の熱に引きずられればそれはあっという間に消えたらしい、時折戸惑いを見せながらも俺に吸われ穿たれれば隠しようもない快感に呼び起こされた嬌声をあげた。ぐずぐずにとけた内側の最奥に熱い杭で侵入すればびくんと腰を跳ねさせその脚が俺を逃がさぬようにからみつけられた。

子を孕むことなどないのに俺の種を逃がすまいとするようないじましいその行為に俺の胸はフィルへの愛しさであふれた。

(かわいいフィル。アーノルトに嫌われたと思って傷付いて。たくさんの男に汚されて。こんな自分ではアーノルトの元へは戻れないと思って諦めて)

奥の奥に熱い熱を放てば潤んだ瞳で「きもちいい」「だめ」「もうだめ」と上の空でつぶやきつづける程にとけきってしまった。

(俺を好きになってくれ。俺ならお前を離さない)

親友を裏切ってでもこの愛しい人フィルを手に入れてみせると思う一方、頭の片隅ではあるがアーノルトへの罪悪感も確かにある。だがフィルが言ったようにこの国で女神の愛し子としてたくさんの男に汚されたことは事実。そのような醜聞は隠しても必ず表に出るものだ、アーノルトへの攻撃材料として政敵に利用される懸念もある。そうなれば王太子の大事なパートナーとして表に出るのではなく子もなせない日陰者、男の愛人として軽んじられるに違いない。

(俺ならお前を大切にしてやれる)

自分でも可笑しいほどに後付けの理由をいくつも考えながらも結局のところフィルのことを誰にも渡したくないそれだけが理由なのだとわかっている。

いつからかと問われればきっと随分と昔から気づかぬうちに惹かれていたとしかいいようがない。それが違和感としてフィルにぎこちない態度をとることになってしまい彼に誤解されていたようだが、今振り返ればフィルと出会ってから彼を嫌いだったことは一度もないのだ。

アーノルトのものだと手に入らない酸っぱいぶどうだと嘯いて誤魔化していた気持ちは奉仕者として身体を繋げられるという現実を示されれば即時期待に変わり、己自身ははち切れんばかりに屹立した。何度果ててもまた硬くなる己の半身を見ればこの気持ちは誤魔化すことなど出来ぬほどあきらかだ。

(好きなんだ)

たまらぬ愛しさに惚けて半開きになった口にもう一度舌をねじ込んだところで肩をたたかれた。

「お知り合いだったようですが、やりすぎです」

後ろからそう声をかけられて俺はしぶしぶフィルから腰をひいた。
ずるりと俺の男根が抜かれたあともぽってりと赤く口を開けているフィルの穴から奥に溜まっていた白濁が溢れ落ちる。

「私は女性しか抱きたいとおもいませんが、でも……寝とりって燃えますよね」

そう呟いた下働きの男の視線はねっとりとしていてフィルの穴からそらされる様子がない。

(男でもフィルなら抱けるかもとか考えていそうだな)

ここで働いているならばかなことはしないはずだと下働きの動きを見守る。丁寧にフィルを清める手つきに怪しいところはない。

(物語でいえば俺が間男か)

愛し合う二人の間に入り込む不純物と言われればその通りだが一度知ってしまったこの味フィルを知らないふりでアーノルトのもとへ戻すことなどもう出来そうにはない。

俺が与えた熱の余韻に浸るフィルの姿に再び腹の奥がずくりと熱くなった。

下働きの男がフィルにかけられた袋の重さににんまりと嗤ったのが見えた。明日以降も行われるだろうこの行為。

(他の男にやらせるものか)

俺は拳を握りしめた。
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