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13 迷子探し(シオン視点)
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「シオンさん、ご相談が」
そう言って電話がかかってきたのが30分前のこと。
俺はケイのことを考えて控室から動けないままだった。
「さっきの子、まだお迎えがこなくって。ちょっと泣き出しちゃって。シオンさんを呼んでるんですけど」
勘弁してくれと思いつつさっきのクリクリ頭の子供のことを思う。
(かわいい子供ではあった)
「親はどうしてるんだよ。母親が来なくても父親がいるだろう?」
「それがママはシングルマザーだからパパは居ないって言うんですよう」
「シングル?さっきあの子はパパは強くてかっこいいって俺に言ったぞ」
「母親がそう言い聞かせてるんじゃないですか?会ったことは一度もないって言ってますよ」
「だからってなんで俺が」
「東ケイさんって異能学園の同期ご存知でしょう?」
「は?」
「迷子タグに異能の登録番号がありまして」
やっぱり。あの子は、ケイ、俺のケイの子供。
父親がいないということはもしかして俺の子供?でもケイが俺に連絡も寄越さなかったんだからやはり別の男の子なのだろう。
じっとりとした嫉妬が胸に広がる。
ケイが俺以外のやつと作った子供だとして愛せるだろうか?
答えはわからない、だ。
でもケイに会うのにこれ絶好のチャンスだろう?
「今すぐ行く」
★★★
迷子センターへ来てみればなるほどこれは俺に電話したくなるはずだ、という声量でショーンと名乗った子供が泣いていた。
鼻濁音で助けてママを助けてと繰り返している。
側に行ってしゃがみこむと涙でベショベショになった顔が俺にむいた。
「シオン!」
小さな手を伸ばしてきたので抱きしめてやる。高い体温が不思議と馴染んでくる。
「ママが怖いおじさんに連れて行かれたの、見たの」
「どこで見た」
「さっきお姉さんとここに来るときあっちの方で」
「知り合いか?」
「公園であったおじさん。お友達と遊んでたらお友達じゃなかったのおじさんだったの。なんかヤダだったの」
良く分からない説明ではあったが俺にはピンとくるものがあった。今日強く感じたあいつの気配。異能は擬態だったはず。子供を産んだケイ。研究内容は非戦闘系異能者の身体変化だった。子供にまで接触したなら狙いはケイに間違いない。
「シオン強いでしょ。ママを助けて!!」
必死に訴えるショーンの頭をなでて俺は顔を上げた。
「監視カメラの映像を確認してくれ、今すぐに!!」
監視カメラの映像から中年男がケイらしき人物を駐車場から車に乗せたのが確認された。俺は異能学園時代の仲間へ電話をかけた。千里眼と呼ばれる異能を持つ彼ならナンバーさえわかれば車がどこにあるかすぐに分かるはずだ。
思った通り友人は電話口で告げた情報だけで町外れの閉業したクリニックの外に車があると教えてくれた。
大体の位置がわかれば問題ない。近くにいけばどこにいるかは俺がわかる。
「シオンさん、警察に報告しましょう」
「ああ任せた。俺は先に行ってくるから」
「え?危な、くはないかシオンさんだから。いや、犯人をやりすぎて問題とかなりそうですし、待ってください。ほんとにそこにこの子のママがいるんですか?どうやって見つけるんですか?」
スタッフが至極全うな心配をするが腐っても異能者。あいつも俺が一発殴ったくらいでは死なないだろう。
「問題ない。近くにいけばわかる。俺はあいつをだいっきらいだからな!!」
そう言って飛び出した俺はショーンの表情にきづかなかったし後日、この発言を後悔することになる。
そう言って電話がかかってきたのが30分前のこと。
俺はケイのことを考えて控室から動けないままだった。
「さっきの子、まだお迎えがこなくって。ちょっと泣き出しちゃって。シオンさんを呼んでるんですけど」
勘弁してくれと思いつつさっきのクリクリ頭の子供のことを思う。
(かわいい子供ではあった)
「親はどうしてるんだよ。母親が来なくても父親がいるだろう?」
「それがママはシングルマザーだからパパは居ないって言うんですよう」
「シングル?さっきあの子はパパは強くてかっこいいって俺に言ったぞ」
「母親がそう言い聞かせてるんじゃないですか?会ったことは一度もないって言ってますよ」
「だからってなんで俺が」
「東ケイさんって異能学園の同期ご存知でしょう?」
「は?」
「迷子タグに異能の登録番号がありまして」
やっぱり。あの子は、ケイ、俺のケイの子供。
父親がいないということはもしかして俺の子供?でもケイが俺に連絡も寄越さなかったんだからやはり別の男の子なのだろう。
じっとりとした嫉妬が胸に広がる。
ケイが俺以外のやつと作った子供だとして愛せるだろうか?
答えはわからない、だ。
でもケイに会うのにこれ絶好のチャンスだろう?
「今すぐ行く」
★★★
迷子センターへ来てみればなるほどこれは俺に電話したくなるはずだ、という声量でショーンと名乗った子供が泣いていた。
鼻濁音で助けてママを助けてと繰り返している。
側に行ってしゃがみこむと涙でベショベショになった顔が俺にむいた。
「シオン!」
小さな手を伸ばしてきたので抱きしめてやる。高い体温が不思議と馴染んでくる。
「ママが怖いおじさんに連れて行かれたの、見たの」
「どこで見た」
「さっきお姉さんとここに来るときあっちの方で」
「知り合いか?」
「公園であったおじさん。お友達と遊んでたらお友達じゃなかったのおじさんだったの。なんかヤダだったの」
良く分からない説明ではあったが俺にはピンとくるものがあった。今日強く感じたあいつの気配。異能は擬態だったはず。子供を産んだケイ。研究内容は非戦闘系異能者の身体変化だった。子供にまで接触したなら狙いはケイに間違いない。
「シオン強いでしょ。ママを助けて!!」
必死に訴えるショーンの頭をなでて俺は顔を上げた。
「監視カメラの映像を確認してくれ、今すぐに!!」
監視カメラの映像から中年男がケイらしき人物を駐車場から車に乗せたのが確認された。俺は異能学園時代の仲間へ電話をかけた。千里眼と呼ばれる異能を持つ彼ならナンバーさえわかれば車がどこにあるかすぐに分かるはずだ。
思った通り友人は電話口で告げた情報だけで町外れの閉業したクリニックの外に車があると教えてくれた。
大体の位置がわかれば問題ない。近くにいけばどこにいるかは俺がわかる。
「シオンさん、警察に報告しましょう」
「ああ任せた。俺は先に行ってくるから」
「え?危な、くはないかシオンさんだから。いや、犯人をやりすぎて問題とかなりそうですし、待ってください。ほんとにそこにこの子のママがいるんですか?どうやって見つけるんですか?」
スタッフが至極全うな心配をするが腐っても異能者。あいつも俺が一発殴ったくらいでは死なないだろう。
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そう言って飛び出した俺はショーンの表情にきづかなかったし後日、この発言を後悔することになる。
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