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10.愛と束縛の狭間で揺れる
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結婚式から3週間が過ぎ、サクレティアは公爵邸での穏やかな日々を満喫していた。初夜からしばらくは緊張の連続だったが、今ではそれも過去の記憶のように感じられる。彼女は課されたすべての義務を果たし、誰にも束縛されることのない自由な生活を楽しむようになっていた。
サクレティアは自室から庭を眺め、穏やかな微笑みを浮かべた。家庭菜園には、彼女が丹精込めて育てた作物がすくすくと成長している。すべてが彼女自身の手で作り上げた世界であり、その中での自由な生活は、これまで想像もできなかったほど心地よいものだった。
《本当に、ここまで自由になれるなんて……》
そう実感しながら、彼女は菜園の手入れや服のデザイン、さらには新しい発明に夢中で取り組んでいた。特に顕微鏡の改良や技術開発に没頭し、誰にも邪魔されずに時間を忘れて作業に打ち込むことが、これほど心地よいものだとは思いもしなかった。
《これが、私がずっと望んでいた生活……ようやく手に入れた自由……》
サクレティアは幸せそうに庭を見つめながら、深く息を吸い込んだ。しかし、そんな平穏な日々の中で、彼女の体には少しずつ異変が現れ始めていた。
最初は、ただの疲れだと思っていた。朝起きるたびに感じるだるさや、作業中にふと感じる重い倦怠感も、慣れない新生活の影響だと自分に言い聞かせていた。だが、次第にその倦怠感は増し、朝起きることすら辛くなってきた。そして、作業に集中できない日が増えていき、彼女は体に何か異常があることに気づき始めた。
ある日、庭で作物の世話をしている最中、サクレティアは突然めまいに襲われた。手にしていた道具を落とし、思わず近くの柵に手をついて体を支える。目の前がぐるぐると回り、息を整えるためその場に立ち尽くした。
《……最近、やっぱりおかしい……》
額の汗を拭いながら深呼吸をしても、胸に広がる不安は消えなかった。そして数日後、さらなる異変が彼女を襲った。朝食の席で、突然強烈な吐き気に襲われたのだ。テーブルに座っていられず、慌てて立ち上がり、手で口を覆いながら吐き気を抑えようとした。
《まさか……》
彼女の心に一つの疑念がよぎる。そっと手をお腹に当て、自分の身体に起こっている変化を感じ取ろうとする。もしかして……。その考えは、彼女を動揺させた。
《もし、そうだとしたら……》
その考えが膨らむと同時に、不安と期待が入り混じった感情が彼女を包み込んだ。妊娠――その可能性が現実のものになるかもしれないという考えが、彼女の胸を高鳴らせた。
作物が豊かに育つ庭を見つめながら、サクレティアは深く息をついた。穏やかな日常の中で、彼女の体は確かに新たな変化を迎えようとしていた。
やがて医師の診断により、サクレティアが妊娠していることが明らかになった。その報告はすぐにクレノースの耳に届いた。彼はその知らせを聞いた瞬間、胸の鼓動が高まり、何かに突き動かされるように屋敷内を駆け抜け、サクレティアのもとへ急いだ。
「サクレティア!!!」
クレノースは息を切らしながら部屋に飛び込むと、彼女の前に跪き、手をぎゅっと握りしめた。喜びが胸の底から溢れ出し、言葉より先に自然と笑みがこぼれる。
「君が……妊娠したって、本当なのか……?」
その問いには、彼の不安と喜びが入り混じっていた。サクレティアは彼の表情をじっと見つめ、冷静な顔つきを保ちながらも少し緊張した声で答えた。
「ええ、でも……おろしますか?」
その言葉を聞いた瞬間、クレノースの表情が一変した。彼女がそんな言葉を口にするとは思ってもいなかった。驚きと戸惑いが彼の瞳に浮かぶ。
「なぜだ!?どうしてそんなことを……」
サクレティアは彼の手を握り返し、静かに答えた。「お義母様に……殺されてしまいます。私も、子どもも……」
その言葉に、クレノースは一瞬息を詰まらせた。彼の母親の異常な執着と支配力を、サクレティアが恐れていることを彼はよく理解していた。だが、それでも彼は力強く宣言した。
「俺が何とかする。君には……どうか、産んでほしい。」
サクレティアはその言葉を聞きながらも、冷静な表情を崩さずに、静かに問いかけた。
「それも……私の務めですか?」
クレノースはその問いに心が揺れた。彼女が自分の意志を持たないただの「妻」として、自分の言葉に従うだけだと感じていることが、彼を苦しめた。本当は、そうではないと伝えたかったが、彼は母親の影響を拭いきれず、冷たい口調で答えた。
「そうだ……」
その言葉に、サクレティアはわずかに目を伏せた。彼が本心でそう言っていないことは察していたが、彼女もまた、母親の存在が彼を縛っていることを理解していた。クレノースは立ち上がり、毅然とした態度で言った。
「母上に報告せねば……」
しかし、サクレティアはすぐに彼の手を引き止め、強く握った。
「だめです!そんなことをしたら……何が起こるか、わかりません。」
クレノースは彼女の恐怖を感じ取りつつも、強い意志を込めて答えた。「護衛を倍に増やす。王宮の騎士もつける。君の安全は、俺が必ず守る。」
その言葉に、サクレティアは静かに頷いたが、彼女の心には依然として、母親の影が重くのしかかっていた。クレノースは彼女を守る決意を固めたが、彼もまた、母親に立ち向かう覚悟を持つことの難しさを痛感していた。
――――――
――――
クレノースは、重々しい足取りで母親の部屋へ向かった。扉をノックし、いつものように甘い声で彼を招き入れる声が聞こえる。その響きに、胸の奥がざわめいたが、彼はその感情を押し殺し、作り笑顔を浮かべて部屋に入った。
母親は優雅にソファに腰掛け、彼を見上げていた。その目にはいつものような温かさと支配的な光が宿っている。クレノースはその視線を受けながら、心の中で深い息を吐いた。
「母上、報告があります。」
母親は少し首を傾げ、彼を見つめる。
「何かしら、クレノ?」
クレノースは心の中で一瞬躊躇したが、作り上げた笑顔を崩さずに続けた。
「サクレティアとの間に、子どもができました。」
その瞬間、母親の顔がわずかに曇った。
「へぇ……それは喜ばしいことだと言いたいところだけど……」
クレノースは、彼女の反応に焦りを感じながらも、さらに言葉を継いだ。
「でも、母上、ご安心ください。サクレティアとの子ができれば、世間にはバレることなく、母上とも……その……子どもを作ることができます。世間の目を気にする必要はなく、どちらの子も私が愛し、育てていきます。公爵家の継承も問題なく……」
母親は静かに彼の言葉を聞いていたが、その瞳には冷たい怒りが宿っていた。クレノースは、その冷たい目に気づきながらも、言葉を続けるしかなかった。彼の心の中では、全く別の思いが渦巻いていた。
《嫌だ……こんなこと、もうしたくない……ずっとサクレティアの側にいたい……あの穏やかな時間を守りたい……》
だが、その想いを押し殺し、目の前の母親に向き合っていた。母親は彼の言葉が終わるのを待ってから、静かに口を開いた。
「クレノ……私よりも先に、他の女と子どもを作るなんて……私のかわいいクレノが、私を差し置いて……」母親の声には、かすかに怒りがにじみ出ていた。彼女の顔は微笑みを保っているが、その目には冷たい怒りが浮かんでいた。
「母上、決してそういうわけでは……」
「言い訳は聞きたくないわ。」彼女は鋭く彼を遮った。「私がどれほどあなたを愛してきたと思っているの?それなのに……あの女と先に子を作るとは、私を裏切ったも同然よ。」
クレノースは一瞬言葉を失い、母親の視線を避けたくなった。彼女の怒りは予想していたが、その冷たさに胸が締め付けられる。彼は心の中で《もうやめてくれ……》と願いながら、母親の機嫌を取るために必死に言葉を探した。
「母上、どうかご理解ください……全ては公爵家のためです。サクレティアとの子は、公にしておけば母上との関係も安全に保てます。何も変わらず、私たちは……」
だが、母親の表情は硬いままだった。彼女は立ち上がり、ゆっくりとクレノースの前に歩み寄ると、冷たい指先で彼の頬を撫でた。
「クレノ……私を失望させないで……あなたは私だけのものなのよ。誰のものでもない、私のかわいい息子でいなさい。」
その囁きは、彼の心にさらに重くのしかかってきた。彼はその瞬間、母親との関係がますます逃れられないものになっていることを痛感した。
《サクレティア……俺はどうしたらいい……》
クレノースは心の中で叫んでいたが、その叫びが声になることはなかった。ただ、作り笑顔を崩さないまま、母親の目の前に立ち尽くしていた。
サクレティアは自室から庭を眺め、穏やかな微笑みを浮かべた。家庭菜園には、彼女が丹精込めて育てた作物がすくすくと成長している。すべてが彼女自身の手で作り上げた世界であり、その中での自由な生活は、これまで想像もできなかったほど心地よいものだった。
《本当に、ここまで自由になれるなんて……》
そう実感しながら、彼女は菜園の手入れや服のデザイン、さらには新しい発明に夢中で取り組んでいた。特に顕微鏡の改良や技術開発に没頭し、誰にも邪魔されずに時間を忘れて作業に打ち込むことが、これほど心地よいものだとは思いもしなかった。
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サクレティアは幸せそうに庭を見つめながら、深く息を吸い込んだ。しかし、そんな平穏な日々の中で、彼女の体には少しずつ異変が現れ始めていた。
最初は、ただの疲れだと思っていた。朝起きるたびに感じるだるさや、作業中にふと感じる重い倦怠感も、慣れない新生活の影響だと自分に言い聞かせていた。だが、次第にその倦怠感は増し、朝起きることすら辛くなってきた。そして、作業に集中できない日が増えていき、彼女は体に何か異常があることに気づき始めた。
ある日、庭で作物の世話をしている最中、サクレティアは突然めまいに襲われた。手にしていた道具を落とし、思わず近くの柵に手をついて体を支える。目の前がぐるぐると回り、息を整えるためその場に立ち尽くした。
《……最近、やっぱりおかしい……》
額の汗を拭いながら深呼吸をしても、胸に広がる不安は消えなかった。そして数日後、さらなる異変が彼女を襲った。朝食の席で、突然強烈な吐き気に襲われたのだ。テーブルに座っていられず、慌てて立ち上がり、手で口を覆いながら吐き気を抑えようとした。
《まさか……》
彼女の心に一つの疑念がよぎる。そっと手をお腹に当て、自分の身体に起こっている変化を感じ取ろうとする。もしかして……。その考えは、彼女を動揺させた。
《もし、そうだとしたら……》
その考えが膨らむと同時に、不安と期待が入り混じった感情が彼女を包み込んだ。妊娠――その可能性が現実のものになるかもしれないという考えが、彼女の胸を高鳴らせた。
作物が豊かに育つ庭を見つめながら、サクレティアは深く息をついた。穏やかな日常の中で、彼女の体は確かに新たな変化を迎えようとしていた。
やがて医師の診断により、サクレティアが妊娠していることが明らかになった。その報告はすぐにクレノースの耳に届いた。彼はその知らせを聞いた瞬間、胸の鼓動が高まり、何かに突き動かされるように屋敷内を駆け抜け、サクレティアのもとへ急いだ。
「サクレティア!!!」
クレノースは息を切らしながら部屋に飛び込むと、彼女の前に跪き、手をぎゅっと握りしめた。喜びが胸の底から溢れ出し、言葉より先に自然と笑みがこぼれる。
「君が……妊娠したって、本当なのか……?」
その問いには、彼の不安と喜びが入り混じっていた。サクレティアは彼の表情をじっと見つめ、冷静な顔つきを保ちながらも少し緊張した声で答えた。
「ええ、でも……おろしますか?」
その言葉を聞いた瞬間、クレノースの表情が一変した。彼女がそんな言葉を口にするとは思ってもいなかった。驚きと戸惑いが彼の瞳に浮かぶ。
「なぜだ!?どうしてそんなことを……」
サクレティアは彼の手を握り返し、静かに答えた。「お義母様に……殺されてしまいます。私も、子どもも……」
その言葉に、クレノースは一瞬息を詰まらせた。彼の母親の異常な執着と支配力を、サクレティアが恐れていることを彼はよく理解していた。だが、それでも彼は力強く宣言した。
「俺が何とかする。君には……どうか、産んでほしい。」
サクレティアはその言葉を聞きながらも、冷静な表情を崩さずに、静かに問いかけた。
「それも……私の務めですか?」
クレノースはその問いに心が揺れた。彼女が自分の意志を持たないただの「妻」として、自分の言葉に従うだけだと感じていることが、彼を苦しめた。本当は、そうではないと伝えたかったが、彼は母親の影響を拭いきれず、冷たい口調で答えた。
「そうだ……」
その言葉に、サクレティアはわずかに目を伏せた。彼が本心でそう言っていないことは察していたが、彼女もまた、母親の存在が彼を縛っていることを理解していた。クレノースは立ち上がり、毅然とした態度で言った。
「母上に報告せねば……」
しかし、サクレティアはすぐに彼の手を引き止め、強く握った。
「だめです!そんなことをしたら……何が起こるか、わかりません。」
クレノースは彼女の恐怖を感じ取りつつも、強い意志を込めて答えた。「護衛を倍に増やす。王宮の騎士もつける。君の安全は、俺が必ず守る。」
その言葉に、サクレティアは静かに頷いたが、彼女の心には依然として、母親の影が重くのしかかっていた。クレノースは彼女を守る決意を固めたが、彼もまた、母親に立ち向かう覚悟を持つことの難しさを痛感していた。
――――――
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クレノースは、重々しい足取りで母親の部屋へ向かった。扉をノックし、いつものように甘い声で彼を招き入れる声が聞こえる。その響きに、胸の奥がざわめいたが、彼はその感情を押し殺し、作り笑顔を浮かべて部屋に入った。
母親は優雅にソファに腰掛け、彼を見上げていた。その目にはいつものような温かさと支配的な光が宿っている。クレノースはその視線を受けながら、心の中で深い息を吐いた。
「母上、報告があります。」
母親は少し首を傾げ、彼を見つめる。
「何かしら、クレノ?」
クレノースは心の中で一瞬躊躇したが、作り上げた笑顔を崩さずに続けた。
「サクレティアとの間に、子どもができました。」
その瞬間、母親の顔がわずかに曇った。
「へぇ……それは喜ばしいことだと言いたいところだけど……」
クレノースは、彼女の反応に焦りを感じながらも、さらに言葉を継いだ。
「でも、母上、ご安心ください。サクレティアとの子ができれば、世間にはバレることなく、母上とも……その……子どもを作ることができます。世間の目を気にする必要はなく、どちらの子も私が愛し、育てていきます。公爵家の継承も問題なく……」
母親は静かに彼の言葉を聞いていたが、その瞳には冷たい怒りが宿っていた。クレノースは、その冷たい目に気づきながらも、言葉を続けるしかなかった。彼の心の中では、全く別の思いが渦巻いていた。
《嫌だ……こんなこと、もうしたくない……ずっとサクレティアの側にいたい……あの穏やかな時間を守りたい……》
だが、その想いを押し殺し、目の前の母親に向き合っていた。母親は彼の言葉が終わるのを待ってから、静かに口を開いた。
「クレノ……私よりも先に、他の女と子どもを作るなんて……私のかわいいクレノが、私を差し置いて……」母親の声には、かすかに怒りがにじみ出ていた。彼女の顔は微笑みを保っているが、その目には冷たい怒りが浮かんでいた。
「母上、決してそういうわけでは……」
「言い訳は聞きたくないわ。」彼女は鋭く彼を遮った。「私がどれほどあなたを愛してきたと思っているの?それなのに……あの女と先に子を作るとは、私を裏切ったも同然よ。」
クレノースは一瞬言葉を失い、母親の視線を避けたくなった。彼女の怒りは予想していたが、その冷たさに胸が締め付けられる。彼は心の中で《もうやめてくれ……》と願いながら、母親の機嫌を取るために必死に言葉を探した。
「母上、どうかご理解ください……全ては公爵家のためです。サクレティアとの子は、公にしておけば母上との関係も安全に保てます。何も変わらず、私たちは……」
だが、母親の表情は硬いままだった。彼女は立ち上がり、ゆっくりとクレノースの前に歩み寄ると、冷たい指先で彼の頬を撫でた。
「クレノ……私を失望させないで……あなたは私だけのものなのよ。誰のものでもない、私のかわいい息子でいなさい。」
その囁きは、彼の心にさらに重くのしかかってきた。彼はその瞬間、母親との関係がますます逃れられないものになっていることを痛感した。
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