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14話 放ってはおけない
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あれから3日、俺達は順調に旅を続けていた。
「意外だったのはあんたみたいなお嬢さんがこういった野営に抵抗が無いことだな。もちろん我慢はしているとは思うがある程度慣れていないとできないだろう?」
「そうね、我が家は人の上に立つために様々な職を体験させるのです。冒険者もその中に入っているわ」
「とんでもねぇものを俺は背負っているのかもしれねぇ」
「そんなに気にしなくてもいいわよ。ほら、もうそろそろ出来上がったんじゃない?」
ユカとの会話に気を取られていて危うく焦がすところだった。本人も言っているし多分気にしない方がいいんだろうなと思ったらそれを察したのかユカはふふっと笑った。
「そうだな、それと今日は見張りを俺がやるからゆっくり休んでてくれ」
サウスの街に近づくにつれ、人通りは少しずつ減っていっているように感じる。俺達と同じ冒険者などにも聞いてみたがサウスの街まで行く人はいない。誰もかれも怖くて行けないという感じだ。
この辺りはまだ変わったという感じはしない。しかし、アンデレとユカは何か違和感を感じているようだ。
『魔素の濃度が微妙に上がっているように感じます。まだ身体に影響のある範囲ではないですがこの調子で行くとサウスの街の前辺りで危険な状態になっていると考えられます』
「うーん、俺が鈍いだけなのか?」
『貴方は魔素に対して抵抗がありますね。微妙な濃度の変化には少し鈍いです。神に貰った身体なのが原因かはわかりませんが・・・』
(そういうことは早く言ってくれ)
『聞かれれば答えますが貴方の体のことを全て言っていては人生がいくつあっても足りませんよ』
またこれだ、こいつにはこれから先重要になりそうなものを優先順位付けして教えてくれるとかできなのか?とも思ったがさっきの様子だとその優先順位付けにすら時間がかかるということなのだろう。
(やっぱお前使えるのかどうかよくわかんねぇわ)
「まーた一人で考え込んでる。いや、一人というのはちょっと違うかな?」
「あぁ、すまない。俺のスキルを知っているからつい気を抜いてしまってね。今まで誰かいると頭の中でいつも黙らせれないことに困っていたんだ」
「ふーん、貴方も大変なのね。それで、何を話していたの?」
「違和感の原因は魔素みたいなんだ。そして俺はその魔素に対して抵抗がある見たいってことだ」
「ご丁寧にどうも。それにしても魔素とはね・・・あまり文献も残っていないから詳しいことは分からないんだけど昔世界の危機が迫った時魔素の濃度が上がっていたらしいわ・・・」
「へぇー、なんだか急に物騒になってきたな」
「そんなことで怖気づくようなタマじゃないでしょ」
俺の心の声がある程度読まれるせいでこういった大げさな反応は嫌われている。他の人に対してもあまり良くは思っていないらしいがスキルのことを知らない相手には流石に我慢しているようだ。
『彼女は彼女で苦労しているのです。注意したほうがいいですよ』
(俺の心の安寧はどこに・・・)
やっぱりスキルはどうにかしないといけない。何度目か分からないがそう確信したのだった。
魔素の濃度が徐々に上がっていることを警告されてはいたが順調に目的地に向かって進んでいった。
「お、村らしきものが見えてきたな。ここは・・・アムレノの村か」
持っていた地図と比較して順調に旅が進んでいることを確認する。今のところ魔素以外には目立った異常はない。
「今日はここで泊まりましょう。流石に毎日野営は疲れるわ」
まだ午前中だがこれからも旅は続くことを考えれば疲労は溜めないほうがいい。俺もユカの意見に賛成し、この村で一泊することにした。
村の入り口に武装した村人が立っていた。こんな村では珍しい。近くに野盗でもいるのか?と思っていると向こうから話しかけてきた。
「おや、この村の者じゃないね。あの地震の後村を訪れる者がほとんどいなくなってたから驚いたよ」
「そうなんですか・・・私達は地震の調査をしにサウスの村へ向かっている者です。今晩この村に止めて頂きたいのですがよろしいでしょうか?」
「それについては問題ないのですが・・・少し頼まれごとをしてもいいかな」
「ここで貴方が見張っていることと関係ありそうですね。私達にできることであればどうぞ」
「実はあの地震の後魔物達の数が増えてきて我々には手に余っていたのです。少しでも魔物を狩っていただけると村の者も快く泊めてくれると思います」
なんだ、そんなことかと安堵する。聞いた感じでは新しい魔物が出たわけではなく、単に数が増えただけということだ。この辺りの魔物の情報は知っているからどうにでもなるだろう。
「わかりました。できる限り協力しましょう」
「ちょっと、そんな安請け合いして大丈夫なの?」
「まぁ大丈夫でしょ」
ユカは心配そうだったが俺にだって何の考えもなしに受けたわけではない。彼女は少し不満そうだったが、受けてしまった者は仕方ない。必要な荷物を持って魔物の報告が増えているという場所に向かっていった。
そこでの戦闘は一方的だった。何せ数が多いだけで全く相手にならない。そんな魔物を一方的に狩っていたのだが・・・
「数が多すぎる、これはどこかで魔物を生み出している何かがいると考えるべきか?」
「そう言えば魔素の濃度が高い程魔物が活性化するって聞いたことがあるわ」
『この辺りの濃度ではここまで増えることはないので何か別の原因があると考えるほうが自然です』
「どうやら原因は魔素ではないみたいだ。近くにありそうだから探そう」
「まったく・・・休むために来たはずなのにとんだ災難ね」
ぶつぶつ言いながらもユカはちゃんと戦ってくれている。なんだかんだ根はいい子なんかな。
「意外だったのはあんたみたいなお嬢さんがこういった野営に抵抗が無いことだな。もちろん我慢はしているとは思うがある程度慣れていないとできないだろう?」
「そうね、我が家は人の上に立つために様々な職を体験させるのです。冒険者もその中に入っているわ」
「とんでもねぇものを俺は背負っているのかもしれねぇ」
「そんなに気にしなくてもいいわよ。ほら、もうそろそろ出来上がったんじゃない?」
ユカとの会話に気を取られていて危うく焦がすところだった。本人も言っているし多分気にしない方がいいんだろうなと思ったらそれを察したのかユカはふふっと笑った。
「そうだな、それと今日は見張りを俺がやるからゆっくり休んでてくれ」
サウスの街に近づくにつれ、人通りは少しずつ減っていっているように感じる。俺達と同じ冒険者などにも聞いてみたがサウスの街まで行く人はいない。誰もかれも怖くて行けないという感じだ。
この辺りはまだ変わったという感じはしない。しかし、アンデレとユカは何か違和感を感じているようだ。
『魔素の濃度が微妙に上がっているように感じます。まだ身体に影響のある範囲ではないですがこの調子で行くとサウスの街の前辺りで危険な状態になっていると考えられます』
「うーん、俺が鈍いだけなのか?」
『貴方は魔素に対して抵抗がありますね。微妙な濃度の変化には少し鈍いです。神に貰った身体なのが原因かはわかりませんが・・・』
(そういうことは早く言ってくれ)
『聞かれれば答えますが貴方の体のことを全て言っていては人生がいくつあっても足りませんよ』
またこれだ、こいつにはこれから先重要になりそうなものを優先順位付けして教えてくれるとかできなのか?とも思ったがさっきの様子だとその優先順位付けにすら時間がかかるということなのだろう。
(やっぱお前使えるのかどうかよくわかんねぇわ)
「まーた一人で考え込んでる。いや、一人というのはちょっと違うかな?」
「あぁ、すまない。俺のスキルを知っているからつい気を抜いてしまってね。今まで誰かいると頭の中でいつも黙らせれないことに困っていたんだ」
「ふーん、貴方も大変なのね。それで、何を話していたの?」
「違和感の原因は魔素みたいなんだ。そして俺はその魔素に対して抵抗がある見たいってことだ」
「ご丁寧にどうも。それにしても魔素とはね・・・あまり文献も残っていないから詳しいことは分からないんだけど昔世界の危機が迫った時魔素の濃度が上がっていたらしいわ・・・」
「へぇー、なんだか急に物騒になってきたな」
「そんなことで怖気づくようなタマじゃないでしょ」
俺の心の声がある程度読まれるせいでこういった大げさな反応は嫌われている。他の人に対してもあまり良くは思っていないらしいがスキルのことを知らない相手には流石に我慢しているようだ。
『彼女は彼女で苦労しているのです。注意したほうがいいですよ』
(俺の心の安寧はどこに・・・)
やっぱりスキルはどうにかしないといけない。何度目か分からないがそう確信したのだった。
魔素の濃度が徐々に上がっていることを警告されてはいたが順調に目的地に向かって進んでいった。
「お、村らしきものが見えてきたな。ここは・・・アムレノの村か」
持っていた地図と比較して順調に旅が進んでいることを確認する。今のところ魔素以外には目立った異常はない。
「今日はここで泊まりましょう。流石に毎日野営は疲れるわ」
まだ午前中だがこれからも旅は続くことを考えれば疲労は溜めないほうがいい。俺もユカの意見に賛成し、この村で一泊することにした。
村の入り口に武装した村人が立っていた。こんな村では珍しい。近くに野盗でもいるのか?と思っていると向こうから話しかけてきた。
「おや、この村の者じゃないね。あの地震の後村を訪れる者がほとんどいなくなってたから驚いたよ」
「そうなんですか・・・私達は地震の調査をしにサウスの村へ向かっている者です。今晩この村に止めて頂きたいのですがよろしいでしょうか?」
「それについては問題ないのですが・・・少し頼まれごとをしてもいいかな」
「ここで貴方が見張っていることと関係ありそうですね。私達にできることであればどうぞ」
「実はあの地震の後魔物達の数が増えてきて我々には手に余っていたのです。少しでも魔物を狩っていただけると村の者も快く泊めてくれると思います」
なんだ、そんなことかと安堵する。聞いた感じでは新しい魔物が出たわけではなく、単に数が増えただけということだ。この辺りの魔物の情報は知っているからどうにでもなるだろう。
「わかりました。できる限り協力しましょう」
「ちょっと、そんな安請け合いして大丈夫なの?」
「まぁ大丈夫でしょ」
ユカは心配そうだったが俺にだって何の考えもなしに受けたわけではない。彼女は少し不満そうだったが、受けてしまった者は仕方ない。必要な荷物を持って魔物の報告が増えているという場所に向かっていった。
そこでの戦闘は一方的だった。何せ数が多いだけで全く相手にならない。そんな魔物を一方的に狩っていたのだが・・・
「数が多すぎる、これはどこかで魔物を生み出している何かがいると考えるべきか?」
「そう言えば魔素の濃度が高い程魔物が活性化するって聞いたことがあるわ」
『この辺りの濃度ではここまで増えることはないので何か別の原因があると考えるほうが自然です』
「どうやら原因は魔素ではないみたいだ。近くにありそうだから探そう」
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