救世主として転生させられたが余計なスキルのせいで快適な異世界生活どころじゃない。良かれと思ってだろうがスキル解除するまで世界は救ってやらない

takaoka

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15話 魔物退治

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俺とユカは魔物が大量発生した原因を求めて迫りくる魔物達をひたすら狩っていた。

「まったく、弱いくせに倒しても倒してもこちらに向かって来るんだから嫌になっちゃうね」

確かに魔物達はただひたすらに戦力を削っているだけだ。無駄だとは流石に解っていると思うがこれは不思議である。

『それほどまでに近づけたくない何かがあるのでしょうか?試しに進む方向を変えてみれば何かわかるかもしれません』

そうだな、疑惑を確信に変えることは大事だ。

「進む方向を変えてみよう、右に行くぞ」

「え?まぁいいわ。何か考えがあるのね」

進む方向を変えた途端に魔物の襲撃が落ち着く、どうやら間違っていなかったようだ。

「急にどうしたの?ってこの状況を見ればなんとなくわかったわ」

「あぁ、俺達の進んでいる方向は間違ってなかったってことだ。問題はどうやってたどり着くかだが・・・」

「ここでこんなこと言うべきかは分からないけど魔物は相当数倒したから原因となる場所を叩かずにここで帰っても歓迎されるんじゃない?」

「それはそうだけど・・・」

「やっぱり放っておけない?結構いいところあるんだね」

「まぁ、そんなところだ」

「さて、行くと決めたことだから作戦を練ろう。私達だけでやらなくても場合によっては村の人に頼むんだって有りだと思う」

(確かに、でも村人たちはここの魔物相手に無傷でいられるのだろうか。あまり犠牲を出さないようにしたいんだけどなぁ)

『いい作戦があります。ユカ殿のスキルを上手く使えばこの辺りにいる魔物を一網打尽にできると思います』

(そう言えばそんなスキルあったな、具体的な使い方とかは聞いて無かったな。こいつが知っているから甘えていたところもあるなぁ)

将来的にこのスキルとはお別れすることを考えているのに並列思考に頼りきりというのは恥ずかしい話だ。しかし、この身近な便利なものに頼らないことは至難の業でもある。どうするべきなのか・・・

「こーら、今関係ないこと考えてたでしょ。考えを読まなくてもわかるわ」

「す、すまない。悪かった。それはそうとしてユカ、君のスキルを使って魔物達を一網打尽にできるか?」

「そうね・・・あの数を一撃でとなると準備に時間がかかるわ。3分くらい準備に時間がかかるからその間私に近づこうとする者達を全て任せるけどいい?」

「それくらいなら任せろ。じゃあ早速頼むよ」

『何をするか聞いてもよかったのでは?』

その時は別に聞かなくてもいいだろうと思っていたが、数秒後聞かなかったことをすぐに後悔する。

「な、なんで次々に魔物が来るんだよ」

『だから聞いておいた方がいいと言ったのに』

ユカが何かの準備を始めた直後、魔物達は何かを感じ取ったのか一斉にこちらへと向かってきた。すべてを任された俺は迫りくる大量の魔物を相手に1人検討していた。

『おそらく、大量の魔力を検知した魔物達が本能的に何かを感じ取ってこちらに向かって来ているといった感じでしょう』

(それが分かってもこの状況はどうにもならないだろ)

それにしてもこの魔物達、俺のことなんていないかのようにユカの方に向かって行っているな。そのせいでやりにくいんだけど。

「これを利用できれば・・・俺も魔法を使えば少しは気を逸らせれるか?」

『おそらく強い魔力に惹かれているので頑張っても効果は薄いと思われます』

むぅ、なかなかいい方法はないのか。まぁそんなに長い時間かかるわけじゃなさそうだから今回はなんとかするけど何度も使うことになるなら考えないとな。

そう思っているうちに準備ができたようだ。俺でもユカの周りの様子が変わったことが分かる。魔物達もこちらに向かって来るのをやめ、逆に危険を察知したのか逃げ出している。

「いっけぇー」

掛け声とともに魔物の巣の方向に向けて練られた魔力を一気に発射する。逃げ惑う魔物も何が起きたか気づいていない魔物も放出された魔力に飲み込まれて一瞬で塵となった。

「す、すげぇ・・・」

予想を遥かに超える威力に子供みたいな感想しか出てこなかった。

『これは・・・私も予想していませんでした。ユカ殿の実力を再設定します』

唖然としている俺に気付いたユカはこちらを見てなんだかバツが悪そうにしていた。

「いや~、ちょっとやり過ぎちゃった?」

「う、うーん・・・まぁいいんじゃない?この辺りに人はいなさそうだったし」

「さて、魔物達がいなくなったか確認に行こう」

「それなんだけどさっきので魔力使い過ぎちゃった。しばらくは魔法を使えないからその分任せる」

「もうちょっと加減とかできなかったのか?」

「いいところ見せようとして張り切っちゃいました」

「おかげで魔物達を粗方片付けれたから文句を言うつもりはないよ。わかった、じゃあいつもより気を付けていくよ」

すっかり静かになった森の中を進んでいく。森の中と言っても魔法のせいで道ができているから少し奇妙な感じだが。

「この辺りに何かがあったようだね。だけど魔物の気配とかはもうないからこれで解決・・・ってことでいいのかな?」

(どう思う?)

『確かに、ユカ殿の言う通りここにはもう何も残っていないようですね。逃げられたのか倒せたのか、どちらにせよここはもう安全とみていいでしょう』

「そうだな、じゃあ戻ろうか。なんだかんだ結構時間を食ってしまったからその分ゆっくり休まないとな」

村へ戻った俺達は事の一端を説明する。最初の方は中々信じては貰えなかったが見回りに言った村人の報告と魔物の数が激減している報告を受けてようやく信じてくれた。

「すまない、あまりにも突拍子の無いことを言っていたもので疑ってしまったよ。我々は君達を歓迎する。お代は結構だ。1日と言わずゆっくり休んでいってくれ」

村人たちに歓迎され、今日はお祭りとなった。慌ただしく準備を始めたため始まるまでの間俺達は村をうろついた。あまり見るべきものはないが自然豊かないい場所だなと思った。

「おぉ、君達ここにいたのか。準備ができたから村の中央へ来てくれ。今日の主役は君達だからな」

大げさなと思ったがこの村の人にとって魔物の被害は馬鹿にならなかったのだろう。村の外の荒れた土地を思い出し、自身の考えの甘さを反省する。

(まぁ、これからどうするかの方が大事かな。今は楽しもう)

さぁ、祭りの時間だ。
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