16 / 45
16話 宴の時間
しおりを挟む
村人にあれも食えこれも食えと次から次に料理が運ばれてくる。どれも美味しいのだが如何せん量が多すぎる。
「俺は人より食う方だけど流石にきつい」
「そう言わずに、ほれ、これも美味いぞ」
ずっとこんな調子だ。本当にきつくなってきた。俺とは対照的に好きなものだけゆっくり食っているユカが羨ましかった。
「あの嬢ちゃん可愛いじゃねぇか。お前の彼女か?」
急に話題が変わり思わず「えっ」っと言いそうになった。
「違いますよ、俺は護衛です。サウスの街まで安全に送り届けるのが役目です」
「サウスの街だって!?あの地震の後音沙汰が全くないからどうなっているのか全く想像もつかねぇ。まぁ俺達も魔物のせいでてんやわんやだったからな。全く、この世界はどうなってるんだか・・・」
俺に話しかけているんだろうが如何せん話が入ってこない。途中からうとうととしていた。
満腹感に加えて疲労もある。そういえば最近はゆっくり寝ることも無かったかな・・・
次に目が覚めた時、俺はベッドの上にいた。硬い地面じゃない柔らかな布団だ。あれ?そういえば祭りは・・・
「あ、やっと目覚めた」
なんだか前も同じ様な光景を見たような気がするが・・・気のせいにしておこう。
「すまない、また迷惑かけたか?」
「いやいや、私は何もしてないわ。君が疲れて祭りの途中で寝てしまったのを近くにいた人が送ってくれたみたい。私にそのことが聞かされた時にはすでにここにいたわ」
なるほど、それにしてもそんなに疲れていたのだろうか?長旅は始めてだから慣れないことも多い。今回ののことを教訓にして休みをどれくらいの頻度で取っていけばいいか、見直していかなければいけないな。
『疲労の件でしたらもう少し早く伝えるべきでしたかね。疲労回復のスキルもあるのでこの祭り中はなんとか耐えれると思ってましたが予想外の量の食事が駄目でした』
(お前でも読み違えることあるんだな、少し意外だ。だが、気づいたらその時に警告して欲しかったな)
『次からはある程度の疲労を検知した場合通知するようにします。その後の判断はおまかせしますが』
「心配かけたな。でもおかげで疲労はもう完全に取れたよ。また旅を再開できるな」
「私も久しぶりに十分休ませてもらったわ。普通のベッドがあれほど有り難いなんて思ってもなかったわ」
「そういえばよく今までの数日間寝れたな。慣れてない人だったら1週間くらい寝れないことだってあるのに」
「君は気づいて無かったのか、結構ふらふらしてたと思うんだけどなぁ」
本当?と疑いたくなったがよくよく思い返せばそうだったかもしれない。いずれにせよここまで耐えたのは相当な精神の強さが無ければできないはずである。
(うーん、まぁ普段から聞きたくもない声聞いているんだし精神が強いのは納得・・・か?強いが故の脆さもあるのかもしれないから気をつけなきゃな)
『貴方にしては気が回りますね』
「気を遣ってくれるのですね、ありがたいです」
(はぁ、ある意味開き直れるんだけれどもこの2人に常に考え読まれるのやっぱりきついなぁ。特にこの頭の中の奴、一生付きまとうと思うと身の毛がよだつよ・・・)
「思ってたより何倍も大変なのね・・・」
唯一と言っていい理解者は俺の心が読めるため、同じ立場ではないのが本当に悔やまれる。
「はぁ、まぁいいや。それより、もう少し休んでから行くか?俺は十分休めたから今日にでも出発してもいいぞ」
「出発は明日がいいわ。我儘かもしれないけどもう少しゆっくりしたいわ」
「そうか、じゃあそうしよう。しばらくきつい旅になるかもしれないからここで英気を養っておこう」
翌日、十分に休息を取った俺達は村人たちに見送られながら村を発った。余程感謝されたのか道中で食べるものをたくさん渡されて正直困るほどだった。何度も断ったが村人は聞く耳を持たず結局押し切られてしまった。
「・・・これ食べきれるか?」
「わかり切ったことを聞かないで」
『傷みやすい物から食べていけばギリギリ食べきれます。その間お二人には毎食満腹になってもらいますが』
こいつの言う食べきれるってのは本当に限界まで食べた場合のことだ。やっぱり食べ物は美味しく食べないといけないよなぁ。
「と、とりあえず食べれる分だけ食べよう。適当に貰ってくれる人でもいればなぁ」
暫くは食料には困らないのだが食料で困る状態が続きそうだ。
「俺は人より食う方だけど流石にきつい」
「そう言わずに、ほれ、これも美味いぞ」
ずっとこんな調子だ。本当にきつくなってきた。俺とは対照的に好きなものだけゆっくり食っているユカが羨ましかった。
「あの嬢ちゃん可愛いじゃねぇか。お前の彼女か?」
急に話題が変わり思わず「えっ」っと言いそうになった。
「違いますよ、俺は護衛です。サウスの街まで安全に送り届けるのが役目です」
「サウスの街だって!?あの地震の後音沙汰が全くないからどうなっているのか全く想像もつかねぇ。まぁ俺達も魔物のせいでてんやわんやだったからな。全く、この世界はどうなってるんだか・・・」
俺に話しかけているんだろうが如何せん話が入ってこない。途中からうとうととしていた。
満腹感に加えて疲労もある。そういえば最近はゆっくり寝ることも無かったかな・・・
次に目が覚めた時、俺はベッドの上にいた。硬い地面じゃない柔らかな布団だ。あれ?そういえば祭りは・・・
「あ、やっと目覚めた」
なんだか前も同じ様な光景を見たような気がするが・・・気のせいにしておこう。
「すまない、また迷惑かけたか?」
「いやいや、私は何もしてないわ。君が疲れて祭りの途中で寝てしまったのを近くにいた人が送ってくれたみたい。私にそのことが聞かされた時にはすでにここにいたわ」
なるほど、それにしてもそんなに疲れていたのだろうか?長旅は始めてだから慣れないことも多い。今回ののことを教訓にして休みをどれくらいの頻度で取っていけばいいか、見直していかなければいけないな。
『疲労の件でしたらもう少し早く伝えるべきでしたかね。疲労回復のスキルもあるのでこの祭り中はなんとか耐えれると思ってましたが予想外の量の食事が駄目でした』
(お前でも読み違えることあるんだな、少し意外だ。だが、気づいたらその時に警告して欲しかったな)
『次からはある程度の疲労を検知した場合通知するようにします。その後の判断はおまかせしますが』
「心配かけたな。でもおかげで疲労はもう完全に取れたよ。また旅を再開できるな」
「私も久しぶりに十分休ませてもらったわ。普通のベッドがあれほど有り難いなんて思ってもなかったわ」
「そういえばよく今までの数日間寝れたな。慣れてない人だったら1週間くらい寝れないことだってあるのに」
「君は気づいて無かったのか、結構ふらふらしてたと思うんだけどなぁ」
本当?と疑いたくなったがよくよく思い返せばそうだったかもしれない。いずれにせよここまで耐えたのは相当な精神の強さが無ければできないはずである。
(うーん、まぁ普段から聞きたくもない声聞いているんだし精神が強いのは納得・・・か?強いが故の脆さもあるのかもしれないから気をつけなきゃな)
『貴方にしては気が回りますね』
「気を遣ってくれるのですね、ありがたいです」
(はぁ、ある意味開き直れるんだけれどもこの2人に常に考え読まれるのやっぱりきついなぁ。特にこの頭の中の奴、一生付きまとうと思うと身の毛がよだつよ・・・)
「思ってたより何倍も大変なのね・・・」
唯一と言っていい理解者は俺の心が読めるため、同じ立場ではないのが本当に悔やまれる。
「はぁ、まぁいいや。それより、もう少し休んでから行くか?俺は十分休めたから今日にでも出発してもいいぞ」
「出発は明日がいいわ。我儘かもしれないけどもう少しゆっくりしたいわ」
「そうか、じゃあそうしよう。しばらくきつい旅になるかもしれないからここで英気を養っておこう」
翌日、十分に休息を取った俺達は村人たちに見送られながら村を発った。余程感謝されたのか道中で食べるものをたくさん渡されて正直困るほどだった。何度も断ったが村人は聞く耳を持たず結局押し切られてしまった。
「・・・これ食べきれるか?」
「わかり切ったことを聞かないで」
『傷みやすい物から食べていけばギリギリ食べきれます。その間お二人には毎食満腹になってもらいますが』
こいつの言う食べきれるってのは本当に限界まで食べた場合のことだ。やっぱり食べ物は美味しく食べないといけないよなぁ。
「と、とりあえず食べれる分だけ食べよう。適当に貰ってくれる人でもいればなぁ」
暫くは食料には困らないのだが食料で困る状態が続きそうだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります
はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。
「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」
そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。
これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕!
毎日二話更新できるよう頑張ります!
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ
のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。
目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる