救世主として転生させられたが余計なスキルのせいで快適な異世界生活どころじゃない。良かれと思ってだろうがスキル解除するまで世界は救ってやらない

takaoka

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16話 宴の時間

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村人にあれも食えこれも食えと次から次に料理が運ばれてくる。どれも美味しいのだが如何せん量が多すぎる。

「俺は人より食う方だけど流石にきつい」

「そう言わずに、ほれ、これも美味いぞ」

ずっとこんな調子だ。本当にきつくなってきた。俺とは対照的に好きなものだけゆっくり食っているユカが羨ましかった。

「あの嬢ちゃん可愛いじゃねぇか。お前の彼女か?」

急に話題が変わり思わず「えっ」っと言いそうになった。

「違いますよ、俺は護衛です。サウスの街まで安全に送り届けるのが役目です」

「サウスの街だって!?あの地震の後音沙汰が全くないからどうなっているのか全く想像もつかねぇ。まぁ俺達も魔物のせいでてんやわんやだったからな。全く、この世界はどうなってるんだか・・・」

俺に話しかけているんだろうが如何せん話が入ってこない。途中からうとうととしていた。

満腹感に加えて疲労もある。そういえば最近はゆっくり寝ることも無かったかな・・・

次に目が覚めた時、俺はベッドの上にいた。硬い地面じゃない柔らかな布団だ。あれ?そういえば祭りは・・・

「あ、やっと目覚めた」

なんだか前も同じ様な光景を見たような気がするが・・・気のせいにしておこう。

「すまない、また迷惑かけたか?」

「いやいや、私は何もしてないわ。君が疲れて祭りの途中で寝てしまったのを近くにいた人が送ってくれたみたい。私にそのことが聞かされた時にはすでにここにいたわ」

なるほど、それにしてもそんなに疲れていたのだろうか?長旅は始めてだから慣れないことも多い。今回ののことを教訓にして休みをどれくらいの頻度で取っていけばいいか、見直していかなければいけないな。

『疲労の件でしたらもう少し早く伝えるべきでしたかね。疲労回復のスキルもあるのでこの祭り中はなんとか耐えれると思ってましたが予想外の量の食事が駄目でした』

(お前でも読み違えることあるんだな、少し意外だ。だが、気づいたらその時に警告して欲しかったな)

『次からはある程度の疲労を検知した場合通知するようにします。その後の判断はおまかせしますが』

「心配かけたな。でもおかげで疲労はもう完全に取れたよ。また旅を再開できるな」

「私も久しぶりに十分休ませてもらったわ。普通のベッドがあれほど有り難いなんて思ってもなかったわ」

「そういえばよく今までの数日間寝れたな。慣れてない人だったら1週間くらい寝れないことだってあるのに」

「君は気づいて無かったのか、結構ふらふらしてたと思うんだけどなぁ」

本当?と疑いたくなったがよくよく思い返せばそうだったかもしれない。いずれにせよここまで耐えたのは相当な精神の強さが無ければできないはずである。

(うーん、まぁ普段から聞きたくもない声聞いているんだし精神が強いのは納得・・・か?強いが故の脆さもあるのかもしれないから気をつけなきゃな)

『貴方にしては気が回りますね』

「気を遣ってくれるのですね、ありがたいです」

(はぁ、ある意味開き直れるんだけれどもこの2人に常に考え読まれるのやっぱりきついなぁ。特にこの頭の中の奴、一生付きまとうと思うと身の毛がよだつよ・・・)

「思ってたより何倍も大変なのね・・・」

唯一と言っていい理解者は俺の心が読めるため、同じ立場ではないのが本当に悔やまれる。

「はぁ、まぁいいや。それより、もう少し休んでから行くか?俺は十分休めたから今日にでも出発してもいいぞ」

「出発は明日がいいわ。我儘かもしれないけどもう少しゆっくりしたいわ」

「そうか、じゃあそうしよう。しばらくきつい旅になるかもしれないからここで英気を養っておこう」

翌日、十分に休息を取った俺達は村人たちに見送られながら村を発った。余程感謝されたのか道中で食べるものをたくさん渡されて正直困るほどだった。何度も断ったが村人は聞く耳を持たず結局押し切られてしまった。

「・・・これ食べきれるか?」

「わかり切ったことを聞かないで」

『傷みやすい物から食べていけばギリギリ食べきれます。その間お二人には毎食満腹になってもらいますが』

こいつの言う食べきれるってのは本当に限界まで食べた場合のことだ。やっぱり食べ物は美味しく食べないといけないよなぁ。

「と、とりあえず食べれる分だけ食べよう。適当に貰ってくれる人でもいればなぁ」

暫くは食料には困らないのだが食料で困る状態が続きそうだ。
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