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-トラウマときっかけ-
※八話
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「虎徹さあ……彼女が別の女紹介したらダメでしょ。そんなこともわからないの?」
「ちが、片桐さんは――」
「あぁ言い訳はしなくていいよ。聞く気ないし」
剥き出しの後孔にローションのボトルが突っ込まれ、生ぬるい液体が直接体内へと注がれる。足の間に陣取った朔は空になったボトルを投げ捨てると、ローションが溢れる後孔にいきなり指を二本も突っ込んだ。
「……っ!!」
「あれ、思ったより柔らかいな。……もしかして、自分で弄ってた?」
「ふ、ぅ"………」
「ねーえ、俺聞いてるんだけど? お返事しないとどうなるか忘れちゃった?」
「ぅ"…ッ、じぶんで、…ぇ、さわり、ぃ"、まじた…」
「よく言えました。へぇ、そっかぁ。ふふふっ……自分で弄ってたのかぁ」
そう。俺はあの冬休み以降、前への刺激だけではイケなくなってしまった。お気に入りだったエロ動画を見ながらシコっても全然イけなくて、苛だちと不安は増していくばかり。
そんな日々に耐えられなくなって、母が寝静まった深夜を狙って、台所からオリーブオイルを拝借した。
アナニーとはいえないような拙い手つきではあったものの、前と同時に刺激すればようやく射精に至ることができたのだ。だけど、待ち侘びていた快楽と引き換えに手に入れたのは、言いようのない罪悪感と自己嫌悪。
誰に強制されているわけでもないのに後孔を弄っている自分が、あさましい存在に思えてしょうがなかった。
再び襲ってきた自己嫌悪に苛まれていると、ナカを荒らし回っていた指がようやく引き抜かれた。
少しだけホッとして体の力を抜いた途端、おざなりにほぐされた後孔に何の前触れもなくひやりとしたものが押し当てられる。慌てて静止しようとしてもすでに遅く、それは狭い孔をミチミチと広げていった。
「……っ、あ"! ひぅ"……ぃだいッ、な、んか、は、いって……、ぇ"、ぅ"ゔ~~~!」
限界まで広がった孔のふちがずきずきと痛む。陰茎の形を模したその玩具――シリコン製のバイブは、少しほぐした程度ではとても受け入れられない程の質量と大きさだった。
それは絡みつく媚肉を押し開きながら、俺のナカをみっしりと塞いでいる。痛くて苦しいだけの筈なのに、その中に快楽を感じ取り始めた自分が嫌で嫌で仕方なかった。
「やっぱり少し狭いな。……ねぇ、キツイ? 抜いて欲しい?」
「ぁ、ぬいて…っねが、…さく、さぐぅ……!」
「はい間違えた。こーちゃんさぁお仕置き中だってこと忘れてない? お仕置きしてもらったら何て言うんだっけ」
「~~~~っ、……りが、と…ぅ、ひ……ぐすっ…ござい、ます……」
「そうだよね。彼女としての自覚が足りてないからこうやってわざわざ教えてあげてるのに、抜いて~なんて言ったらダメでしょ」
朔の言ってることは支離滅裂だ。俺はこいつの彼女でも、そもそも女の子でもないし、尻の穴は何かを入れるための場所でもない。おかしいとわかっているのに、俺の口は朔が望む言葉を勝手に吐き出していた。
何度も何度も謝って、感謝して、赦しを乞って、それでも朔の手は止まらない。
「わ、もうこんな時間。急がないと」
いきなり体が持ち上げられたかと思うと、朔はそのまま歩き始めた。運動しなくなってから多少体重は落ちたものの、決して軽くはないはずなのに。
歩くたびに伝わる振動に唇を噛んで耐えていると、朔が昔から愛用している、大きなクローゼットの前に連れて行かれた。
いつの間に準備されていたのか、その扉は俺を迎え入れるように、ぱっくりと口を開けている。床面には隙間なく敷き詰められたバスタオル……嫌な予感が瞬時に頭をよぎった。
「馬鹿な子ほど可愛いって言うけどさぁ、あんまり馬鹿すぎるのも考え物だよね」
「…っ、は……、? ぁ、や、~~ッ、まって……!」
「この中で良い子にできたら今回のことは許してあげる。物音を立てたり声を上げたりしたらダメだよ? ……まぁ、バレたとしても俺は困らないけど」
そっとクローゼットの中に降ろされ、嗅ぎ慣れた匂いが肺いっぱいに広がった。落ち着いた中にもほんのりとした甘さが漂うフゼアの香水。大好きだった匂いの筈なのに、今は吐き気すら湧いてくる。
「うーん、やっぱ声我慢するのは難しそうだね。タオルだけでも噛ませとこうか」
「ん、ぅ"~~~ッ、……?、!…んん"……ッ」
ベッドの上に置かれていたバスタオルが口の中へと詰め込まれる。そのまま頭の後ろで縛ってしまえば、簡易的な猿轡の完成だ。満足そうに頷いた朔は、バスタオルの上から唇を合わせて離れて行った。
大きいと言えども流石に足を伸ばすほどの広さはないため、クローゼットの中で体操座りをしているような体勢だ。……けれどこの体勢が目下の問題であった。
自重でより深くまで玩具が入り込み、体勢を維持するために力を入れれば腹側を強く圧迫される。気絶する程の辛さはないが、それ故に朔の本気が伺えて背筋が冷えた。
「じゃ、良い子にしてるんだよ」
口元は綺麗な弧を描いているのに、その目は少しも笑ってなどいない。重い木の扉がゆっくりと閉まっていき、隙間から入り込む僅かな光に縋るしかなくなった。
ふと、昔読んだ絵本のことを思い出す。あの絵本みたいに、この暗闇が別の世界に繋がっていたのだとしたら……それはどんなに素敵だろう。
現実味のないことを考え始めた自分を鼻で笑いながら、震える膝に顔を埋めた。
(片桐さん、頼むから帰っててくれ………)
「ちが、片桐さんは――」
「あぁ言い訳はしなくていいよ。聞く気ないし」
剥き出しの後孔にローションのボトルが突っ込まれ、生ぬるい液体が直接体内へと注がれる。足の間に陣取った朔は空になったボトルを投げ捨てると、ローションが溢れる後孔にいきなり指を二本も突っ込んだ。
「……っ!!」
「あれ、思ったより柔らかいな。……もしかして、自分で弄ってた?」
「ふ、ぅ"………」
「ねーえ、俺聞いてるんだけど? お返事しないとどうなるか忘れちゃった?」
「ぅ"…ッ、じぶんで、…ぇ、さわり、ぃ"、まじた…」
「よく言えました。へぇ、そっかぁ。ふふふっ……自分で弄ってたのかぁ」
そう。俺はあの冬休み以降、前への刺激だけではイケなくなってしまった。お気に入りだったエロ動画を見ながらシコっても全然イけなくて、苛だちと不安は増していくばかり。
そんな日々に耐えられなくなって、母が寝静まった深夜を狙って、台所からオリーブオイルを拝借した。
アナニーとはいえないような拙い手つきではあったものの、前と同時に刺激すればようやく射精に至ることができたのだ。だけど、待ち侘びていた快楽と引き換えに手に入れたのは、言いようのない罪悪感と自己嫌悪。
誰に強制されているわけでもないのに後孔を弄っている自分が、あさましい存在に思えてしょうがなかった。
再び襲ってきた自己嫌悪に苛まれていると、ナカを荒らし回っていた指がようやく引き抜かれた。
少しだけホッとして体の力を抜いた途端、おざなりにほぐされた後孔に何の前触れもなくひやりとしたものが押し当てられる。慌てて静止しようとしてもすでに遅く、それは狭い孔をミチミチと広げていった。
「……っ、あ"! ひぅ"……ぃだいッ、な、んか、は、いって……、ぇ"、ぅ"ゔ~~~!」
限界まで広がった孔のふちがずきずきと痛む。陰茎の形を模したその玩具――シリコン製のバイブは、少しほぐした程度ではとても受け入れられない程の質量と大きさだった。
それは絡みつく媚肉を押し開きながら、俺のナカをみっしりと塞いでいる。痛くて苦しいだけの筈なのに、その中に快楽を感じ取り始めた自分が嫌で嫌で仕方なかった。
「やっぱり少し狭いな。……ねぇ、キツイ? 抜いて欲しい?」
「ぁ、ぬいて…っねが、…さく、さぐぅ……!」
「はい間違えた。こーちゃんさぁお仕置き中だってこと忘れてない? お仕置きしてもらったら何て言うんだっけ」
「~~~~っ、……りが、と…ぅ、ひ……ぐすっ…ござい、ます……」
「そうだよね。彼女としての自覚が足りてないからこうやってわざわざ教えてあげてるのに、抜いて~なんて言ったらダメでしょ」
朔の言ってることは支離滅裂だ。俺はこいつの彼女でも、そもそも女の子でもないし、尻の穴は何かを入れるための場所でもない。おかしいとわかっているのに、俺の口は朔が望む言葉を勝手に吐き出していた。
何度も何度も謝って、感謝して、赦しを乞って、それでも朔の手は止まらない。
「わ、もうこんな時間。急がないと」
いきなり体が持ち上げられたかと思うと、朔はそのまま歩き始めた。運動しなくなってから多少体重は落ちたものの、決して軽くはないはずなのに。
歩くたびに伝わる振動に唇を噛んで耐えていると、朔が昔から愛用している、大きなクローゼットの前に連れて行かれた。
いつの間に準備されていたのか、その扉は俺を迎え入れるように、ぱっくりと口を開けている。床面には隙間なく敷き詰められたバスタオル……嫌な予感が瞬時に頭をよぎった。
「馬鹿な子ほど可愛いって言うけどさぁ、あんまり馬鹿すぎるのも考え物だよね」
「…っ、は……、? ぁ、や、~~ッ、まって……!」
「この中で良い子にできたら今回のことは許してあげる。物音を立てたり声を上げたりしたらダメだよ? ……まぁ、バレたとしても俺は困らないけど」
そっとクローゼットの中に降ろされ、嗅ぎ慣れた匂いが肺いっぱいに広がった。落ち着いた中にもほんのりとした甘さが漂うフゼアの香水。大好きだった匂いの筈なのに、今は吐き気すら湧いてくる。
「うーん、やっぱ声我慢するのは難しそうだね。タオルだけでも噛ませとこうか」
「ん、ぅ"~~~ッ、……?、!…んん"……ッ」
ベッドの上に置かれていたバスタオルが口の中へと詰め込まれる。そのまま頭の後ろで縛ってしまえば、簡易的な猿轡の完成だ。満足そうに頷いた朔は、バスタオルの上から唇を合わせて離れて行った。
大きいと言えども流石に足を伸ばすほどの広さはないため、クローゼットの中で体操座りをしているような体勢だ。……けれどこの体勢が目下の問題であった。
自重でより深くまで玩具が入り込み、体勢を維持するために力を入れれば腹側を強く圧迫される。気絶する程の辛さはないが、それ故に朔の本気が伺えて背筋が冷えた。
「じゃ、良い子にしてるんだよ」
口元は綺麗な弧を描いているのに、その目は少しも笑ってなどいない。重い木の扉がゆっくりと閉まっていき、隙間から入り込む僅かな光に縋るしかなくなった。
ふと、昔読んだ絵本のことを思い出す。あの絵本みたいに、この暗闇が別の世界に繋がっていたのだとしたら……それはどんなに素敵だろう。
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