2 / 17
デアウ
まだ始め
しおりを挟む
また夢をみた。
美しい女性が
綺麗な男性が
頬を染めながら、力強く自分の腕を掴んだかと思うと…
◆ ◆ ◆
「あー、れ?」
美女の豊満な胸に顔を埋めてもらい、とてつもなく幸せな思いをしたところまでは覚えている。
あの柔らかさ、温もり、思わず抱きしめてしまった時に分かったくびれた腰は手に馴染むような感覚すらあった。
いやぁ、実に。実にいい夢だった。あの生々しさは忘れようったって忘れられない!
それはなぜか!俺が健全な男だからだ!それ以外に理由はいらない!
美人でいいカラダの女性に触れることができた。たとえ夢でも、構わない!現実じゃ見ず知らずの女性にそんなことしたら事案です逮捕です人生オワタっ。
「それなら、夢くらいはいいことがあっても…♪」
おっ、と。あのカラダの感触を思い出したら鼻血と下半身が。鎮まるんだ、本能の俺。
「あなたって、元気ね?」
そう言われて俺はハッとした。夢の名残に浸っている間に、俺は、知らない場所で、夢で会った美女と2人きりになっていた。
「注意力、欠けているわね。もう1人いるでしょ?」
美女が指差した俺の隣には…。
女の子がいた。カラダ付きとか童顔具合的にそう表現しとく。美女には及ばないがカワイイのがいいっていうなら、こっちの子?そんな印象を受けた。
◆ ◆ ◆
暖かい…。ふわふわして、いい毛布に包まれているような、そんな感覚を覚える。
でも、閉じた目蓋の向こうから柔らかい光が照らしてくるのが分かる。私の部屋に、こんなにいい照明や毛布、あったかな?
「……それより時間は?!」
勢いよく起きてケータイを探すが、ない。時計もない。ついでに見知らぬ場所だった。さらに見知らぬ男の人が、夢で殴ってしまった男性の前で正座していた。
え、やだカオス…。
「お、そっちも起きたんだな♪さてー♪おにいちゃん?お前から説明してやんなよ♪」
これからは運命共同体なんだからさ♪と笑顔になる男性と。
「俺の頭ん中が整理されるまでの時間は?ないの?無いのか?」
両腕で頭を抱える男の人。
コントですか?
「…あのさ、俺が話すことを、まずは信じて?そんで、よかったら名前。自己紹介、しないか?」
あ、はい。賛成です。お願いします。
◆ ◆ ◆
オレの前で繰り広げられる男女の会話。いや、いいね。こういう反応!久しく見てないし、見せてくれる相手もいなかった。
あ、おにいちゃんが妹ちゃんを泣かした。ん?こっちを睨んでる?もしかして、オレが悪いのかな?
えー、うそー、おにいちゃんの説明の仕方が悪かったんじゃないのー?
「なあ!やっぱ無理あるって!」
「あきらめるなよぅ。オレサマ、真面目なんだぞ?」
ほんとだぞ?ほら、戻って説得してきてちょーだい。
「くそっ!美女に騙されたっ」
「いい夢でしょ?もう2度と、覚めない夢だけど♪」
とぼとぼと妹ちゃんの元へ戻っていくおにいちゃんの背中には哀愁ってやつが出てるね。がんば!
◆ ◆ ◆
おにいちゃんと妹ちゃんのやりとりが終わるのを待っていたオレ。どのくらい経ったかはわかんないけど、やっと話が落ち着いたみたいだ。
2人揃って、オレの前にやってくる。
「か、確認させてほしいんですが、貴方が神様っていうのは…」
戸惑いの消えない顔。不安と涙が滲む目。震える声。ああ、可愛い。これはいい。ゾクゾクとさせられる。
この不安を取り除いてあげた時、妹ちゃんは笑ってくれるかな?それとも怒るかな?どっちでもいいけど泣かれるのはイヤだな。だって、本当は甘えてほしいんだから♪
「そうだよ。カタカナで、カミサマ。煩悩を司るもの、その化身。言い方は何であれ、オレはそういうモノ」
「じゃあ、俺とこの子がパラレルワールド上の同一人物で、カミサマに見初められたからココに連れてこられたのは何で?」
おにいちゃん、ちょっぴり顔が険しいけどそれもそそる♪無理矢理って、普段はする気が起きないけどおにいちゃん相手ならいいかも♪押し倒されて、唇を塞がれて、オレが懇願するまでガマンさせられちゃうとかね!
っとと。
「2人はオレと相性がいい。その相手を見つけるためにああいう夢を、人間たちに見せて回ってたんだ。で、やっと見つけた2人がたまたま同一人物だった、ってところ?」
自分が気持ちよくなりたいのもあったけどね。1人じゃつまらないでしょ。行為ってのは。
「…とはいえ、ちょっと強引だったのは、謝るよ」
浅めだが頭を下げ、2人に謝罪の意を示す。
オレは自分のためだけに2人をココに連れてきた。しかもやり方がゲスい。2人を、有り余る神力(しんりょく)を使って勝手にオレの魂と繋がりを作り、神力を流し込んで肉体を神体(しんたい)へと変えさせた。
神体は、魂を繋げた神の従僕。肉体をきちんと持っているのが特徴。
オレ含め、神ってものは精神体。肉体があるっぽくはできるが、本当の肉体は持てない。
「謝られても…私たち、もう、家族や友達には、会えないんですよね?」
うん。会えない。というか、会っても視認されない可能性がある。
2人にはかなりの量の力を注いだ。今だって僅かだけど繋がりから神力は注がれている。
「力を使いこなせないと、多分だけど幻みたいな感じになっちゃうと思う」
何せオレの生み出した神体は2人が初めてなんだ。実際のところはわからない。
そこで黙っちゃった妹ちゃんに変わって、おにいちゃんが質問を続ける。
「でも力を使いこなせるようになっても、俺たちは家には帰れねえし、カミサマのお願いとやらを叶えなきゃいけないんだよな?」
「そうなる。正直、今の人間が生みだす煩悩は量が半端ない。オレはソレと直接繋がってるようなもんだから、煩悩があればあるほど、火照るんだよね、カラダが」
どんな些細な妄想であれ、煩悩は煩悩。サブカルチャーの発展ついでに妄想もハッテンしてるわけだ。
勿論、真面目な部類のものだってあるが、願いと煩悩は紙一重。少しでも欲が出たらそれは煩悩になる。
「そろそろさー、頭が溶けそうなのよ。今はトモダチに強力な封印をかけてもらってるから、マシな方だけど」
本当なら毎日イキ狂って、気絶して、起きたらまた気絶するまで欲望を吐き出し続ける。
それなのに、女のカラダも男のカラダも、相手がいない。本来なら結合して与えられるはずの快楽が、オレのカラダには直接流れ込み、結合部は寂しさに疼いてヒクつくばかり。
「…それで、俺たちにその相手をしろって?」
「最初は、そう思ってたんだけど、いきなり女の子を襲うわけにはいかないじゃん?だから、まずはおにいちゃん!君から試そう!そんで後のことは、後に回す!」
ビシ!と指差しを決めて笑うと、おにいちゃんは死んだ目になって、妹ちゃんはゆっくり首を横に振った。
「今、そういう話をしてません!」
美しい女性が
綺麗な男性が
頬を染めながら、力強く自分の腕を掴んだかと思うと…
◆ ◆ ◆
「あー、れ?」
美女の豊満な胸に顔を埋めてもらい、とてつもなく幸せな思いをしたところまでは覚えている。
あの柔らかさ、温もり、思わず抱きしめてしまった時に分かったくびれた腰は手に馴染むような感覚すらあった。
いやぁ、実に。実にいい夢だった。あの生々しさは忘れようったって忘れられない!
それはなぜか!俺が健全な男だからだ!それ以外に理由はいらない!
美人でいいカラダの女性に触れることができた。たとえ夢でも、構わない!現実じゃ見ず知らずの女性にそんなことしたら事案です逮捕です人生オワタっ。
「それなら、夢くらいはいいことがあっても…♪」
おっ、と。あのカラダの感触を思い出したら鼻血と下半身が。鎮まるんだ、本能の俺。
「あなたって、元気ね?」
そう言われて俺はハッとした。夢の名残に浸っている間に、俺は、知らない場所で、夢で会った美女と2人きりになっていた。
「注意力、欠けているわね。もう1人いるでしょ?」
美女が指差した俺の隣には…。
女の子がいた。カラダ付きとか童顔具合的にそう表現しとく。美女には及ばないがカワイイのがいいっていうなら、こっちの子?そんな印象を受けた。
◆ ◆ ◆
暖かい…。ふわふわして、いい毛布に包まれているような、そんな感覚を覚える。
でも、閉じた目蓋の向こうから柔らかい光が照らしてくるのが分かる。私の部屋に、こんなにいい照明や毛布、あったかな?
「……それより時間は?!」
勢いよく起きてケータイを探すが、ない。時計もない。ついでに見知らぬ場所だった。さらに見知らぬ男の人が、夢で殴ってしまった男性の前で正座していた。
え、やだカオス…。
「お、そっちも起きたんだな♪さてー♪おにいちゃん?お前から説明してやんなよ♪」
これからは運命共同体なんだからさ♪と笑顔になる男性と。
「俺の頭ん中が整理されるまでの時間は?ないの?無いのか?」
両腕で頭を抱える男の人。
コントですか?
「…あのさ、俺が話すことを、まずは信じて?そんで、よかったら名前。自己紹介、しないか?」
あ、はい。賛成です。お願いします。
◆ ◆ ◆
オレの前で繰り広げられる男女の会話。いや、いいね。こういう反応!久しく見てないし、見せてくれる相手もいなかった。
あ、おにいちゃんが妹ちゃんを泣かした。ん?こっちを睨んでる?もしかして、オレが悪いのかな?
えー、うそー、おにいちゃんの説明の仕方が悪かったんじゃないのー?
「なあ!やっぱ無理あるって!」
「あきらめるなよぅ。オレサマ、真面目なんだぞ?」
ほんとだぞ?ほら、戻って説得してきてちょーだい。
「くそっ!美女に騙されたっ」
「いい夢でしょ?もう2度と、覚めない夢だけど♪」
とぼとぼと妹ちゃんの元へ戻っていくおにいちゃんの背中には哀愁ってやつが出てるね。がんば!
◆ ◆ ◆
おにいちゃんと妹ちゃんのやりとりが終わるのを待っていたオレ。どのくらい経ったかはわかんないけど、やっと話が落ち着いたみたいだ。
2人揃って、オレの前にやってくる。
「か、確認させてほしいんですが、貴方が神様っていうのは…」
戸惑いの消えない顔。不安と涙が滲む目。震える声。ああ、可愛い。これはいい。ゾクゾクとさせられる。
この不安を取り除いてあげた時、妹ちゃんは笑ってくれるかな?それとも怒るかな?どっちでもいいけど泣かれるのはイヤだな。だって、本当は甘えてほしいんだから♪
「そうだよ。カタカナで、カミサマ。煩悩を司るもの、その化身。言い方は何であれ、オレはそういうモノ」
「じゃあ、俺とこの子がパラレルワールド上の同一人物で、カミサマに見初められたからココに連れてこられたのは何で?」
おにいちゃん、ちょっぴり顔が険しいけどそれもそそる♪無理矢理って、普段はする気が起きないけどおにいちゃん相手ならいいかも♪押し倒されて、唇を塞がれて、オレが懇願するまでガマンさせられちゃうとかね!
っとと。
「2人はオレと相性がいい。その相手を見つけるためにああいう夢を、人間たちに見せて回ってたんだ。で、やっと見つけた2人がたまたま同一人物だった、ってところ?」
自分が気持ちよくなりたいのもあったけどね。1人じゃつまらないでしょ。行為ってのは。
「…とはいえ、ちょっと強引だったのは、謝るよ」
浅めだが頭を下げ、2人に謝罪の意を示す。
オレは自分のためだけに2人をココに連れてきた。しかもやり方がゲスい。2人を、有り余る神力(しんりょく)を使って勝手にオレの魂と繋がりを作り、神力を流し込んで肉体を神体(しんたい)へと変えさせた。
神体は、魂を繋げた神の従僕。肉体をきちんと持っているのが特徴。
オレ含め、神ってものは精神体。肉体があるっぽくはできるが、本当の肉体は持てない。
「謝られても…私たち、もう、家族や友達には、会えないんですよね?」
うん。会えない。というか、会っても視認されない可能性がある。
2人にはかなりの量の力を注いだ。今だって僅かだけど繋がりから神力は注がれている。
「力を使いこなせないと、多分だけど幻みたいな感じになっちゃうと思う」
何せオレの生み出した神体は2人が初めてなんだ。実際のところはわからない。
そこで黙っちゃった妹ちゃんに変わって、おにいちゃんが質問を続ける。
「でも力を使いこなせるようになっても、俺たちは家には帰れねえし、カミサマのお願いとやらを叶えなきゃいけないんだよな?」
「そうなる。正直、今の人間が生みだす煩悩は量が半端ない。オレはソレと直接繋がってるようなもんだから、煩悩があればあるほど、火照るんだよね、カラダが」
どんな些細な妄想であれ、煩悩は煩悩。サブカルチャーの発展ついでに妄想もハッテンしてるわけだ。
勿論、真面目な部類のものだってあるが、願いと煩悩は紙一重。少しでも欲が出たらそれは煩悩になる。
「そろそろさー、頭が溶けそうなのよ。今はトモダチに強力な封印をかけてもらってるから、マシな方だけど」
本当なら毎日イキ狂って、気絶して、起きたらまた気絶するまで欲望を吐き出し続ける。
それなのに、女のカラダも男のカラダも、相手がいない。本来なら結合して与えられるはずの快楽が、オレのカラダには直接流れ込み、結合部は寂しさに疼いてヒクつくばかり。
「…それで、俺たちにその相手をしろって?」
「最初は、そう思ってたんだけど、いきなり女の子を襲うわけにはいかないじゃん?だから、まずはおにいちゃん!君から試そう!そんで後のことは、後に回す!」
ビシ!と指差しを決めて笑うと、おにいちゃんは死んだ目になって、妹ちゃんはゆっくり首を横に振った。
「今、そういう話をしてません!」
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる