『黄金迷宮』〜自分のことを落ちこぼれだと思っていたら属性2個持ちでなんとかなりました〜

Disc-64

文字の大きさ
9 / 11
【ワーカー】〜冒険編〜

No,6《進化の子》【破】

しおりを挟む
次は俺の番か…。

俺は考える

(まず魔法について何を使うかだ。移動して殴るのは愚策だ。防がれるに決まっている。…
いや…イケるかもしれない。)

「では行きますッ!」

「ど~ぞ♡」




【無詠唱】「【座標移動•内合】」

一瞬にしてハインリヒの前に移動する。

ハインリヒは驚いている。それもそうだ、詠唱をしないと威力が30%減る。
ここで詠唱をしなかった理由は使う魔法がバレることを恐れたからだ。

【無詠唱】「【流星群•きょう】!」

とんでもない速さの拳のラッシュが繰り出される。

この魔法は宇宙のからの流星の勢いを余す事なく拳に乗せて限りなく光に近いスピードで殴りつける技だ。
常人では防ぐことはおろか、目で追うことすら不可。

ハインリヒはかなりキツそうだが頑張って防いでいるようだ。
さすがは上位のワーカーといったところか。

ならば!

『あなたの傘に入らせて 流星の雨が降るからさ 』
「【流星群•】!!」

さらにもう1段階、技のレベルを上げたため地のスピードはアップ。詠唱をしたことにより30%スピードアップ。

あまりの速さに手に僅かに付着していた炭素原子と空気中の酸素原子が核融合寸前だ。

その時。ヨハネスの拳がハインリヒの頭に当たった。

直後、風船を割られたかの如くハインリヒが萎んでしまった。

「お前…すごいな…気に入ったぞ」
後ろから声が聞こえてきた。ハインリヒの声だったが口調が違う。(またキレたのか?)

「おっと、口調は気にしないでくれ。今のハインリヒは【楽】のハインリヒだ。」
「そしてさっきお前が倒したハインリヒは【喜】。」

何をいってるんだこいつは。

「ん~。頭に疑問符が浮かんでんな。」
「つまりだ俺ことハインリヒは喜怒哀楽の四人の人格が行き来する多重人格者だ。」
「さっきクラウジスがでっけぇの撃った時。少し【怒】が出ていたな。」

俺はキレたと思ったんだが、口調が違うのは人格の問題だったか。

「さらに面白いのが」

「俺たちハインリヒは人格によって使う属性が異なる。」

「【喜】のやつは【風船属性】。さっき頭に拳が当たったとき弾けたろ?
次に【怒】は【暗黒属性】。ハーメルンの悪夢とかがそうだな。
次は【哀】、こいつは元々のハインリヒの人格だがここ最近は全く出てこない。
そして俺、【楽】。俺は蟲。」
「どうだ?珍しいだろう。」

2属性持ちは珍しいと思っていたが、こんなパターンもあるのだな。こりゃ、強いはずだ。

「おっと、長話したな。もう【喜】のやつはやりたくないそうだ。だから最後は俺がやる。」

(意外と感情豊かだな。)

「次やるやつ。早く出てこい。」

「はい!よろしくお願いします!」

リコ•ナガサワ…。
俺が色々引っかかってる奴だ。

「【●ーグル検索】【ハインリヒの倒し方】-【検索結果22件】」
「この中で最適解は多分これだ!」

【無詠唱】【自然発火ウィルス】

ハインリヒの真上から大量の火花のようなものがが飛んでくる。と思った途端に燃え出した。
恐らく、無機物有機物関係なく燃やしているのだろう。

「【蟲属性魔法】【七色に光り輝く甲虫の防壁ニジイロコガネ】」
ハインリヒの周りを虹色の虫のような壁が覆う。
とても冷静な判断だ。

…?しかし妙だ。
燃え広がっているが止まる気配がない。

「あれ?止まんない?あれ?」
どうやら制御できていないようだ。
承臨をすると自分の属性は使いこなせるようになるのだが。

ハインリヒ(楽)は壁にこもって出てこないし。しょうがないから俺が処理する。
「仕方ない。【湿度魔法】【飽和水蒸気支配•露点】」
この魔法は空気中から水を発生させる魔法だ。俺が工夫しまくった今のところ集大成の応用だ。 

火を消したあとハインリヒが壁から出てきた。
「いやー消してくれてありがとうね。外に火があるから出るに出れなくてさ。どんどん中が暑くなってってどうしようかと思ったよ。」

…。

「まぁちなみにこの後の〈全員対俺〉はもう時間がないから無しな。」

ないのかよ。

《その後、ジェニーとシズクたちと合流した。》

「あ!ヨハネス!やっときたわね!」

「ヨーくん私は待ちくたびれました!」

どうやら待たせてしまったようだ。

「ごめ~ん。ちょっと用事があってさ。」
「リコ。挨拶して。」

後ろに隠れていたリコが前に出る。

「はじめまして!永澤ナガサワ   李子リコです。先程ヨハネスさんに声をかけていただました。
もし御二方がよろしければ、仲間に加えさせて貰えないでしょうか!」

「いいけど、何がどうしてウチなの?」
〈回想〉

試験後Aの闘技場から出る途中のリコ

「また私制御できない魔法選んじゃいました。」

何やらボソボソ独り言を言っているリコ

そこへヨハネスが後方から声をかける

「リコ!」

びっくりして振り返るリコ。

駆け寄るヨハネス

「リコ、お前うちのパーティ入らないか?」

「え?良いのですか?」
(なんで私なんだろう。)

〈回想終了〉

「と言った具合でして。」

「ヨーくん、女の子引っ捕まえてきたんですか」

…。

あなまち間違いじゃないな。うん。

「まぁいいわ。これからよろしくね!」

「そうですね、よろしくお願いします。」

よかった二人とも許可してくれたようだ。

「ありがとうございます!」


~しばらく後~

「じゃあ、本格的なワーカー開始は来週からだから。今日は帰って個人で準備をしましょう。」

「そうですね。」




???「大地属性持ちと動物属性持ち、天体属性の2属性持ちとチート持ちの転生者。これは早めに潰さなきゃな~。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

二度目の勇者は救わない

銀猫
ファンタジー
 異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。  しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。  それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。  復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?  昔なろうで投稿していたものになります。

処理中です...