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No.3
しおりを挟む「ラグーご飯できたよー」
とマリアお姉ちゃんの元気な声で目が覚めた俺は床に手を付き体を起こす。
(うん、ダルさはないね)
腕を回したり背伸びをして体の具合を確認すると、魔力欠乏のダルさはすっかり無くなっていた。
膝に手を付いて立ち上がり部屋のドアを開けると直ぐにマリアお姉ちゃんが目に入る。
「ラグー、おはよう」
「お、おはよう」
挨拶を交わしたマリアお姉ちゃんやっぱり美人だ。
朝から美人さんを拝めるのは何とも言えない幸福感があるのは何故だろう?
「ラグー、スープ冷めちゃうから早く食べよう!」
マリアお姉ちゃんの美貌に見いっていた俺はハッとしてマリアお姉ちゃんの向かいに座る。
テーブルの上にはパンと湯気のたつスープが置いてありいい匂いがする。
スプーンを持つとスープを掬って口に運ぶ。
「美味しい」
「良かった」
俺の言葉に嬉しそうにするマリアお姉ちゃんはかなりの料理上手だろう。
具材は入っていないが魚の旨味が溢れるスープは絶品だった。パンは相変わらず固いけど
朝食を食べ終わり、後片付けをするマリアお姉ちゃんに俺は話しかける。
「マリアお姉ちゃん、僕十五になったらミラベル学園に行こうと思うんだけど─」
ガシャン!!
俺の話しは途中だったがマリアお姉ちゃんは拭いていたお皿を落としてしまった。
「ら、ラグーミラベル学園は凄く大変な所だよ?平民が行くには凄いスキルか才能がないとムリなの、わかるよね?それにラグーにスキル無いでしょ?魔法だって使えないし、剣術だってムリじゃない?まぁ勉強は図書館に行けばどうにかなるか……でもお金が……」
マリアお姉ちゃんは動揺してるのか、後半ブツブツとして皿を拭いていた布を持ったまま頭を抱えている。
「わかってるよ。入学が大変な事もお金がかかる事も、でも僕はミラベル学園に行きたいんだ。勿論マリアお姉ちゃんに負担はかけないつもりだよ。試験代は自分で仕事して稼ぐから」
「ちょっと待って試験代だけじゃなくて入学金も高いと思うんだけど……」
「入学金?それは大丈夫だよ。僕、試験成績上位十位を狙うから」
ミラベル学園は身分による差別を認めていないし、完全実力主義の学園である。
なので平民であろうと下級貴族であろうと成績がよければ身分は関係なく入学できる。
そして入学試験の成績上位十位以内は入学金免除、そして一年間の授業料が免除される。
しかしミラベル学園は平民が入学するにはお金と能力の壁が高過ぎる為、過去に平民が上位十位以内に入る事はおろか入学した前例すら無い。という設定にしたのを物凄く後悔している。
無駄な登場人物を増やしたくなかった俺の面倒くさがり屋が仇になるとは思ってもみなかった。
誰でも入学できるようにすれば楽に入学できたと思うが、書いてる時はまさか自分が自分の書いている小説の世界に転生するなんて思ってなかったので仕方ない。
さておき、マリアお姉ちゃんはかなり驚いた顔をしている。
「ちょっ、ラグー上位十位って本気なの?」
「本気だよ、だって上位十位に入れば入学金も授業料もかからないからね」
「それはそうだけど……」
マリアお姉ちゃんはまだ迷っているみたいだ。
「十五まで後二年もあるんだ。試験代も働いて稼ぐし、合格しても上位十位に入れなければ諦めるから……お願い……」
俺はそう言って上目使いをする。
「でも……」
「お願いします……」
だめ押しの涙を溜めてからの上目使い。この顔で上目使いなんてされたら俺なら即陥落だけどマリアお姉ちゃんはどうだろう?
これでダメなら別の方法を探すしかないと思っていたけど、
「わかったよラグー、もぉその顔は反則だよ……」
無事マリアお姉ちゃんにも通用したようでOKを貰えた。
美少年もとい、美少女の上目使いからの涙目のお願いは異世界だろうと通用するようで安心した。美しいは正義だ!
「マリアお姉ちゃんありがとう!」
俺はOKしてくれたマリアお姉ちゃんに満面の笑みで感謝の言葉を述べる。
「うっ、その顔も反則だよ……」
マリアお姉ちゃんはブツブツ言っているが気にしない。
俺は立ち上がり、「仕事探してくるね」と言って家を出た。
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