自分で書いた未完のラノベ小説の世界に転生したけどどうしたらいいですか?

黒野 ヒカリ

文字の大きさ
3 / 53

No.3

しおりを挟む
 


 「ラグーご飯できたよー」

 とマリアお姉ちゃんの元気な声で目が覚めた俺は床に手を付き体を起こす。

 (うん、ダルさはないね)

 腕を回したり背伸びをして体の具合を確認すると、魔力欠乏のダルさはすっかり無くなっていた。
 
 膝に手を付いて立ち上がり部屋のドアを開けると直ぐにマリアお姉ちゃんが目に入る。

 「ラグー、おはよう」

 「お、おはよう」

 挨拶を交わしたマリアお姉ちゃんやっぱり美人だ。

 朝から美人さんを拝めるのは何とも言えない幸福感があるのは何故だろう?

 「ラグー、スープ冷めちゃうから早く食べよう!」

 マリアお姉ちゃんの美貌に見いっていた俺はハッとしてマリアお姉ちゃんの向かいに座る。

 テーブルの上にはパンと湯気のたつスープが置いてありいい匂いがする。
 スプーンを持つとスープを掬って口に運ぶ。

 「美味しい」

 「良かった」

 俺の言葉に嬉しそうにするマリアお姉ちゃんはかなりの料理上手だろう。

 具材は入っていないが魚の旨味が溢れるスープは絶品だった。パンは相変わらず固いけど

 朝食を食べ終わり、後片付けをするマリアお姉ちゃんに俺は話しかける。

 「マリアお姉ちゃん、僕十五になったらミラベル学園に行こうと思うんだけど─」 

 ガシャン!!

 俺の話しは途中だったがマリアお姉ちゃんは拭いていたお皿を落としてしまった。

 「ら、ラグーミラベル学園は凄く大変な所だよ?平民が行くには凄いスキルか才能がないとムリなの、わかるよね?それにラグーにスキル無いでしょ?魔法だって使えないし、剣術だってムリじゃない?まぁ勉強は図書館に行けばどうにかなるか……でもお金が……」

 マリアお姉ちゃんは動揺してるのか、後半ブツブツとして皿を拭いていた布を持ったまま頭を抱えている。

 「わかってるよ。入学が大変な事もお金がかかる事も、でも僕はミラベル学園に行きたいんだ。勿論マリアお姉ちゃんに負担はかけないつもりだよ。試験代は自分で仕事して稼ぐから」

 「ちょっと待って試験代だけじゃなくて入学金も高いと思うんだけど……」

 「入学金?それは大丈夫だよ。僕、試験成績上位十位を狙うから」

 ミラベル学園は身分による差別を認めていないし、完全実力主義の学園である。

 なので平民であろうと下級貴族であろうと成績がよければ身分は関係なく入学できる。

 そして入学試験の成績上位十位以内は入学金免除、そして一年間の授業料が免除される。

 しかしミラベル学園は平民が入学するにはお金と能力の壁が高過ぎる為、過去に平民が上位十位以内に入る事はおろか入学した前例すら無い。という設定にしたのを物凄く後悔している。

 無駄な登場人物を増やしたくなかった俺の面倒くさがり屋が仇になるとは思ってもみなかった。

 誰でも入学できるようにすれば楽に入学できたと思うが、書いてる時はまさか自分が自分の書いている小説の世界に転生するなんて思ってなかったので仕方ない。

 さておき、マリアお姉ちゃんはかなり驚いた顔をしている。

 「ちょっ、ラグー上位十位って本気なの?」

 「本気だよ、だって上位十位に入れば入学金も授業料もかからないからね」

 「それはそうだけど……」

 マリアお姉ちゃんはまだ迷っているみたいだ。

 「十五まで後二年もあるんだ。試験代も働いて稼ぐし、合格しても上位十位に入れなければ諦めるから……お願い……」

 俺はそう言って上目使いをする。

 「でも……」

 「お願いします……」

 だめ押しの涙を溜めてからの上目使い。この顔で上目使いなんてされたら俺なら即陥落だけどマリアお姉ちゃんはどうだろう?

 これでダメなら別の方法を探すしかないと思っていたけど、

 「わかったよラグー、もぉその顔は反則だよ……」

 無事マリアお姉ちゃんにも通用したようでOKを貰えた。

 美少年もとい、美少女の上目使いからの涙目のお願いは異世界だろうと通用するようで安心した。美しいは正義だ!

 「マリアお姉ちゃんありがとう!」

 俺はOKしてくれたマリアお姉ちゃんに満面の笑みで感謝の言葉を述べる。

 「うっ、その顔も反則だよ……」

 マリアお姉ちゃんはブツブツ言っているが気にしない。

 俺は立ち上がり、「仕事探してくるね」と言って家を出た。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

処理中です...