自分で書いた未完のラノベ小説の世界に転生したけどどうしたらいいですか？

No.23

　木々を消した魔法を使ったあと、パメラ様から風魔法と制御の仕方を教えてもらい試した結果パメラ様が使える魔法は全て使えた。

　パメラ様には「ラグーは本当に魔法は初めて使うの？」と何度も言われ、メイさんには「ラグー様素敵です」と顔を赤められるなど何とも言えない状況にあははとするばかりだった。

　そして風魔法しか使えないパメラ様に変わり、メイさんからも火、土、水も教えてもらったが一通り使える事が出来た。

　俺が魔法を使う度、「私の子を作ってくれませんか？」とメイさんに言われて吹き出す事もあったが取り敢えず魔法の使い方が分かったのでパメラ様とメイさんにお礼を言って家に帰る事にした。

　帰り際、パメラ様には「婚約者なんだからいつでもデリー公爵家に来て」と言われ、メイさんには「いつでもデリー公爵家の私の部屋に夜這いに来て下さい」と言われメイさんも俺の婚約者だったけ？と思ってしまったがとりあえず二人に頷き俺は家に帰って来たのだけど、

　「ラグぅー連絡もしないで一日帰って来ないから心配したよーー！」

　と家に入って直ぐにマリアお姉ちゃんに抱き付かれて泣かれてしまった。

　色々有りすぎて連絡出来る状況では無かったけど心配させたのでマリアお姉ちゃんに謝った。

　「マリアお姉ちゃん連絡もしないでごめんなさい」

　「いいのよ、ラグーが無事ならそれでいいの、デリー公爵様の所で何かあったのかって心配しただけだから……」

　マリアお姉ちゃんの心配は当たっていますよ。と俺は心の中でつぶやき、何から話そうかと考えたけどとりあえず魔法を使えるようになった事を話した。

　「ラグーは魔法使えるようになったんだね!おめでとう!」

　「マリアお姉ちゃんありがとう!これで学園合格に近づけたよ」

　「そうだね、本当に良かったよ……お金が…」

　マリアお姉ちゃん、心配しなくても大丈夫だよ。と言いたかったがもしダメだった時の事を考えて言うのをやめた。
　
　「あっそうそうマリアお姉ちゃんに報告があるんだ」

　「報告？魔法が使えるようになった以外にもあるの？」

　マリアお姉ちゃんは首を傾げている。
　
　「実は僕、パメラ様の婚約者になったんだ」

　「は？」

　マリアお姉ちゃんはそれだけ言って全く動かなくなった。
　俺が目の前で手を振っても微動だにしなかった。
　一瞬マリアお姉ちゃんの人形じゃないかと思ったけど「はっ！」と気が付いたように声を発した。

　「ラグー、驚き過ぎて意識が何処かに行ってたわ！もう一度聞かせてくれる？」

　何回聞いても変わらないと思うけど……

　「パメラ様の婚約者になったんだ」

　「やっぱり聞き間違いじゃなかった。と言うか何でそんな事になってるのよラグー！」

　「色々有りすぎて説明すると長くなるけど聞く？」

　「聞くに決まってるでしょ！」

　そして俺はマリアお姉ちゃんにデリー公爵家であった事を話した。
　話の合間に驚いた顔をしたり、笑ったりと表情がコロコロ変わるマリアお姉ちゃんは見てるだけで面白くてあっという間に話終わった。

　「そっか色々あったんだね。でもラグーがハリス様の婚約者にならなくて本当に良かったよ……」

　そう言ってマリアお姉ちゃんは遠い目をしていて俺も頷き、同じく遠い目をした。
　パメラ様がいなければ俺はどうなっていたか分からなかった。
　先にパメラ様と会って婚約者になっていたラグーには感謝だが、改めてラグーのポテンシャルには驚かされるばかりだった。

　本当にラグーは何者だろう？と謎が深まった。

　俺はマリアお姉ちゃんに「おやすみ」と言って部屋に戻り、いつもの魔力操作をして寝たかった。
　でもいつまで経っても魔力欠乏にならず、結局睡魔に襲われいつの間にか寝ていたのだった。