24 / 53
No.24
しおりを挟むいつものようにマリアお姉ちゃんに起こされた俺は朝ごはんを食べ終え、家を出た。
寝不足でフラフラとする足取りで仕事に向かう俺はそのまま親方の元へと向かった。
連絡出来なかった為に無断欠勤になってしまったので謝る為だ。
そして親方に理由を説明して謝るとクビを言い渡された。
クビの理由はパメラ様の婚約者に土木作業なんてやらせられるわけないだろとの事だ。
確かにパメラ様の婚約者になった俺は貴族になる。
平民が貴族に指示など出せる訳も無いので俺は納得して「今までありがとうございました」と頭を下げ、職場を後にしたのだが途方に暮れていた。
ミラベル学園入学に向け、もしもの為にまだまだお金が必要なのでここで収入源が絶たれるとかなり痛い。
考えた末、命の危険はあるが依頼によっては高額収入を見込める冒険者になる事にした。 魔法も使えるし何とかなるだろう。
俺は冒険者登録をするために冒険者ギルドへと向かった。
この世界の冒険者は銅、銀、金、プラチナとランクが別れている。
銅が雑用やちょっとした手伝いなどの依頼をこなし安い賃金を得るのに対して、銀と金はモンスター討伐などの依頼で命の危険がはねあがり銅とは比べ物にならない程の賃金を得られる。
そしてプラチナはかなりの実力を持った一握りの人しか居らず、なるには国とギルドからの依頼を数多く達成して貢献しないとなる事が出来ない。
いつ死ぬかも分からない程の依頼を何度も達成させていかないといけないプラチナまで俺はなるつもりはない。
ミラベル学園入学資金が貯まればいいので銀辺りで稼ぎたいと思う。
ギルドに到着した俺は入り口に入ると余り人は居らず直ぐにカウンターで話をする事が出来た。
「あらラグーじゃない!今日はどおしたの?」
「えっと、冒険者登録をしようと思って……」
カウンターで受付をしている緑のロングヘアーをした綺麗なお姉さんは親しげに話し掛けて来たのだが俺は知らない。
また俺になる前のラグーの知り合いだろう。
「ねぇラグー言っちゃ悪いけど、冒険者は危険なのよ?」
「大丈夫です、危険の少ない依頼を受けますので!」
心配そうにしているお姉さんにそう言ったのだが、
「そうは言ってもね……」
と首を縦に振る様子のないお姉さんに俺はあれを使う事にした。
「お願い……ミラベル学園に入学する為にお金が必要なんだ……」
秘技上目使いを発動させるとお姉さんは「その顔ずるいよ」と言って机の下から水晶を取り出した。
「ラグーこれに触れて魔力を流してみて、言っとくけど規定の魔力量にいかないといくらラグーでも冒険証は発行出来ないからね」
俺は頷くと水晶に手を触れ魔力を流し込んだ。
水晶は俺の流し込む魔力をグイグイ吸い込むと色が変わっていき、粉々に弾け飛んだ。
「キャッ!」
お姉さんは破壊された水晶の破片が当たり声を上げた。
「だ大丈夫ですか?」
俺は慌ててお姉さんに声を掛けた。
「だ大丈夫よ、それにしてもどうゆう事なのラグー、水晶を破壊するなんて初めてなんだけど……」
「さ、さあ?」
俺は首を傾げた。
「ちょっと待ってて」
お姉さんは奥に引っ込むと大柄な男の人を連れてきた。
「やぁ初めまして、僕はこのギルドのギルドマスターのヤルタ、君が水晶を破壊したラグーくんかい?」
挨拶をしたヤルタと名乗るギルドマスターは帽子を被り、長い耳をしたエルフだった。
エルフだけあって筋肉質のヤルタはかなりのイケメンだった。
「はい、すいません、魔力を流したら水晶が粉々に砕けてしまって……」
「なるほど、」
少し考える仕草をしたヤルタさんはポンと手を叩き綺麗なお姉さんに指示を出した。
「アマリ、ラグーくんに金の冒険証を発行して!」
「マスター何を言ってるんですか?いきなり金はおかしいですよ!」
詰め寄るアマリさんにあっけらかんとするヤルタさん
「いいじゃないかアマリ、今は冒険者になる人も少ないし、水晶を破壊する程の魔力量だよ?プラチナを持つ冒険者だって不可能だよ?アマリは見たことあるのかい?」
「無いですし、確かにそうなんですけど……」
不安そうにするアマリさんにヤルタさんは話を続ける。
「それに金の依頼じゃなきゃこれの弁償できないよ?」
破壊された水晶を指差すヤルタさん。
「え!これ弁償しないといけないんですか?」
「そうだよー、なんせうちのギルドは金欠だからね!」
驚き質問した俺に笑顔を見せるヤルタさんにタメ息が出る。
「因みにおいくらですか?」
「これかい?金貨五十枚!」
その瞬間俺は吹いた。
金貨五十枚だと?
そんなお金あるはずがない。
「ヤルタさんそんなお金ありませんよ!」
「大丈夫大丈夫、金の依頼受けてれば直ぐに払い終わるよー」
とてもいい笑顔を見せるヤルタさんにはもう何を言っても無断だろう。
「それじゃアマリ、金の冒険証と借用書を用意して!」
「もぉーマスター知りませんからね!」
プンプンとしながらアマリさんは金の冒険証と金貨五十枚と書かれた借用書を用意すると、
「ラグーごめんね」
と言ってアマリさんはそれらを俺に手渡した。
こうして俺は金の冒険証と多きな借金を抱える事になった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる