自分で書いた未完のラノベ小説の世界に転生したけどどうしたらいいですか?

黒野 ヒカリ

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No.25

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 「アマリさん僕は金じゃなくて銀の冒険証が欲しいんです。何とかなりませんか?」

 「ラグー何回も言うけど無理ね。マスターに直談判してみたら?多分無理と言われると思うけど……」

 「そんなー」

 俺は銅をすっ飛ばしいきなり狙っていた銀では無く、金の冒険証を貰いアマリさんにどうにか銀にしてもらえないか頼んだ。

 でも何回頼んでもアマリさんの返事は無理の一点張りだった。

 「ねぇラグー、うちのギルドにはプラチナは愚か、金すらいないわ。ラグーはギルドにもランク付けがあるのは知ってるわよね?」

 「はい……」

 アマリさんの言う通り冒険者同様ギルドにもランクがある。

 スター、ムーン、アースの三つのランクに別れていて、一番上がスターで次にムーン、一番下がアースとなる。

 ギルドランクは所属する冒険者の持つランク数やこなした依頼の難易度によりランク付けされ、上に行けばより高額かつ危険の伴う依頼がギルドに回される事になる。

 そしてこのギルドランクこそがギルドのステータスであり、信頼の証しでもあるのだ。

 アマリさんはこのギルドには金すらいないと言っていたので精々このギルドはムーンに届けばいいほうだろう。

 「因みにですが、ここのランクはどれくらいですか?」

 「あまり言いたくは無いんだけど……アースよ」

 このギルドのランクはアースだった。
 アースは難題な依頼など回ってこない。
 底辺の討伐依頼ばかりでギルド運営もカツカツだろう。

 「アマリさんギルド運営は大丈夫なんですか?」

 「よくぞ聞いてくれました!」

 胸を張り即座に答えたアマリさんは話を続けた。

 「運営はかなり厳しいわ。うちのギルドには銀が二人、銅が三人の五人の冒険者しかいないし、依頼が回って来ても所属する冒険者達に依頼達成料を払えば雀の涙程しかギルドには残らないし、私のお給料なんて減るばかりで先月なんて銀貨五枚も減らされたわ。それにね──」

 「わ、分かりましたよアマリさん、ちょっと落ち着いて下さい!」

 突然不満を爆発させたアマリさんの話を遮り静止させると「つい愚痴ってしまっわごめんなさい」と言って謝ってきた。
 そうとう不満が溜まっていたのだろう。

 「いえいえ、いいですよ、不満は発散させないと溜まるばかりですから僕で良ければいつでも愚痴を聞きますので」

 「ラグーは優しいのね……」

 アマリさんはそう言ってとろんと表情を崩し俺を見つめ手を握ってきた。

 綺麗なアマリさんに手を握ぎられて嬉しいのだがこの所こんな展開が多い気がするのは気のせいだろうか?

 「アマリさん、ここのギルドの事は分かりました。でも僕は魔物討伐なんてやった事はありませんよ?」

 「大丈夫よ、まずはゴブリンでも討伐してならしてから大物に行こう!ところでラグーは魔法は使えるよね?」

 「はい、魔法は一通り使えますよ」

 「なら安心ね」

 ここでやっと俺の手を離してくれたアマリさんは机の下から依頼書を取り出し机の上に置いた。そして俺は依頼書の内容を確認して驚いた。

 「ちょ、ちょっと待って下さい!確かにゴブリン討伐依頼だけど五十匹の討伐依頼なんていくらなんでも無理ですよ!」

 アマリさんが取り出した依頼書はゴブリン五十匹討伐依頼と書かれていた。
 いくら銅の冒険者でも狩れるゴブリンとは言え流石に多すぎる。
 初めての魔物討伐には荷が重すぎるし俺は魔物をまだ見た事も無い。

 「ラグーなら大丈夫、マスターが認めたんだからね。マスターはああ見えて人を見る目はあるんだよ?」

 最初は俺を心配していたとは思えない笑顔のアマリさんは綺麗だった。

 「そんな事言われても……」

 「ねぇラグー……お願い……ラグーだけが頼りなの……」

 再び俺の手を握り目を潤ませ、上目使いをするアマリさんにドキッとしてしまった。
 俺も使うが綺麗な人にやられると何も言えなくなってしまう。

 「わ、分かりましたよ」

 「本当に?嬉しい……」

 満面の笑みを浮かべ色気を放つアマリさんに陥落した俺は「ちょろい」と呟いたアマリさんの言葉を聞き逃さなかった。

 「アマリさん、何か言いましたか?」

 「え!?な何でもないわ」

 ちっ誤魔化しやがった。
 でも仕方無い美人は正義だからね。 

 「それでは行ってきます」

 「ラグー気を付けてね」

 手を振るアマリさんが「無事帰って来たらキスしてあげるからね」とボソッと言ったのも聞き逃さない俺は拳を握り気合いを入れた。
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