自分で書いた未完のラノベ小説の世界に転生したけどどうしたらいいですか?

黒野 ヒカリ

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No.32

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 デビルマウスを討伐した後、パメラ様が魔道具を使って救助を要請した。

 魔道具は紫色をしたピンポン玉ぐらいの大きさの玉で二対セットになっている。

 二つの玉に使用者が魔力を込め、片方は救助要請をする場所に置き、もう片方は自分で持っておく。

 そして使う時に使用者が魔法を玉に流せば置いてきたもう片方の玉に魔力が繋がり発光する仕組みだ。

 後は救助者が繋がる魔力を辿ればここに辿り着く寸法だ。

 これを思い付いた時俺はガッツポーズをしたのを思い出す。

 そして俺はと言うと、パメラ様に膝枕をしてもらっている。

 俺が要求した訳ではない。
 気が付いたらパメラ様の膝の上だった。

 俺はパメラ様に抱き締められた時の激痛で一時間ほど気を失っていたらしい。

 その間パメラ様はずっと俺に膝枕をしてくれていたようだ。本当に感謝だ。

 そして俺が気を失っている間にパメラ様は魔道具を使ったようでしばらくしてデリー公爵家の者達を引き連れたメイさんがやってきた。

 「パメラ様ー!」

 手を振るメイさんは俺達に近付くとニヤニヤとしだした。

 「おやおや、お熱い事、救助要請は私にこれを見せる為ですか?」

 「バババカな事言ってないでラグーを運びなさい!」

 顔を赤くするパメラ様は本当に可愛い。
 精神年齢が二十五才の俺が婚約者になっていのかと思ってしまう。

 「パメラ様、それには及びません」

 メイさんは腰に下げた袋からガラス瓶を取り出した。

 「メイそれはエリクサーじゃない!お父様が良く許してくれたわね」

 「お許しも何も無断で持ってきましたので」

 「は?それお父様が大切に保管してた筈だけど?」

 呆れた表情をしたメイさんは口を開いた。

 「パメラ様、私がどれだけの期間デリー公爵家でメイドをしてると思っているんですか?デリー公爵家で私に隠し事をする事など不可能なのです」

 優雅にお辞儀をするメイさんには隠し事はしないで置こうと心に誓った。
 俺はパメラ様の婚約者だからいずれデリー公爵家に入るだろうし……

 「メイ、貴女が少し怖いわ……」

 「そうでしょうか?ちなみにパメラ様が内緒で購入したイヤらしい下着の場所も──」

 「わーわー!メメメイ、貴女は何をいきなり!」

 パメラ様はメイさんの話を途中で遮ったが俺はちゃんと聞いていた。

 イヤらしい下着?
 かなり気になる。

 「それでは、パメラ様はお疲れでしょうし、私と変わりましょう」

 「嫌よ!何でメイと変わらないといけないのよ!」

 パメラ様とメイさんはバチバチと火花を散らす。

 「仕方ありません。私が口をうつしでラグー様にエリクサーを飲まして差し上げます」

 俺は吹いた。
 そして全身に走る激痛に悶えた。

 「何を言ってるのよ、それ貸しなさい」

 「嫌です」

 「何でよ!私はパリントン公爵の娘で雇い主よ?」

 「それを言われては仕方ありませんね…ラグー様にパメラ様の下着のば──」

 「わーわー!分かったわよ!でも口うつしはダメよ!」

 「仕方ありません。それで手を打ちましょう」

 メイさんは残念そうな表情を浮かべ俺の口にエリクサーの入った瓶を近付けた。

 そしてメイさんがイヤらしい声を発しながら俺の口にエリクサーを流し込む。
 甘味な風味が口いっぱいに広がりかなり美味しかった。

 瓶の中に入っていたエリクサーを全て飲み干すと俺の体が輝き出し痛みが引いて行った。

 俺は立ち上がり、ジャンプしたり手を回したりして体の具合を確かめたが問題は無かった。

 「パメラ様、メイさんありがとうございました」

 俺は二人に向けて頭を下げお礼を言った。

 「いいのよラグー、貴方は命を賭けて私を守ってくれたのだから」

 「パメラ様、そのお話を詳しくお聞かせ下さい!」

 「煩い!メイはもう黙ってて!」

 「やれやれ」

 そう言ってメイさんは急に真面目な顔になった。

 「所でパメラ様、あれは何でしょうか?」

 倒れる魔物を指差しメイさんは質問した。

 「私にも分からないわ、でもデビルマウスが急にあれになったの」

 「デビルマウス…そうですか…パリントン公爵様に報告しなければなりませんね……」

 メイさんは難しい顔をして呟いた。

 「屋敷に戻ったらラグー様にもお聞きしたい事がありますのでよろしくお願いいたします」

 「分かりました」

 俺が返事を返すとメイさんは「それでは戻りましょう」と言って歩き出した。

 俺とパメラ様はメイさんの後について行き、デリー公爵家へと向かった。
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