自分で書いた未完のラノベ小説の世界に転生したけどどうしたらいいですか?

黒野 ヒカリ

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No.45

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 入学式が終わり、俺はFクラスへと移動した。

 パメラ様とは別のクラスだが俺は俺の出来る事をFクラスでやりたいと思う。

 教室は壇上を中心に半円で席が広がっており、大学の教室に少し似ている。
 席には各々の生徒の名前の札が張られていて、俺は自分の札が張られた席に座った。

 そしてFクラスで知り合いのいない俺は誰にも話掛けられず独り席に着いている。

 落ちこぼれクラスといえ、生徒は皆貴族で顔馴染みの生徒達で集まり話をしていた。

 いくらパメラ様の婚約者とは言え、俺は貴族の集まりも出た事は無いので話掛けてくる生徒はいない。

 このクラスで上手くやっていけるのかかなり不安である。

 「おや、君は確か魔法試験で一緒だった人じゃないかい?」

 声を掛けてきたのは試験が一緒だったダリーさんだった。

 「確かダリーさんですよね、僕はラグーと言います。よろしくお願いします」

 俺はダリーさんに自己紹介をして頭を下げた。

 「驚いた。君、男だったんだね。ラグーくんは凄い魔法使っていたからSクラスだと思ったけどFクラスなんだね」

 「色々ありましてFクラスです」

 「そっか、まぁ同じクラスになったのだからよろしく。俺の事はダリーと呼び捨てにしてくれても構わないよ」

 「ありがとうございます。ダリー!」

 ダリーは頷くと貴族達の輪に入って行った。

 ダリーのような貴族もいるので少し安心した。
 このまま独りぼっちで過ごす事になるのはキツイと思っていたので良かった。

 「はーい皆さん席に着いて下さい!」

 サリー先生が教室に入って来ると話をしていた生徒達は自分の名前の札が張られた席へと戻って行った。

 「私はFクラスの担任のサルバン・サリーと申します。皆さんよろしくお願いします。それではまずは、自己紹介から始めましょう。それでは入り口に近い席に座っている生徒からお願いします」

 「はい!」

 と返事をした女子から自己紹介が始まった。

 俺は入り口から一番端の席なので最後だ。

 「私は、マカロン・リーフと言います。知り合いも沢山いますが初めての方もいますがよろしくお願いします」

 リーフさんの自己紹介が終わると拍手の音が教室に響き次の生徒が立ち上がり、自己紹介を始める。

 どんどん自己紹介が進み、俺は拍手をしながら自己紹介を終えた生徒の顔と名前を覚えていく。

 それにしても知ってはいたが、クラスメイトは貴族ばかりだった。
 平民に名字は無く名前だけなのですぐに分かるのだ。

 いくらミラベル学園が身分の違いを認めていないとは言え、平民は俺だけっポイので少し心配だ。

 そしてフードを深く被った生徒が自己紹介を始めた所で俺は驚いた。

 「皆さん初めまして…私はミラベル・サラサです…よろしくお願いします」

 なんとサラサ王女だったのだ。
 声は小さく、聞き取り難かったが確かにサラサと名乗った。
 サラサ王女はSクラスだと思っていたので本当に驚いた。

 俺は小説でサラサ王女はかなり美人で描いていたのでフードで隠れて顔が見れないのは少し残念だった。

 何故Fクラスにサラサ王女がいるのかは分からないが、これで話す機会はいくらでもある。

 そしてどんどん自己紹介は進んで行き、俺の番になった。

 「皆さん初めまして、ラグーと言います。よろしくお願いします」

 俺が自己紹介をすると教室がざわつき出した。

 「おい、平民がミラベル学園にいるぞ!」

 「マジかよ、Fクラスだからってそれは無いよな!」

 「ミラベル学園はレベルが下がってるみたいだけどここまでだったなんて……」

 こそこそと話してるみたいだけど聞こえるからな。
 俺は平民だからそんな声はあるとは思っていたが予想以上に平民に対する風当たりは強かった。

 「皆さん静かにしなさい。まだラグーさんが自己紹介をしてる途中よ」

 サラサ王女はそう言ってざわつく生徒達を黙らせた。本当にいい人である。
 顔は見えないけど……

 「サラサさんありがとうございます。皆さんラグーさんは確かに平民ですが、金の冒険者で入学試験も二位通過した凄い生徒ですよ」

 「金の冒険者……」

 「二位ってマジかよ……」

 サリー先生の言葉に驚く生徒の呟きに苦笑いを浮かべ俺は座った。

 「それでは今日は寮への荷物移動など色々と準備があると思いますのでこれで終わります。では皆さん明日お会いしましょう」

 サリー先生が最後にそう締め括ると生徒達は各々教室を出ていった。

 ミラベル学園は家からの登校を認めていない。
 入学すると必ず寮に入らなければならない。

 一応地位の高い家の生徒の従者の同行は認めらてはいるが基本は一人で何でもしなくてはならない。

 俺は荷物を纏め、教室を出ようとした所で声を掛けられた。

 「ラグーさん少しお話をしたいのですが、よろしいですか?」

 その声に振り向くと相手はサラサ王女だった。

 「サラサ王女、際ほどはありがとうございました。お話とは何でしょうか?」

 俺は相変わらず顔の見えないサラサ王女にお礼を言って頭を下げた。

 「学園内では家柄は関係ないのでサラサで結構ですよ」

 「分かりました。それではサラサさん、改めてお話とは?」

 「ここでは言えませんので私の部屋へ来て頂けませんか?」

 「はっ?」

 俺は固まった。いきなりの部屋へのお誘い固まらない筈がない。

 「ラグーさんどうしました?行きましょう」

 固まる俺はサラサ王女の声に心の中で「パメラ様ごめんなさい。浮気はしません」と誓ってサラサ王女の後に着いていった。
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