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No.44
しおりを挟む登校初日を向かえ、俺とパメラ様は案内板に張り出されたクラス分けを見ていた。
ミラベル学園は入学成績がいい順番でクラス分けされていく。
上位十人がSクラス
次の二十人がAクラス
その次の二十人がBクラス
というようにSクラスからFクラスまであり、Fクラスは二十人で落ちこぼれとされるクラスである。
そして俺は何故かFクラスにクラス分けされた。二位で合格したのにおかしな話である。
クラス分けを見たパメラ様は怒り、ギャーギャー騒いでいる。
「どうしてラグーがFクラスなのよ!」
「僕にも分かりません……」
「何かの間違えよ!聞いてくるわ」
パメラ様はそう言って校舎の中に入って行った。
そして俺もパメラ様の後に着いていった。
職員室に着くとサリー先生がいて、パメラ様はサリー先生に詰め寄る。
「サリー先生、どうしてラグーがFクラスなのですか?間違いではありませんか?」
「間違いではありません。ラグーさんはFクラスです」
サリー先生はパメラ様の目をしっかりと見て答えた。
「どうしてなのですか?ラグーは入学試験二位で通過したのですよ?」
「だからです。パメラさんはFクラスはミラベル学園では落ちこぼれと言われているのを知っていますね?」
「知ってますけど、それは関係ありませんよね?」
パメラ様はサリー先生にさらに詰め寄った。
「パメラさん落ち着いて下さい。ミラベル学園は年々魔法技術や剣術のレベルが下がっていってるのです。それで先生方で話し合った結果、金の冒険者であるラグーさんに白羽の矢を立てたのです。事前に話をしなかったのはミラベル学園のミスですが、これは二年前から学園のテコ入れとして始めた事なのでラグーさんが初めてではありません。それにラグーさんならきっとFクラスの生徒達にも刺激を与えてくれると信じています」
「そうだとしても何故ラグーなんですか!」
俺はそう言ってサリー先生に詰め寄るパメラ様の手をつかんで制止させると首を横に振った。
「パメラ様、そう言う事なら僕は問題ありませんから」
「でも、ラグー私と同じクラスじゃなくなるわ!」
納得のいっていないパメラ様に言葉を掛ける。
「それは僕も残念でなりませんが、僕の力をミラベル学園が必要としているのなら答えたいと思います。それに全体のレベルが上がった方がきっとパメラ様の為にもなります」
俺は自分だけが強くなるよりも全体的に強くなった方が自分の為にもパメラ様の為にもなると思っている。
例えFクラスの落ちこぼれクラスでも回りのレベルが上がれば切磋琢磨できる。
「ラグー本当にいいの?」
パメラ様は悲しげな表情を浮かべ俺に問いかける。
「はい、大丈夫です。例えクラスが別でもパメラ様を絶対守る気持ちも、パメラ様への愛も変わりませんから」
「バカラグー!どうしていつもそうなのよ……」
パメラ様は顔を赤くして下を向いた。
「ラグーさん、ありがとう。これでFクラスも安心だわ」
笑顔を見せるサリー先生の期待に応えられるかは分からないが俺は頑張ろうと思う。
「そろそろ行かないと入学式に遅れるわよ?」
「パメラ様行きましょう!」
「そうね……行きましょう」
パメラ様が納得したかは分からないが俺達は入学式会場へと向かった。
入学式は校舎の中央広場にある別館で行われる。
別館には既に沢山の生徒達が座っていた。
「それじゃ私はSクラスの所に行くね、ラグー浮気はダメよ?」
パメラ様はそう言い残し自分の席へと向かった。
(浮気はしなから)
俺は心の中で呟き、パメラに手を振って自分の席へと座った。
入学式は校長のありきたりな話から始まった。
「まず、我がミラベル学園への入学おめでとう!卒業までには沢山の困難が待ち受けると思いますが、皆さんは切磋琢磨して自分自身を磨いていって下さい」
話終えた校長が拍手の渦の中退場すると生徒会長が壇上に立ち挨拶が始まった。
「皆さん、入学おめでとう!生徒会長のミラベル・ラミラスです」
ラミラスの挨拶が始まると黄色い声援があがる。
「キャー、ラミラス様よ!」
「ラミラス様、素敵」
確かにラミラスはイケメンだし、性格もいいしこの物語の主人公であるがここまで人気があると少し嫉妬してしまうのは俺だけでは無かった。
「けっ、王族だからってなんだよ……」
「顔がいいからってなんだよ…俺だって……」
後ろに座る男子からそんな声が聞こえた。
「皆さんお静かに!生徒会長が挨拶できません!」
進行役の生徒の声が会場内に響くと会場内は静まり返った。
そして苦笑いしたラミラスは「ごほん」と入れ口を開く。
「皆さんはミラベル学園に入学されました。卒業すれば将来への希望も、道も開けます。私は王族ですが、学園内では一生徒です。分からない事があれば気軽に声を掛けて下さい。それでは皆さんの学園生活が幸福に包まれる事を祈ります」
ラミラスが退場すると校長の時とは比にならない程の拍手と黄色い声援があがった。
ラミラスはさすが主人公、凄い人気だった。
ラミラスに近づくには生徒会に入るの近道だろう。
俺は近くある生徒会選挙に立候補しようと思う。
その前にSクラスだろうサラサ王女と近づくのが先だけどね。
サラサもラミラス程ではないが、魔法の腕はかなりのものである。
俺の書いた小説でもサラサ王女はSクラスだ。
俺はFクラスだが、Sクラスのパメラ様を通せば話しを聞いてもらうぐらいはできるだろう。
パメラ様が焼きもちを焼かないか気になるが……。
そして首席合格者の挨拶が始まると、バーゲンが姿を現した。
「俺はガラフ・バーゲン。ガラフ帝国皇子だ。俺に着いてこい!さすれば学園生活は安泰だ!裏切りは許さん!以上だ!」
疎らな拍手と共に退場して行くバーゲンは上から目線で挨拶をした。
本当にバーゲンはどうしようもない。
原作者の俺がイラッとするのだから他の人はもっとムカつくと思う。
それにしてもバーゲンが首席とは驚いた。
確か小説での首席はサラサ王女だった。
俺が転生して色々と物語が狂っているのだろう。
それでも俺はルフラン滅亡を阻止しなければならない。
色々と狂ってしまって心配ではあるが、パメラ様とサラサ王女はバーゲンの魔の手から守らなければいけないと強く思ったのだった。
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