染谷君は知らない滝川さんはもっと知らない交差するキュンの行方とその発信源を

黒野 ヒカリ

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目が覚めたら病院だった件

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 目が覚めると僕は病院のベッドの上にいた。

 散々殴られたせいか体が痛い。
 
 「痛てて」と呟き体を起こすと、滝川さんが僕に近づいてくる。

 「け、賢大丈夫?痛い所はない?」

 僕の手を握りしめて見つめる涙目の滝川さんの顔が近すぎて照れてしまう。

 「だ、大丈夫だよ、滝川さん、ちょっと顔が近いから…」

 「あっ、ごめんなさい」

 そう言って滝川さんは僕から離れたけど少し残念と思ってしまった。

◇◇◇

 賢から離れた私は賢が目を覚ました事で安心した。
 
 男達は駆けつけた警察に連れていかれた。
 ゴタゴタしてる間に紗枝ちゃんが呼んだみたい。
 でも賢は意識を失っていてピクリとも動かなかったので病院に運び込まれた。

 「滝川さんはケガは無い?」

 「だ、大丈夫よ」

 自分の方があんなに殴られてあちこち痛いはずなのに私の事を心配してくれる賢にドキッとしてしまう。

 「アイツらはどうなったの?」

 「警察に連れていかれたよ」

 「そっか……北澤さんと紗枝も大丈夫?」

 「ふ、二人とも怪我もなく無事よ」
 
 なんだろう美織と紗枝ちゃんの事を聞かれて胸がチクチクとする。

 「賢ってそんな顔してるんだね」

 「いつもメガネかけてるからね」

 メガネをかけず頭に包帯を巻いている賢は顔が露になっている。
 初めて見た賢の顔は殴られた左ほほは腫れているけど綺麗な顔をしていた。 

 「僕の顔変かな?」

 「かっこいいよ」

 賢の質問に思わず答えてしまった私は恥ずかしくなった。

 「滝川さんにかっこいいって言われた」

 喜ぶ賢に「調子にのるな」と言っておいた。

 助けに来てくれたけど結局やられてしまい怪我をした賢に心を込めたお礼をする。

 「賢、ありがとうね」

◇◇◇
 
 僕は滝川さんに「どういたしまして」と返した所で北澤さんと紗枝がやってきた。

 「染谷君、起きてる!大丈夫?」

 「賢くん、大丈夫?」

 心配そうにする二人に僕は大丈夫と返すと紗枝が声をあげた。

 「あー!賢くんの顔出てる!皆見ないでー!」

 滝川さんと北澤さんから僕を隠す様に僕の前に紗枝が立った。 
 どうゆう事だろう?僕の顔はそんなに不細工なのか?

 「滝川さんにはかっこいいって言われたけどやっぱり僕の顔は不細工かな……」

 顔を赤くする滝川さんを見た紗枝は頭を抱える。

 「違うよ、賢くんイケメンなんだよ、だから見られたくなかったのに……」

 最後の方はゴニョゴニョとして聞こえなかったけど僕はイケメンみたいだ。
 あまり自分の容姿に興味がなかったので言われるまでわからなかった。

 「それじゃ杏ちゃん、美織ちゃんちょっといいかな?」

 そう言って紗枝は二人を連れて病室を出て行った。

 三十分後───

 帰ってきた三人は顔を赤くしていた。

 何があったのだろうか……
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