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学園祭終了その後の件
しおりを挟む学園祭が終わり、一ヶ月が経った。
告白したのと立ち上がった滝川さんを見た嬉しさで、あの高揚感が沸き上がり暴走してしまったけど僕は無事滝川さんと付き合う事になった。
我に返った僕は滝川さんに土下座を強要され、長い長い説教をされた。
それでやっと滝川さんは落ち着いたけど悲しい顔を見るよりはいいと僕は思った。
でも、
「怒った滝川さんは二重人格では無いかと思う」
「誰が二重人格だって?」
声が漏れていたみたい。
僕は再び近くにいた滝川さんに説教された。
◇◇◇
「全く、賢には言われたくないよ」
「まぁまぁ落ち着きなよ杏」
私は美織に宥められている。
あれから美織と話をして和解した私は美織と以前のように仲良くしている。
「そうだよ杏ちゃん落ち着こうよ」
そして有坂くん、コイツは私に謝り和解した?のかは不明だけど何故か私達の輪に混ざっている。
「有坂くんにも言われたくないけど?」
「はう!怖いからその目はやめて…」
震える有坂くんはかなりキャラが変わったと思う。
◇◇◇
杏に睨まれて震える有坂くんを見て笑ってしまう。
「あははは、有坂くんキャラ変わりすぎだから、あははは、笑いすぎてお腹痛いからやめて」
今の生活は笑顔に溢れ、辛そうにしていた杏を見る事は無い。
杏と和解した私は皆と楽しく過ごしている。
でも、杏と賢が付き合って幸せそうな二人を見るとまだ胸が苦しくなる。
それでも私は大好きな親友と大好きだった人の事は応援するつもり。
私は私の新しい出会いを探して行きたい。
さてと、
「有坂くん行くよ~!」
「えっ!ちょっと待って」
「待たないよ、今日は紗枝ちゃんの慰め会するんだから」
今日はもう一人の親友、紗枝ちゃんが賢に告白する。
紗枝ちゃんはダメなのは分かってる。
それでも気持ちを伝える紗枝ちゃんを応援したい。
「俺は関係ないじゃないか~」
「ダメ!有坂くんは強制参加だから」
「杏ちゃん助けて~」
「煩いよ有坂くん!」
私は嫌がる有坂くんを引っ張って行く。
(紗枝ちゃん頑張れ)
と心の中で応援しながら
◇◇◇
私は校舎裏で賢くんが来るのを待っている。
告白するためだ。
賢くんは杏ちゃんと付き合っていて、ダメなのは分かってる。
それでも気持ちの整理をつけたい。
ちゃんと決着を付けて前に進みたい。
「紗枝、待った?」
さっきまで一緒にいたのに賢くんの第一声はそれだった。
「待ってないよ」
「紗枝、僕は滝川さんと付き合っ──」
「分かってる、分かってるけど言わせてほしいの、私のけじめの為に!」
私は賢の話を遮りそう言った。
「分かった……」
私は賢の顔を見て深呼吸をした。
そして叶わぬ想いをぶつける。
「賢くん、私、賢くんの事が大好き!小さい時からずっとずっと大好きだった。私は生まれた病院も小学校も中学校も高校もずっと同じクラスだった賢くんが運命の人だと思っていた。でも、でも……」
涙が溢れそうになって言葉に詰まる。
それでも最後まで言わなければ私は終る事も始まる事も出来ない。
「それでも賢くん事が大好き!」
言い終わると涙が溢れた。
「紗枝……」
「そんな悲しい顔をしないでよ、お願いだから……ちゃんと断ってよ……」
賢くんに悲しい顔をされたら辛い。
私は私の自己満足の為に告白をしている。
だから賢くんには悲しい顔をしてほしくない。
「だから……だから……」
もう涙で賢くんの顔がぼやけてよく見えない。
私の顔を見て悲しい顔をしてないかな?
賢くん優しいから……
「紗枝…ごめんなさい」
私はその瞬間、精一杯の笑顔を浮かべた。
「賢くん…ありがとう(サヨナラ大好きだった人)」
「紗枝……」
「ほら行きなよ、私の顔酷いから見られたくないんだよ」
「でも……」
「大丈夫…だから、美織ちゃんが…くるから……」
少し戸惑っていたけど賢くんは私の前からいなくなった。
「分かっていたけど……辛いな……」
私はその場で泣きじゃくった。
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