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コンビニ店員颯太の恋愛模様
しおりを挟む前日の高島さんの仕事ぶりを見てさっそく店長に相談してみた。
「彼は相当参ってますよ…」
仕事ができるだけじゃなく性格が良い。
あんな貴重な人材をこき使って限界に気付いて辞められたらどうするの?
僕の説得は簡単に店長を落とした。
これからちょくちょく僕は高島さんと一緒に仕事が出来そうだけど、最後に店長に言われた
「颯太くんは、この店見捨てないよね?」
今度は店長から縋るような目を注がれる。
高島さんとはあれから朝十時まで一緒だった。
聞いてみたいこと、探りたいことが山ほどある。
でも私語を交わすほどの時間の余裕はなかった。だから、店長を動かして一緒になる時間を作った。
自然と仲良くなれば仕事入りの前、仕事後、どこかで時間を合わせ持ち会話出来るようになるだろう。
僕はこういう時はいつも行動が早くて有能だと思う。これは自画自賛ってやつだ。
そのうちに僕と高島さんはゴールデンコンビと言われる。
予測不能な忙しい事態になっても僕達が駆けつけ、裏でいつの間にか補充していくので、僕達を(店内限定の)ヒーローを見る目になる頃には高島さんはかなり砕けて僕と友好ムードになっていた。
新しいことが始まると変化が起きる。
「フータは最近忙しそうだね」
LIMEじゃなく電話してくるというのは怒っている。
「仕事の関係でほぼ無料奉仕だからね」
「ふーん」
切れた。
ごめん、今は君といても面白くないと思うと心の中からテレパシーを送る。
つまり、無視するんだけどね、笑
いつもの僕なら、即機嫌取りに行くか、行けなくても手を打つ方法をいくつかやる。
でも僕は動かない。彼女の機嫌を取る必要を感じない。
そして彼女もそんな僕の変化を感じて悟るだろう。つまり、これが僕の別れ……
そして、それを理解出来る人を彼女にしてきた僕のワンパターンな恋愛模様。
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