青いsquall

黒野 ヒカリ

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颯太と高島さん

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 休みの日を忙しくしていた方が翌日の出勤を充実させる。
 このことを理解してくれる人、いるかな?

 昨日は秋冬物の新しいショップ開拓をしてきた。

 元カノカップルを車に乗せて臨時専属ドライバーになって。郊外のショッピングモールのターゲットは家族連れと思った。

 でも攻めている店舗がちゃんとあって、穴場になっている。
 僕は運転手として働いた賃金代に三着も手に入れた。

 良い休日だった。

 別れた彼女とは趣味友としてリニューアルしてもらえたし、ドライブ気分で気に入った服が見つかった…ということを語る。

 だいたいの人は、

 「元カノだけでも信じられないのに彼氏まで?」

 と驚くよりも嫌悪感を醸し出しているのに

 「良かったですね」

 そう言ってくれるのは高島さん、君だけだよ。

 高島さんの一言がきっかけだから、こうなることを望んでいたということは、ないだろうか。

 「別れた原因が曖昧な人は、また曖昧に戻ったりしますよね」

 「え、聞いてたでしょ?もう彼氏いるんだから、あちらは」

 「それは本物の彼氏?そんなすぐ出来るものかな?」

 「確認したわけじゃないけど、僕を同時進行からの振り落としだよ」

 「同時進行…」

 言葉にしただけで脳内の理解キャパが焼き付いたという顔になった。

 「恋人作るどころか、好きになることも困難だからもうついていけないな」

 高島さんは優しい眼差しのまま笑う。

 「高島さんの休日はどうしているの?」

 休日どころか、普段から何を考えているのか知りたかった。
 でも、それはきっとこれから付き合っていけばわかる。

 ふと、ナミちゃんの夜道の街灯に煌めく黒い瞳が浮かんだ。
 大丈夫だよ、僕がたくさん情報を仕入れてあげるからね。

 高島さんはある日の休日を語ってくれた……
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