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颯太くんと飲みに行きました②
しおりを挟むナミちゃんの様子を見て僕はマスターに目で合図する。
しばらくするとストローが挿してあるアイスティーがきた。
「これはただのアイスティーだから」
僕は不思議そうな顔で何か言いたげなナミちゃんに深く頷く。
「さっきのはね、別名〝魔法のカクテル〟というんだよ」
「魔法のカクテル?素敵ですね」
「そうだね、すごく素敵だと思う。全然紅茶を使ってないのにアイスティーの味がするから魔法と言われるんだ。とても飲みやすいけど実はすごく強いアルコールなんだよ」
「ぇ、私ってば一気飲みしちゃった」
「うん、知ってる。見てたから、笑」
ふと、元カノを思い出していた。
彼女は最初からロングアイランドアイスティーを知っていた。
「酔わそうとしてる?」
笑いながらストローで飲むけど全然平気だった。
スクリュードライバーも一緒で僕はまだ酒の加減がわからない頃、3杯飲んだだけで腰が抜けたけど、ストローで飲んだせいもあると言われた。
彼女は酒にも強くて遊びも知ってて、僕には理想的な恋人だった。
ナミちゃんが遊び慣れてないのが本物だと確信した。疑うわけじゃないけど、人ってわからないからさ。
「今後誰かに誘われてカクテル飲む時は三三九度みたいに少しずつ飲むんだよ、それにストローが挿してあっても使っちゃダメ。わかった?」
ナミちゃんは充血してたちまち重くなり始めた瞼を必死に持ち上げて、コクリと頷いた。
「そのカクテルにはウォッカ、ジン、テキーラが入っているんだ、どれも強いお酒だよ」
ナミちゃんは返事する代わりに慌ててアイスティーを飲んで体内のアルコールを薄めようとしてる。
僕のうんちくを素直に聞き素直に反応してくれている。
「ウォッカって強いけど無味無臭でクセがないから飲みやすいんだよ」
一呼吸置いて言う「まるで高島さんみたいだね」
「颯太くんの言いたいこと、ちょっとだけわかります」
「えー、なんだろう?」
「脈のない人をいつまで好きなのかな?…ですよね?」
女って、これだから怖いな。
1秒前まで何もわからない純度100%乙女だと思っていたが…
「まだ、そこまでは思ってなかったけどね、ほら、あの人は石だから」
「それも、わかってます。私の片想いは一方通行のままだと」
ナミちゃんは、言っていることとは真逆の笑顔を浮かべた。
「颯太くんは片想いしたことあります?」
「うーん、そうだね。割とずっとそんな感じかな、子供の頃からね」
「辛いですよね?」
「うん、辛い以外に何があるのかってくらい」
「私は、全然辛くないです」
「好きの気持ちが強くて純粋だから、かな?」
「私は高島さんに何も求めていませんから、ですね、多分」
多分って……
「あ、だから、今この時代に同じ場所にいる、それだけでもう胸がいっぱいになるのですよね!この気持ちって片想い以外にはなんて呼びます?」
そういうと、ひとりでケラケラと笑い出した。
…酔っていたのかな?
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