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第8章 腐った夢
第4話 素晴らしい工芸品
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これだけ防犯装置があると、空から入るか?
ただ以前こういう場面で空中を舞ったら
ドローン(空を飛ぶ小さな機械の虫?)迎撃システムというやつで
買ったばかりのコートに穴を開けられたので
あまりやりたくはない。
だからといって点と線が繋がらないのに
強引に尋ねにいくのもしたくはない。
思い悩んでいると、しばらくして強硬な門の扉が開き、
窓を黒く塗りつぶした黒いワゴン車が1台出てくる。
これを逃すまいと思い、人間には見えない速さでワゴンの脇をすり抜け
すばやく敷地内の樹木に隠れた。
赤外線レーザーという人間には見えない糸を
触らないように注意しながら、2階のバルコニーに上がった。
監視カメラという体の無い頭部に気を付けながら
窓ガラスに耳をつけて、室内の会話を窺った。
ひとりの男が”スマホ”で誰かと話している。
「そうか。ひとりか。どんな感じだ?
あー、ちょっと無理そうか?あー、じゃそれはこっちで使おう。
あー、例の上玉は今送った。あーあーあー・・・」
さすがにスマホの相手の声は聞こえない。
その後すぐに別の相手にスマホをしているようだ。
「はい、ダメでした。はい、よく探しては見たんですが・・・はい、はい、はい。
一応「MiMi」の方も探させています。はい、はい、・・・
はい、今回はふたりです。が、ひとりはいいものを持っているようですが
倶楽部向きではないようです。はい、じゃそれはこちらで使わせていただきます。
はい、もうひとりは例の上玉です。はい、先ほどそちらに送りました。
はい、はい、はい、では失礼いたします」
と話し終わると大きくため息をついた。
どうやら最初の相手は、部下で次は上司のようだな。
そんなにこれは重要な物なのか?
背中から”UTIWA”を取り出してもう一度見直したが
たしかに芸術品としては素晴らしい物だが
この連中には似つかわない物だ。
やっぱり直接訊くか・・・・
いや待て。これを「MiMi」に持っていってどうするのかを、見た方がいいな。
「ビーーーービーーーーウォンウォンウォン」
やっと結論に達したと思ったら、どうやら監視カメラという体の無い頭部に
見つかってしまったようだ。
後ろから2人の男たちが近づいて来て
「にいちゃん、どっから入ってきたんだ?
あれっ、おまえあの外人の仲間か?」と
睨みつけながら聞いてきた。
どうやらジャックはここに来たらしいな。
「しつけー野郎達だ。おめえも型にはめたろか?」
まだ日本語には方言が多くて理解が難しい。
男は近づいて来て俺の襟元を掴んだので
お返しにその男の襟元を掴んで、窓ガラスに側頭部を思い切りぶつけて
グラスを割ろうとした。
「グッジャアーーーン・・・」
が、思いのほか硬いグラスで出来ていたので
大きな音はしたのだが、グラスは割れない代わりに
その男の頭が3分の1ぐらいになってしまった。
しかも傷さえつかない!なんと硬いグラスなんだ、素晴らしい工芸品だ。。
”ジャポン”の技術力を褒め称えた。
もうひとりの男と室内にいた男が驚いて、仲間を呼ぶ声が聞こえた。
致し方無い。ここに居る者に”UTIWA”について尋ねてみるか。
取り敢えず、近くにいた男に尋ねてみようと
先ほどの男の仲間に近づくと、その男はジャケットの内ポケットから
小銃を取り出すと、俺の胸に向けて3発発射した。
あっ、これもまだオーダーしたばかりなのに
ため息を付きながら、こいつには尋ねないと決めて
小銃を持った方の腕を掴んで、先ほどの男の跡に
同じように頭部を打ち付けた。
「ビッジュッーーグッジャーーン・・・」
今度も大きな音を立てたが
グラスは割れなかった。
すごい。どうやったらこのグラスを作れるのか?。
今度も男の頭ではグラスに傷も付けられずに
逆に男の頭と腕がもげてしまった。
そうこうしているうちに
つぎつぎと人が集まってきてしまった。
10数人はいるようだ。こうなると誰に尋ねていいのか。
誰が一番高い位の者だろうか?
もうあきらめて「MiMi」に行った方がいいかもしれない。
何となくそう思い始めてきた。
前から並んだ順番に”割れないグラス”に男達を叩き続けた。
「ビッジュッーーグッジャーーン・グッジャーーン
グッジャーーン・ビッジュッーービッジュッーーグッジャーーン・・」
ご近所の方には大変迷惑だと思った。
こんな時間に騒音を聴かせてしまって
せめて「Big Ben」の鐘のメロディのように
美しく荘厳な音色だったら良かっただろうに・・・・。
結局のところ”ジャポン”の技術力を再認識しただけだったが。
この国に我が故郷イングランドが戦争して勝ったとは・・・・
もう何も気にすることなく、正面から堂々と外に出た。
住人が居なくなった邸宅は静けさを取り戻していた。
ただ以前こういう場面で空中を舞ったら
ドローン(空を飛ぶ小さな機械の虫?)迎撃システムというやつで
買ったばかりのコートに穴を開けられたので
あまりやりたくはない。
だからといって点と線が繋がらないのに
強引に尋ねにいくのもしたくはない。
思い悩んでいると、しばらくして強硬な門の扉が開き、
窓を黒く塗りつぶした黒いワゴン車が1台出てくる。
これを逃すまいと思い、人間には見えない速さでワゴンの脇をすり抜け
すばやく敷地内の樹木に隠れた。
赤外線レーザーという人間には見えない糸を
触らないように注意しながら、2階のバルコニーに上がった。
監視カメラという体の無い頭部に気を付けながら
窓ガラスに耳をつけて、室内の会話を窺った。
ひとりの男が”スマホ”で誰かと話している。
「そうか。ひとりか。どんな感じだ?
あー、ちょっと無理そうか?あー、じゃそれはこっちで使おう。
あー、例の上玉は今送った。あーあーあー・・・」
さすがにスマホの相手の声は聞こえない。
その後すぐに別の相手にスマホをしているようだ。
「はい、ダメでした。はい、よく探しては見たんですが・・・はい、はい、はい。
一応「MiMi」の方も探させています。はい、はい、・・・
はい、今回はふたりです。が、ひとりはいいものを持っているようですが
倶楽部向きではないようです。はい、じゃそれはこちらで使わせていただきます。
はい、もうひとりは例の上玉です。はい、先ほどそちらに送りました。
はい、はい、はい、では失礼いたします」
と話し終わると大きくため息をついた。
どうやら最初の相手は、部下で次は上司のようだな。
そんなにこれは重要な物なのか?
背中から”UTIWA”を取り出してもう一度見直したが
たしかに芸術品としては素晴らしい物だが
この連中には似つかわない物だ。
やっぱり直接訊くか・・・・
いや待て。これを「MiMi」に持っていってどうするのかを、見た方がいいな。
「ビーーーービーーーーウォンウォンウォン」
やっと結論に達したと思ったら、どうやら監視カメラという体の無い頭部に
見つかってしまったようだ。
後ろから2人の男たちが近づいて来て
「にいちゃん、どっから入ってきたんだ?
あれっ、おまえあの外人の仲間か?」と
睨みつけながら聞いてきた。
どうやらジャックはここに来たらしいな。
「しつけー野郎達だ。おめえも型にはめたろか?」
まだ日本語には方言が多くて理解が難しい。
男は近づいて来て俺の襟元を掴んだので
お返しにその男の襟元を掴んで、窓ガラスに側頭部を思い切りぶつけて
グラスを割ろうとした。
「グッジャアーーーン・・・」
が、思いのほか硬いグラスで出来ていたので
大きな音はしたのだが、グラスは割れない代わりに
その男の頭が3分の1ぐらいになってしまった。
しかも傷さえつかない!なんと硬いグラスなんだ、素晴らしい工芸品だ。。
”ジャポン”の技術力を褒め称えた。
もうひとりの男と室内にいた男が驚いて、仲間を呼ぶ声が聞こえた。
致し方無い。ここに居る者に”UTIWA”について尋ねてみるか。
取り敢えず、近くにいた男に尋ねてみようと
先ほどの男の仲間に近づくと、その男はジャケットの内ポケットから
小銃を取り出すと、俺の胸に向けて3発発射した。
あっ、これもまだオーダーしたばかりなのに
ため息を付きながら、こいつには尋ねないと決めて
小銃を持った方の腕を掴んで、先ほどの男の跡に
同じように頭部を打ち付けた。
「ビッジュッーーグッジャーーン・・・」
今度も大きな音を立てたが
グラスは割れなかった。
すごい。どうやったらこのグラスを作れるのか?。
今度も男の頭ではグラスに傷も付けられずに
逆に男の頭と腕がもげてしまった。
そうこうしているうちに
つぎつぎと人が集まってきてしまった。
10数人はいるようだ。こうなると誰に尋ねていいのか。
誰が一番高い位の者だろうか?
もうあきらめて「MiMi」に行った方がいいかもしれない。
何となくそう思い始めてきた。
前から並んだ順番に”割れないグラス”に男達を叩き続けた。
「ビッジュッーーグッジャーーン・グッジャーーン
グッジャーーン・ビッジュッーービッジュッーーグッジャーーン・・」
ご近所の方には大変迷惑だと思った。
こんな時間に騒音を聴かせてしまって
せめて「Big Ben」の鐘のメロディのように
美しく荘厳な音色だったら良かっただろうに・・・・。
結局のところ”ジャポン”の技術力を再認識しただけだったが。
この国に我が故郷イングランドが戦争して勝ったとは・・・・
もう何も気にすることなく、正面から堂々と外に出た。
住人が居なくなった邸宅は静けさを取り戻していた。
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