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プロポーズ

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 いくらなんでもこの展開はおかしいだろ…。
なんとも信じがたい事実だが、こう考えてしまえば辻褄が合うのも事実で。
でも夢、というにはリアルすぎるし、何か決定的になるようなことが聞ければいいけどあいにくそんなコミュニケーション能力は持ち合わせていない。これから会話を続ければ何か得られるだろうか。
「ところでレンは何者なんだ?」
たいしたことではないかもしれないが地味に引っ掛かり続けていたことのひとつ。ここが本当に城だとして平凡すぎる俺、というかむしろ怪しいと感じるほうが普通な状況なのになんでわざわざ運び込んでくれた?それがこの国の常識とかなんだろうか。
「うん…なんていうんだろうか。まあ簡単に言ってしまえば王子ってとこだな!」
「は?ほんとか?」
「本当だ!俺は嘘はつかないからな!」
はあああ?まじかよ。いやまあ確かに服装が豪勢だなぐらいには感じていたがまさか王子だったとは。
いや、ちょっと待て。俺はこの男と話していればこの国がどんななのかわかるか、常識どんな感じにあるのかをさりげなく聞き出すつもりだった。大体の異世界ものはなかなか元居たところには戻れない。スマホで得た知識だが、ここから戻る方法を探すより、こっちで生きていく術を身に着けるほうが先だと考えた。残念ながら元の世界への執着心もさほどない。かといってここに残りたいわけでもないが。
 しかしこれでは話が変わる。そうだ、他には人はいないのか。
「アツキ、大丈夫か?」
「ああ、考え事をしていただけだ。レン、他の人はここにいないのか?」
「いないぞ!アツキに言いたいことがあって無理言って二人にしてもらった。」
初対面の俺に言いたいこと?
「あのな……」
レンは何やら言いづらそうに下を向いてしまった。かと思いきや勢いよく顔をあげ、とんでもないことを言ってきた。

 

  「アツキ、オレと結婚してくれ!」


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