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本編
02:ポンコツ王太子の神々しい姿
しおりを挟むここはアウラヴィータ王国。
私はセルダ公爵の娘、エヴァ・マカレナ・ガブリエラ・オルティス・セルダ。十八歳。
この国の王太子、レオナルド殿下の婚約者で王妃教育のために十歳から親元を離れて離宮で暮らす高貴な公爵令嬢。
今は王太子に犯されそうになって挑発したら、股間の昂りが治まらないって言われて何故か手でご奉仕する高貴な公爵令嬢。
私エヴァちゃん!今王子のチンコをお手てで摩ってるのー♪
……って、キモいテンションなのはこの状況だからだ。
レオナルド殿下がエヴァのせいだなんて言うから、うっかり手でご奉仕すると言ってしまった元二十七歳。
前世の俗に塗れた知識のせいで、今までなら絶対言わなかった提案を口走った事に後悔してももう遅い。
真っ赤な顔して『出来るのか?』と尋ねる彼が可愛いと感じてしまった私だ。
「え、エヴァ?……お前まさか経験があるのか?」
今世では処女だよ!誰のせいで貞淑な十代送ってると思ってんの!
心の中で盛大に突っ込むも、顔には出さない。
「実技はありませんが閨の授業で教えて頂きました」
嘘ですけどね。閨の授業は極めて生物学的な教えでしたわ。
私はレオナルド殿下の漲る暴君をボロンと取り出し、指先で撫で付ける。
さすが王太子、立派な逸物をお持ちで♡
「………っふ!」
彼の艶やかな声が上がり、私も少しだけ体が疼いたが無心になってソレを扱いた。
ゆっくり亀頭から裏筋へ指を這わし、既に先走りで滴る液を血管の浮き出た竿へ塗りつけヌチヌチと上下に擦る。
皮膚が引っかかる感覚があったので、私はベッドの棚から潤滑油を取り出し手に馴染ませた。
「そ、それはなんだ?いや、何故そんな物をお前が持っているんだ」
「侍女がもしもの為に置いてくれていた物です。初めての時は苦痛が伴いますからそれを緩和する為にと。まさかここで使うとは思いませんでしたけど」
そして再度レオナルド殿下の暴君へたっぷりの潤滑油をつけた手で摩ると、彼の嬌声が上がる。
「エヴァ……それ、マズイ!っく。エヴァっ」
普段見ない彼の蕩けた顔に触発され、私も興奮して扱きを荒くした。
息を荒げて快感を我慢する姿が余りにも淫らで美しく、ほんの少しの征服欲が満たされる。
レオナルド殿下は誰もが見惚れる美形だ。
スラリとした高身長に、毎朝欠かさず剣を振る身体は見事に引き締まった無駄のない筋肉で覆われ、亡き王妃譲りの美しいダークブロンドの髪は緩やかなカーブを描いて輪郭を縁取っている。
彼と初めて出会ったのは私がまだ五歳の時。
その時から変わらない青く輝く瞳は宝石の様に美しく、毎回うっとりと見惚れてしまうほどだった。
政略結婚とはいえ、幼い頃の仲は良好だった。
だけど私の王妃教育が始まると礼儀作法も厳しくなり、彼への態度も改めさせられるようになると、二人の距離は次第に離れていった。
それでも私はレオナルド殿下を好ましく思っていたし、彼が腹違いの弟である第二王子派閥からの重圧に耐える姿は胸が締め付けられた。
だから私ができる限り支えていこうと努力を重ねて過ごして来たのだ。
それが仇となったのか、目の前の重責に精一杯でコミュニケーションを取ることを忘れ、終いには不仲説が流れていた矢先に巫女の出現というタイミングだったのだ。
ミリナは王太子であるレオナルドに臆する事なく、さらに神聖な巫女という立場に驕らない天真爛漫な少女だった。高慢で上辺を繕う令嬢とは違う彼女に殿下の心が揺らいだのは必然だったのかもしれない。
素直で愛らしい彼女が助けを求めて縋れば、激高して押し入るのも何となくは理解できる気がする。小指の先くらいの理解度だけども。
だからと言って大人しく犯されて妊娠して、さらに不幸な死を迎えるなんて冗談にも程がある。
何よりも前世より長生きしたい。原作通り同じ道を辿るなんて真っ平だわ!
原作強制力?……ふふふ…上等よ。ぶち壊してやるわよ。
「うっっ!エヴァっ」
あ、思わず力が入っちゃった?
「すみません強かったですか?」
別の事を考えながら扱いてたから、力加減を間違えたかな。
「い、いや、逆に……いい」
あ、強いのがお好き?
徐に私を抱きしめたレオナルド殿下は、首元へ顔を埋める。
「はぁぁ……イキそうだ……エヴァ」
切なそうに私の名を呼び首筋に唇を押し付け悶える姿は、淫猥さを通り越してもはや神々しい。
普段の清廉潔白な彼とは想像もつかないほど艶やかで悩ましい姿に肉欲が湧いてくる。端的に言えばムラムラする♡
そろそろ限界が来た彼は私の手を覆い、その動きを早めて絶頂へと導く。
反対の手は私をぎゅうぎゅうと抱き締め、彼の熱い吐息が首元を擽った。
そして、彼の欲望は私の手の中へと吐き出された。
「ん………んぅ。ふぅぅ………」
びゅくびゅくと溢れる白濁は手の中で収まらず滾れ落ちてしまった。
…ちょ、もしかして凄い溜まってたのかな?
彼は満足した様でぐったりと私に抱きつき、大きく息を吐いた。
「エヴァ……」
少し掠れた声で私の名前を囁き、首筋にちゅ、と小さくキスを落とした。
……あの。
早く貴方のアレを洗い流したいのですが?
とは言えず、暫く彼の抱擁に付き合った。
◆
「それで。私の嫌疑は晴れまして?」
落ち着いた所で私は自分の白魚の様なお手てをそれはもう念入りに洗い流し、濡れたタオルを彼に渡して整えるのを待って尋ねた。
「あぁ…すまなかった。婚約者とは言え恐ろしい事をお前にしてしまった。本当に、申し訳ない」
項垂れ謝罪をする彼は、懐かしい昔のレオだった。
「私達は暫く会話らしいことをしていなかったため、周囲に振り回されてしまったようですわね」
「お前の言う通りだ。こんなにも俺の力になってくれていたというのに、それを忘れて疑うとは……自分が情けない」
彼との関係が拗れた原因は私にもあるから責める気はない。
だがしかし、この先の展開を知ったからには私は覚悟を決めなければならないだろう。
「で、いつ婚約解消致します?」
「え?」
彼は暫く呆然とした後、掠れた声で何故だと聞いて来た。
いやいやいや!
当たり前でしょう!これだけミリナにウカレポンチになっていてまだ私と結婚する気で居たのが逆に不思議だわ!
何そのキョトンて!可愛いかよ。
無垢な青い目でこっち見んな!あぁやっぱり可愛い♡じゃない。
「私との婚約条件、覚えてらっしゃいますか?」
そう問うと彼は思い出した様に小さく声を上げた。
『エヴァを娶るなら本人の意思を尊重する』
実家の公爵家が出した条件だ。
少しでもエヴァが嫌がるなら他を当たってくれと強気な我が公爵家だった。
しかもこれなら私の死亡ルート消滅じゃね?
私が退けば殿下は愛する巫女と好きなだけイチャイチャ出来るし、ミリナも原作通りじゃないけど王妃になってみんなハッピーエンドよ。
はい、これで物語はおしまい♪
「解消は、待ってくれ」
………な ん で ? !
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
お立ち寄り頂き誠にありがとうございます(*^^*)
続きは本日0時に投稿致しますので、宜しければまたお越し頂ければと思います(◡ ω ◡)
応援ありがとうございます!
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