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第四章 交易発展編
153、農家との話し合い
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俺が皆の感想に感動していると、父上に頭をポンポンと叩かれた。父上を見上げると優しい笑みを俺に向けてくれている。
「フィリップ、良かったな」
「はい、父上。これから皆に協力してもらって、コメを広げていきます」
そうしてこの場に集まってくれた全員の試食が終わり、体が悪くてこの場に来れないという家族がいる人にはコメをお土産で持たせて、お披露目は終わった。
「じゃあこれからは農家の皆に話があるから、それ以外の人は解散してくれて構わないよ。集まってくれて本当にありがとう」
「フィリップ様、楽しいひと時をありがとな!」
「あんた、しっかり話を聞いてくるんだよ!」
俺の声かけにそんな声がたくさん返されて、とても賑やかに皆は各家に帰っていった。そうして少し静かになった広場で、今度は農家の皆に話をする。
「これからのコメの生産についてなんだけど、俺としては領地の半数の農家には今までの野菜の生産はやめて、コメの生産をしてもらいたいと思ってるんだ。これは父上も賛同してくださっている。でも最終的には皆の意見も聞いて決めたいから、遠慮なく意見を言ってほしい」
俺がそう言って皆の顔を見回すと、若い男性が口を開いた。
「そんなに野菜の生産を止めたら、俺らが食べる分が足りなくなるんじゃないか?」
「うん。だからその分は他の領地から買ってくるんだ。とりあえずは王都から」
「わざわざ買うのか……?」
「そうだよ。その代わりにうちで作ったたくさんのコメは、王都や他の領地に売るんだ。それによって皆が食べられる食事の量は増えると思う」
俺のその説明を聞いても皆はその仕組みを理解できないようで、何で作る量を減らしたのに食べられる量は増えるんだと不思議顔だ。
もっとちゃんと説明しないとダメだな……父上のおかげでこの領地でもお金が使われてるから、ちゃんと話せば理解してもらえるはずだ。
「皆に作物を作ってもらうのに、十個の作物を並行して作るのと一つに特化して作ってもらうのだったら、一つの方が皆の労力は少ないよね?」
「それは当たり前だな」
「だから皆が作れる量も増えるでしょ?」
「まあ、そうだな」
ここまでは皆の仕事に関することなので、問題なく理解してもらえたみたいだ。
「ということは、コメに特化して栽培してもらえば今までの生産量よりも増やすことができて、皆が今までと同じように食べたとしても余分が残るよね? それを他の領地に売るんだ。そうすると皆のところにはお金が残る。そこでそのお金を使って他の街から野菜を買えば……皆は今まで以上の量の食材を手に入れることができる。食材が足りてるならお金を貯めておいても良いし、家具や仕事道具、服とかいろんなものを買えるようになるよ」
そこで言葉を切って皆が理解しているのを待っていると、何人かが納得顔で頷いてくれた。理解してくれる人がいれば、あとは皆で教え合ってくれるだろう。
「確かにそうなるな……そんなに上手くいくのか?」
「それは皆がどれほどの量のコメを栽培できるのかにかかってるかな。だからコメに労力を注ぎ込んで、できる限りたくさんのコメを作って欲しい」
俺のその言葉に皆はやる気を刺激されたのか、「やってやるか!」とコメ栽培に意欲を見せてくれる。
「皆、ありがとう。じゃあ誰がコメの栽培をするのか決めて欲しいんだけど、話し合ってもらっても良いかな? さすがに全員ってわけにはいかないから、半分ぐらいが理想かな」
「分かったぜ。じゃあまずはコメを育ててみたいやつ、手を挙げてくれ」
中年の男性が発したその言葉に、集まっていた農家の八割ほどが手を挙げる。おおっ……マジか。育ててくれる人が集まらないことは予想してたけど、集まりすぎるのは予想してなかった。
「さすがに多すぎるな。おい、爺さんの畑は小さいから野菜の方が良いんじゃねぇか?」
「そうか? 新しいものを育ててみたかったんじゃが」
「あっ、そうだ。コメ以外にもいくつか新しい作物と果物があるから、コメを育てない人にはそれの栽培をお願いすることになると思う」
俺のその言葉を聞いて、それならと何人かが手を下ろした。やっぱり新しい作物を育ててみたいんだね。
それからも皆の話し合いはスムーズに進んでいき、特別揉めるようなこともなく誰がコメを作ってくれるのか決まった。やっぱり王都みたいに大きな街じゃなくてこのぐらいの規模の街だと、農家同士はお互いのことをそこそこ知っていてスムーズみたいだ。
あとは進行をしてくれてたあの男性が有能だったな……あの人にはチェックをしておこう。代表者を決めるような必要が出てきたら、あの人を選びたい。
「誰が作るか決まったぞ」
「ありがとう。じゃあ名前を教えてくれるかな。後日になるけど苗やタネを渡しに行くよ。それまでは畑を整えておいて欲しい」
「コメは他の作物と違う何か必要なことがあるか? 例えば土の柔らかさとか水のやり方とか」
「土の柔らかさはまだ色々と試してないんだけど、そこまで柔らかすぎない方が良いかも。あと水はたくさん必要だよ。他の作物の倍ぐらいはあげてほしい」
俺のその説明を聞いて、コメを育てる皆だけでなく農家の皆が真剣な表情になった。この様子ならコメ栽培は上手くいきそうかな。
「それならお前のとこはちょっと土を増やしたほうが良いんじゃねぇか?」
「確かにな……柔らかくしすぎてるかもしれん」
「あとお前んとこは水捌けをよくしてただろ?」
「そうなんだよな。ちょっと……変えたほうがいいな」
皆はそれぞれの畑の状態を知っているようで、そんなアドバイスを掛け合っている。
「どういう育て方が良いのかは、皆に試行錯誤しながら模索して欲しいと思ってる。よろしくね」
「ああ、任せてくれ」
そうして最後には農家の皆が頼もしく頷いてくれたところで、話し合いは終わりとなった。
「フィリップ、良かったな」
「はい、父上。これから皆に協力してもらって、コメを広げていきます」
そうしてこの場に集まってくれた全員の試食が終わり、体が悪くてこの場に来れないという家族がいる人にはコメをお土産で持たせて、お披露目は終わった。
「じゃあこれからは農家の皆に話があるから、それ以外の人は解散してくれて構わないよ。集まってくれて本当にありがとう」
「フィリップ様、楽しいひと時をありがとな!」
「あんた、しっかり話を聞いてくるんだよ!」
俺の声かけにそんな声がたくさん返されて、とても賑やかに皆は各家に帰っていった。そうして少し静かになった広場で、今度は農家の皆に話をする。
「これからのコメの生産についてなんだけど、俺としては領地の半数の農家には今までの野菜の生産はやめて、コメの生産をしてもらいたいと思ってるんだ。これは父上も賛同してくださっている。でも最終的には皆の意見も聞いて決めたいから、遠慮なく意見を言ってほしい」
俺がそう言って皆の顔を見回すと、若い男性が口を開いた。
「そんなに野菜の生産を止めたら、俺らが食べる分が足りなくなるんじゃないか?」
「うん。だからその分は他の領地から買ってくるんだ。とりあえずは王都から」
「わざわざ買うのか……?」
「そうだよ。その代わりにうちで作ったたくさんのコメは、王都や他の領地に売るんだ。それによって皆が食べられる食事の量は増えると思う」
俺のその説明を聞いても皆はその仕組みを理解できないようで、何で作る量を減らしたのに食べられる量は増えるんだと不思議顔だ。
もっとちゃんと説明しないとダメだな……父上のおかげでこの領地でもお金が使われてるから、ちゃんと話せば理解してもらえるはずだ。
「皆に作物を作ってもらうのに、十個の作物を並行して作るのと一つに特化して作ってもらうのだったら、一つの方が皆の労力は少ないよね?」
「それは当たり前だな」
「だから皆が作れる量も増えるでしょ?」
「まあ、そうだな」
ここまでは皆の仕事に関することなので、問題なく理解してもらえたみたいだ。
「ということは、コメに特化して栽培してもらえば今までの生産量よりも増やすことができて、皆が今までと同じように食べたとしても余分が残るよね? それを他の領地に売るんだ。そうすると皆のところにはお金が残る。そこでそのお金を使って他の街から野菜を買えば……皆は今まで以上の量の食材を手に入れることができる。食材が足りてるならお金を貯めておいても良いし、家具や仕事道具、服とかいろんなものを買えるようになるよ」
そこで言葉を切って皆が理解しているのを待っていると、何人かが納得顔で頷いてくれた。理解してくれる人がいれば、あとは皆で教え合ってくれるだろう。
「確かにそうなるな……そんなに上手くいくのか?」
「それは皆がどれほどの量のコメを栽培できるのかにかかってるかな。だからコメに労力を注ぎ込んで、できる限りたくさんのコメを作って欲しい」
俺のその言葉に皆はやる気を刺激されたのか、「やってやるか!」とコメ栽培に意欲を見せてくれる。
「皆、ありがとう。じゃあ誰がコメの栽培をするのか決めて欲しいんだけど、話し合ってもらっても良いかな? さすがに全員ってわけにはいかないから、半分ぐらいが理想かな」
「分かったぜ。じゃあまずはコメを育ててみたいやつ、手を挙げてくれ」
中年の男性が発したその言葉に、集まっていた農家の八割ほどが手を挙げる。おおっ……マジか。育ててくれる人が集まらないことは予想してたけど、集まりすぎるのは予想してなかった。
「さすがに多すぎるな。おい、爺さんの畑は小さいから野菜の方が良いんじゃねぇか?」
「そうか? 新しいものを育ててみたかったんじゃが」
「あっ、そうだ。コメ以外にもいくつか新しい作物と果物があるから、コメを育てない人にはそれの栽培をお願いすることになると思う」
俺のその言葉を聞いて、それならと何人かが手を下ろした。やっぱり新しい作物を育ててみたいんだね。
それからも皆の話し合いはスムーズに進んでいき、特別揉めるようなこともなく誰がコメを作ってくれるのか決まった。やっぱり王都みたいに大きな街じゃなくてこのぐらいの規模の街だと、農家同士はお互いのことをそこそこ知っていてスムーズみたいだ。
あとは進行をしてくれてたあの男性が有能だったな……あの人にはチェックをしておこう。代表者を決めるような必要が出てきたら、あの人を選びたい。
「誰が作るか決まったぞ」
「ありがとう。じゃあ名前を教えてくれるかな。後日になるけど苗やタネを渡しに行くよ。それまでは畑を整えておいて欲しい」
「コメは他の作物と違う何か必要なことがあるか? 例えば土の柔らかさとか水のやり方とか」
「土の柔らかさはまだ色々と試してないんだけど、そこまで柔らかすぎない方が良いかも。あと水はたくさん必要だよ。他の作物の倍ぐらいはあげてほしい」
俺のその説明を聞いて、コメを育てる皆だけでなく農家の皆が真剣な表情になった。この様子ならコメ栽培は上手くいきそうかな。
「それならお前のとこはちょっと土を増やしたほうが良いんじゃねぇか?」
「確かにな……柔らかくしすぎてるかもしれん」
「あとお前んとこは水捌けをよくしてただろ?」
「そうなんだよな。ちょっと……変えたほうがいいな」
皆はそれぞれの畑の状態を知っているようで、そんなアドバイスを掛け合っている。
「どういう育て方が良いのかは、皆に試行錯誤しながら模索して欲しいと思ってる。よろしくね」
「ああ、任せてくれ」
そうして最後には農家の皆が頼もしく頷いてくれたところで、話し合いは終わりとなった。
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