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第四章 交易発展編
160、シチュー作成
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カルフォン伯爵領に来て数日が経過した。この数日はひたすらホワイトカウのために飼育場を整備する算段を整え、さらにはミルクの交易時に使う容器についてや、ミルクを採取する器具についてなど、どの工房が作成を担当するのか決めるところまで急ピッチで進めた。
ここまで進めばあとは伯爵がどうにかしてくれるだろう。そう区切りがついた俺は、予定よりも早く数日後には公爵領に帰る予定にして、今日はその前にミルクを使った料理を作ってみるつもりだ。
「フィリップ様、ご教授よろしくお願いいたします」
俺は今、伯爵家の屋敷の厨房にいる。厨房の中にいるのは料理長と数人の料理人、それから俺とティナだ。
「こちらこそよろしくね。じゃあさっそくだけど、今日作るのはシチューっていう料理だよ。必要なものはジャモ、オニン、カボが一般的だけど、別に他の野菜でも問題ないかな。野菜以外には肉とムギ粉、それからミルク、後は味付けとして塩といくつかの香辛料だね。必要なものは昨日も伝えたけど、準備できた?」
俺のその問いかけにすぐ頷いた料理長は、「こちらに」と言って全ての食材が載ったワゴンを持ってきてくれた。その上に載っているのはとても新鮮で美味しそうなものばかりで、これなら良いシチューができそうだ。
「凄いね、材料は完璧だよ。じゃあ後は俺の指示通りに調理してみてほしい。まずは野菜と肉を全て、食べやすい一口大に切ってくれるかな」
「かしこまりました」
良い笑顔で頷いた料理長は、料理人と手分けして食材を切り分けていく。やっぱり本職の人たちは手際良いよなぁ。
「フィリップ様、シチューというのはスープみたいなものでしょうか?」
「うーん、それとはちょっと違うかな。ムギ粉を入れるからもう少し重い質感になるんだ。それを炊いたコメにかけて食べるよ」
ちなみにコメに関してはもちろん昨日のうちに必要だと伝えてあり、食堂の端で一人の料理人が炊く準備を進めてくれているところだ。
「コメにかけて……上手くイメージができません。ただ出来上がりがとても楽しみです」
「うん。食べてみたらハマると思うよ。もう少し待ってて」
俺のその言葉にティナは優しい笑みを浮かべてくれて、俺はその笑顔にめちゃくちゃ癒された。そうして二人の世界を作って話をしていると……料理長に声を掛けられる。
「フィリップ様、次の工程を教えていただきたいです」
「もちろん。次は今準備した食材を、全部一緒に鍋で炒めるんだ。油を敷いて焦げないようにして、味付けは塩と香辛料ね」
「どの程度炒めれば良いのでしょうか?」
「全てに火が通る程度かな。でもこれから煮込むから、そこまで完璧じゃなくても良いよ」
それから数分待っていると料理長が食材を炒め終えたので、俺は一度火から鍋を下ろしてもらった。そしてその鍋にムギ粉を振りかけて混ぜてもらい、ミルクと水も入れてさらにかき混ぜてもらう。
「そのぐらいで良いかな。ここまで出来たらもう一度火にかけて」
「かしこまりました」
「後は中身がトロッとするまで混ぜながら強火で火にかけて、トロッとしてきたら弱火にしてもう少し煮込んで、最後に塩と香辛料で味を整えたら完成だよ」
「工程は多いですが、難しくはないですね」
料理長はそう言いながら、楽しそうにシチューの鍋を覗き込んでいる。ここの料理長も料理が大好きなんだなっていうのが伝わってきて、見ていてとても安心する。
それから数分でシチューは完成し、コメもちょうど炊けて調理は終了だ。
「美味しそうだね」
「とても良い香りがします。……味見をしますか?」
隠しきれない期待の眼差しで、しかし遠慮する様子も見せながらそう言ったティナに、俺は完全にやられてしまった。
「味見をしようか」
冷静を装ってそう告げたけど、料理人達の生暖かい表情を見るに頬が緩んでるみたいだ。
「フィリップ様、ありがとうございます!」
それから俺達は一口分ほどのコメにシチューをかけ、厨房にいる全員で味見をすることにした。熱々のシチューを口に運ぶと……口に入れた瞬間に、濃厚な旨味が口の中に広がった。
「うわぁ、めちゃくちゃ美味しい」
「本当ですね。これは凄いです」
「……驚きました」
このシチューがあればコメがいくらでも食べられそうだ。マジで美味しい、俺がハインツの時に食べていたシチューと全く遜色がない。
やっぱりこの味は濃厚なミルクがあってこそだよな……あの捕まえたホワイトカウのミルク、まだ飼育環境を整えてないのにここまで質が高いのは驚きだ。
「こうして料理に使えると分かれば、色々とミルクを使った料理を試してみたくなりました」
「おお、良いね。色々作って食文化を発展させてほしい」
「かしこまりました! お任せください」
そうしてシチュー作成と味見を済ませた俺達は、昼食をとるために屋敷の食堂に向かった。今日の昼食は……もちろんシチューだ。
「お養父様とお養母様が喜んでくださると良いのですが」
「大丈夫だよ。あんなに美味しくできたんだから」
食堂に入るとすでに二人は席に着いていて、俺とティナもいつもの定位置に腰掛けた。
「今日はフィリップ様がミルクを使った料理を作られると聞いていましたので、いつもより早くにここへ来てしまいました」
「とても楽しみですわ」
「先ほど味見をしましたが、とても美味しくできていますので安心してお召し上がりください」
それからすぐにシチューが給仕され、カルフォン伯爵夫妻はシチューを見て興味深そうに瞳を輝かせた。全員で食前の祈りを捧げてシチューを口に入れると……二人とも瞳を見開いてから頬を緩める。
「これは、とても美味しいです」
「素晴らしいお味ですね……」
気に入ってもらえて良かった。この様子なら、シチューはこの国で幅広く受け入れられそうかな。
「ミルクと共にシチューも広めようと思うんだ。伯爵もシチューをミルクの宣伝に使ってね」
「フィリップ様、本当にありがとうございます」
「ありがとうございます」
俺の言葉に二人が深く頭を下げてくれて、それからはシチューを堪能し美味しい昼食は終わりとなった。
ここまで進めばあとは伯爵がどうにかしてくれるだろう。そう区切りがついた俺は、予定よりも早く数日後には公爵領に帰る予定にして、今日はその前にミルクを使った料理を作ってみるつもりだ。
「フィリップ様、ご教授よろしくお願いいたします」
俺は今、伯爵家の屋敷の厨房にいる。厨房の中にいるのは料理長と数人の料理人、それから俺とティナだ。
「こちらこそよろしくね。じゃあさっそくだけど、今日作るのはシチューっていう料理だよ。必要なものはジャモ、オニン、カボが一般的だけど、別に他の野菜でも問題ないかな。野菜以外には肉とムギ粉、それからミルク、後は味付けとして塩といくつかの香辛料だね。必要なものは昨日も伝えたけど、準備できた?」
俺のその問いかけにすぐ頷いた料理長は、「こちらに」と言って全ての食材が載ったワゴンを持ってきてくれた。その上に載っているのはとても新鮮で美味しそうなものばかりで、これなら良いシチューができそうだ。
「凄いね、材料は完璧だよ。じゃあ後は俺の指示通りに調理してみてほしい。まずは野菜と肉を全て、食べやすい一口大に切ってくれるかな」
「かしこまりました」
良い笑顔で頷いた料理長は、料理人と手分けして食材を切り分けていく。やっぱり本職の人たちは手際良いよなぁ。
「フィリップ様、シチューというのはスープみたいなものでしょうか?」
「うーん、それとはちょっと違うかな。ムギ粉を入れるからもう少し重い質感になるんだ。それを炊いたコメにかけて食べるよ」
ちなみにコメに関してはもちろん昨日のうちに必要だと伝えてあり、食堂の端で一人の料理人が炊く準備を進めてくれているところだ。
「コメにかけて……上手くイメージができません。ただ出来上がりがとても楽しみです」
「うん。食べてみたらハマると思うよ。もう少し待ってて」
俺のその言葉にティナは優しい笑みを浮かべてくれて、俺はその笑顔にめちゃくちゃ癒された。そうして二人の世界を作って話をしていると……料理長に声を掛けられる。
「フィリップ様、次の工程を教えていただきたいです」
「もちろん。次は今準備した食材を、全部一緒に鍋で炒めるんだ。油を敷いて焦げないようにして、味付けは塩と香辛料ね」
「どの程度炒めれば良いのでしょうか?」
「全てに火が通る程度かな。でもこれから煮込むから、そこまで完璧じゃなくても良いよ」
それから数分待っていると料理長が食材を炒め終えたので、俺は一度火から鍋を下ろしてもらった。そしてその鍋にムギ粉を振りかけて混ぜてもらい、ミルクと水も入れてさらにかき混ぜてもらう。
「そのぐらいで良いかな。ここまで出来たらもう一度火にかけて」
「かしこまりました」
「後は中身がトロッとするまで混ぜながら強火で火にかけて、トロッとしてきたら弱火にしてもう少し煮込んで、最後に塩と香辛料で味を整えたら完成だよ」
「工程は多いですが、難しくはないですね」
料理長はそう言いながら、楽しそうにシチューの鍋を覗き込んでいる。ここの料理長も料理が大好きなんだなっていうのが伝わってきて、見ていてとても安心する。
それから数分でシチューは完成し、コメもちょうど炊けて調理は終了だ。
「美味しそうだね」
「とても良い香りがします。……味見をしますか?」
隠しきれない期待の眼差しで、しかし遠慮する様子も見せながらそう言ったティナに、俺は完全にやられてしまった。
「味見をしようか」
冷静を装ってそう告げたけど、料理人達の生暖かい表情を見るに頬が緩んでるみたいだ。
「フィリップ様、ありがとうございます!」
それから俺達は一口分ほどのコメにシチューをかけ、厨房にいる全員で味見をすることにした。熱々のシチューを口に運ぶと……口に入れた瞬間に、濃厚な旨味が口の中に広がった。
「うわぁ、めちゃくちゃ美味しい」
「本当ですね。これは凄いです」
「……驚きました」
このシチューがあればコメがいくらでも食べられそうだ。マジで美味しい、俺がハインツの時に食べていたシチューと全く遜色がない。
やっぱりこの味は濃厚なミルクがあってこそだよな……あの捕まえたホワイトカウのミルク、まだ飼育環境を整えてないのにここまで質が高いのは驚きだ。
「こうして料理に使えると分かれば、色々とミルクを使った料理を試してみたくなりました」
「おお、良いね。色々作って食文化を発展させてほしい」
「かしこまりました! お任せください」
そうしてシチュー作成と味見を済ませた俺達は、昼食をとるために屋敷の食堂に向かった。今日の昼食は……もちろんシチューだ。
「お養父様とお養母様が喜んでくださると良いのですが」
「大丈夫だよ。あんなに美味しくできたんだから」
食堂に入るとすでに二人は席に着いていて、俺とティナもいつもの定位置に腰掛けた。
「今日はフィリップ様がミルクを使った料理を作られると聞いていましたので、いつもより早くにここへ来てしまいました」
「とても楽しみですわ」
「先ほど味見をしましたが、とても美味しくできていますので安心してお召し上がりください」
それからすぐにシチューが給仕され、カルフォン伯爵夫妻はシチューを見て興味深そうに瞳を輝かせた。全員で食前の祈りを捧げてシチューを口に入れると……二人とも瞳を見開いてから頬を緩める。
「これは、とても美味しいです」
「素晴らしいお味ですね……」
気に入ってもらえて良かった。この様子なら、シチューはこの国で幅広く受け入れられそうかな。
「ミルクと共にシチューも広めようと思うんだ。伯爵もシチューをミルクの宣伝に使ってね」
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